ふんわり軽い口当たりが特徴の「ビスキュイ」。実はクッキーのような焼き菓子を指すこともあれば、スポンジ生地の名前として使われることもある、少しややこしい言葉なんです。この記事ではビスキュイの意味や別名、ジェノワーズとの違い、基本の作り方について解説します。記事後半のスキュイ生地で楽しむおすすめレシピも必見ですよ。
ビスキュイとは?意味や別名、ジェノワーズとの違いについて解説
- 目次
- ビスキュイとは
- ビスキュイを使ったお菓子にはどんなものがある?
- 基本!ビスキュイの作り方
- ビスキュイとジェノワーズの違いとは
- さっくり軽やか!ビスキュイ生地を使ったおすすめレシピ
- ビスキュイをおうちで作ってみよう!
ビスキュイとは
ビスキュイ(biscuit)とは、卵黄と卵白を別々に泡立てて作る、ふんわり軽いスポンジ生地、またはその生地を使ったお菓子のこと。
このような作り方は「別立て」と呼ばれ、卵白をしっかり泡立てて空気を含ませることで、ふんわり軽い食感に仕上がるのが特徴です。
ビスキュイにはいくつかの種類があり、たとえば棒状に焼いた「ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール(フィンガービスケット)」は、ティラミスやシャルロットケーキに使われることで知られています。
また、「ビスキュイ・ジョコンド」と呼ばれるタイプにはアーモンドパウダーが加えられ、ムースケーキの土台などに用いられているんですよ。
正式にはフランス語で「パータ・ビスキュイ(pâte à biscuit)」と呼ばれ、「pâte」は「生地」、「biscuit」は「二度焼き」を意味します。
💡ワンポイント豆知識
「ビスキュイ(biscuit)」は、ラテン語の「bis(2回)」と「coctus(焼いた)」が語源です。古代ヨーロッパでは、軍隊や航海に持参する保存食として、パンを一度焼いたあとにもう一度焼いて水分を飛ばしていたのだとか。これが「二度焼き=biscuit」と呼ばれ、やがてクッキーやスポンジ生地へと発展したという説があります。
ビスキュイを使ったお菓子にはどんなものがある?
ビスキュイは、ふんわり軽い食感を活かして、さまざまなスイーツに使われています。
ここでは、代表的な3つのお菓子をご紹介します。
シャルロット
「シャルロット」は、ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール(フィンガービスケット)でケーキの側面を囲み、中にムースやババロアを詰めた冷製スイーツ。
見た目の華やかさと、サクふわのビスキュイとなめらかなクリームのコントラストが魅力です。仕上げにフルーツやリボンを添えると、さらに可愛らしい印象に仕上がりますよ。
ティラミス
イタリアの定番ドルチェ「ティラミス」に使われているビスキュイは、フランスのビスキュイ・ア・ラ・キュイエールと同じタイプの生地です。
このビスキュイにコーヒーリキュールをたっぷり染み込ませ、マスカルポーネクリームを重ねて仕上げます。しっとり、とろけるような口あたりがたまらない、大人にも人気のスイーツです。
ブッセ
「ブッセ」は、ビスキュイ生地を小さな円形に焼いて、クリームやジャムをサンドしたお菓子。外はさっくり、中はふんわり。手のひらサイズで食べやすく、ふだんのおやつにもぴったりです。
スポンジのようなビスキュイの食感をよりシンプルに味わいたい方におすすめ。フルーツやチョコなど、アレンジも豊富に楽しめます。
基本!ビスキュイの作り方
ビスキュイの特徴を確認したところで、ここでは基本の作り方をご紹介します。
一見難しそうですが、卵の泡立て方さえマスターすれば、おうちでも手軽に作ることができますよ。お菓子作り初心者の方も気軽に挑戦してみてくださいね。
材料
- 卵黄
- 卵白
- 砂糖
- 小麦粉
など。
作り方
①ボウルに卵黄を入れ、泡立て器などで混ぜ合わせます。なめらかになるまで混ぜたら砂糖を加え、白っぽくなるまで再びよく混ぜ合わせましょう。
②卵白を、卵黄とは別のボウルに入れ、ハンドミキサーなどで混ぜ合わせます。泡が出てきたら少しずつ砂糖を加え、その都度よく混ぜ合わせましょう。
③ツノが立つまで泡立てたら、最初に砂糖と混ぜておいた卵黄を加えてゴムベラでふんわり混ぜ合わせます。 ふるいにかけながら小麦粉を加え、粉っぽさがなくなるまで再びさっくりやさしく混ぜ合わせましょう。
④作った生地を絞り袋で天板に絞り出し、オーブンで焼き上げたら完成です。
【ポイント】
泡立てた卵白を卵黄や薄力粉と合わせる際、卵白の気泡はつぶさないようさっくりと混ぜ合わせることで、ふわっと軽い食感に仕上がります。また、焼く前に粉糖をふりかけておくと、表面がほんのりシャリっとして食感がアップしますよ。
ビスキュイとジェノワーズの違いとは
スポンジ生地とひと口にいっても、実は作り方によっていくつかの種類があります。なかでもよく使われるのが「ビスキュイ」と「ジェノワーズ」という2タイプの生地。
どちらもスポンジ生地の一種ですが、作り方や仕上がりの食感には大きな違いがあります。レシピによって使い分けられることも多いので、特徴を押さえておくと便利ですよ。
以下で、それぞれの特徴や違いをご紹介します。
| ビスキュイ | ジェノワーズ | |
|---|---|---|
| 作り方 | 別立て |
共立て |
| 油脂の有無 | 基本的になし |
バターなどの油脂を加える |
| 食感 | 空気を含んだふんわり、軽やかな口当たり |
しっとり、きめ細かで密度のある食感 |
| 代表的な用途 | ティラミス、シャルロット、ブッセなど |
ショートケーキ、ロールケーキなどのデコレーション用 |
ビスキュイは卵白をしっかり泡立てて作るため、焼き上がりがとても軽く、空気をたっぷり含んだ生地に仕上がります。水分をよく吸う性質があり、コーヒーやリキュール、シロップなどを染み込ませることで、よりしっとりとした食感に変化させられるのが特徴です。
そのため、ティラミスやシャルロットのように、クリームと重ねるタイプのお菓子にぴったりの生地です。
一方でジェノワーズは、卵を全卵のまま泡立てる共立てで作られ、さらにバターなどの油脂を加えることで、きめ細かく、しっとりとした口当たりになります。油脂が加わっているぶん崩れにくく、ケーキの土台として安定感があるため、ショートケーキやロールケーキなどのデコレーションケーキに向いています。
それぞれの生地には得意な役割があるので、作りたいお菓子の種類によって選び分けるのがポイントですよ。
さっくり軽やか!ビスキュイ生地を使ったおすすめレシピ
ビスキュイの特徴などを確認したところで、ここからはビスキュイを使ったおすすめレシピをご紹介します。ティラミスやシャルロットケーキなど幅広いレシピをピックアップしました。ぜひレパートリーに取り入れてみてくださいね。
ふんわり軽いフィンガービスケット
材料は薄力粉と卵、砂糖だけ!身近な材料で手軽に作れる、フィンガービスケットのご紹介です。ポイントは、ピンと角が立つまでしっかり泡立てたメレンゲをビスケット生地にたっぷり加えること!こうすることでサクふわ感がぐっと増し、ほろっと軽い口当たりに仕上がります。そのままいただくのはもちろん、ティラミスなどスイーツの材料に使うなどアレンジもお楽しみくださいね。
マスカルポーネたっぷりティラミス
簡単なのに本格的!市販のビスキュイを使って手軽に作れる、ティラミスのご紹介です。マスカルポーネチーズをたっぷり加えてコク深く仕上げたふわふわのクリームにビスキュイに染み込ませたコーヒーのほろ苦さが絶妙にマッチして、やみつきになりますよ!コーヒーや紅茶のお供に、ぜひ作ってみてくださいね。
いちごムースのシャルロットケーキ
ふんわり軽い口当たりのビスキュイ生地に、甘酸っぱくも濃厚ないちごムースが好相性!仕上げにいちごをトッピングすれば、見た目もかわいらしい一品に仕上がります。覚えておけば、ティータイムのお供はもちろん、クリスマスや誕生日といった特別な日などさまざまなシーンで活躍しますよ!ぜひお試しくださいね。
ビスキュイをおうちで作ってみよう!
今回はビスキュイについて解説しました。難しそうなイメージがありますが、卵と砂糖、薄力粉などすぐに揃えられる材料で、意外と手軽に作れる「ビスキュイ」。覚えておけば、クリスマスや特別な日はもちろん、ティータイムのおやつなど幅広いシーンで活躍しますよ!ぜひ今回ご紹介したレシピを参考に、おうちでビスキュイを作ってみてくださいね。
