【大人な料理雑学】フレンチの基本「オランデーズソース」って何?

【大人な料理雑学】フレンチの基本「オランデーズソース」って何?

エッグベネディクトでおなじみの「オランデーズソース」。卵を使ったフランス料理のなかでも代表的なソースで、温かいのが特徴です。この記事では、オランデーズソースの特徴や作り方のコツ、マヨネーズとの違いなどについて解説します。オランデーズソースに合うレシピもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧くださいね。

  • 目次
  • オランデーズソースとは
  • 主な材料
  • 由来と歴史
  • オランデーズソースの魅力とは
  • ベアルネーズソース、マヨネーズとの違い
  • オランデーズソース作りのコツ
  • オランデーズソースに合う料理
  • オランデーズソースに合う料理をご紹介
  • いつもの料理をオランデーズソースで味わってみよう

オランデーズソースとは

オランデーズソース(Sauce Hollandaise)は、フランス料理における基本の5大ソース(母ソース)の一つ。

日本でも近年モーニングを食べられるお店では「エッグ・ベネディクト」が人気ですが、オランデーズソースはそのエッグ・ベネディクトに欠かせないソースで、ほかにもホワイトアスパラやグリーンアスパラ、魚のグリルなどさまざまな料理に使用されます。

主な材料

オランデーズソースの材料はとてもシンプルで、卵黄、澄ましバター、レモン果汁(またはビネガー)の3つが基本です。

これらの材料を湯煎にかけて温めながら混ぜて乳化させ、とろりとしたソースに仕上げます。最後に塩・カイエンペッパーまたは白コショウで風味づけして完成です。

由来と歴史

「Hollandaise」とは「オランダ風の」という意味で、フランス料理のソースであるにもかかわらずオランダにルーツがあるとされています。由来については諸説ありますが、第一次世界大戦中にフランスではバターが手に入らなくなり、代替品としてオランダから輸入したバターを使ったことから名付けられたという説が有力です。

17世紀から18世紀のフランス料理の文献に類似したソースが登場しますが、当時は卵黄を使わないバターソースでした。現在のような卵黄を使うようになったのは、19世紀に入ってフランス料理が体系化されるようになってからのこと。20世紀には、フランス料理の巨匠であるオーギュスト・エスコフィエが著した『ギッド・キュリネール』により、基本の「母ソース」として位置づけられました。

オランデーズソースの魅力とは

オランデーズソースはコクと酸味のバランスがよく、料理をワンランクアップした味わいに仕上げてくれます。その魅力を詳しく見ていきましょう。

味わいと風味

オランデーズソースは濃厚でクリーミーな味わいが特徴です。

卵黄のまろやかさとコク、バターの芳醇な風味が感じられるリッチなソースですが、レモンの爽やかな酸味がアクセントになり、後味はさっぱりとしています。

見た目と質感

オランデーズソースは淡い黄色をしています。乳化しているので、とろりと滑らかで艶のある質感が特徴です。

泡立て器で攪拌しながら空気を含ませて作るため、舌触りはふんわりとしていますが、時間が経つとふんわりとした食感がなくなってしまうため、作った後はすぐに使う必要があります。

温かい状態で提供するソース

オランデーズソースは温かい状態で提供されるのが基本です。

ソースが温かいことでバターの風味が際立ち、卵黄のまろやかさとレモンの酸味が調和してバランスのよい味わいになります。また、料理の温度を下げにくくベストな状態で提供できるという点でも優れているんですよ。

ベアルネーズソース、マヨネーズとの違い

オランデーズソースと似たソースに「ベアルネーズソース」と「マヨネーズ」がありますが、どんな違いがあるのでしょうか。以下でそれぞれ確認してみましょう。

ベアルネーズソース

ベアルネーズソースは、オランデーズソースから派生したソースです。卵黄と澄ましバターを使って乳化させるという点はオランデーズソースと同じですが、酸味となる材料が異なります。

レモン汁ではなく、白ワインビネガーにエストラゴンやエシャロット、セルフィーユなどの香味野菜やハーブを加えて煮詰めたものを使うため、ハーブの風味が効いたソースに仕上がるのがオランデーズソースとの大きな違いです。ベアルネーズソースは肉料理と相性がよく、一般的にはステーキに添えられます。

マヨネーズ

マヨネーズも卵黄に酢と油分を加えて乳化させますが、バターではなく「植物油」を使用するのがオランデーズソースと異なる点です。

使用する植物油の量もオランデーズソースに比べてとても多いため、もったりとした粘度の高い質感になります。

また、オランデーズソースは温めながら作るのに対し、マヨネーズは常温で作ります。オランデーズソースは温めることでバターの芳醇な風味が出ますが、マヨネーズは常温でも安定した乳化が保てることから、温かい料理にはオランデーズソース、サラダやサンドイッチなどの冷たい料理にはマヨネーズが向いているといえます。

オランデーズソース作りのコツ

オランデーズソースの特徴を知ったところで、作り方のコツを見てみましょう。フランス料理のソースなので難しいイメージがありますが、ポイントを押さえることで家庭でもおいしく作ることができますよ。

卵黄は室温に戻しておく

卵黄はバターと水分を繋ぎ合わせる乳化剤としての役割があります。冷たいままだとバターとなじみにくく分離しやすくなるため、室温に戻しておきましょう。

バターは少しずつ加える

バターは温めて溶かしておきます。卵黄を絶えず攪拌させながら、最初は数滴ずつ、なじんできたら少しずつ増やして加えるのがコツです。一度に入れると乳化が崩れやすいため、はじめは様子を見ながら丁寧に行いましょう。

酸味の加えるタイミング

レモン汁は最後に入れると分離しにくく、乳化が安定します。

湯煎の温度は60〜70℃をキープ 温度管理が最重要

湯煎のお温は熱すぎると卵黄が固まってしまい、低すぎると乳化が進みません。沸騰させず、ふつふつと沸くくらいが目安です。だいたい、お湯に手を入れられないくらいの熱さ、と覚えておくとよいでしょう。温めすぎると卵黄が固まってしまうため、ときどきボウルを鍋から外して温度が上がりすぎないようにするとよいでしょう。

混ぜるときは休まず手を動かす

乳化が進んでとろみがつくまでは、絶えず空気を含ませるように泡立て器で混ぜ続けることがポイントです。途中で止めると分離しやすくなります。乳化がうまくいくと艶が出てもったりとした質感になってきます。

もし分離したら

大さじ1程度の冷たい水を加えて混ぜ直したり、新しい卵黄を別のボウルに用意してそこに分離したソースを少しずつ加えるとリカバリーできる可能性があります。

オランデーズソースに合う料理

コクと酸味のバランスが絶妙なオランデーズソースは、さまざまな料理に使える汎用性の高さが魅力です。

卵料理

最も有名なのがエッグベネディクトとの組み合わせ。

まろやかな半熟のポーチドエッグにコクと酸味のあるソースがよく合い、温かくとろみのある質感がパンと具材に一体感を与えてくれます。卵料理との相性がよいので、シンプルなオムレツにかけるのもおすすめです。

野菜料理

茹でたアスパラガスにオランデーズソースをかける一品も定番料理として有名です。

アスパラガスだけではなく、ブロッコリーやにんじんなどの温野菜にかけるだけでもとてもおいしいですよ。

魚料理

蒸す、もしくはソテーしたサーモンやタラ、ヒラメなど、淡白な味わいの白身魚にかけるのも定番の使い方です。

バターの風味とレモンの爽やかな酸味が白身魚が持つ本来のおいしさをより引き立たせてくれますよ。

オランデーズソースに合う料理をご紹介

ここからはオランデーズソースに合うレシピをご紹介します。エッグベネディクトや茹でたアスパラガスに添える一品、鮭のムニエルなど、バリエーション豊富にピックアップしました。どれも簡単に作れておいしいので、ぜひ気になるレシピをお試しくださいね。

アリオリソースでエッグベネディクト風

まずはオランデーズソースを使う料理の王道、エッグベネディクトのレシピをご紹介します。このレシピではニンニクを使ったアリオリソースで作っていますが、とろりと半熟のポーチドエッグと塩気のあるスモークサーモンには、コクと酸味のバランスがよいオランデーズソースを使うのもおすすめです。なめらかなソースをかけることで全体に一体感が生まれ、一口ごとにとろけるような口当たりを楽しめ、バターのコクと風味が広がります。

アスパラの温泉卵添え

アスパラガスとオランデーズソースも定番の組み合わせです。こちらはオリーブオイルと塩でいただくシンプルなレシピですが、オランデーズソースに置き換えるとワンランクアップした味わいに仕上がりますよ。甘みのあるアスパラガスに、濃厚ながらさっぱりとした後味のソースがよく合います。

ブロッコリーとにんじんのアンチョビ温野菜サラダ

オランデーズソースは温野菜にかけるのもおすすめ!バターの芳醇な風味とレモンの爽やかな風味が、野菜の甘みを引き立てます。温かい野菜の蒸気でソースがより一層香り立つので、いつものサラダがひと味違ったおいしさに仕上がりますよ。野菜は電子レンジで加熱する手軽なレシピなので、ぜひ作ってみてくださいね。

香りもごちそう 鮭のガリバタ醤油ムニエル

鮭のムニエルをオランデーズソースをかけて食べてみませんか?こちらのレシピはガリバタ醤油で味つけしましたが、鮭をバターで焼いた後に取り出し、オランデーズソースをかけてもおいしくいただけますよ。レモンの爽やかな酸味も鮭のおいしさを引き立たせてくれます。

鯛のソテーレモンバターソース

こちらは鯛のソテーのレシピです。淡白ながら旨味のある鯛に、コクのあるまろやかなオランデーズソースがよく合います。ソースの淡い黄色が鯛に映えて見た目も華やかに仕上がるので、おもてなしの一品としてもおすすめですよ。

いつもの料理をオランデーズソースで味わってみよう

今回はフランス料理の代表的なソースのひとつ、オランデーズソースについて解説しました。卵のコクとバターの芳醇な風味、レモンの爽やかな酸味が絶妙なバランスで、温野菜サラダや魚のソテーなど、いつもの料理に添えるとワンランクアップしたおいしさに仕上がります。コツを押さえればご家庭でも作れるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

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