「わけぎ」とはどんな野菜か知っていますか?小ねぎやあさつきともよく似ているので、同じものだと思っている方もいるのではないでしょうか。この記事では、わけぎの特徴や旬の時期、小ねぎやあさつきとの違いについて解説します。記事の後半では、わけぎを使ったおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
玉ねぎとの雑種!?「わけぎ」とは?特徴や旬、小ねぎとの違いも解説!
- 目次
- わけぎとは
- わけぎの旬はいつ?
- 「わけぎ」と「小ねぎ」「あさつき」の違い
- わけぎのおすすめの使い方
- わけぎを使ったレシピをご紹介
- わけぎを使ったおかずを作ってみよう!
わけぎとは
「わけぎ」はヒガンバナ科ネギ属に分類される多年草の野菜で、玉ねぎの仲間である「エシャロット」とねぎの雑種です。
ねぎの一種であり、茎の根元から新しい茎が分かれて増えていくことから、漢字では「分葱」と書きます。
わけぎは、ねぎに比べてツンとした香りや辛味が控えめで、ほのかに甘みがあります。また、やわらかく粘りのある食感も特徴です。葉は30~40cmほどの高さまで伸び、土から出ている部分の下の方は白色ですが、葉先にかけては濃い緑色となり、一見するとねぎとそっくりです。しかし、根元はエシャロットのように膨らんでいます。
💡ワンポイント豆知識
わけぎのふくらんだ部分は球根で、株分けによって増えるため、子孫繁栄の象徴とされることもあります。
ねぎのような「ネギ坊主(花)」はつかず、種もできませんが、1つの球根が半年で50倍以上に増えることもあるのだとか。
わけぎの旬はいつ?
わけぎは年間を通して出回っていますが、3月から5月の春、9月から11月にかけての秋に収穫最盛期を迎えます。
そのなかでも、ひな祭りの時期にあたる3月頃が甘みと旨味が増す最も旬の時期だといわれています。温暖な気候で育ちやすい野菜なので、寒い時期にはゆっくりと成長し、そのぶん栄養を蓄えみずみずしくなるそうです。
関東より西の地域が主な産地となっていて、地域によって出荷時期が異なります。主要な産地でいうと、広島県や福岡県では通年出荷されていますが、群馬県では主に3~4月、愛知県では9~4月、大阪府では2~5月、兵庫県では2~3月が中心です。
出荷時期が地域によって分散しているため、スーパーなどの売り場では一年を通して見かけやすく、旬の時期を感じにくいのです。
「わけぎ」と「小ねぎ」「あさつき」の違い
わけぎと似た野菜に「小ねぎ」と「あさつき」がありますが、違いがわからない、もしくは同じ野菜だと思っている方もいるのではないでしょうか。以下の表に、わけぎと小ねぎ、あさつきの違いについてまとめたので、確認してみましょう。
| 項目 | わけぎ | 小ねぎ | あさつき |
|---|---|---|---|
| 見た目 | 太さ1cmほど、緑色の葉、根元が膨らんでいる |
太さ5mmほど、緑色の葉、根元の膨らみはない |
太さ3mmほど、緑色の葉(ねぎより色が薄い)、根元が膨らんでいる |
| 味 | 辛味は控えめ、甘みがある |
辛味は控えめ、火を通すと甘みが増す |
苦味や辛味が強い |
| 香り | ツンとした香りは控えめ、豊かな香り |
香りは控えめ |
香りがよい |
| 旬 | 3月頃がおいしいといわれているが、通年出荷されている |
通年出荷されている |
冬がおいしいといわれている。通年出荷されている |
| 栽培 | 温暖な地域で育ちやすい、球根で繁殖 |
種(ネギ坊主)で繁殖。 |
球根で繁殖。寒さに強い。 |
| 用途の違い | 主に和え物。薬味、炒め物、汁物でもおいしい |
主に薬味。和え物や炒め物でもおいしい |
主に薬味。炒め物、和え物でもおいしい |
小ねぎ
小ねぎは、青ねぎを若取りしたものを指します。見た目はわけぎやあさつきとよく似ていますが、根元の膨らみがない点が大きな違いです。
若いうちに収穫しているため、辛味や香りはマイルドで、やわらかな食感となっています。よく知られている「万能ねぎ」も小ねぎの一種です。
小ねぎの時期に収穫せずに成長すると青ねぎとなり、春になると白い花を咲かせます。球状になっている花を坊主頭に見立てて「ネギ坊主」と呼び、その花が咲き終わると種が採れるのです。
※『万能ねぎ』は「筑前あさくら農業協同組合」の登録商標又は商標です。
あさつき
あさつきは漢字で書くと「浅葱」。ねぎに比べて緑の色が浅いことが名前の由来といわれています。
葉が細いことと、苦味や辛味が強いことが特徴で、主に薬味として使われる野菜です。わけぎと同じように根元が膨らんでいて、球根によって増えます。
わけぎのおすすめの使い方
わけぎの特徴や小ねぎ、あさつきとの違いについてわかったところで、わけぎのおすすめの使い方について見てみましょう。
ぬた
わけぎの定番の調理方法といえば「ぬた」です。ぬたとは、一般的にみそや酢、砂糖を混ぜ合わせた酢味噌を使った和え物を指します。
ねぎのぬたがよく知られていますが、地域によってはほかの野菜や魚介類を使うこともあるようです。
わけぎのぬたは、さっと茹でたわけぎを酢味噌で和えたり、上からかけたりした料理です。わけぎの甘みが引き立ち、とてもおいしいですよ。
山口県では、これに「オバイケ」と呼ばれるクジラの尾の部分を茹でて臭みをとったものを一緒に和えたものが郷土料理として親しまれています。
薬味
わけぎは薬味として使うこともできます。ただし、ねぎやあさつきに比べると辛味や香りはマイルドです。
アクセントとしては少し弱めですが、ねぎの辛みが苦手な方にはおすすめですよ。
炒め物
わけぎは炒め物の具材にもぴったり!加熱することで甘みがより引き立ちます。
やわらかな葉だけではなく、球根の部分も食べることができますよ。わけぎだけを炒めて甘みや香りを楽しむのはもちろん、お肉やほかの野菜と一緒に炒めてもおいしく仕上がります。
汁物
わけぎは、ねぎと同じように汁物の具材として使うこともできます。
和食にぴったりのみそ汁だけではなく、中華風スープや洋風スープなど、さまざまな味つけで楽しめますよ。
わけぎを使ったレシピをご紹介
さてここからは、わけぎを使ったおすすめレシピをご紹介します。定番料理のぬたをはじめとして、チヂミやみそ炒めなど、バラエティ豊かなレシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
シンプル簡単 わけぎのぬた
パパッと作れる、わけぎのぬたのレシピです。電子レンジで加熱したわけぎを酢味噌で和えました。やわらかなわけぎに、コクがありながらさっぱりとした後味の酢味噌が相性抜群!とても簡単なので、あと一品ほしいときにおすすめですよ。
長ねぎとわけぎのねぎ焼き
ねぎ好きにはたまらない!長ねぎとわけぎのねぎ焼きはいかがでしょうか。ねぎの香りと揚げ玉のコクに、甘じょっぱい醤油ダレがよく合い、箸がどんどん進むおいしさです。豚バラ肉を加えてもおいしいので、ぜひお試しくださいね。
チーズ入り わけぎのチヂミ
ニラを使うのが定番のチヂミを、わけぎで作ってみましょう。もっちりとした生地にわけぎの甘みや豚肉の旨味、チーズのコクがマッチして、とてもおいしいですよ。ラー油を使ったピリ辛味のタレとも相性がよく、やみつきになる一品です。
マグロとわけぎのわさび醤油和え
わさびの風味やニンニクの香りが食欲をそそる、マグロとわけぎのわさび醤油和えのご紹介です。茹でたわけぎはやわらかさと甘みが際立ち、わさびのツンとした辛さをほどよくやわらげてくれます。今回はマグロの刺身で作りましたが、ブリやタイ、スズキなどお好みの刺身で作ることもできますよ。
しょうがたっぷり 牛肉とわけぎの味噌炒め
ごはんが進む味わいの、牛肉とわけぎの味噌炒めはいかがでしょうか。コクのある味わいの牛肉とやさしい甘みのわけぎ、生姜の風味が、味噌を使った甘辛い味つけと絶妙に調和して、とてもおいしいですよ。簡単に作れるので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
わけぎを使ったおかずを作ってみよう!
今回は、わけぎの特徴や小ねぎやあさつきとの違いに加え、わけぎのおいしい食べ方やおすすめレシピをご紹介しました。ねぎとはまた違った魅力のあるわけぎ。ご紹介したレシピも参考に、ぜひおかず作りに使ってみてくださいね。
