最終更新日 2023.3.30

クープとは?意味や上手に入れる方法を解説!

クープとは?意味や上手に入れる方法を解説!

フランスパンなどハード系のパンの表面に入っている切込みのことを「クープ」と言います。クープは見た目の美しさだけでなく、パンをおいしく作るためにも欠かせません。この記事ではクープの意味や役割、上手な入れ方のコツについて解説します。記事後半でご紹介するシンプルライ麦パンやカンパーニュのレシピも必見ですよ。

  • 目次
  • クープとは?
  • なぜクープを入れるの?
  • 生地がふくらみやすくなる
  • パンが破れない
  • 見た目が美しくなる
  • クープを上手に入れるには?
  • クープを入れたハード系のパンの絶品レシピ
  • 全粒粉入り くるみとレーズンのカンパーニュ

クープとは?

クープとはフランス語で「切り取られた」という意味。パンを焼く前に生地表面に入れる切り込みのことです。焼成して表面が固まってくると、生地の膨張とともにクープが押し広げられ美しい切れ目ができます。この切れ目はエッジと呼ばれ、パリッとした食感になるのが特徴です。

バゲットやカンパーニュ、クッペなど、膨らみにくく火が通りにくいハード系のパンはたいていクープが入っています。ちなみに、パンが焼きあがったあとに切り込みを入れる日本のコッペパンも、クープが名前の由来になっているという説があるんですよ。

なぜクープを入れるの?

クープは生地の仕上がりやおいしさ、見た目などに大きく影響します。ここではクープを入れる理由として挙げられる3つについて、ひとつずつ見ていきましょう。

生地がふくらみやすくなる

ハード系のパンはクープを入れることで膨らみやすくなります。油脂や卵を使ったパンが膨らみやすいのに対し、シンプルな材料を使うハード系のパンは、膨らむのに時間がかかりがちです。ゆっくり膨らむパンの場合、加熱するとパンが膨らむ前に表面が焼き固まってしまい、ボリュームのないパンになってしまいます。

クープを入れておくと、生地が温まって水分が蒸発する際に切り込み部分が伸び、パン生地全体が均一に膨らむことができるのです。

パンが破れない

クープを入れることで、パン内部の空気の逃げ道を作れます。クープを入れないと、パンが膨らみきれず詰まった食感になってしまったり、内側に圧力がかかってパンの表面が破れてしまったりするケースも。クープを入れることで火の通りがよくなり、気泡ができてハード系のパン特有の軽い食感に仕上がります。

見た目が美しくなる

クープを入れることで、パンの見た目が美しく仕上がります。前述のとおり、クープを入れないパンはひび割れたり、破れたりしてしまうことも。でも、クープを入れるひと手間で、クープに沿ってパンがきれいな形に膨らみます。

また、クープを模様のように入れてデザインを楽しむ「飾りクープ」というものもあります。生地表面に薄い切れ目を入れて焼くことで、焼きあがりの色の違いを生み出す方法です。葉っぱの模様や放射線、渦巻きなどさまざまな模様を作ることができます。

クープを上手に入れるには?

クープは専用のクープナイフを使って入れます。クープナイフがない場合は果物ナイフなど、小さめの包丁や調理用ハサミなどを使っても大丈夫です。

切り込みを入れる際は、ナイフを生地表面に対して45℃くらいになるように置きます。薄く削ぐようなイメージで切り込みを入れるのがポイントです。垂直に入れてしまうと切れ目の中央が盛り上がってしまうので、気をつけましょう。この時、手首や指先ではなく、腕ごと引いて動かすのが均等に切り込みを入れるコツです。

クープを入れるタイミングは焼成直前が最適です。二次発酵が終了してから5分ほど置き、やや生地表面が乾燥した状態だと切込みが入れやすいでしょう。クープを入れた後は発酵が進んで生地がだれてしまうのを防ぐため、早めにオーブンで焼成してくださいね。

クープを入れたハード系のパンの絶品レシピ

クープの役割や上手な入れ方のコツがわかったところでここからは、クープを入れたハード系のパンのレシピをご紹介します。おうちで簡単に作れるレシピをピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

全粒粉入り くるみとレーズンのカンパーニュ

「田舎パン」という意味のカンパーニュもおうちで作ることができるんです。このレシピではくるみとレーズンをたっぷり加えて贅沢に仕上げました。全粒粉の素朴な味わいと香ばしいくるみ、甘酸っぱいレーズンが相性抜群で、クセになるおいしさですよ!朝食やおやつにもぴったりなので、ぜひ召し上がってみてくださいね。

お家で作る シンプルライ麦パン

おうちで作るシンプルなライ麦パンのレシピです。表面はパリッとしていますが、内側はしっとりもちもちとした食感。ライ麦特有のほのかな酸味が爽やかで、お食事用のパンにぴったりですよ!オーブンに入れる直前に5cmくらいの浅いクープを入れることで美しく仕上がります。ぜひ作ってみてくださいね。

※こちらのレシピは、はちみつを使用しております。 1歳未満(乳児)のお子さまはお召し上がりにならないようご注意ください。 はちみつは、砂糖でも代用できます。それぞれ種類によって甘さが異なりますのでお好みで調整してください。

イチジクとナッツのパン

イチジクとナッツがたっぷり入った手作りパンはいかがですか?ぷちぷちとしたドライイチジクやカリカリのナッツの食感が楽しい一品です!強力粉だけでなく全粒粉が入っているので、風味豊かな味わいですよ。浅い切り込みを入れることと、霧吹きをして加熱するのがおいしく仕上げるポイントです。ぜひお試しくださいね。

カンパーニュ

全粒粉が香るシンプルなカンパーニュのご紹介です。大きくて丸いカンパーニュは外側はカリッと香ばしく、内側はやわらかくしっとり。パンのサイズに合わせて十字の切り込みを入れることで、均一に膨らみますよ。途中で止めずに一気に切り込みを入れるのが美しいクープを作るコツです。ぜひ、レパートリーに加えてみてくださいね。

ひと手間を加えたアレンジレシピ

続いては、ハード系のパンを使ったアレンジレシピをご紹介します。野菜やチーズなどを加えてボリューム満点に仕上げているので、ランチやおもてなしにもぴったりですよ。ぜひ参考にしてみてくださいね。

パーティーにおすすめ トマトバジルのプルアパート

華やかな見た目でパーティーにおすすめ!「トマトバジルのプルアパート」を作ってみませんか?カンパーニュに細かく切り込みを入れ、チーズやベーコン、ミニトマトをはさんで焼きあげました!パンにとろとろのチーズや香ばしいベーコンが絡み、やみつき必至のおいしさです。大きなカンパーニュが手に入ったら、ぜひ作ってみてくださいね。

生ハムのビネガーバゲットサンド

今日のランチにおしゃれな生ハムのビネガーバゲットサンドはいかがでしょうか?フランスパンにクリームチーズや生ハムをはさみ、爽やかなビネガーソースで仕上げました。生ハムの塩気とクリームチーズのコク、香ばしいバゲットがマッチしてたまらないおいしさです!ハード系のパンを使っているので、食べごたえも満点ですよ。とても簡単にお作りいただけるので、ぜひお試しくださいね。

クープを入れたハード系のパン作りにチャレンジしよう

いかがでしたか?クープの意味や役割、入れ方のコツに加え、クープを入れたハード系のパンの絶品レシピやアレンジレシピなどをご紹介しました。一見難しそうに感じるハード系のパンですが、クープを入れることで見た目が美しくなるだけでなく、食感や味わいもよりおいしく仕上げることができます。今までおうちでパンを作ったことがないという方も、今回ご紹介したレシピなどを参考にしていただき、ハード系のパン作りにチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?

クラシルでは今回ご紹介したもの以外にも、さまざまなパンのレシピを掲載しています。そちらも合わせて参考にしてみてくださいね。

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