韓国の定番「ククス」とはどんな料理?日本のそうめんとの違いもご紹介

韓国の定番「ククス」とはどんな料理?日本のそうめんとの違いもご紹介

「ククス」という韓国料理を知っていますか?韓国は定番の麺料理で、日本のそうめんにも似ているといわれています。この記事では、ククスとそうめんとの違いや、チャンチククスやカルグクスなど、バリエーションについて解説します。記事の後半では、ククスやそうめんのおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。

  • 目次
  • 「ククス」とは?
  • 「ククス」と「そうめん」の違いとは
  • ククスと呼ばれる麺料理の種類
  • ククスやそうめんにおける行事との関係
  • ククスやそうめんのレシピをご紹介
  • さまざまな楽しみ方がある!ククスを食べてみよう

「ククス」とは?

「ククス」とは、韓国語で「麺」という意味で、麺料理全般を指す言葉です。一般的には小麦粉を使って作られる日本のそうめんに似た麺を指すことが多いようですが、うどんやそばのような太さや食感のものも「ククス」と呼ばれることがあります。

ククスのスープもだしの効いたものや辛味のあるもの、コクのあるものからさっぱりとしたものまでさまざま。さらに、温かいものと冷たいものがあるなど、バリエーションが豊富です。韓国でも人気のある料理なので、屋台や専門店はもちろん、一般の食堂やフードコート、軽食屋さんなどでも食べられます。

💡ワンポイント豆知識
ククスは、どんな季節やシーンでも楽しめるのが魅力の料理です。なかには結婚式などのお祝いの席で定番のククスもあるんですよ!

「ククス」と「そうめん」の違いとは

さて、そんなククスですが、一体どのような食べ物なのでしょうか。ここからは、ククスの原料や食感、味つけといった特徴について詳しく解説します。日本で食べられている "一般的なそうめん" と比較した表を見ながら、ククスの特徴を見ていきましょう。

項目      ククス        そうめん
発祥・地域 韓国 日本
意味 麺、麺料理 小麦粉が主原料の乾麺
用途

・スープに入れる
・ソースと混ぜる

・冷たいつゆにつける
・温かいスープに入れる

出汁・味つけ

・イワシ、鶏ガラ、海鮮など
・豆乳、コチュジャンなど

・そうめんつゆ
・出汁の効いたスープ

原料

・小麦粉、食塩、水
・そば粉、とうもろこし粉

・小麦粉、食塩、水

太さ・食感

・細麺から中太麺まで幅広い
・モチモチ、コシがある

・細い
・ツルツル、のどごしがよい

行事との関係

・結婚式や還暦などのお祝い事

・夏の風物詩
・お盆や流しそうめんなどの行事食
・お中元やお歳暮の贈答品

麺の形状・原料

先ほども触れた通り、ククスは基本的に小麦粉で作られる麺を指すことが多いですが、そば粉やとうもろこし粉を使って作られた麺を指すこともあります。ストレートタイプから縮れたもの、平打ちなど形状もさまざまで、モチモチとした食感が楽しめます。

一方、そうめんは小麦粉で作った生地を細長く引き伸ばし、乾燥させた麺を指し、細さと喉越しのよさが魅力です。

味つけ・出汁

そうめんは、昆布やかつお節からとっただしのきいたしょうゆベースのつゆにつけて食べることが多いですが、ククスはさまざまな味つけで食べられています。

後ほど詳しくご紹介しますが、だしの種類だけではなく、味つけや辛さ 具材のバリエーションも豊富なのも特徴です。

ククスと呼ばれる麺料理の種類

これまでもご説明してきましたが、ククスにはさまざまな食べ方や味つけがあります。ククス料理の種類を以下の表にまとめたので、見てみましょう。

料理名         主な材料 特徴(季節や味わい)  
チャンチククス
(ミョルチククス)

カタクチイワシ、海苔、
錦糸卵、にんじん、ズッキーニ

・出汁の効いたスープ
・彩り豊かなトッピング

カルグクス

魚介類や鶏などの出汁、
ズッキーニ、じゃがいも、ねぎ、海苔

・うどんのような平麺
・温かい

ユッケジャンククス

牛肉、ワラビ、ねぎ、
キムチ、唐辛子

・辛味のあるスープ
・牛肉のコク
・寒い時期にぴったり

コギククス

豚肉、ねぎ

・まろやかで濃厚な味わいのスープ

オルチェンイククス

とうもろこし、煮干し、
キムチ

・とうもろこしを使った短い中太麺
・辛味がある
・冷たい

ビビンククス

コチュジャン、ニンニク、生姜、きゅうり、ゆで卵

・冷たい麺に辛いソースを絡める

コングクス

大豆、きゅうり、キムチ、ごま

・大豆の風味
・クリーミーな味わい

キムチマリククス

キムチ、牛肉、鶏肉、ゆで卵、のり

・辛味と酸味のあるスープ
・冷たい

マッククス
(メミルククス)

そば粉、ヤンニョムジャン、ゆで卵

・そば粉を使った麺
・冷たいものも温かいものもある

チョゲククス

鶏肉、酢、からし、きゅうり

・さっぱりとした味わいながらコクのあるスープ
・冷たい

チャンチククス(ミョルチククス)

チャンチククスはククスの中でも定番の料理で、お祝いの席で食べるほか、日常的な食事としても親しまれています。温かいスープでも冷たいスープでも楽しむことができ、お好みでヤンニョムやタデギなどの調味料をアクセントに加えることもあります。

💡ワンポイント豆知識
チャンチククスは、ミョルチククスと呼ばれることもあります。ミョルチは韓国語で「カタクチイワシ」という意味です。

カルグクス

カルグクスの特徴は、包丁で切ったうどんのような平麺を使っていることで、「カル」は韓国語で「包丁」を意味します。スープのだしは地域やお店によって異なり、アサリなどの貝類や海鮮、鶏肉、カタクチイワシなどを使います。温かい料理なので、寒い時期にぴったりな麺料理です。

ユッケジャンククス

牛肉や野菜を具材とした、コクと辛味のあるユッケジャンスープに麺を入れた料理が、ユッケジャンククスです。熱々で食べるのがおいしいので、寒い季節におすすめですよ!

コギククス

コギククスは、韓国南部の済州島(チェジュド)の郷土料理。豚肉からとったまろやかな味わいのスープに細い麺を入れ、茹でた豚肉やねぎなどをトッピングします。済州島では古くから豚肉料理を作る習慣があり、残った肉や骨を煮込んで麺を入れて食べたことがコギククスのはじまりなのだとか。

オルチェンイグクス

オルチェンイグクスは韓国語では「オタマジャクシの麺」という意味なのだそう。とうもろこしから作られた麺を使った料理で、短い中太麺がオタマジャクシのように見えることから、この名前が名付けられました。煮干しからとったあっさりとした冷たいスープが特徴で、暑い日にもおすすめ!唐辛子を使ったソースやキムチものせるのでピリッとした辛味も楽しめますよ。

ビビンククス

ビビンククスは冷たい麺にコチュジャンをベースにした辛いソースを混ぜ合わせて食べる料理です。「ビビン」には韓国語で「混ぜる」という意味があります。しっかりとした味つけが細麺によく絡み、トッピングのきゅうりとも相性抜群!夏に人気の一品です。

コングクス

コングクスは、大豆をすり潰したものを濾して作った冷たいスープに麺を入れて食べる麺料理です。コングクスの「コン」は韓国語で「豆」を意味します。淡白な味わいですが、大豆の風味を感じられるスープはクリーミーかつ濃厚で満足感があります。麺は小麦粉で作るのが主流ですが、お店によってはそば粉を使うこともあるようです。

💡ワンポイント豆知識
コングクスは淡白な味わいなので、韓国では付け合わせにキムチやカクテキが添えられます。さらに塩や砂糖を入れて、自分好みの味わいにして食べるのも定番の食べ方です。

キムチマリククス

キムチマリククスは、キムチをたっぷり使ったスープで食べる冷たい麺料理です。辛口のキムチと、辛くない水キムチを合わせることで、辛味と酸味、甘味のバランスのよい味わいに仕上がります。シャキシャキとしたキムチと歯ごたえのある麺の相性も抜群です。

マッククス(メミルククス)

韓国北東部の江原道(カンウォンド)地方の郷土料理でもあある、マッククス。韓国語で「一気に食べる麺」といった意味があり、冷たい麺に辛みそダレや具材をのせ、スープを少量かけて作るのが特徴です。辛い味つけの混ぜ麺スタイルのものから、あっさりとしたスープに麺を入れて食べるものまで、種類はさまざま!麺の材料にはそば粉(メミル)を使うことから、「メミルククス」と呼ばれることもあります。

💡ワンポイント豆知識
韓国では近年、えごま油とえごまの粉をふりかけた「えごまマッククス」が人気で、食べられるお店が増えてきています。その影響で日本の韓国料理店でも、えごまマッククスを取り扱う店が増えてきており、注目されています。

チョゲククス

チョゲククスの「チョ」には「お酢」、「ゲ」には「からし」という意味があります。鶏ガラベースのスープに酢とからしで味つけをしたさっぱりとした味わいの冷たい麺料理で、夏にぴったりです。旨味たっぷりの鶏肉や野菜をたっぷりトッピングして食べます。

ククスやそうめんにおける行事との関係

さきほどそうめんの比較表で少し触れましたが、ククスもそうめんも行事食として食べられることがあります。以下で、それぞれ行事との関係を見てみましょう。

ククスは結婚式や還暦祝いで食べられる

韓国でククスの長い麺は「末長い幸せ」や「長生き」の象徴とされており、結婚式や誕生祝い、還暦祝いといったお祝いの席で食べられることが多いようです。そのため、「いつククスを食べさせてくれるの?」というセリフは、「いつ結婚するの?」という意味になるのだとか。

ククスにはさまざまな種類がありますが、結婚式でよく食べられているのは「チャンチククス」という、カタクチイワシのだしを使ったもの。「チャンチ」には、「宴」や「お祝いの席」といった意味があるんですよ。

そうめんは日本の夏の風物詩であり贈答品の定番

一方そうめんは、冷たいつゆにつけて食べることが多いので、日本の夏の定番料理として親しまれています。また、お盆期間中に茹でる前のそうめんをお供えする習慣もあります。これはククスと同じように、そうめんの細長い形に「末長い幸せを祈願する」意味のほか、ご先祖様があの世に帰るときの手綱やお土産をしばる紐として使うためという意味があるそうです。

そうめんは、お中元やお歳暮の定番の品としても親しまれています。それには、贈る相手の末長い幸せを祈る意味と、細く長いお付き合いをしたいという意味が込められています。また、古くから高級品として将軍に献上させていた歴史があることや、日持ちがよいといった点も、贈答品に選ばれる理由のひとつです。

ククスやそうめんのレシピをご紹介

さてここからは、ククスやそうめんのおすすめレシピをご紹介します。鶏むね肉や鶏手羽元からだしをとった鶏カルグクスや、豆乳を使ったコングクス風そうめんなど、絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

アサリだしがおいしい カルグクス

ゆでうどんを使ってカルグクスを作ってみましょう。煮干しと昆布、アサリからだしをとった、味わい深いスープがとてもおいしいですよ。彩り豊かな野菜を使ったカラフルな見た目も食欲をそそります。ぜひ作ってみてくださいね。

鶏だしでいただく 鶏カルグクス

旨味たっぷりでやさしい味わいの、鶏カルグクスはいかがでしょうか。鶏むね肉や鶏手羽元からだしをとり、じっくり煮込んでやわらかくなったお肉はトッピングに。何度食べても飽きの来ない、ホッとするようなおいしさですよ!

韓国の麺料理カルグクス

辛い味つけのカルグクスもご紹介します。鶏ガラベースのシンプルなスープに茹でたうどんを入れ、ピリ辛なヤンニョムを絡めた野菜をトッピングしました。野菜のシャキシャキとした食感とヤンニョムの辛みがアクセントとなり、箸がどんどん進むおいしさですよ。

コングクス風そうめん

そうめんをコングクス風の味つけで食べてみましょう。豆乳とすりごまを使ったクリーミーでコクのあるスープは、めんつゆと塩だけで簡単に味が決まりますよ!スープにキムチを加えるとまた違ったおいしさを楽しめるので、ぜひ試してみてくださいね。

豆乳の担々麺風にゅうめん

具だくさんで食べごたえのある、担々麺風にゅうめんのご紹介です。豆乳を使ったまろやかなスープに、甘辛い味つけの肉みそがよく合います。ラー油のほのかな辛味がクセになり、リピート間違いなしのおいしさです!

さまざまな楽しみ方がある!ククスを食べてみよう

今回は、ククスの特徴やそうめんとの違い、ククスの種類について解説しました。ククスにはいろいろな味つけや食べ方があり、どんな季節でも楽しめます。そうめんやうどんの麺をククス風にアレンジしてもおいしいですよ!ご紹介したレシピも参考に、ぜひおうちで作ってみてくださいね。

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