若いさやを食べるマメ科の野菜の「四角豆」をご存知ですか。美しい緑色と個性的な形が目を引きますが、まだ食べたことがないという方も多いかもしれません。この記事では四角豆の特徴や旬と産地、下処理の方法に加え、さまざまな調理法についても解説します。記事後半では四角豆のおいしいレシピもご紹介するので、ぜひご覧くださいね。
翼のある豆!?沖縄野菜の四角豆とは?特徴や食べ方に「知らなかった..!」
- 目次
- 四角豆ってどんな野菜?
- 四角豆の呼び名
- 四角豆のおいしさ
- 四角豆の旬の時期と産地
- 四角豆の下処理方法
- 四角豆の食べ方
- 四角豆のレシピ
- おうちでも四角豆のおいしさを味わってみよう
四角豆ってどんな野菜?
四角豆(シカクマメ)は)マメ科シカクマメ属の植物で、学名は「Psophocarpus tetragonolobus」。ユニークな形と、コリコリ、シャキシャキとした食感が特徴の野菜です。
1960年代後半ごろから沖縄県で栽培が始まり、夏場の貴重な野菜として親しまれてきました。
ここでは四角豆の呼び名や味わいについて解説します。
四角豆の呼び名
四角豆(シカクマメ)はその名前の通り、カットした断面が四角形をしていることから「四角豆」と呼ばれています。
英名は「winged bean(翼のある豆)」で、これはさやの四方に張り出したひだのような部分が翼がはえているように見えることに由来しているのだとか。
💡ワンポイント豆知識
沖縄県では四角豆のことを「シカクマーミ」や「うりずん豆」「ウリズン」と呼びます。「うりずん」は「潤い初め(うるおいはじめ)」が語源といわれ、春分から梅雨入り前までの初夏を指す沖縄の言葉です。鮮やかな緑色が新緑の季節を思わせることから、この名がついたとされています。
四角豆のおいしさ
四角豆はさやえんどうのように未熟なさやを食材としています。名前に「豆」とありますが、中の豆(種子)はまだ成熟しておらず、さやごと調理して食べるのが一般的です。
さやはコリコリやシャキシャキと表現される独特の歯ごたえがあります。味わいはほんのりとした苦みはあるものの、クセは少なくあっさりとしているため、和え物や炒め物、天ぷらなどのいろいろな料理に合わせやすいんですよ。
また、鮮やかな緑色がテーブルに彩りを添えてくれるのもうれしいポイント。ちなみに食べごろはさやの長さが10~15cmくらいのものです。成長しすぎるとさやが硬くなってしまうので、購入する際はぜひこのサイズを目安に選んでみてくださいね。
四角豆の旬の時期と産地
今まで四角豆をスーパーなどで見たことがないという方も多いかもしれません。そこで、ここでは四角豆の旬の時期と主な産地について解説します。
四角豆の旬
四角豆は9月から10月ごろにかけてが収穫の最盛期で、まさにこの時期が旬です。早いものだと7月中旬ごろから収穫が始まり、11月ごろまで楽しめることもあります。
暖かい気候を好むため日本では夏にぐんと成長して花を咲かせ、秋にかけて若いさやが実りはじめるのです。夏の終わりから秋にかけておいしさのピークを迎えると覚えておくとよいでしょう。
四角豆の主な産地
四角豆の国内の主な産地は沖縄県です。もともとは熱帯アジアやアフリカなど、温暖な地域が原産といわれており、暖かい気候を好む植物です。
近年では九州地方をはじめとする国内各地でも少しずつ栽培されるようになってきました。
また、家庭菜園でも人気が高まっています。食用としてだけでなく、夏の日差しをやわらげるグリーンカーテンとして育てて、かわいらしい花やユニークな形のさやを観賞用として楽しむ人も増えているのだそうです。
四角豆の下処理方法
四角豆は生のまま調理する場合と、軽く茹でてから調理する場合があります。ここでは軽く茹でる場合の一般的な下処理の方法を手順に沿って説明します。
①水洗いする
さやを流水でやさしく洗い、表面に残った汚れを落とします。
②ヘタをとる
包丁でヘタの部分を切り落とします。
③筋をとる
さやの両面にある筋を竹串などで引いてとり除きましょう。(筋がやわらかければ省略します)
④茹でる
四角豆100グラムに対して鍋に水1リットルを沸かし、塩を適量加えて1〜2分ほど茹でます。
⑤冷ます
茹でた四角豆を冷水に浸して熱をとり、ザルにあげて水気を切ります。
茹でる時間は四角豆の大きさによって調節してくださいね。また、菜箸などを使ってさや全体に火を通しましょう。
四角豆の食べ方
実は四角豆はさやだけでなく花や葉、根(いも)まで丸ごと食べられます。ただし、日本ではさやを食べるのが一般的です。クセが少なく淡白な風味なので、さまざまな料理で楽しめますよ。
ここでは生で食べる場合と加熱して食べる場合に分けて、それぞれ見ていきましょう。
生で食べる場合
四角豆には毒性がなく、やわらかい若いさやであれば生でも食べられます。
独特な食感を活かしてサラダに加えるのがおすすめです。薄くスライスしてほかの野菜と組み合わせると彩りもきれいに仕上がります。
また、軽く塩もみして浅漬けにすると、四角豆特有のほんのりとした苦みとコリコリした歯ごたえが楽しめますよ。
加熱して食べる場合
四角豆は加熱調理するとシンプルなおひたしや煮物などの和食はもちろん、中華風の炒め物や洋風のソテーなど、さまざまな料理に活用できる便利な食材なんです。
おひたしや和え物にはサッと茹でてから使い、煮びたしや炒め物、天ぷらの場合は生のまま調理するとよいでしょう。
どの調理法でも火を通し過ぎると色や食感が損なわれるので、四角豆特有の鮮やかな色合いと歯ざわりを残すのがおいしく仕上げるポイントです。
四角豆のレシピ
四角豆のおいしさや食べ方がわかったところで、おうちでも四角豆のおかずを作ってみたくなったのではないでしょうか。ここからは四角豆のおすすめレシピをご紹介します。もし四角豆が手に入りにくいときは、見た目や食感が似ているモロッコいんげんで代用すると手軽に楽しめますよ。
四角豆のおひたし
四角豆が手に入ったら、まずはシンプルなおひたしを作ってみましょう。かつお節の風味としょうゆの旨みが四角豆本来のおいしさを引き立て、独特のシャキシャキとした食感を楽しめます。あっさりした味わいは箸休めにぴったりですよ。
四角豆の簡単ナムル
四角豆を使った簡単ナムルはいかがでしょうか。ごま油とニンニクが効いた味つけは四角豆のコリコリとした食感とよく合い、お箸が止まらないほどのおいしさです。あと一品が欲しいときやおつまみにも最適な一品ですよ。
四角豆とベーコンの炒め物
四角豆とベーコンを組み合わせた炒め物のご紹介です。バターのコクとベーコンの旨みが淡白な四角豆を引き立て、ニンニクの香りが食欲をそそります。四角豆は炒め物との相性も抜群なので、シャキッとした食感を残して調理するのがおいしさのポイントです。
豚バラ肉と四角豆のXO醤炒め
旨みたっぷりの豚バラ肉とシャキシャキ食感の四角豆の炒め物です。XO醤の奥深いコクとピリッとした辛さが豚バラ肉と四角豆に絡んでたまらないおいしさ。サッと作れるのに食べ応えがあり、ごはんが進む一品に仕上がりますよ。
サクサクこりこり四角豆の天ぷら
四角豆の風味や食感を存分に楽しめる天ぷらはいかがでしょうか。サクッと揚がった衣と四角豆のコリコリ食感が絶妙にマッチした、シンプルながら味わい深い一品です。塩でいただくことで四角豆本来の風味が際立ちます。ぜひ揚げたての熱々を召しあがってくださいね。
おうちでも四角豆のおいしさを味わってみよう
今回はユニークな形をした四角豆の特徴や下処理の方法、食べ方を解説し、おすすめのおいしいレシピもご紹介しました。鮮やかな色合いと独特な触感が楽しめる四角豆。まだ珍しい食材ですが、手に入ったらご紹介したレシピをぜひ試してみてくださいね。
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