「かんぴょう」って何で作られている?原料や使い方を詳しく解説!

「かんぴょう」って何で作られている?原料や使い方を詳しく解説!

お寿司や煮物などに使われる「かんぴょう」とはどんな食べ物か知っていますか?ユウガオの果実から作られていて、私たちが食べているかんぴょうのほとんどは栃木県で生産されているのだそうですよ。今回は、そんなかんぴょうの特徴や使い方などを詳しく解説!記事の後半ではかんぴょうを使ったレシピもご紹介するので、ぜひご覧くださいね。

  • 目次
  • かんぴょうとは?
  • かんぴょうはどうやってできる?
  • かんぴょうの戻し方
  • かんぴょうの使い方
  • かんぴょうの歴史
  • かんぴょうを使ったレシピをご紹介
  • かんぴょう料理を作ってみよう!

かんぴょうとは?

「かんぴょう」とは、ユウガオの果実を紐のように細長く剥き乾燥させて作る乾物の一種で、漢字では「干瓢」または「乾瓢」と書きます。かんぴょうにはどんな特徴があるのか、以下の表にまとめたので見てみましょう。

項目 内容
原料

ユウガオの果実

主な産地

栃木県

特徴

乾物で、煮汁が染みやすい

見た目

白っぽい色、細長い

食感

煮込むとやわらかく、ほどよい歯ごたえがある

淡白でクセのない味

使い方

巻き寿司・おにぎりの具・煮物など

かんぴょうの主な産地は栃木県で、国内生産量の98%以上を占めています。そんな名産地・栃木県の干瓢商業協同組合では、1月10日を「かんぴょうの日」と制定しました。これは、かんぴょうの「干」の字が、漢字の「一」と「十」から成り立っていることに由来しています。

栃木県では、このかんぴょうの日や1月下旬に「かんぴょう祭り」が開催され、かんぴょう作り体験やかんぴょうの試食、つかみ取りなどのイベントを行っているんですよ。

かんぴょうの作り方や戻し方、使い方などについても、このあと詳しく解説していきます。

かんぴょうはどうやってできる?

かんぴょうはどうやってできているのか、原料や作り方について以下で確認してみましょう。

原料

かんぴょうの原料となるのは、ウリ科ヒョウタン属のユウガオ(夕顔)という植物です。かんぴょうの原料となるのはユウガオの果実で、淡い黄緑色の丸い形またはだるま形をしています。

見た目は冬瓜によく似ていますが、冬瓜は中心部にある種のまわりが空洞であるのに対し、ユウガオは種のまわりまで実がぎっしり詰まっているという違いがあります。

ユウガオの実は、かんぴょうにする以外にも、煮物や酢の物、炒め物などにするといった調理方法も。淡白な味わいでやわらかい食感なので、いろいろな料理に使いやすいんですよ。

なお、ユウガオの実は「ふくべ(瓢)」とも呼ばれます。ふくべは「ふくべ細工」という伝統工芸品作りにも使われ、実をくり抜いて中が空洞になったものを乾燥させ、小物入れや花器などの装飾品に加工するのです。

💡ワンポイント豆知識
ユウガオは夏の夕方になると花を咲かせる植物です。同じように夏の決まった時間帯に花を咲かせる植物といえば、朝顔や昼顔、夜顔がありますよね。この4種類の花はよく似ていますが、ユウガオだけがウリ科、ほかの3種類はヒルガオ科という違いがあるんですよ。

作り方

かんぴょうの製造方法は以下の通りです。

ユウガオの実の皮を剥き、玉剥き機にかけて回転させながら厚さ2~3mmほどのひも状に細長く削ります。それを竿にかけ、天日で乾燥させたらできあがりです。

できあがったかんぴょうは茶色がかった色をしていますが、一般的に市販されているものは白っぽい色をしています。防カビ、防虫、変色防止のために二酸化硫黄で燻蒸の処理を行うことで白っぽくなるのです。この処理を行っていないかんぴょうを「無漂白かんぴょう」といいます。

かんぴょうの戻し方

乾物であるかんぴょうを料理に使うには、まずは水で戻す必要があります。以下で、かんぴょうの戻し方をご説明します。

①水を張ったボウルの中で、かんぴょうをもみ洗いする。

②水気を切ったあと再び水を入れて、3分ほど浸しておく。

③水気を切り、塩をまぶしてしんなりするまで揉みこむ。

④流水で洗い、水気を軽く絞る。

⑤かんぴょうがしんなりするまで、中火で10分ほど茹でる。

⑥ザルにあげて粗熱を取り、水気を絞ったらできあがり。

⭐️クラシルシェフのコツとポイント⭐️
塩もみをすることで汚れやアクをとります。さらに、繊維がやわらかくなり、味が染み込みやすくなりますよ。無漂白かんぴょうは、塩もみや下茹でが不要なものもあります。パッケージの表記を参考にしてみてくださいね。

かんぴょうの使い方

さきほどご説明した方法で戻したかんぴょうは、どんな料理に使えるでしょうか。以下でかんぴょうの味つけや使い道を確認してみましょう。

基本の味つけ

かんぴょうは、甘辛い味つけで煮ておくと、さまざまな料理に活用できます。

しょうゆや砂糖、みりん、だし汁などを使って、お好みに合わせて調整してみてください。長いかんぴょうは、食べやすい長さに切っておくとよいですよ。

かんぴょうの使い道

甘辛く煮たかんぴょうは、そのままおかずとして食べてももちろんおいしいですが、巻き寿司やおにぎりの具にも使えます。

味つけをしていないかんぴょうは、みそ汁やサラダ、和え物などにも活用できますよ。昆布巻きや餅巾着で、昆布や油揚げをしばるのに使うのもかんぴょうです。

かんぴょうの歴史

かんぴょうの原料であるユウガオはアジアやアフリカの熱帯地域が原産で、日本へは朝鮮から伝わってきたといわれています。日本で最初にユウガオが栽培され、かんぴょう作りが始まったのは現在の大阪府にあたる摂津国の木津だったそうです。

その後、ユウガオの種子とかんぴょうの製造方法が栃木県に伝わり、盛んに生産されるようになりました。

この歴史が由来となって、今でも寿司用語で「キヅ」はかんぴょうを指す言葉として使われています。

かんぴょうを使ったレシピをご紹介

さてここからは、かんぴょうを使ったおすすめレシピをご紹介します。いろいろな料理に活用できるかんぴょうの甘辛煮や、ごはんが進む味わいの牛肉とかんぴょうのしぐれ煮など、絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

太巻きやちらし寿司に かんぴょうの甘辛煮

下ごしらえから味つけまでご紹介!かんぴょうの甘辛煮のレシピです。下ごしらえの手間はかかりますが、難しい工程はないので、料理初心者の方にもおすすめ!お好みの味つけのかんぴょうを作って、巻き寿司などに使ってみてくださいね。

細巻きの定番 かんぴょう巻き

シンプルなかんぴょうの細巻きを作ってみましょう。かんぴょうの特有の歯ごたえがクセになる一品。噛むと甘辛い味が口の中に広がりとてもおいしいですよ。市販の調理済みかんぴょうを使うととても簡単なので、ぜひお試しくださいね。

牛肉とかんぴょうのしぐれ煮

ごはんが進む味わいの、牛肉とかんぴょうのしぐれ煮をご紹介します。牛肉の旨味と生姜の風味、煮汁の染みこんだかんぴょうが相性抜群!お酒のおつまみにもおすすめなので、ぜひ作ってみてくださいね。

かんぴょうと紅生姜の厚焼き玉子

いつもとひと味違う、かんぴょうと紅生姜の厚焼き玉子はいかがでしょうか。甘辛く歯ごたえのよいかんぴょうと紅生姜の風味がアクセントとなり、とてもおいしいですよ。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。

かんぴょうとカニカマの卵とじ丼

具だくさんで彩りのよい、かんぴょうとカニカマの卵とじ丼のご紹介です。味つけに使ったのはめんつゆだけですが、しいたけやカニカマといった旨味たっぷりの具材や三つ葉を使うことで、風味豊かに仕上がります。とても簡単なので、忙しい日のランチなどにもおすすめですよ。

かんぴょう料理を作ってみよう!

今回は、かんぴょうの特徴や使い方、歴史などについて解説し、おすすめレシピをご紹介しました。かんぴょうには脇役のイメージを持っている方も多いかもしれませんが、この機会にかんぴょうが主役の料理を作ってみてはいかがでしょうか。ご紹介したレシピも参考に、ぜひおうちでかんぴょうを使った料理を楽しんでみてくださいね。

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