「エッグタルト」はポルトガルで発祥し世界へと広まったスイーツですが、マカオや香港など地域によっては異なる特徴があるんですよ。この記事では、エッグタルトの作り方や歴史、地域による違いなどを解説します。記事の後半では、おうちで作れるエッグタルトのおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
エッグタルトとは?味や特徴、発祥や種類について解説
- 目次
- エッグタルトとは?
- エッグタルトには3つのスタイルがある
- なぜ今アジアでエッグタルトが人気なの?
- 自宅で簡単!エッグタルトレシピ
- いろいろなエッグタルトを楽しもう!
エッグタルトとは?
「エッグタルト」は、サクサクとした生地に卵や牛乳(または生クリーム)で作ったカスタードクリームを流し込んで焼き上げた焼き菓子のこと。軽い食感の生地とクリーミーなフィリングのコントラストが魅力です。
そんなエッグタルトは、ポルトガルで発祥したスイーツですが、中国・マカオへ伝わったあと、香港や韓国、日本など広い地域へ広まっていきました。
エッグタルトには3つのスタイルがある
さきほど少し触れましたが、エッグタルトはポルトガルで生まれ、ポルトガル領だったマカオに伝わったのちに香港に伝わりました。現在では世界中で愛されるスイーツとなりましたが、各地へ伝わる中でその地の食文化と融合しながら独自の進化を遂げたため、大きくポルトガル式とマカオ式、香港式の3つのスタイルに分けられます。以下で、それぞれの違いを見てみましょう。
| 特徴 | ポルトガル式 | マカオ式 | 香港式 (蛋撻 / ダンタット) |
|---|---|---|---|
| ルーツ | ポルトガルの修道院 | イギリス人がマカオでアレンジ | イギリス(カスタードタルト)×広州(点心) |
| 生地・食感 | サクサクのパイ生地 | サクサクのパイ生地 | サクホロのクッキー生地またはパイ生地 |
| 表面の見た目 | 焦げ目(キャラメリゼ)あり | 焦げ目(キャラメリゼ)あり | 焦げ目なし(ツヤツヤの黄色) |
| クリームのベース | 卵黄を使ったカスタード | 生クリームたっぷりのカスタード | 牛乳・卵 |
| 風味づけ | シナモン、レモンピールなど | バターやクリームのコクを活かした味わい | 卵の風味を活かしたやさしい味わい |
| 味わい | 濃厚かつスパイスが香る大人な味 | リッチでクリーミーなずっしりとした甘さ | プリンのような素朴でやさしい甘さ |
ポルトガル式
エッグタルトの元祖となるのが「ポルトガル式」です。ポルトガルの首都・リスボンにあるジェロニモス修道院で作られたのが始まりで、その歴史は200年以上前までさかのぼります。当時、洗濯のりには卵白が使われていましたが、その際に余った卵黄を活用するためにエッグタルトが作られたのだとか!
現地では「クリームを使ったお菓子」という意味の「パステル・デ・ナタ」と呼ばれ、現在でも親しまれています。卵黄を使ったコクのあるカスタードクリームにシナモンパウダーやレモンピールで香りをつけるのもポルトガル式の特徴なのだとか。
マカオ式
ポルトガル式のパステル・デ・ナタがマカオに伝わり、現地でアレンジされて定着したのがマカオ式のエッグタルトです。考案者であるイギリス人のアンドリュー・ストウ氏が1989年にマカオでエッグタルトのお店を開いたことをきっかけに広まったとのだとか。
マカオ式のエッグタルトは、サクサクとした食感のパイ生地や表面のカスタードクリームに焼き目をつける点はポルトガル式に似ています。ただ、卵のコクを活かしたポルトガル式に対し、マカオ式はバターやクリームの風味を活かした、よりクリーミーな味わいが特徴で、焼きたての熱々で楽しむことが多いようです。
香港式
香港式のエッグタルトは、イギリス植民地時代に持ち込まれた「カスタードタルト」と 「点心文化」が融合して生まれたという説もあるようで、飲茶のメニューのひとつにもなっています。
香港式エッグタルトには、パイ生地を使うものとクッキー生地を使うものがあり、ポルトガル式やマカオ式とは違い、カスタードクリームに焦げ目をつけないで焼き上げるのも特徴です。保温状態で売っているお店も多く、温かいまま食べるとなめらかなカスタードクリームがとろりととろける食感を楽しめます。
☝️ワンポイントアドバイス
ここまで、ポルトガル式とマカオ式、香港式、3つのスタイルをご紹介しましたが、焦げ目がついているものはポルトガル式またはマカオ式、スパイシーな風味のものはポルトガル式、濃厚でクリーミーな味わいがマカオ式というように見分けることができますよ。
なぜ今アジアでエッグタルトが人気なの?
マカオや香港では定番スイーツとして親しまれているエッグタルトですが、アンドリュー・ストウ氏が始めたエッグタルト店は1999年に日本にも進出し、当時日本でもエッグタルトブームが起きました。その後、日本ではさまざまなスイーツが流行したこともあり、エッグタルトブームは一度落ち着きます。
しかしまた最近、韓国や台湾でブームとなり、再び日本でも注目され始めているのです。
SNSとの相性がよいスイーツというのもブームの要因
近年、SNSでは料理の見た目や調理音、咀嚼音、キンキンに冷えた様子など、おいしさを視覚や聴覚に訴える写真や動画がSNSを中心に流行する傾向にあります。エッグタルトは生地の「サクサク」食感、そしてカスタードクリームの「とろとろ」感を兼ねそなえた「シズル感」にあふれたスイーツなので、SNSと相性がよいのも納得できますよね。
また、従来のエッグタルトだけではなく、新しいアレンジ商品が登場していることもヒットの理由だといわれています。以下で詳しく見てみましょう。
韓国では進化系エッグタルトも登場
近年韓国では、伝統的なエッグタルトにアレンジを加えた進化形エッグタルトが登場し、人気となっています。例えば、割ると中からカスタードクリームがとろりと流れ出すものや、山盛りのフルーツやクッキー、ホイップクリームなどをトッピングしたもの、びっくりするほど大きいサイズのものなど、動画や写真に撮ると映えやすく、SNSでも注目を集めているのです。
また、エッグタルトといえば甘いスイーツですが、甘塩っぱくてやみつきになる味わいの「塩エッグタルト」も登場しているんですよ。
台湾では「千層蛋塔(ミルフィーユ・エッグタルト)」がトレンド
台湾では「千層蛋塔(ミルフィーユ・エッグタルト)」が爆発的な人気となっています。「蛋塔」はエッグタルトを表し、クロワッサンやデニッシュのような生地を花びらのように何層にも重ねて焼いているのが特徴です。
口に入れたときのパリパリ、ザクザクとした食感は従来のパイ生地よりもさらに強いインパクトがあり、トレンドとなっているASMRコンテンツとも相性がよいことから人気を集めているといわれています。
💡ワンポイント豆知識
2025年に開催された大阪・関西万博のポルトガル館で、本場仕様のエッグタルト(パステル・デ・ナタ)が大行列を作ったことも大きな後押しになったのだそう。万博閉幕後の現在もその熱は冷めやらず、百貨店の催事で並んだり、業務スーパーの冷凍スイーツとして身近になったりと、「日常のスイーツ」として完全に定着しつつあります。
自宅で簡単!エッグタルトレシピ
さてここからは、おうちで簡単に作れるエッグタルトのおすすめレシピをご紹介します。市販のタルト台を使ったお手軽エッグタルトや、りんごを使ったアレンジエッグタルトなど、絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
冷凍パイシートで簡単エッグタルト
冷凍パイシートを使って作るエッグタルトのレシピです。冷凍パイシートは解凍したものを伸ばし、型に合わせて敷き詰めるだけなので、お好みの型を使って作ることができますよ。おやつやデザートに、ぜひ作ってみてくださいね。
市販タルトでかわいい!プチエッグタルト
市販のタルト台を使って、プチエッグタルトを作ってみましょう。温めた牛乳と生クリーム、砂糖に卵黄を混ぜ合わせ、タルト台に流し入れて焼くだけなので、お菓子作り初心者さんにもおすすめです。ぜひ挑戦してみてくださいね。
ゴロゴロりんごのエッグタルト
カスタードクリームにりんごを入れたエッグタルトはいかがでしょうか。角切りにしたりんごと砂糖を電子レンジで加熱し、卵液に加えました。りんごのシャキシャキとした食感や甘酸っぱさがアクセントになり、とてもおいしいですよ!
簡単エッグタルト
簡単なのに本格的な味わいのエッグタルトのレシピです。卵黄や生クリームのコクとバニラの香りを効かせた濃厚な味わいで、満足感のある仕上がりになっています。お好みのトッピングで、手作りらしいオリジナルデザインに仕上げるのもおすすめですよ。
市販のタルト台で簡単エッグタルト
最後にもう一つ、簡単エッグタルトのレシピをご紹介します。市販のタルト台を使って手軽に作れますが、卵液をこすひと手間をかけることでカスタードクリームがなめらかな口当たりに仕上がり、タルト台のサクサクとした食感とのコントラストを楽しめますよ。ぜひお試しくださいね。
いろいろなエッグタルトを楽しもう!
今回は、エッグタルトの発祥や地域による違いなどについて解説するとともに、おすすめレシピをご紹介しました。シンプルな材料で作られるエッグタルトですが、地域やお店によってさまざまな違いがあるので、食べ比べてみるのもおすすめです。ご紹介したレシピも参考に、ぜひおうちでも作ってみてくださいね。

