キスってどんな魚?種類や旬の時期、おいしい食べ方について解説!

キスってどんな魚?種類や旬の時期、おいしい食べ方について解説!

クセのない淡白な味わいが人気の魚「キス(鱚)」。天ぷらや塩焼きにして食べたことのある方も多いのではないでしょうか。今回は、キスの産地や旬、どんな味わいかといった特徴について詳しく解説します。記事の後半では、キスのおいしい食べ方やおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。

  • 目次
  • キスってどんな魚?特徴を種類別に解説
  • 日本に棲息しているキスの種類について解説
  • キスの旬は年に2回ある?
  • キスの産地はどこ?
  • キスをおいしく食べる方法は?
  • キスをおいしく食べられるレシピをご紹介!
  • 甘辛いタレがおいしい 鱚天丼
  • キスのあっさりとした旨みを、存分に楽しもう!

キスってどんな魚?特徴を種類別に解説

キスは、スズキ目キス科キス属の海産魚で、朝鮮半島や中国、フィリピン、台湾などに広く分布しています。日本においても北海道から九州までのほぼ全沿岸で確認されている、世界的にも有名な魚です。比較的浅い海の砂地や、砂泥底の岩礁周辺などを小さな群れを作って回遊しています。

キス属は、約30種類ほど確認されているようで、その中で日本の沿岸に棲息しているのはシロギスやアオギス、ホシギス、モトギス、アトクギスの5種類だと言われています。そして一般的に「キス」という名前で市場に出回っているのは、シロギスだと考えてほぼ間違いないようです。

日本に棲息しているキスの種類について解説

それでは以下で、先ほど挙げた5種類のキスについてそれぞれチェックしてみましょう。

シロギス

一般的にキスとして出回っている種類です。東京では「マギス」と呼ばれることもあるのだとか。全長は20cmほどで、最大35cm程度になるといわれています。口は小さく、紡鍾形(ぼうすいけい)で淡い褐色の身体が特徴です。ほかのキス属の魚との見分け方は身体の光り方で、シロギスの身体の側面は光を反射したときに虹色に光ります。その見た目の美しさから「海の女王」とも言われているんですよ。

鱗はかためですが取りやすく、身は透明感があり、加熱してもかたくならない食べやすい白身魚です。江戸前寿司や天ぷらでは欠かせない食材のひとつで、上品な味わいを楽しめます。

アオギス

全長は40cmほどでシロギスよりも大きく、青みががかった身体が特徴。昔は広い海域で棲息していましたが、現在では九州や台湾など一部の地域にしか生息していません。絶滅が危惧されている種類で、現在、水産利用はほとんどされていないようです。

ホシギス

種子島以南の、奄美大島や沖縄などの海に生息するキスの一種。沖縄県では「ウジュル」などと方言で呼ばれているようです。シロギスに比べると頭が大きめで体高があり、少しずんぐりとした体型をしています。死ぬと現れる模様が星のようであることから、ホシギスと呼ばれています。ちなみに沖縄や奄美大島付近にはシロギスは棲息しておらず、ホシギスやこのあとご紹介するモトギスが棲息しているようです。味はシロギスと同じく、淡泊でクセがないので、天ぷらや刺身、唐揚げ、塩焼きなどにしておいしくいただけます。

モトギス

細長い身体が特徴のスマートな印象のキス魚で、沖縄では方言で「チュラウジュル」と呼ばれています。ホシギスと同様に日本産南方系のキス類ですが、ホシギスよりも希少で沖縄でもめったに釣ることはできません。河口周辺に生息していますが、淡水で見られることもあります。味はシロギスやホシギスとほぼ同じようです。

アトクギス

日本ではほぼ見ることができないといっても過言ではないほど希少で、幻の魚といわれています。体長は約20cmで、目は大きく、全体が銀白色をしているようです。海や河川の環境悪化によって局所に分布しており、個体数は少なく、絶滅危惧種にも指定されています。

ひと口にキスといっても、その種類によって見た目も生態もさまざまなので、とてもおもしろいですね!

キスの旬は年に2回ある?

旬は、春から夏、または初秋にかけてと言われています。とくに6月〜9月この時期季のキスは、産卵シーズンに向けて栄養を蓄えているため脂がのっており、濃厚な旨みを楽しめるのだとか!さらに産卵前の夏場には、エサを求めて浅瀬に出てくる習性があるため、漁獲量が増えることも理由として挙げられます。

初秋になるとキスは産卵期を迎えますが、産卵を終えた秋から冬に向かう頃には海水温度の低下に伴い、水深30~50mほどの深い場所で暮らします。冬にキスの水揚げ量が少なくなるのはそのためです。そしてこの時期のキスのことを「落ちギス」と呼びます。落ちギスは冬を越えるためにエサをたくさん食べる傾向があり、脂がのってとてもおいしいのだそうです。

先ほどご紹介したように、キスの一般的な旬は春から夏にかけてと言われていますが、この落ちギスも人気があることから、キスの旬は「6月〜9月にかけて」と「12月」の年に2回あるとも言われているんですよ。

キスの産地はどこ?

またシロギスは、北海道南部から九州にかけて広い海域で漁獲されますが、三重県や千葉県の漁獲量が多いようです。また、熊本県の天草をはじめとする九州地方においても、各地で質の高いキスが水揚げされています。そのほか、愛知県、香川県などの浅い沿岸でも漁獲されていますが、そのほとんどは獲れた地域で消費されているのだそうです。

近年では、沿岸環境の悪化に伴い、日本国内でのキスの漁獲量が大幅に減っているのが現状です。そのため、市場に出回っているキスは、南半球や東南アジア獲れのものが少なくありません。

キスをおいしく食べる方法は?

あっさりとした淡白な味わいが魅力のキス。どんな料理にしたらおいしく食べられるのか、以下でご紹介します。

塩焼き

キスの旨みをシンプルに楽しみたい方は、塩焼きがおすすめです。皮の旨みが強いため、多めの塩加減で皮目がパリッとするまで焼くとおいしく召し上がれます。

刺身

新鮮なキスが手に入ったら、刺身にして食べるのもおすすめです。白身魚ならではの上品な旨みと、プリッとした食感を味わいたい方はぜひ試してみてください。

天ぷら

キスのあっさりとした白身はサクサクの衣と相性がいいため、キス料理のなかでも特に人気です。天つゆ以外にも塩をつけて食べると、上品な甘みを堪能できます。衣をつけて揚げることで旨みが閉じ込められ、身のふんわりとした食感を楽しめますよ。

ボリューム満点のキス料理を食べたい方は、揚げたてのキスをほかほかのごはんにのせて、天丼にしてみてください。好みのタレやつゆをかけて食べれば、お箸が止まらなくなること間違いなしですよ!また、キスを蒲焼にしてごはんの上にのせるのもおすすめです。甘辛いタレとふわふわなキスの身がごはんとよく合います。

上記でご紹介した以外にもしゃぶしゃぶや炊き込みごはん、ソテー、フライなど、さまざまな調理法で楽しめます。淡白な味わいだからこそほかの食材と組み合わせやすく、幅広いレシピに活用できるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

キスをおいしく食べられるレシピをご紹介!

ここからは、キスを使ったおすすめレシピをご紹介します!キスの天ぷらやキスと大葉の天丼など、キスの上品な旨みを活かした絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

きすの天ぷら

今晩のおかずに、キスの天ぷらを作ってみませんか?キスのあっさりとした旨みをシンプルに堪能できる、贅沢な味わいの一品です。衣のサクサク食感と身のふわふわ食感のコントラストを楽しむためにも、ぜひ揚げたてを召し上がってくださいね。

梅香るキスの天ぷら

さっぱりとした味わいがクセになる!梅香るキスの天ぷらをご紹介します。開いたキスに梅肉を塗り、大葉をのせて衣をつけ、油でカラッと揚げました。梅肉のほどよい酸味と大葉の爽やかな風味がアクセントになり、お酒のお供にもぴったりですよ!

甘辛いタレがおいしい 鱚天丼

ガッツリ食べたい日には、キスをカラッと揚げて天丼にしてみてはいかがでしょうか?キスの淡白な味わいと甘辛いタレが絶妙にマッチした、思わずかきこみたくなるおいしさの一品です。やわらかいキスの身と衣の食感がたまりませんよ!このレシピではキスの天ぷらだけでなく、レンコンや大葉も天ぷらにしてのせましたが、お好みの野菜を使って、アレンジもお楽しみくださいね。

キスと大葉の天丼

ボリューム満点!キスと大葉の天丼をご紹介します。大葉と梅肉の爽やかな風味がキスの上品な旨みを引き立てる一品です。天丼のタレは、めんつゆとみりんのみでお作りいただけるので、お料理初心者の方でも気負わず挑戦していただけますよ。ぜひお試しくださいね。

キスのあっさりとした旨みを、存分に楽しもう!

今回は、キスの特徴や産地、旬などの情報について解説し、おすすめレシピをご紹介しました。クセのない淡白な味わいで、幅広いレシピに活躍するキスは、レパートリーを広げておいて損のない食材です。6月から9月にかけて旬を迎えるため、この時期にキスを見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。

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