最終更新日 2023.9.25

舞茸の選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」

舞茸の選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」

山で見つけた人が舞い上がって喜ぶことから、その名が付けられたという「舞茸」。炊き込みごはんや茶碗蒸しにすると、香りが引き立っておいしいですよね。

しかし、舞茸の魅力はそのおいしさだけではありません。舞茸を含むサルノコシカケ科のきのこは、古くから漢方薬として用いられてきました。現在では健康食品やサプリメントにも利用されており、特に欧米では健康に役立つ機能食品として注目を集めています。

今回は、そんな舞茸に含まれる栄養素や、正しい食べ方、新鮮な舞茸の選び方についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

  • 目次
  • 舞茸のほとんどは菌床栽培
  • 「幻のきのこ」と呼ばれる天然舞茸
  • 主要な栄養素はこちら
  • 驚きの栄養効果「βグルカン」に注目
  • おいしく調理するためのポイント
  • 舞茸効果でお肉がしっとりやわらかに!
  • おいしい舞茸の選び方
  • 舞茸パワーで健康な毎日を

舞茸のほとんどは菌床栽培

本来舞茸の旬は9月〜10月とされていますが、現在は1年を通してスーパーなどに並んでいます。実は、舞茸が安定して市場に出回るようになったのは90年代以降。オガクズや米ぬかなどをブロック状にまとめた「菌床」に、舞茸の種菌を植えて栽培する「菌床栽培」が普及したことがそのきっかけとなります。

「幻のきのこ」と呼ばれる天然舞茸

天然の舞茸は全国各地で採れますが、「幻のきのこ」と呼ばれるほど希少で価格も高価です。舞茸は毎年同じ木に生えると言われ、きのこ採りの方は決してその場所を他人に教えないそうです。しかも、そのほとんどは産地で消費されてしまうため、市場に出回ることはほとんどありません。

主要な栄養素はこちら

舞茸100gに含まれる主な栄養素は以下の通りです。

・エネルギー 22kcal
・たんぱく質 2.0g
・脂質 0.5g
・炭水化物 4.4g
・ビタミンB1 0.09mg
・ビタミンB2 0.19mg
・ビタミンD 4.9μg
・ナイアシン 5.0mg
・葉酸 53μg
・カリウム 230mg
・鉄 0.2mg
・亜鉛 0.7mg
・銅 0.22mg
・食物繊維 3.5g

※参照:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

驚きの栄養効果「βグルカン」に注目

舞茸には食物繊維をはじめ、ビタミンD、ビタミンB群、ナイアシン、カリウム、鉄など、毎日の健康に役立つ栄養素が多く含まれています。その中で特に注目すべき栄養素は、免疫力を高める効果があると言われている「βグルカン」です。

■βグルカン
きのこ類にはβグルカンという不溶性食物繊維が含まれていますが、舞茸はその中でも含有量がトップクラス。βグルカンは腸の働きを整え、血圧やコレステロール値を下げる効果が期待できます。また、免疫力を活性化する効果も期待でき、注目を集めています。

■ビタミンD
舞茸には、しいたけの約10倍のビタミンDが含まれています。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の形成と成長を促します。不足すると子供は成長不足に、大人は骨密度が低下して骨がもろくなる可能性があります。

■ナイアシン
ナイアシンはたんぱく質や脂質、糖質の代謝を促し、皮膚や粘膜を美しく保つ効果が期待できます。また、肝臓の働きをサポートしてアセトアルデヒドを分解し、二日酔いを予防する効果があると言われています。

おいしく調理するためのポイント

舞茸は生では食べられません。必ず加熱調理してから食べるようにしましょう。舞茸のおいしさと栄養素を余すことなく楽しむために、調理で気をつけたいポイントは以下の4つです。

■水洗いは必要ない
舞茸は基本的に完全無農薬で育てられているので、洗わなくても食べられます。汚れが気になる方は、乾いたキッチンペーパーで拭き取るようにしましょう。

■カルシウムを含む食品と一緒に食べる
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。ちりめんじゃこやチーズなどカルシウムを多く含む食材と一緒に調理することで、効率よくカルシウムを摂取することができます。

■たんぱく質分解酵素にご注意
舞茸には、マイタケプロテアーゼというたんぱく質分解酵素が含まれています。生の舞茸を茶碗蒸しに加えると、上手く固まらないのはこの働きによるものです。マイタケプロテアーゼの効果は加熱することで失われるので、茶碗蒸しなどに加える場合は事前に加熱するようにしましょう。

舞茸効果でお肉がしっとりやわらかに!

生の舞茸をお肉に揉み込むと、マイタケプロテアーゼがたんぱく質を分解してお肉をやわらかくする効果があります。特にパサつきやすい鶏むね肉に揉み込んでから加熱調理すると、しっとりとやわらかな食感に仕上がります。ぜひお試しくださいね。

おいしい舞茸の選び方

国産の舞茸のうち約60%は新潟県で生産されていますが、その品種はスーパーなどでよく目にする「黒舞茸」と白くてやわらかい「白舞茸」の2種類のみです。新鮮でおいしい舞茸を見分けるポイントは以下の3つです。

■株が大きくて肉厚
舞茸は小さく一株ごとになっているものと、大株を切り分けられたものが売られていますが、大株の方が肉厚で食感もいいです。

■カサの色がはっきりとしていて重みがある
新鮮な舞茸は、カサの色がはっきりとしています。また、重みがあって軸が引き締まっているものはおいしい舞茸である可能性が高いです。

■パックの内側が蒸れていない
舞茸などのきのこ類は水気に弱く、少しでも湿っているとそこから傷み始めます。パックの内側が蒸れて水滴が付いているものは、鮮度が落ちている可能性が高いので避けましょう。

舞茸パワーで健康な毎日を

今回は、舞茸に含まれる栄養素や、正しい食べ方、新鮮な舞茸の選び方についてご紹介しました。舞茸の魅力はそのおいしさだけではなく、毎日の健康に役立つ栄養素がバランスよく含まれています。特に体調を崩しやすい冬の季節には、積極的に食事に取り入れていきたいですね。

クラシルでは、舞茸の保存方法についてもご紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

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