「ゆり根」とはどんな食材か知っていますか?名前の通り、ユリの根の部分のことで、おせちにも使われる野菜です。今回は、ゆり根の味や旬といった特徴や、毒があるのか、そして下処理方法について解説します。記事の後半では、ゆり根のおいしい食べ方やおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
ゆり根ってどんな野菜?食べ方や下処理方法、おいしいレシピをご紹介!
- 目次
- ゆり根とは?
- ゆり根の旬や生産地
- ゆり根の味や使われる料理
- ゆり根に毒はない
- ゆり根の下処理方法
- ゆり根の下ごしらえ
- ゆり根のおいしい食べ方
- 和え物
ゆり根とは?
「ゆり根」とは、美しい花を咲かせることで知られるオニユリやコオニユリ、ヤマユリの球根部分のことです。白色の鱗片がいくつも重なったような見た目をしており、この鱗片がたくさん重なっている様子から「百合」という漢字が使われるようになったともいわれています。
ユリの花は世界中で親しまれていますが、ゆり根を食用としている国は少なく、日本や中国ぐらいなのだとか。
そんなゆり根の特徴について、以下で確認してみましょう。
ゆり根の旬や生産地
国内で流通しているゆり根のほとんどは北海道産です。収穫時期は10~12月頃ですが、収穫してから2~3か月経つとおいしくなるので、実際の食べ頃は12~2月頃となります。ゆり根は、さつまいもやかぼちゃなどと同じように、収穫後に寝かすことでデンプンが糖に変わり、甘みが増すのだそうですよ。
一般的な野菜と比べて、ゆり根の栽培にはとても時間がかかります。種を畑に植え付けられる状態に育てるまでに3年、畑に植え付けてから収穫までにさらに3年もの月日を必要とします。その上、同じ畑にゆり根を植えるには、7年間の期間を空けないといけないので、ゆり根の栽培には広大な土地も必要となります。ゆり根がとても貴重な野菜であることがわかりますね。
ゆり根の味や使われる料理
ゆり根は、やさしい甘みとほのかな苦味があります。また、火の通り具合によって、シャキシャキとした食感からホクホクとした食感、さらにねっとりとやわらかい食感を楽しめるといった特徴も。ただ一般的には、ホクホクとした食感に仕上がるように調理することが多いようです。
なかでも茶碗蒸しや梅肉和えなどの和食に使われることが多いですが、バター焼きや素揚げにしてもおいしく食べられます。
また、ゆり根は吉祥の象徴とされており、おせちにも使われることがあります。鱗片が重なり合った形をしているゆり根は、「歳を重ねる」「和合(仲が良いこと)」、そしてたくさんの鱗片がある様子から「子孫繁栄」を連想させる縁起のよい食べ物とされているのです。おせちでは、きんとんや含め煮などの料理に使われますよ。
おいしい食べ方については後ほど詳しく解説するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ゆり根に毒はない
ユリ科の植物には毒性があるものありますが、食用として販売されているゆり根には毒はありません。洗って汚れを落とし、根元のかたい部分を切るといった簡単な下処理をすれば食べられます。安心して召し上がってくださいね。
ただし、観賞用や自生しているユリの根には毒が含まれている可能性もあるので、食べないようにしましょう。
ゆり根の下処理方法
それでは、ゆり根の下処理の方法についてチェックしてみましょう。
①ゆり根はおがくずに入って売られていることが多いので、まずはおがくずを水で洗い流す。
※鱗片をばらしたあとに再び洗うので、ここでは完璧にきれいにしなくても大丈夫ですよ。
②鱗片を1枚ずつ剥がす。
③外側から順に剥いていくと根元が見えてくるので、根元を包丁で切り落とす。
④全ての鱗片を剥いてバラバラにしたら、水を張ったボウルの中で残っている汚れを洗い落とす。
⑤鱗片の茶色く変色している部分を包丁で削ったら、下処理は完了です。
このあと、動画でも確認してみましょう。
ゆり根の下ごしらえ
先ほどご説明したように、洗ったゆり根の鱗片を剥がし、最後にきれいに汚れを落とします。茶色く変色している部分も食べることはできますが、削るときれいな白色になるので、料理の見栄えをよくするためには削るのがおすすめです。
細かい作業が多くなりますが、上記のポイントをおさえてぜひチャレンジしてみてくださいね。
ゆり根のおいしい食べ方
続いては、ゆり根のおいしい食べ方をご紹介します。和食だけではなく、洋食でもおいしく食べられるので、以下で見てみましょう。
和え物
ゆり根は和え物にぴったりの食材です。クセのない味なので、梅肉やごま、おかか、たらこ、クリームチーズなど、さまざまな味つけで楽しめますよ。
炒め物
ゆり根の炒め物も絶品です。お肉やベーコン、野菜と炒めたり、バターやニンニクの風味をつけるのもおすすめ。さっと炒めるとシャキシャキとした食感を感じられます。
揚げ物
ゆり根は揚げ物にするとホクホクとした食感が引き立ちます。シンプルに素揚げにするとゆり根のやさしい風味や食感を楽しめますよ。また、玉ねぎや三つ葉、エビなどと一緒にかき揚げにするのもおすすめです。
汁物
ゆり根を汁物の具材にしてみてはいかがでしょうか。みそ汁の具材にすれば、ほのかな甘みとホクホクとした食感でやさしい味わいに仕上がります。洋風のスープにもよく合い、ゆり根のポタージュもお作りいただけますよ。
洋食
ゆり根は洋食メニューにもよく合うんです。クセがなくやさしい甘みがあるので、クリームソースとも相性抜群!グラタンやパスタにもぴったりですよ。オイル系のパスタやアヒージョも、ゆり根のホクホクとした食感を活かすことができます。
きんとん、ペースト
蒸したりゆでたりしてやわらかくしたゆり根を潰して裏ごしすると、ペースト状になります。白色できれいな、ほっこりする味わいのきんとんになりますよ。また、オリーブオイルや生クリームでのばして塩こしょうで味を整えると、ディップソースとして楽しむこともできます。
ゆり根を使ったレシピをご紹介
さてここからは、ゆり根を使ったおすすめレシピをご紹介します。和え物や炒め物、揚げ物など、ゆり根のおいしさを活かした絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
ゆり根の明太マヨ和え
ごはんのおかずにもお酒のおつまみにもぴったりな、ゆり根の明太マヨ和えを作ってみましょう。素朴な味わいのゆり根に、明太マヨが絡んで箸が止まらないおいしさ!ぜひ作ってみてくださいね。
エビとゆりねの塩炒め
エビとゆり根の食感を楽しめる炒め物をご紹介します。ゆり根のほのかな甘みとエビの旨味に、ニンニクの風味が加わり食欲をそそる味わい!簡単に作れてごはんが進む味わいなので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
ゆりねと梅のかき揚げ
食感が楽しいゆり根と梅のかき揚げはいかがでしょうか。衣のサクサクとした食感と、ゆり根のホクホクとした食感がたまらないおいしさ。梅の酸味とゆり根の甘みがマッチして絶品ですよ!冬ならではの上品な味わいをお楽しみください。
ゆり根の和風グラタン
ゆり根の食感を活かした和風グラタンを作ってみましょう。味つけは塩麹だけととてもシンプルですが、エビの旨味やしいたけの風味もプラスされてコク深いおいしいさです。ぜひお試しくださいね。
ゆり根を使った料理を作ってみよう!
今回は、ゆり根の特徴や下処理の方法、おすすめレシピなどをご紹介しました。ゆり根は旬の時期以外には見かける機会の少ない野菜です。スーパーなどで見つけたときには、ぜひ料理に使ってみてくださいね。