韓国料理の「クッパ」を食べたことはありますか?スープとごはんを組み合わせた、日本でいうところの雑炊のような料理で、韓国では昔から親しまれています。この記事ではクッパの名前の由来や特徴、クッパの種類、さらに雑炊やおじやとの違いについても解説!後半ではバラエティ豊かなクッパのレシピもご紹介します。
韓国料理「クッパ」とは?種類や雑炊との違い、レシピもご紹介!
- 目次
- クッパとは?
- 韓国の定番スープごはん
- クッパの具材はバリエーション豊富!
- クッパとビビンバの違いはスープの有無
- こんなにあるの!?クッパの種類をご紹介
- 雑炊やおじやとの違いは「ごはんを入れるタイミング」
- 一年中食べたい!手軽に作れるクッパのレシピをご紹介
- あつあつのクッパをおうちでも作ってみよう
クッパとは?
クッパとは肉や野菜などを煮込んだ温かいスープとごはんを一緒に食べる料理のこと。いわゆる韓国式の「スープごはん」です。まずはクッパの名前の由来のほか、ビビンバとの違いを見てみましょう。
韓国の定番スープごはん
クッパは韓国語でスープを意味する「クッ」と、ごはんを意味する「パプ」を組み合わせた言葉です。韓国では「クッパプ」と呼ばれています。
韓国では、ごはんにスープ、おかず、キムチなどがバランスよく食卓に並び、スープは日常的に食べられていて、もちろん今回テーマである「クッパ」もよく食べられています。特に韓国の冬は寒さが厳しいため、体を温めるスープやクッパは欠かせない存在なのです。
クッパの具材はバリエーション豊富!
具材は牛肉、豚肉、魚介、野菜など、お店や家庭によってさまざま。味は辛みのあるものや牛骨だしなどをベースにしたまろやかなものなど、こちらもバリエーションが豊富で、素材を活かした深い味わいを楽しめます。
近年、日本でも韓国料理店や焼肉店のシメのメニューとしておなじみの存在となっているんですよ。
クッパとビビンバの違いはスープの有無
ごはんを使う韓国の代表料理に「ビビンバ」があります。クッパ同様、日本でも人気のある韓国料理ですよね。どちらもごはんとさまざまな具材が使われる料理ですが、このふたつの大きな違いはスープの有無にあります。
クッパがスープとごはんを一緒に味わう「スープごはん」であるのに対し、ビビンバはごはんのうえにナムルや肉などの具材をのせて、よく混ぜて食べる「混ぜごはん」です。同じごはん料理でも、スープで楽しむか混ぜて楽しむかという、まったく違った魅力があるんですね。
💡ワンポイント豆知識
「ビビンバ」という名前は、韓国語で「混ぜる」を意味する「ビビン」と、「ごはん」を意味する「パッ」が合わさった言葉なんですよ。
こんなにあるの!?クッパの種類をご紹介
「クッパ」と一言でいっても、地域や具材の違いによって種類はさまざまです。ここでは、代表的なクッパをご紹介しますので、お気に入りのクッパを見つけてくださいね。
| 種類 | メイン食材 | 味や特徴 |
|---|---|---|
| ユッケジャンクッパ | 牛肉、もやし、わらび |
・唐辛子粉やコチュジャンで味つけ |
| カルビクッパ | 牛バラ肉、野菜 |
・あっさり系からピリ辛まで |
| テグタンクッパ① | タラ、白子、せり、もやし |
・ニンニクや生姜を使う |
| テグタンクッパ② | 牛肉、野菜 |
・大邱地方の郷土料理 |
| テジクッパ | 豚肉各部位、ニラ、野菜 |
・釜山のご当地クッパ |
| ソルロンタンクッパ | 牛肉、長ネギ、(そうめん) |
・牛骨ベースのスープ |
| コムタンクッパ | 牛肉、牛ホルモン |
・牛肉の旨味たっぷり |
| キムチクッパ | キムチ、肉、野菜、海鮮 |
・ピリ辛 |
| コンナムルクッパ | 豆もやし |
・あっさりとしている |
| スンデクッパ | スンデ、長ネギ |
・豚骨ベースのスープ |
| チュオタン | ドジョウ、野菜 |
・ピリ辛 |
ユッケジャンクッパ
牛肉ともやしやワラビなどの野菜を煮込んだスープ「ユッケジャン」とごはんを組み合わせたものが「ユッケジャンクッパ」です。唐辛子粉やコチュジャンを使った辛みのあるスープが魅力!牛肉の旨味が溶け込んだ真っ赤なスープは食欲をそそり、具だくさんでごはんとの相性も抜群ですよ!
カルビクッパ
焼肉でおなじみの「カルビ(牛バラ肉)」が入った満足度の高いクッパです。しょうゆベースのあっさりしたものから、コチュジャンなどで味つけしたピリ辛のものまで、家庭やお店によって味わいはさまざま。カルビの濃厚な旨味が溶け出したスープに、ニラやもやしなどの野菜、卵などの具材がたっぷり入っています。
テグタンクッパ
タラの身やアラ、白子など、タラの味を余すところなく味わえるクッパです。「テグ」は韓国語で魚のタラ(鱈)、「タン」はスープを指します。タラの旨味がじんわりと溶け出したスープにニンニクや生姜で風味をつけて、唐辛子をたっぷり加えた辛みのある真っ赤な色が特徴で、タラのほか、せりや豆もやし、ねぎを加えることが多いようです。
💡ワンポイント豆知識
ちなみに「テグタンクッパ」には、牛肉や牛骨を使ったものも存在します。このもう一つのテグタンクッパは地域名に由来していて、韓国にある大邱(テグ)地方の郷土料理を指しているのです。だしは異なりますが、野菜や唐辛子を加えて辛みのあるスープに仕上げるのは、先ほどご紹介したテグタンクッパと同じです。
テジクッパ
テジクッパは釜山のご当地グルメ!慶尚道(キョンサンド)地方の郷土料理であり、昔から愛されている人気のクッパです。さまざまな部位をじっくり煮込んだ豚骨ベースのスープに茹でた豚肉がたっぷり入っています。テジクッパには別添えでニラが付いてくるのが特徴で、それを入れて食べます。味が薄いときはアビエビの塩辛やキムチなどで調整して、お好みの味わいにしていただきましょう。
ソルロンタンクッパ
牛骨や肉、内蔵を長時間じっくり煮込んで作るスープ「ソルロンタン」のクッパです。スープに牛の旨味が溶け出して白濁しているのが特徴で、コクはありますがクセや辛みはなくやさしい味わいをしています。具材は薄切りの牛肉のほかねぎが入っており、そうめんを加える場合もあるのだとか。お好みで塩やコショウ、唐辛子などで味を調節するのが一般的な食べ方です。
コムタンクッパ
牛のスネ肉や内臓、テールを時間をかけて煮込んだスープ「コムタン」のクッパです。白濁していることもあり、ソルロンタンと同じように思えますが、ソルロンタンクッパよりコムタンのほうが薄めで、クセも少なく、口あたりがあっさりとしています。しょうゆなどで味つけされたすっきりとした味わいですが、牛肉の旨味をしっかりと感じられ、箸でほぐれるほどやわらかく長時間煮込まれた肉も魅力です。やさしい味わいで、日本人にも人気があります。
💡ワンポイント豆知識
ソルロンタンは牛骨を長時間かけてじっくり煮込むため白濁したスープに仕上がり、コムタンは牛すね肉や牛テール肉を煮込むため澄んだ見た目のスープになります。ただ近年は、白濁しているコムタンもあるようで、違いが曖昧になってきているようです。
キムチクッパ
その名の通りキムチとごはんをメイン食材として使うクッパです。韓国では、煮干しの出汁や米の研ぎ汁をベースにして、豚肉や豆腐、長ねぎなどの具材を加え、煮込んで作られるのだとか。辛さと酸味、旨味が調和した深い味わいのスープはリピートしたくなるおいしさ!食べ応えもあって、寒い日にぴったりな一品として、韓国では冬によく食べられているようです。
コンナムルクッパ
「コンナムル(豆もやし)」をたっぷり入れたクッパのことで、シャキシャキとした食感が楽しめます。韓国の全羅北道(チョルラブット) や全州 (チョンジュ)の郷土料理としても有名です。塩やしょうゆで味つけしたあっさりした味わいのものや、唐辛子やニンニクなどでアレンジした辛みのある味わいのものがあります。
💡ワンポイント豆知識
全州のコンナムルクッパには「スラン」と呼ばれる湯せん卵が欠かせないのだそう。卵を金属の器に入れて湯せんにかけたもので、半熟状態で提供されます。
スンデクッパ
豚の腸に春雨やもち米などを詰めて蒸した韓国式のソーセージ「スンデ」や豚ホルモンなどが一緒に煮込まれています。スンデには独特の風味と食感がありますが、食べているうちにだんだんクセになってくる方も多いようです。やさしい味わいのスープにエゴマの粉やアミエビの塩辛などを加えて自分好みにアレンジするのが定番の食べ方なのだとか!具材のスンデは味噌ダレや塩などにつけたり、キムチと一緒に食べるのが一般的です。
チュオタン
「チュオ(どじょう)」を青菜や白菜などの葉野菜と一緒に煮込んだスープです。一般的にはやわらかく煮込んだどじょうを、すりつぶしてザルでこして作ります。味噌やエゴマ粉で味つけをしたり、唐辛子やニンニク、山椒などを用いた辛味調味料をつけて食べたりと地域によって食べ方が異なるようです。
💡ワンポイント豆知識
どじょうをまるごと煮込み、ねぎやきのこ、豆腐をなどを加える地域もあります。見た目からは想像しにくいものの意外と食べやすく、特に栄養価が高いため、韓国では夏バテ防止のスタミナ食として知られているんですよ。
雑炊やおじやとの違いは「ごはんを入れるタイミング」
温かいスープにごはん、と聞くと日本の「雑炊」や「おじや」が思い浮かびますよね。見た目はよく似ているこの3つの料理ですが、作り方や食感に違いがあります。それは「ごはんを入れるタイミング」です。
クッパは完成したスープにごはんを後から入れたり、スプーンにのせたごはんをスープに浸したりして食べます。煮込まないので、お米の粒感がしっかり残っているのです。
一方、雑炊やおじやはごはんと出汁や具材を一緒に煮込んで作ります。一緒に煮込むことでごはんがスープを吸い込んで、やわらかくとろりとした食感になります。
💡ワンポイント豆知識
実は雑炊とおじやにも食感に違いがあります。雑炊は、炊いたごはんを一度水洗いしてぬめりを取ってから煮込むため、比較的さらりとした上品な口当たりです。一方、おじやはごはんを洗わずにそのまま煮込むので、とろみのついた食感に仕上がります。このように調理法の違いが異なる食感を生み出しているのです。
一年中食べたい!手軽に作れるクッパのレシピをご紹介
クッパの魅力がわかったところで、ここからはおうちで手軽に作れるクッパのレシピをご紹介します。肉が入ったクッパからやさしい味わいの卵クッパまで、さまざまなレシピをピックアップしました。ぜひ作ってみてくださいね。
野菜たっぷり カルビクッパ
牛肉と野菜がたっぷり入った具だくさんのカルビクッパのレシピです。牛肉を炒めたら、干し椎茸の戻し汁と野菜を順番に入れて煮込み、最後に溶き卵を回し入れたらできあがり!コクと旨味たっぷりでおいしい、満足感のある一品です。
旨味たっぷり カルビクッパ
深みのある旨味を楽しめるカルビクッパのレシピをご紹介します。このレシピの最大のポイントは、あらかじめ牛肉に下味をつけておくこと!そうすることで、より牛肉の旨味が引き立ちます。ピリ辛スープに牛肉や野菜、しいたけなどの具材の旨味が調和して食べ応えも抜群です!ランチにも夕食にもぴったりの一品ですよ。
あったかコムタンクッパ
やさしい味わいのコムタンクッパはいかがでしょうか。牛カルビ肉をじっくりと煮込み、ダシダで味つけしました。牛乳を加えることであっさりとしていしながらもコクのあるスープに仕上がります。牛カルビは下茹ですることで臭みが和らぎ、食べやすくなりますよ。ぜひ作ってみてくださいね。
あつあつ キムチクッパ
キムチの酸味と唐辛子の辛みが食欲をそそる、キムチクッパのレシピです。青唐辛子のキリッとした辛みが加わったスープは辛いだけでなく、ダシダとごま油の旨味とコクがプラスされやみつきになるおいしさ!ごはんがどんどん進みますよ。辛いものが好きな方にはたまらない一品です。
シンプルにおいしい 卵クッパ
まろやかでどこかホッとする味わいのシンプルな卵クッパも、ぜひレパートリーに加えていただきたい一品です。出汁の干し椎茸の旨味と野菜の甘みを感じられるやさしい味わいで、朝ごはんや夜食にもおすすめ!時短で作れるのも魅力のレシピです。お好みで唐辛子などの辛味を加えてアレンジしてもおいしくいただけますよ。
※『ダシダ』は「シージェイ チェイルジェダン コーポレーション」の登録商標又は商標です。
あつあつのクッパをおうちでも作ってみよう
今回は韓国料理のクッパについて、種類ごとの特徴、雑炊やおじやとの違いを解説し、最後においしいクッパのレシピもご紹介しました。たくさんの種類があるクッパをぜひ作ってみて、お気に入りを見つけてくださいね。
