むかごって何？特徴や下処理方法、おいしい食べ方について解説！

「むかご」という食材をご存じですか？スーパーではあまり見かけないため「名前は聞いたことがあるけれどよく知らない」という方も多いかもしれません。本記事では、そんなむかごの特徴や旬の時期、下処理の方法について解説します。 記事の後半では、おすすめのレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「むかご（零余子）」とは、長芋や大和芋、自然薯といったヤマノイモ科に属する芋の葉の付け根にできる、球状の芽（肉芽）のこと。1cm前後の大きさで、豆のように見える小さな食材です。

このむかごは山芋のもとになる芽のような存在で、土に埋めると新たな芽や根が出て、いずれ山芋へと育っていきます。ただし、立派な山芋に育つには数年かかるとも言われているんですよ。

特徴は、ころんとした見た目と、ほっくりやさしい食感、そして素朴ながら野性味のある風味。定番の塩ゆでや炊き込みごはんをはじめ、煮る・炒める・焼く・ゆでるなど、さまざまな調理法で楽しめます。簡単な下処理だけで皮ごと食べられるのも、うれしいポイントです。

💡ワンポイント豆知識
むかごは漢字で「零余子」と書きますが、なぜこの表記なのか明確な由来はわかっていません。一説には、「零余」が「こぼれ落ちる」や「わずかに残ったもの」という意味を持ち、完熟したむかごが蔓から雨粒のようにぽとぽと落ちる様子を表しているともいわれています。

むかごの旬は、9月下旬から11月初旬ごろ。秋が深まり、山の空気が冷んやりとしてくる時期に、むかごも収穫のピークを迎えます。

指で軽く触っただけでぽろっと採れるようになったら、完熟のサイン。しかしすべてを収穫するには非常に手間がかかるため、そのまま廃棄されてしまうことも多いのだそうです。

ちなみに、山芋そのものの旬は、11月～1月ごろ。むかごの旬である秋が終わり、肌寒い季節になると収穫できるようになります。

むかごは皮がとても薄いため、基本的には水洗いするだけで皮ごと食べられます。ただし、土くささが気になるときは、ひと手間加えた下処理をしておくと、よりおいしく調理できますよ。

①水で洗ったむかごをザル（もしくはすり鉢）に入れる
②ザルにむかごをこすりつけるようにしながらかき混ぜ、余分な皮を取り除く
③再びむかごを水洗いし、水気を切る

⭐️クラシルシェフのアレンジポイント⭐️
強く洗いすぎると風味が落ちてしまいます。汚れをさっと流すように、やさしく洗ってくださいね。

むかごの特徴や下処理方法などを確認したところで、ここからはむかごを使ったおすすめレシピをご紹介します。炒めものや炊き込みごはんなどむかごの食感や風味を活かしたレシピをピックアップしました。むかごが手に入ったら、ぜひ試してみてくださいね。

ほくほくのむかごに、にんにくとバターの風味が好相性！ふわっと広がる青のりの香りがアクセントになり、あと引くおいしさですよ。ごはんのおかずやお酒のおつまみに、ぜひ作ってみてくださいね。

続いてもほっくりやさしい食感のむかごをニンニクやバター、めんつゆで味つけした一品です。このレシピでは、ごはんもお酒もどんどん進む、こってり濃厚な味わいに仕上げました。フライパンひとつでパパッと作れるので、すぐに食べたいときにもぴったりですよ。

今日の晩ごはんに、むかごの炊き込みごはんはいかがですか？だしの風味が効いたごはんにむかごのほくほくとした食感がよく合い、ついつい箸が止まらなくなるおいしさ！白だしやみりんで、簡単に味つけできるのもうれしいポイントです。

具だくさんでボリューム満点！続いてもむかごを使った、炊き込みごはんのご紹介です。作り方はとにかく簡単で、洗ったお米と具材、調味料を炊飯器に入れ、あとは炊飯のスイッチを押すだけ！中華風に味つけたごはんにむかごやしいたけ、にんじん、たけのこの食感や風味が絶妙にマッチして、思わずおかわりしてしまうほどのおいしさですよ。

夏の暑さも落ち着き、秋の気配が深まるころに旬を迎える「むかご」。ほっくりやさしい味わいは、まさに秋の恵みそのものです。見かけたらぜひ手に取っていただき、秋限定のおいしさをお楽しみくださいね。