「プディング」と「プリン」って違うの？特徴やおうちで作れる簡単レシピもご紹介

「プディング」はイギリスの伝統的な蒸し料理のこと。現在は、卵や牛乳を使うのが一般的ですが、なかには小麦粉を使うものもあります。

今回は、プディングとは一体どういうものなのかを解説します。プリンとの違いやプディングの種類のほか、おうちで作れるプディングレシピもご紹介しますので、合わせてチェックしてみてくださいね。

そもそもプディングとはどのようなものなのでしょうか？ここでは、プディングの概要や歴史を詳しく解説していきます。

プディングは、イギリスに古くから伝わる家庭料理です。蒸し料理全般を指しており、いろいろな種類のプディングがあります。また、種類によっては卵や牛乳以外にも小麦粉や香辛料、ソーセージなどを使うものも。デザートのように甘いものだけでなく、食事になるような甘さがないプディングもあるのです。

プディングは、16世紀ごろに船乗りたちが作った料理がルーツだと言われています。船乗りたちは、いったん航海に出ると限られた食材で料理を作らなければいけませんでした。捨ててしまうような肉や野菜などの切れ端を集め、卵と一緒に蒸したことがプディングのはじまりなんだそう。プディングは、食材を無駄にしない工夫からできた料理なんです。

卵や牛乳、砂糖を使って作られるプリンは、実はプディングの一種であるカスタードプディングが元となったスイーツなんです。カスタードプディングは、江戸時代の終わり頃から明治の初め頃にイギリスから伝わりました。その際、プディングという言葉が正しく聞き取れず、プリンと発音するように。日本にはほかにプディング料理がなかったため、カスタードが省略されて、いつの間にかカスタードプディングをプリンと呼ぶようになったようです。

プリンにはいろいろな作り方があり、蒸し器で蒸したもののほか、オーブンで焼いたものやゼラチンで固めたものなどがあります。それぞれのどごしや食感が違いますが、どれも卵のやさしい甘さを楽しめ、大人にも子どもにも人気があります。

概要でもお伝えした通り、イギリスでは蒸し料理全般を「プディング」と呼びます。 卵や牛乳、砂糖だけでなく、小麦を使ったケーキやパンに近いものや、砂糖が使われていないおかずに近いものまで、その種類はさまざまです。

つまり、カスタードプディングとプリンは同じものでも、それ以外のプディングとプリンはまったくの別ものということになります。そのため、イギリスで「プディング」を頼んでも、日本で定番のプリンは出てきません。イギリスでプリンが食べたいときは「カスタードプディング」と注文するようにしてくださいね。

また、海外では、プリンのようにカスタードを使って作られるものは「フラン」と呼ばれることもあります。プリンに比べると弾力があり、ぷるぷるとした食感をしています。

前述の通り、イギリスではさまざまな種類のプディングが存在します。お米やパンを使ったものや甘くないものなど、日本ではあまり馴染みのないものも。以下で、イギリスで代表的なプディングをご紹介します。

カスタードプディングは、日本でいうプリンの元になったスイーツで、卵、牛乳、砂糖を混ぜ合わせ、蒸すかオーブンで蒸し焼きにして作られます。なめらかな舌触りで、やさしい卵の風味を楽しめるのが魅力。カスタードの甘さに、カラメルソースのほろ苦さがよく合い、老若男女問わず愛されています。

イギリスのクリスマスには欠かせない伝統的なスイーツのひとつです。さまざまな種類のドライフルーツやナッツ、卵や牛の油、小麦粉、砂糖、スパイス、ラム酒などを混ぜ合わせた生地を蒸して作ります。真っ黒な見た目で、ずっしりとしたケーキに近い仕上がりです。ラム酒の芳醇な香りと濃厚な味わいをお楽しみいただけます。本場イギリスではクリスマスの5週間前から仕込んで、クリスマス当日まで熟成させるのが習わしなのだそうですよ。

ふわふわもちもちとした食感のシュークリームの皮のような見た目をした甘くないプディングです。牛脂を塗った型に、小麦粉や牛乳、卵などを混ぜ合わせたものを流し込み、オーブンで焼き上げます。イギリスでは、定番のローストビーフなどの肉料理の付け合わせとして出されることが多く、肉汁を絡めていただくのだとか。

その名の通り、イギリスでは夏に食べる定番のスイーツです。食パンと数種類のベリーを重ねて作ります。いちごやブルーベリーなどを煮て作るシロップを食パンに染み込ませ、さらに中にもベリーを入れているので、ベリーの甘酸っぱさをたっぷりと味わうことができます。

お米を牛乳で煮詰めた、ミルク粥のようなもの。甘みがあり、砂糖やシナモンなどを加えたり、チョコレートやフルーツなどをトッピングしてデザートとしていただくことが多いようです。できたてのあたたかい状態のものを食べるのはもちろん、冷やして食べるのもおすすめですよ。

ブレッドプディングは、いわゆるパンプディングのこと。イギリスでは、古くなって固くなってしまった食パンを再利用するために作られていました。食パンを小さくちぎり、そこへ牛乳や卵、ドライフルーツ、スパイスなどを加えて焼き上げます。イギリスのブレッドプディングは、日本のふんわりとした食感のパンプディングとは違い、ずっしりとしています。

さまざまな種類のプディングを知ったところで、ここからはおすすめのプディングレシピをご紹介します。クリスマスプディングをはじめ、おかず風のものまでピックアップしているので、ぜひ作ってみてくださいね。

洋酒が香る風味豊かなクリスマスプディングをご紹介します。ドライフルーツがたっぷり入っていて食べ応えがあります。ポイントはなんといっても牛脂！刻んで加えることで、濃厚な味わいに仕上がりますよ。

カスタードのやさしい甘さがたまらない、ライスプディングはいかがでしょうか。ごはんを牛乳で煮ることによってクリーミーでまろやかな味わいをお楽しみいただけます。フルーツなどをのせてもおいしい、おやつや朝食にぴったりの一品です。

パンプディングと聞くと甘いものを思い浮かべますが、このレシピではズッキーニと明太子を使ってピリ辛に仕上げました。朝食にはもちろん、お酒にもよく合うので覚えておくと便利ですよ。ぜひ試してみてくださいね。

プディングのひとつであるプリンのレシピも忘れてはいけませんね！ここでご紹介するのは思いついたらすぐに作れるお手軽レシピなので、ぜひレパートリーに加えてみてください。

蒸し器もオーブンも使いません！卵と牛乳、砂糖、そしてフライパンさえ準備すれば簡単にプリンが作れますよ。プリン液をこしながらココットに入れるのがおいしく仕上げるコツです。こうすることで、なめらかな舌触りに仕上がります。おやつやデザートにぜひ作ってみてくださいね。

いかがでしたか？今回は、プディングの特徴やプリンとの違いに加え、プディングの種類についてご紹介しました。プディングが蒸し料理全般を指すということを初めて知った方も多いのではないでしょうか。今回ご紹介したもの以外にも、たくさんのプディングが存在します。見た目も味わいもさまざまなので、シーンに合わせて、いろいろなプディングをお楽しみくださいね。