マレーシアやシンガポールで食べられている麺料理「ラクサ」。スパイスの効いたスープが特徴で、マイルドなものから辛いものまで地域ごとに異なるのも魅力です。この記事ではラクサの名前の由来や特徴、味について、代表的な種類と作り方も解説します。ラクサ風レシピもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
シンガポール生まれの人気麺料理【ラクサ】とは?味や魅力、簡単レシピも紹介
- 目次
- 「ラクサ」とは?
- ラクサの名前の由来
- ラクサの味はどんな味?
- ラクサの種類と違いについて
- ラクサの作り方
- 自宅で再現!ラクサ風レシピをご紹介
- おうちでもラクサを味わってみよう!
「ラクサ」とは?
ラクサとはマレーシアやシンガポールなどで親しまれている麺料理のこと。魚介から取っただしにスパイスを効かせたスープが特徴で、一説には中国とマレーシアの食文化が融合して生まれた「ニョニャ料理」のひとつともいわれています。
後ほど詳しく解説しますが、ラクサは地域ごとに味わいや麺、具材が異なり、さまざまなバリエーションが存在します。麺は米粉から作られている米麺が一般的ですが、黄色い卵麺を扱う場合もあるようです。
多少クセはあるものの、ラクサのスパイシーで複雑な味わいの虜になる人も多く、日本でもインスタントラーメンやカップラーメンなど商品化もされるほど人気があります。
ラクサの名前の由来
ラクサはアルファベットで「Laksa」、漢字では「叻沙」と書きます。名前の由来は諸説あり、古代インドのサンスクリット語で「多くの」を意味する「LAKH」や、古代ペルシャ語で「ツルッとした」を表す「LAKHSHA」が語源ともいわれています。
たくさんの具材やスパイスが使われていることや、米粉などで作られた麺の食感がそのまま料理の名前になったのかもしれませんね。
ラクサの味はどんな味?
ラクサは一度食べると忘れられない複雑で奥深い味わいが魅力です。ここではラクサが持つ味わいの特徴について、スープや具材などをご紹介します。
クリーミー系と酸味系
ラクサの味わいは大きくふたつのタイプにわけられます。ひとつはココナッツミルクが入った濃厚かつクリーミーなタイプで、まろやかながらもスパイスが効いた味わい。
もうひとつはタマリンドというマメ科のフルーツの酸味を活かしたさっぱりタイプで、魚介だしの旨みと爽やかな酸味、スパイスの風味が絶妙なバランスでマッチした後を引く味わいをしています。どちらもクセになるおいしさですが、日本でラクサというと前者のココナッツミルクが入っているタイプを指すことが多いです。
スパイスの刺激と複雑な香り
クリーミー系と酸味系のどちらのラクサにも共通するのが、食欲をそそるエスニックな香りです。ラクサの種類によって異なりますが、唐辛子やこしょう、レモングラス、ショウガ科のガランガル、ターメリックといった多彩なスパイスやハーブが使われています。これらが複雑に絡み合うことで、スープにグッと深みが増してラクサならではのやみつきになる風味を生み出しているのです。
麺の種類
ラクサに使われる麺は、ツルッとした食感の米麺のほか、「イエローミー」と呼ばれる卵麺なども使われます。そ
れ以外にもスプーンでスープと一緒にすくって食べる短い麺や、米汁を蒸してくるっと巻いた麺、パスタを使ったラクサもあるのだそうです。
地域によって異なる具材
具材はエビや鶏肉、油揚げ、もやし、ゆで卵といった定番から、地域によってはきゅうりや錦糸卵を入れることもあります。
ほぐした魚の身も定番具材のようですが、魚が1尾丸々入ることも!さらに、パイナップルが入るラクサもあります。
このように、地域やお店などによってさまざまなバリエーションのラクサがあるため、ラクサマニアの人々はマレーシアやシンガポールに行くと何軒もラクサのお店を巡って、食べ比べを楽しむことも多いようです。
ラクサの種類と違いについて
マレーシアやシンガポールには地域によって異なる個性豊かなラクサが存在します。ここでは代表的なラクサの特徴を解説しますので、お気に入りの一杯を見つけてくださいね。
カレーラクサ(カリーラクサ)
マレーシアの首都クアラルンプールなどで食べられているラクサです。
鶏やエビのだしに、カレーに使われることの多いクミンやターメリックなどのスパイス、ココナッツミルクが入っています。唐辛子の辛みが効いたスパイシーかつクリーミーなスープが特徴です。
トッピングはエビや鶏肉、油揚げなどが定番。お店によっては麺は卵麺と米麺の両方かどちらかを選べることも多いようです。「サンバル」という辛味調味料でお好みの辛さに調節もできます。
💡【ワンポイント豆知識】
サンバルとは、マレーシアやインドネシアなど、東南アジアで広く親しまれている、唐辛子をベースにしたペースト状の辛味調味料です。唐辛子のほか、ニンニクや干しエビ、トマト、お酢などを合わせて作られます。国や地域、メーカーによって味わいが異なるようで、甘みのあるものから激辛のものまでさまざまな味わいのものがあるのだとか。
アッサムラクサ
マレーシアのペナン島などで食べられているラクサです。マレー語で「アッサム」は「酸っぱい」を意味します。
その名の通り、魚のだしにタマリンドの酸味と唐辛子などのスパイスが効いた辛みのあるさっぱりとしたスープが特徴です。魚のほぐし身をスープに加えるため、スープにとろみがついています。パイナップルや玉ねぎ、きゅうり、ミントなどをトッピングし、太めの米麺を使うのが一般的です。独特なクセのあるエビを発酵させたペースト「ヘーコー(蝦膏)」が添えられます。
ニョニャラクサ
マレーシア南部のマラッカやシンガポールなどで食べられているラクサで、日本でラクサというとこの「ニョニャラクサ」を指すことが多いです。
鶏やエビのだしにカレー系のスパイスとココナッツミルクが入っていて、さらにラクサリーフやレモングラス、シナモンなど多種類のスパイスやハーブが使われるため、豊かな香りと複雑で奥深い味わいを楽しめます。
カレーラクサに似ていますが、カレーラクサよりもココナッツミルクが多く、辛さが控えめでまろやかな味わいです。具材はエビや貝、魚のすり身のほか油揚げ、きゅうりなどが多く、麺は米麺と卵麺のミックスが定番なのだとか。カラマンシーやリマウと呼ばれる小ぶりの柑橘を絞り、味の変化を楽しむ食べ方もあります。
サラワクラクサ
ボルネオ島のサラワク州などで食べられているラクサです。エビや鶏のだしにココナッツミルクを入れ、サラワク特産のこしょうや山椒など多種類のスパイスやハーブが入っています。
クセが少なくバランスのとれたマイルドな味わいが特徴です。具材はエビやほぐした鶏肉、錦糸卵などが定番で、ビーフンなどの細めの米麺を使うのが一般的なのだそう。食べる際にカラマンシーを絞ったり、サンバルで辛みを加えるなど、お好みの味で楽しめます。
ラクサの作り方
ラクサの特徴や種類がわかったところで、おうちでもラクサを作ってみたくなったのではないでしょうか。ここでは一般的なラクサの材料や作り方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
材料
・麺:フォーや中華麺など
・具材:有頭エビ、鶏肉、油揚げ、魚の練り物などお好みで
・トッピング:もやし、ゆで卵、香菜(コリアンダー)など
・ラクサペースト:干しエビ、玉ねぎ、ニンニク、しょうが、豆板醬、カレー粉、味噌、砂糖
・ココナッツミルク、ナンプラー
・サラダ油
手順
① 水で戻した干しエビとそのほかのラクサペーストの材料をミキサーで滑らかにする
② エビの殻や頭をつぶしながらサラダ油で炒めて水を入れて煮出し、ザルでこしてだし汁をとる
③エビの身や鶏肉に火を通し、油揚げと魚の練り物をさっと茹でたら、エビ以外を食べやすい大きさにする
④サラダ油を熱した鍋で①を炒め、ココナッツミルクとナンプラー、②を入れてスープを作る
⑤茹でた麺を器に盛り、④のスープを入れて③をのせ、さっと茹でたもやしとゆで卵、香菜を添えて完成
自宅で再現!ラクサ風レシピをご紹介
ここからは、おうちでも作りやすいラクサ風レシピをご紹介します。日本人になじみ深いココナッツミルクベースのレシピを集めましたので、ぜひチェックしてみてくださいね。
お手軽にラクサ風
まずは、手軽に作れるラクサ風をご紹介します。カレー粉のほかに桜エビと鶏もも肉を使うことで、旨味たっぷりのスープができあがりますよ。このレシピでは、ココナッツミルクパウダーと水を使ってスープを作るのでコクがありつつもさっぱりとしたスープに仕上がります。鶏もも肉や厚揚げなど、具材がゴロゴロ入ったボリュームたっぷりの一品です。
シンガポールの屋台飯を再現 ラクサ
玉ねぎと生姜、ニンニク、レモン汁で作る香味液がポイント!シンガポールの屋台の味を再現したラクサのレシピです。香味液を加えたカレースープは、すっきりとしていながらも奥深い味わいでココナッツミルクの甘さとよく合います。クセになるおいしさで、ついついお箸が進みますよ!ぜひ、試してみてくださいね。
おうちで簡単 ラクサ風パスタ
ラクサの麺をパスタでアレンジしました!このレシピでは、香味野菜とカシューナッツ、干しエビ、スパイスをすりつぶして作るペーストがおいしさの決め手です。このひと手間で、風味が豊かになりますよ!とろりとしたスープはスパイシーかつクリーミーで、パスタによく合います。パスタのレパートリーを増やしたいときにもおすすめです!
パリパリ揚げ麺のラクサ
カリッと揚げた中華麺の食感が楽しいアレンジラクサです。紫玉ねぎや赤パプリカなどの彩り豊かなトッピングが見た目も華やかで食べ応え抜群!少し手間はかかりますが、食べたらまた作りたくなるほどおいしいので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
ラクサ風春雨スープ
ラクサ風スープに春雨を入れてアレンジしました。春雨スープと聞くとあっさりとしたイメージがありますが、このレシピは具だくさんで満足感がしっかりとあります!カレー粉の風味とレモン汁の酸味、ココナッツミルクの甘みがツルツルとした食感の春雨とよく合いますよ。朝食や夜食にもおすすめの一品です。
おうちでもラクサを味わってみよう!
今回はラクサの特徴や種類、一般的な作り方を解説し、ご自宅で作りやすいラクサ風レシピもご紹介しました。スパイシーで香り豊かなラクサは何度も食べたくなる味わいです。いつもとは違った麺料理が食べたくなったときには、ぜひ作ってみてくださいね。
