2024.10.16

新米と呼ばれるのはいつ?特徴や収穫時期、おいしく炊く方法について解説!

新米と呼ばれるのはいつ?特徴や収穫時期、おいしく炊く方法について解説!

毎年秋が訪れると、多くの家庭の食卓に「新米」が並び、お米の新鮮な香りや甘みを楽しむことが風物詩となっています。ところで「新米」とは、いつ収穫されたお米のことを指すのでしょうか?今回は、「新米」の意味や収穫の時期について、そしておいしく炊く方法も含めて詳しく解説していきます。ぜひチェックしてみてくださいね

  • 目次
  • 新米とは?定義や新米と呼ばれる時期を解説
  • 米穀年度による新米の定義
  • JAS法による新米の定義
  • 新米の収穫時期や古米との違いとは
  • 地域別にみる新米の収穫時期
  • 新米と古米の主な違い
  • 新米と古米の大きな違いは水分量
  • 古米もおいしい!正しく保存することが大切

新米とは?定義や新米と呼ばれる時期を解説

新米とは、その年に収穫されたばかりのお米のことを指します。その年の秋に収穫されて、精米・包装されたお米が新米として店頭に並ぶのです。具体的には「その年の12月31日までに精米されたお米」が食品表示基準によって新米と定められているため、一般的に秋から年末にかけて販売されるものが対象となります。

また、容器や包装などに「新米」というシールが貼ってあったり、袋に新米とプリントされていたりするものがありますが、これは以下の基準を満たしている場合のみ表示が許されています。

  • 原料玄米が生産された当該年の12月31日までに容器包装に入れられた玄米
  • 原料玄米が生産された当該年の12月31日までに精白され、容器包装に入れられた精米

上記の条件を満たしていない場合は、食品表示法の規定基準により表示が禁止されているのです。

また、新米の定義にはいくつかの基準があります。ここで、日本国内で主に用いられている基準をそれぞれ確認してみましょう。

米穀年度による新米の定義

米穀年度(べいこくねんど)とは、お米の収穫時期を基準にした年度のことを指します。11月1日から翌年の10月31日までを1年とし、この年度内に獲れたお米を新米として扱うという考え方です。
1995年まで日本人の主食である米や麦などを国が責任を持って管理する「食糧管理法」という制度があり、その法律の中でお米の収穫時期に合わせた年度が決められていました。それまでは、今ほど新米の時期にばらつきがなく、だいたい毎年11月頃が新米が出揃う時期だったため、11月1日から10月31日までの1年間を区切りとしていたのです。現在は日本におけるお米の取引きの際の基準として用いられています。

この定義だと、2024年11月1日から2025年10月31日までに収穫されたお米が2025年度の新米ということになるのです。

しかし、近年は先ほど触れたように地域によって収穫時期が早まっていて、新米の時期にもばらつきがあります。この年度で考えたときに、10月以前に収穫された米は古米となってしまうため、11月=新米の時期という実情とつじつまが合わなくなってきているといわれているようです。

JAS法による新米の定義

JAS法基準とは「日本農林規格等に関する法律」で、主に店頭で販売するの表示に使用される基準です。この基準によると、お米を収穫した年の12月31日までに精米・包装されたお米に限り新米と表示できます。この定義だと、1月1日以降に並んでいるお米でも、12月31日までに精米・包装が完了していれば、新米と表示ができるということになります。反対に、同じ年の秋にとれたお米でも、1月1日以降に精米・包装されたものは新米と表示ができません。

新米の収穫時期や古米との違いとは

「新米の方が特別感がある!」と感じている方も多いはずですが、新米と古米には具体的にどのような違いがあるのでしょうか?ここでは、収穫時期や味わいなどの違いを見ていきましょう。

地域別にみる新米の収穫時期

一般的に、稲の収穫時期は9月〜10月頃ですが、その土地の気候によって異なります。地域別に見る新米の収穫時期は、以下の通りです。

7月頃:沖縄と九州の一部
8月頃:九州から近畿、東海、北陸
9月頃:関東から東北、北海道

また、沖縄県などの一部地域では、同じ田んぼで1年の間に2回お米を育てて収穫する「二期作」が行なわれています。二期作を行う場合には、2~3月に田植えを行い、5~7月に最初の稲刈りが行われ、その後、8月に再び田植えをして、10~11月に2回目の収穫時期を迎えるのが一般的です。JAなどでは6月に「日本最速の新米」として市場に出回り、県外にも出荷されることがあるんですよ。

新米と古米の主な違い

古米とは、新米の時期を過ぎたお米の総称ではありません。古米は、収穫してから1年経ったお米のことを指します。収穫してから2年経ったものを「古古米(ここまい)」、3年経ったものを「古古々米(こここまい)」と呼び分けているのです。 ここでは、新米と古米の違いについて確認してみましょう。

新米と古米の大きな違いは水分量

新米と古米の違いは、収穫時期の定義だけではありません。水分量や香り、食感にも、大きな違いが見られます。新米は水分が多いのでみずみずしく、ふっくらとしていて、もちもちとした粘り気や弾力のある食感を楽しめます。また新米には、収穫直後の新鮮な香りや甘みが強いのも特徴です。

これに対し、古米は長期保存することで水分が抜け、かための食感になることが多い傾向にあります。また、甘みも新米よりは弱いので、どうしても古米はおいしくないと思われがちですが、そんなことはありません。 例えば、水分を多く含む新米は冷めると固まってしまうため、酢飯には向いていないのだそうです。酢飯をおいしく作りたいときは、かための食感に仕上がる水分を含んでいない古米を使うのがおすすめなんですよ!また、新米で酢飯を作る場合も、少し古米を混ぜるのがよいといわれています。そのほかにも、古米はチャーハンなどパラパラに仕上げたい料理やカレーなどとも相性がよいので、参考にしてみてくださいね。

古米もおいしい!正しく保存することが大切

近年は農家の方々の努力や技術の進歩によって、お米も適切な環境で管理されているため、古米でも新米と同じような品質で楽しめるようになりました。しかし家庭では、正しく保存しないとどんどん味が落ちてしまい、乾燥や傷みの原因にもなります。保存場所の気温や湿度に気をつけて、高温・多湿・直射日光を避けた場所での保存を心がけましょう。

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2024.11.9 最終更新

新米の出回る時期はいつ頃?

新米が店頭に並び始める時期は、地域や品種によって異なりますが、温暖な気候の南の方ほど早く、北に行くほど遅くなる傾向があります。一般的な目安は以下の通りです。

7月下旬:沖縄や鹿児島など南部の早場米
8月中旬~下旬:九州や四国の一部
9月上旬~中旬:近畿、中国、四国
9月中旬~下旬:関東、中部
10月:東北、北海道

上記はあくまで目安であり、収穫後に自然乾燥させるなど、手間や時間がかけられているものは出荷時期が遅くなる傾向があります。また、品種によっては11月頃から店頭に並び始めるものもあるんですよ。

田植えの時期で品種が変わる?

稲の収穫は、一般的に出穂(稲の穂が出ること)から40~45日が経過した頃に行われます。このため、田植えから収穫までの期間は、早い品種では約90日、遅い品種では120日ほどかかるのが一般的です。品種の違いによって、育成速度や収穫のタイミングに差があり、次のように分類されます。

早生(わせ)品種
成長が早く、収穫までの期間が短いのが特徴で、収穫量は少なめの品種です。
中生(なかて)品種
粒の大きさや味わい、水分量など、早生と晩生の中間にあたる性質を持つ、バランスの取れた品種です。
晩生(おくて)品種
成長に時間がかかる品種ですが、粒は大きめで収穫量が多くなる傾向があります。

上記のように、早く田植えをして早く収穫するものを早生(わせ)品種、遅いものを晩生(おくて)品種、その中間のものを中生(なかて)品種と呼びます。

それぞれ特徴はあるものの、品種改良や研究、米農家やお米の生産に関わる方々の努力により、近年は食味のよいお米がたくさん生産されているので、ぜひそれぞれ食べてみてお気に入りのお米を見つけてみてくださいね。

稲刈りに適した時期

稲刈りの適期は、出穂後に積算温度が1000度前後に達した頃だといわれています。積算温度とは、毎日の平均気温を積み上げたものを指し、たとえば平均気温が25度の日が10日続いた場合は25×10=250度と計算します。

積算温度は品種ごとに変わり、

早生品種:950~1000度
中生品種:1000~1050度
晩生品種:1050~1100度

が目安となります。

このように、品種の違いが成長速度や収穫量に影響を与えるのです。

新米が出回る時期を左右するその他の条件

もちろん、新米が出回り始める時期は、天候や栽培条件によって多少前後するケースも珍しくありません。新米の販売期間については、前述の食品表示基準に基づき、その年の12月31日までに精米・包装されたものが「新米」として販売されます。つまり、早ければ7月頃から翌年の1月頃まで、新米として表示されたお米を店頭で見かけることができるのです。

視点を変えると、収穫したその年の12月31日までに精米・包装がされなかったものは新米と呼べないということになります。また、翌年の11月1日以降に販売されたものも同じく、新米と呼べず、新米と表示することもできません。

新米をおいしく炊く方法を知りたい!

新米を炊くには、炊飯器や土鍋、ホーローやせいろなど、さまざまな方法があります。どの方法を用いるにしても、お米の洗い方や炊き方のポイントを押さえることがで、新米をおいしく炊き上げることができます。以下で、新米の炊き方をチェックしてみましょう。

①お米を正確に計量します。
②お米を入れた容器にたっぷりの水を加え、手早くかき混ぜたら、水をすぐに捨ててください。
③お米に少量の水を入れ、指先を立てて5〜6回かき混ぜた後、たっぷりの水を入れて再度軽くかき混ぜ、水を捨てます。(この工程を3〜4回繰り返します)
④ザルにお米を移し、水を切ります。
⑤容器にお米を移し、30分ほど浸水させましょう。気温が低い時期は浸水時間は1時間ほどにしてください。
⑥浸水させた水を捨て、使用する炊飯器具にお米を移し、普段通りの水の量で炊飯します。 炊飯器で炊く場合には、浸水時間をとらない早炊きモードを選びましょう。
⑦炊き上がったら、余分な水分を逃すためにしゃもじを起こすようにしてさっくりとほぐしてください。

お米を使ったレシピをご紹介

新米の魅力にたっぷりと触れたところで、お米を使ったレシピをご紹介します。土鍋で炊くごはんや華やかなちらし寿司など、さまざまなシーンで活躍するレシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね

おかかおむすび

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リピート間違いなし!旨味たっぷりのおかかおむすびをご紹介します。かつお節の旨みとマヨネーズのコクがマッチして、どんどん手が伸びる一品です。小ねぎを混ぜ込むことで、さわやかな風味がプラスされておいしいですよ。ぜひお試しくださいね。

土鍋で炊く 鮭とイクラの親子ごはん

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特別な日の食卓に、鮭とイクラの親子ごはんはいかがでしょうか。ほかほかのごはんの上でイクラがキラキラと輝く、見た目も豪華な一品です。イクラや鮭の塩気がごはんの甘みにマッチして、お箸が止まりませんよ。ぜひ土鍋で炊いて、香ばしいおこげも堪能してくださいね。

鮭とキノコの炊き込みご飯

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おかわり必至!鮭とキノコの炊き込みご飯をご紹介します。秋の食材をふんだんに盛り込んだ、季節感あふれる炊き込みごはんです。しめじやしいたけ、鮭の旨みがごはんによく染み込んでおいしいですよ。ぜひお試しくださいね。

華やか バラちらし寿司

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華やかな見た目が目を引く、海鮮がたっぷりのったバラちらし寿司は、パーティーやおもてなしにぴったり!大きめに切ったお刺身の旨味とさっぱりとした酢飯にきゅうりの食感がアクセントになっていて絶品!お好みのお刺身に代えて、アレンジも楽しめます。新米で酢飯を作る際は、ぜひ古米もブレンドしてみてくださいね。

基本のチャーハン

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さっと済ませたいランチにもぴったりな、基本のチャーハンのレシピです。香ばしいしょうゆの風味がアクセントになった、やみつき間違いなしの一品!ごはんを入れたあとは、強火で手早く仕上げるのが、パラッとおいしく仕上げるポイントですよ。新米よりも古米を使うことで、よりパラッとした食感に仕上がります。ぜひお試しくださいね。

今年も新米をおいしくいただこう!

今回は、新米の特徴や収穫時期、おいしくごはんを炊く方法について解説しました。新米は、なんとなくおいしいもの、だと思っていた方も多いかもしれませんが、古米と比べると水分量や甘みに差があることがわかりました。もちろん近年は古米もおいしくなってきていますが、新米が手に入ったらぜひシンプルにそのまま食べて、お米のおいしさを噛みしめてみてはいかがでしょうか。

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2024.10.17 最終更新

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