2024.5.7

柏餅の葉っぱってどんな葉っぱ?葉の特徴や、柏餅に巻く意味について解説!

柏餅の葉っぱってどんな葉っぱ?葉の特徴や、柏餅に巻く意味について解説!

毎年5月5日はこどもの日!端午の節句であるこの日には、お祝いに葉っぱに巻かれた柏餅を食べるご家庭も多いですよね。この柏餅の葉っぱにはどんな意味があるかご存知ですか?この記事では、柏餅の葉っぱとは一体どんなものなのか特徴に加え、食べられるのかどうかについても解説します。柏餅のレシピもぜひチェックしてみてくださいね。

  • 目次
  • 柏餅の葉っぱってどんな葉っぱ?
  • なぜ柏餅に葉っぱを巻くのか?
  • 縁起担ぎ
  • 菌の繁殖や乾燥を防ぐため
  • 柏の葉っぱは食べられる?
  • 柏の葉はどうして2種類あるの?
  • 柏の葉はどこで買える?
  • 柏餅のおすすめレシピを紹介!

柏餅の葉っぱってどんな葉っぱ?

こどもの日の行事食で定番の「柏餅」。そんな柏餅には丸みを帯びたひだのような形をした葉っぱが巻かれていますが、これは「槲」(かしわ)という木の葉っぱです。かしわは「柏」と書くことが一般的ですが、昔の中国では「槲」という字が使われていました。また、諸説ありますが「かしわ」は、古来より食べ物やお酒などのお供え物をのせる葉っぱの総称でもあったのだそうです。

さて、冒頭で柏餅に使われる葉は柏の木の葉っぱだと説明しましたが、これには地域差があります。柏の木は比較的寒い土地で自生しているため、中部地方や関東地方から北の地域では柏の葉が使われています。これに対して柏の生息が少ない関西地方から西の地域では、「サルトリイバラ」という植物の丸い形をした葉っぱが使われているようです。ちなみに「サンキライ」の葉っぱが使われているとも言われていますが、サルトリイバラとサンキライは同じものです。

昔は柏餅に柏の新葉を使っていたようですが、現代では保存技術の発展やや流通網が整備されたことにより、柏の葉っぱを使った柏餅が全国で販売されていますが、地域によっては「サルトリイバラ」や「サンキライ」の丸い形の葉っぱが慣習的に使用されています。

なぜ柏餅に葉っぱを巻くのか?

柏餅の歴史は江戸時代から始まったとされていますが、なぜ柏餅には葉っぱが巻かれているのでしょうか。これにはいくつか理由があるようなので、以下でそれぞれ確認してみましょう

縁起担ぎ

現代では「子どもの日」と呼ばれる5月5日は「端午の節句」でもあります。これは五節句のうちのひとつであり、特に男の子の健康や成長を祈願する行事で、江戸時代に徳川幕府によって重要な日として定められました。

この頃から柏餅が食べられるようになったようですが、これには柏の木の特徴に理由があるのです。柏の木は冬になっても葉が落ちず、新芽が出る頃に落ちるという性質があります。そこで「跡継ぎ」や「子孫繁栄」を願う当時の時代背景から、柏の葉は縁起の良よいものとされ、あんを挟んだ餅を葉っぱで巻いたのだそうです。また、柏の葉っぱの形が「兜」に似ていることも、餅を柏の葉で巻いた理由のひとつだと言われています。

菌の繁殖や乾燥を防ぐため

柏の葉っぱの香り成分「オイゲノール」には、抗菌作用や防腐効果があります。菌の繁殖を防ぐことで餅を長持ちさせられるため、昔の人は柏の葉を巻いたといわれているんですよ。また、昔は柏の葉っぱのようなに香りの強い植物には邪気を追い払う効果があるとされていたようです。また、餅は乾燥するとかたくなってしまいますが、当時は現在のようにラップなどもなかったため、柏の葉っぱで包むことで保湿し、乾燥を防ぐといった目的もあったと言われています。

柏の葉っぱは食べられる?

春の和菓子としておなじみの桜餅は葉っぱを食べるという方も多いかと思いますが、柏餅の葉っぱも、食べても害はありません。ただ、筋が太くて苦みも強いので、中の餅だけを食べるのが一般的です。

また、桜餅に使われる桜の葉は薄く、塩漬けされたものが多いですが、柏の葉はかたく、厚みがあって食べづらいうえ、味もそこまでおいしいとは言えません。そのため、食べることは推奨しませんが、柏餅が葉っぱで巻かれていることで手を汚さずに食べられる、食べるときに皿の代わりに使えるといったメリットはあるので、活用してみてはいかがでしょうか。

柏の葉はどうして2種類あるの?

柏餅の葉には緑色と茶色がありますが、これにはおもしろい理由があるんです。端午の節句はもともと旧暦、現在の6月上旬ごろにお祝いされていました。柏はこれから夏に向けて暑くなる初夏の時期に新緑の季節を迎えます。そのため、旧暦だったこの頃は、緑色の柏の葉で餅を包めていたのです。

しかし、明治時代以降は海外の文化が盛んになって、日本でも新暦を取り入れることになったため、すべての行事が1ヶ月前倒しになりました。もちろん、端午の節句も6月上旬から5月5日になりましたが、その時期の柏の葉はまだ成長途中で、餅を包めるサイズではなかったのです。そこで柏餅屋が考えついたのが「前の年に収穫した柏の葉を蒸して殺菌し、乾燥させて保存すること」でした。蒸すとどうしても葉の色は茶色になってしまいますが、この方法のおかげで、新暦に変わっても端午の節句には柏の葉で包んだ柏餅が作れるようになり、そして食べられるようになったのです。

近年は技術の発達により、柏の葉も緑色の状態のまま保存できるようになりましたが、現在でも茶色の葉を使っているお店もあるんですよ。葉の色が2種類あるのには、こういった理由があったんですね。

柏の葉はどこで買える?

柏の葉は製菓材専門店やデパートの食品売り場、またネットショップなどで購入できます。また、こどもの日が近くなるとスーパーなどでもあんこなどの近くに置かれることがあるようです。

基本的には塩漬けされたものが真空パックになって販売されています。使い方はとても簡単で、パックから取り出した柏の葉を水にさらして塩抜きするだけです。水にさらす時間はメーカーによって異なるため、パッケージの表記に従ってくださいね。

柏餅のおすすめレシピを紹介!

最後に、おすすめの柏餅のレシピを4つ紹介します。柏餅は和菓子屋さんやスーパーでも購入できますが、おうちでも意外と簡単に作れるんですよ!手作りで愛情のこもった柏餅は、端午の節句はもちろん、普段のおやつに作っても喜ばれます。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

こどもの日に!簡単手作り柏餅

餅の生地にこだわったこちらのレシピはいかがでしょうか。蒸し器を使って丁寧に加熱をすると、生地がしっとりやわらかく仕上がります。大福はあんを完全に包む必要がありますが、柏餅は生地をのばして挟むだけなので簡単に作れそうですね。

簡単美味しい手作りごまあんかしわ餅

蒸し器を使わず、手軽に作れる柏餅のレシピをご紹介します。こしあんに黒すりごまを混ぜたごまあんは、香ばしく上品な風味が魅力!生地は電子レンジで簡単に作れるので、初めて作る人にも挑戦しやすいレシピです。

電子レンジで簡単みそあんかしわ餅

柏餅の中身は粒あんやこしあんだけでなく、みそあんを使用する地域もあります。みそあんの柏餅は主に東日本や京都で見られるようです。甘じょっぱい味わいがクセになりますよ!生地はほんのりピンクに色付けすると、粒あんやこしあんを入れたものと見分けやすくなるのでおすすめです

いちご大福みたいなかしわ餅

あんにいちごをのせて餅で包んだ、まるでいちご大福のような柏餅です。甘いあんに包まれたいちごの甘酸っぱさがアクセントになって絶品ですよ!いちごをのせるだけで可愛く華やかにな仕上がるのもうれしいポイントです。

柏餅を手作りして葉っぱで巻いてみましょう

今回は、柏餅の葉っぱの特徴や巻く意味についてご紹介しました。柏餅の葉っぱはネットなどで気軽に購入できるので、手作り柏餅にチャレンジするのもおすすめです。今年の子どもの日には柏餅を手作りして、柏餅を食べながら今回ご紹介した柏の葉について話してみるのも楽しいかもしれませんね!

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