体調がすぐれないときや食欲のないときでも食べやすい「おかゆ」。子どもから高齢の方まで安心して食べられる定番メニューですよね。生米からだけでなく冷ごはんからでも手軽に作れるので、作り方を覚えておくと便利ですよ。今回は、おかゆの種類や基本の作り方、アレンジ方法を解説し、おすすめのおかゆレシピをご紹介します。
簡単おいしい「おかゆ」の作り方を解説!生米でも冷ごはんでも手軽にできるコツ
- 目次
- おかゆの種類
- 【生米】基本のおかゆの作り方
- 【炊いたごはん】おかゆの作り方
- おかゆのアレンジ
- おかゆのレシピをご紹介
- さまざまなアレンジも楽しめる!おかゆを作ってみよう
おかゆの種類
白米と水だけで作ったシンプルなおかゆを「白粥(しらかゆ/しらがゆ/しろがゆ)」と呼びます。白粥は米と水の割合によって仕上がりが異なるので、まずは以下の表で種類を確認しましょう。
| 白粥(しらがゆ)の種類 | 水と米の割合 |
|---|---|
| 全がゆ | 米1:水5 |
| 七分がゆ | 米1:水7 |
| 五分がゆ | 米1:水10 |
| 三分がゆ | 米1:水20 |
通常のごはんは米の重量に対して1.3~1.5倍の水で炊きますが、おかゆはそれよりも水加減を多くして炊いたものです。
白粥には、全粥や七分粥、五分粥、三分粥といった種類があり、名前につく数字が小さくなるほど水の割合が多くなりサラッとした食感のやわらかいおかゆとなります。この中でいうと、三分粥がもっともやわらかいおかゆです。
また、おかゆを作ったときにできるうわ澄み液を「重湯」(おもゆ)といい、粒感はなくサラッとしていますが少し粘り気があります。
それぞれのおかゆのかたさについても少しご説明します。
・全粥
通常のごはんよりもやわらかい仕上がりですが、米の粒感はしっかりと残っています。
とろとろにすりつぶしたものではなく、噛んで食べるタイプのおかゆです。
・七分粥
全粥よりも水分が多く、とろみのある食感です。お米の味はしっかりと感じられます。
・五分粥
米粒の形は崩れていて、舌と上あごで潰せるほどのやわらかさです。
・三分粥
米粒の形はほとんど残っておらず、重湯に近いサラッとした口当たりです。
このように、種類によって米の粒感やおかゆ全体のかたさが異なるため、食べる人の体調や健康状態、噛む力や飲み込む力に合わせて使い分けることが大切です。
【生米】基本のおかゆの作り方
おかゆには、生米から作る方法と炊いたごはんから作る方法があります。はじめに、生米を使った全粥の作り方をチェックしてみましょう。
【材料(2人分)】
- 米・・・100g
- 水(浸水用)・・・適量
- 水・・・500ml
【作り方】
①米を洗い、ボウルに入れて30分ほど浸水させたのち、水気を切る。
②鍋に米と水を入れ、強火で加熱する。
③沸騰したら菜箸などで軽く混ぜ、隙間をあけてフタをし、弱火で煮る。
④米に火が通り、やわらかくなったら火を止め、フタをして10分ほど蒸らす。
【ポイント】
・米を十分浸水させることで、ふっくらとした食感に仕上がります。
・鍋底に焦げつくのを防ぐために、沸騰したら一度混ぜますが、混ぜすぎると粘りが出やすくなります。
【炊いたごはん】おかゆの作り方
炊きあがったごはんを使えば、生米から作るよりも時短で全粥が作れます。ここでは、炊いたごはんを使った全粥の作り方をご紹介します。
【材料(2人分)】
- ごはん・・・150g
- 水・・・300ml
【作り方】
①鍋にごはんと水を入れ、菜箸で軽くほぐす。
②強火にかけ、沸騰したら弱火に落とし、鍋のフタを少しずらした状態で10分ほど煮る。
③好みのやわらかさになったら、火を止めたらフタをして、そのまま10分ほど蒸らす。
【ポイント】
・加熱中に混ぜると粘りが強くなりやすいため、火を入れる前に水の中でごはんをほぐしておくのがおすすめです。
おかゆのアレンジ
白粥の作り方を2通りご紹介しました。白粥に具材をプラスしたり味つけしたりすることで、さまざまな味わいのおかゆにすることもできるんですよ。ここでは、おかゆの代表的なアレンジ方法についてご説明します。
・卵粥
白粥に溶き卵を流し入れて仕上げたおかゆ。
卵のやさしい風味とふんわりとした食感が魅力です。
・中華風粥
鶏ガラスープの素で味つけをして、ねぎやしょうがをプラスすると中華風の味わいに。
さらに卵やごま油を加えてもおいしいですよ。
・梅粥・だし粥・野菜粥
梅干しや和風だしを加えた梅粥、だし粥はシンプルな味わいで食欲のないときでも食べやすいおかゆです。
野菜粥は、大根やにんじん、小松菜など、お好みの野菜を細かく切って加えてみてください。
・茶粥(ちゃがゆ)
水の代わりにほうじ茶や番茶で炊いたお粥が茶粥。お茶の香ばしい風味を楽しめますよ。奈良県吉野地方ではほうじ茶で炊くおかゆを「おかいさん」と呼び、古くから親しんできた朝食メニューなのだそうです。
・芋粥
さつまいもや里芋を加えて炊いた芋粥は、芋の風味とホクホクとした食感が感じられるのが魅力です。
ゆずの皮や味噌を添えてもおいしいですよ。
・霰粥(あられがゆ)
霰粥とは、鯛やスズキといった魚の身を細かくほぐして加えたお粥のことで、魚の旨味がしみわたり、風味豊かに仕上がります。
・中華粥
これまでにご紹介してきた日本のおかゆとは違い、米にサラダ油やごま油を絡めてから鶏ガラスープで炊きあげます。
米粒の形がなくなるまで煮込んだ、サラサラとした食感も特徴です。
・魚生粥(ユーサンジュー/ユイシャンツォー)
魚生粥は中国のおかゆで、熱々のおかゆに刺身を入れ、刺身が半煮えになったタイミングで食べます。ほどよいやわらかさの刺身と、だしが効いたやさしい味わいのおかゆがよく合うんですよ。
・八宝粥(はっぽうがゆ)
八宝粥は、台湾で食べられている甘いおかゆのこと。
もち米や小豆、花豆、緑豆、ナツメ、クコの実など8種類の具材で作られ、食感の違いも楽しめます。
・砂糖粥
砂糖を加えて作った甘いおかゆで、とろみのあるもちもちとした食感がスイーツのような味わいです。小豆や練乳を入れてもおいしくいただけますよ。
おかゆのレシピをご紹介
さてここからは、おかゆのおすすめレシピをご紹介します。ホタテ缶を使った中華風おかゆや、さつまいものやさしい甘みがたまらない芋粥など、絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
簡単 卵としらすのおかゆ
ふわふわ卵としらすのおかゆはいかがでしょうか。白だしの旨味がきいたやさしい味わいでとてもおいしいですよ。冷ごはんを使えばパパッと簡単に作れるので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
簡単ホタテ缶で作る 中華風おかゆ
ホタテ缶を使って、中華風おかゆを作ってみましょう。ホタテの旨味とザーサイの塩気、しょうがの風味がマッチして、どんどん食べ進めたくなるおいしさ!食べたいときにすぐに作れるのもうれしいポイントです。
干し貝柱入り薬膳風中華粥
本格的な味わいの、薬膳風中華粥をご紹介します。干し貝柱と鶏手羽先の旨味、ニンニクやしょうがの香りが食欲をそそる味わい。雑穀米を使うので、ほどよい噛みごたえもあり、満足感のある一品です。ぜひ作ってみてくださいね。
土鍋でつくる 芋粥
土鍋でじっくりと炊く芋粥はいかがでしょうか。角切りにしたさつまいもを加えておかゆを炊きました。お米とさつまいもの甘みが引き立ち、何度でも食べたくなるおいしさですよ。ぜひお試しくださいね。
大和の茶粥
奈良県の郷土料理でもある茶粥を作ってみましょう。ほうじ茶の香ばしい香りとさつまいものほのかな甘みが口の中に広がり、とてもおいしいですよ。梅干しやしば漬けなどを添えて楽しんでみてくださいね。
さまざまなアレンジも楽しめる!おかゆを作ってみよう
今回は、おかゆの種類や作り方、アレンジ方法などについて解説し、おすすめのおかゆレシピをご紹介しました。子どもから大人まで、家族みんなで食べやすいおかゆ。調味料や具材をプラスして味わいを変えて楽しむこともできるので、ご紹介したレシピも参考に、ぜひおうちで作ってみてくださいね。
