淡いピンク色が春の訪れを感じさせてくれる「桜餅」。ひな祭りに食べるお菓子としても定番ですが、桜餅には道明寺粉を使った関西風と、小麦粉を使った関東風の2種類があります。この記事では、それぞれの違いについて詳しく解説!記事の後半ではそれぞれの桜餅レシピもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
桜餅は2種類ある?「道明寺」の由来や関東と関西での違いを詳しく解説!

- 目次
- 桜餅には2種類ある?
- 関西風桜餅(道明寺桜餅)
- 関東風桜餅
- 関東と関西の桜餅の起源について
- 桜餅はいつ食べる和菓子?
- 手作り桜餅の基本レシピやアレンジレシピをご紹介
- 春を感じる、桜餅を手作りしてみよう
桜餅には2種類ある?
桜餅は地域によって特徴があり、主に関西風と関東風の2種類に分けられます。どちらも餡を包んで塩漬けの桜の葉で巻くという共通点がありますが、材料や作り方に違いがあるんです。それぞれの特徴について、以下で詳しく見ていきましょう。
関西風桜餅 | 関東風桜餅 | ||
---|---|---|---|
生地 | ・道明寺粉が使われる |
・小麦粉やもち粉、米粉が使われる |
|
見た目 | ・表面がつぶつぶとしている |
・生地であんこを巻く |
|
あん | ・一般的にはこしあん |
・こしあんが主流 |
|
食感 | ・もちもちとした食感 |
・口溶けがよくなめらかな食感 |
関西風桜餅(道明寺桜餅)
関西風の桜餅は、生地の材料に道明寺粉が使われます。道明寺粉を使った餅であることから「道明寺桜餅(どうみょうじさくらもち)」という名前でも呼ばれ、「道明寺」というだけでこの桜餅のことを指すことも多いです。
関西風桜餅は、この道明寺粉を水で戻して蒸し上げて生地を作り、餡をくるんで丸く成形します。もち米由来のふっくら、もちもちとした食感が魅力です。餡はこしあんが主流ですが、粒あんを用いることもあります。
💡ワンポイント豆知識
道明寺粉とは、もち米を蒸してから乾燥させて粗めに挽いたもので、粒の細かさによって3割(1/3サイズに割ったもの)や6割(1/6サイズに割ったもの)といった種類があります。つぶつぶとした食感ともち米特有の粘りが特徴ですが、粒が細かいほど加熱すると餅のように滑らかな食感になるのです。
関東風桜餅
関東風の桜餅は、生地の材料に小麦粉やもち粉、米粉などを使用します。粉に水を混ぜて薄く焼いた生地に丸めた餡をのせて、クレープのように巻いて作られます。
生地の粉の配合はお店によって異なり、小麦粉や米粉が多いとあっさりとした味わいに、もち粉が多いものはふんわりとした食感になるそうです。餡はこしあんが主流で、口に入れると薄い生地とともにとろけるような口どけのよさが魅力です。
関東と関西の桜餅の起源について
関西風と関東風の桜餅にはそれぞれ異なる特徴があることが分かりましたね。どちらの桜餅にも古い歴史があるので、次はその起源について見てみましょう。
関西
関西風桜餅に使われる道明寺粉は、大阪府にある真言宗の尼寺である「道明寺」に由来しています。道明寺は菅原道真公の伯母が住職をしていた寺で、住職は道真が太宰府左遷の後に毎日お供えをしました。その供物であるもち米のお下がりを人々に分け与えるために乾燥させて貯蔵した糒(ほしいい)が、道明寺粉の発祥とされています。
この道明寺粉を使用した桜餅は「道明寺」とそのままの名前で呼ばれることも多く、道明寺粉を使う代表的な和菓子となっているのです。
関東
関東風桜餅は、江戸向島の隅田川近くにある長命寺(ちょうめいじ)と深い関わりがあります。享保2年、当時長命寺の門番をしていた山本新六という人物が、川沿いに植えられた桜の葉が落ちるのを惜しみ、葉を塩漬けにして餅をくるんで「桜もち」として門前で売り出したのが発祥とされているようです。
この場所は桜の名所として当時から人気があり、お花見の際に楽しむお菓子として定着していったのだとか。
💡ワンポイント豆知識
現在でもこのお店では当時と変わらない素材と製法で「長命寺桜もち」を作り続けているそうですよ。関東風桜餅を「長命寺」と呼ぶこともありますが、正式に「長命寺桜もち」と呼べるのはこのお店の桜餅だけです。
桜餅はいつ食べる和菓子?
淡いピンク色をした桜餅は、その名のとおり「桜」をモチーフにして作られた和菓子です。ここで、桜餅がいつ頃食べられる和菓子なのか改めてチェックしてみましょう。
桜が咲く季節(お花見など)
桜の開花に合わせて、春の訪れとともに店頭に並ぶのを心待ちにしている方も多いですよね。先ほど関東風桜餅の起源についてご紹介した際に触れたように、桜餅はお花見のお供として親しまれてきました。
また、「桜餅」は春を表す季語にもなっていて、古くから人々に愛されてきたことが分かります。
ひな祭り
そして、桜餅はひな祭りに食べることも多い和菓子ですよね。ひな祭りは女の子の健やかな成長を願ってお祝いをする行事で「桃の節句」とも言われます。その名の通り、3月3日は桃の花が咲く時期で、桜は開花前。それなのに桜餅を食べるようになったのはなぜなのでしょうか。
実は、桜餅がひな祭りの行事食として親しまれるようになったのは最近のことで、昔からの風習ではありません。可愛らしく春らしい見た目が女の子のお祝いをする日によく合い、菱餅よりも食べやすいことから定着していったという説があります。
💡ワンポイント豆知識
ちなみに、昔から食べられてきた菱餅やひなあられは赤・白・緑の3色と決まっており、赤は桃の花や魔除け、白は雪や清浄、緑は芽吹きや健康といった意味が込められているそうです。
手作り桜餅の基本レシピやアレンジレシピをご紹介
ここからは桜餅のレシピをご紹介します。関東風と道明寺の基本レシピに加えて、香ばしい焼き桜餅やいちごを包んだ道明寺桜餅などのアレンジレシピもピックアップしました。どれも簡単に作れるので、ぜひ気になるレシピで作ってみてくださいね。
手作り桜もち
まずは関東風の桜餅をご紹介します。生地は粉を混ぜてフライパンで焼くだけなのでとっても簡単!白玉粉の配合を多くすることで、モチモチとした食感に仕上がりますよ。手軽に作れて見た目も華やかなので、お花見のお供にぜひ作ってみてくださいね。
簡単に作れる 道明寺桜もち
こちらは道明寺桜もちのレシピです。生地は電子レンジで蒸すので、材料さえ揃えれば意外と簡単に作れます。つぶつぶとした食感の生地に粒あんがよく合い、桜の葉の風味もアクセントになって、ついつい手が伸びるおいしさですよ。
もちもち香ばしい焼きさくら餅
ちょっと変わり種の焼きさくら餅はいかがでしょうか。上新粉で作る生地はもっちりとした弾力があり、食べ応え抜群!表面をこんがりと焼き上げることで香ばしさが加わり、モチモチとした食感も増しておいしいですよ。
いちごが可愛い道明寺桜もち
春を感じる、いちごを包んだ道明寺桜もちを作ってみませんか?つぶつぶとした食感の桜餅にいちごのジューシーさと甘い香りが加わり、華やかなデザートに仕上がりますよ。見た目もかわいらしいので、おもてなしにもおすすめです。
春を感じる、桜餅を手作りしてみよう
桜餅には道明寺粉を使った関西風と小麦粉を使った関東風があり、それぞれ味わいに特徴があることが分かりましたね。本格的な和菓子のイメージがありますが、どちらのタイプもシンプルな材料で意外と簡単に作ることができます。気になるレシピをお試しいただき、お花見をしながら味わってみてはいかがでしょうか。
