秋になって旬を迎えたサンマ。シンプルな塩焼きでいただくのもおいしいですよね。そんなサンマの塩焼き、内臓まで丸ごと食べるという方も多いのではないでしょうか?ほかの魚は内臓を取り除いてから調理するものが多いのに、なぜサンマは内臓も食べられるのか、不思議ですよね。今回はその謎を解き明かすべく、サンマの秘密を大解剖します!後半には旬のサンマを使った絶品レシピもご紹介するので、ぜひ最後まで楽しんでくださいね。
“サンマ”はどうして肝もおいしく食べられるの?旬を堪能できるサンマの選び方に「食べるのが楽しみ!」

秘密を解く鍵は「サンマの体の構造」にあった!
サンマはなぜ内臓まで食べられるのでしょうか?その理由は、「サンマの体の構造」にあります。一体どういうことなのか、詳しく見ていきましょう!
■サンマは「無胃魚」
じつはサンマの体には、胃がありません。一般的な「胃」を持つ魚は、食べたものがしばらく体内にとどまりますが、胃を持たないサンマなどの無胃魚は、数十分で食べたものを消化してしまいます。食べたものが食道を通ってすぐに消化・排泄されるので、体の中に排泄物がほとんどたまらない、という構造になっているんです。
■サンマの漁の時間にも関係があった!
サンマの体内に排泄物がほとんど残っていない理由には、「サンマの漁の時間」も関係しています。
基本的に、サンマは日中の時間帯に動物プランクトンなどを捕食しています。一方、サンマ漁がおこなわれるのは通常「夜間」の時間帯のため、捕れた時点でサンマの胃にはもうほとんど餌が入っていない状態なんです。
「胃がないこと」と、「捕れた時点で体内に餌が残っていないこと」。この2つの理由から、サンマは内臓までおいしく食べられるんですね。
おいしいサンマの見分け方
サンマを含め、魚は内臓が一番傷みやすい部位なので、内蔵ごといただく場合は新鮮なものを選ぶのも大切なポイントになります。ここからは新鮮でおいしいサンマの見分け方をご紹介します。
■お腹にハリがある
まずはお腹をチェック!お腹にハリがあれば、内臓が傷んでおらず新鮮なサンマといえます。
■黒目の周りが透明
黒目の周りが透き通っていて濁っていないのも、新鮮な証拠です。これはサンマに限らず、ほかの魚の新鮮さを見極めるのにも使えるポイントですよ。
■くちばしが黄色い
「くちばし」と呼ばれるサンマの下あごの先は、新鮮なものほど黄色です。鮮度が落ちてくると茶色っぽく変色してくるので、しっかりチェックしてくださいね。
頭から背中にかけて盛り上がっていて、全体的にハリのあるサンマは脂がのっているといわれています。お店でサンマを買うときは、ぜひ上記のポイントをチェックしながら、おいしくて新鮮なものを見極めてくださいね。
旬のサンマを使った絶品レシピをご紹介!
サンマが丸ごと食べられる理由について見てきたところで、ここからは旬のサンマを使った絶品レシピをご紹介します。オーブントースターで簡単にできるサンマの塩焼きや、ごちそう感のある焼きサンマの押し寿司など、旬のサンマのおいしさを堪能できる絶品ばかりです。ぜひチェックしてみてくださいね。
1.トースターで楽チン さんまの塩焼き
オーブントースターで簡単にお作りいただける、さんまの塩焼きのレシピです。サンマと言えばこれ!というほど王道のレシピですが、トースターを使うと皮はパリッと、身はふっくらと仕上がり、ジューシーなおいしさを楽しめます。大根おろしとすだちを添えて食べれば、脂ののったサンマも程よくさっぱり召し上がれますよ。ぜひお試しくださいね。
材料(1人前)
- サンマ・・・1尾
- 塩・・・小さじ1/2
- サラダ油・・・大さじ1
- 大根・・・20g
- すだち・・・1/2個
作り方
準備.大根は皮を剥いておきます。
1.大根はすりおろします。すだちは横半分に切ります。
2.サンマの両面に、塩を振りかけ、10分ほどおきます。
3.キッチンペーパーでしっかりと水分を拭き取り、全体にサラダ油を塗ります。
4.天板にアルミホイルをひき、3を乗せます。
5.オーブントースターで10分ほど、中に火が通り、こんがりと焼き色が付いたら取り出します。
6.お皿に盛り付け、1の汁気を絞った大根とすだちを添えて完成です。
※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W200℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。
2.ふわっと上品な香り 秋刀魚の竜田揚げ
ふわっと上品な香りをお楽しみいただける、秋刀魚の竜田揚げを作ってみませんか?旨みたっぷりで脂ののったサンマに片栗粉をまぶして、カリッと揚げた一品です。粉山椒のピリッとした辛みやすだちの酸味がサンマによく合い、お酒のおつまみにもおすすめですよ。辛いものが苦手な方は、粉山椒の量を調節してくださいね。
材料(2人前)
- サンマ (3枚おろし)・・・2尾
- (A)しょうゆ・・・大さじ1
- (A)料理酒・・・大さじ1/2
- (A)みりん・・・大さじ1/2
- (A)すりおろし生姜・・・小さじ1
- (A)粉山椒・・・小さじ1
- 片栗粉・・・大さじ3
- 揚げ油・・・適量
付け合わせ
- 大根おろし・・・適量
- すだち・・・1個
作り方
準備.すだちは半分に切っておきます。
1.サンマは3等分に切ります。
2.バットに(A)を入れて混ぜ合わせ、1を漬け、ラップをかけます。冷蔵庫で15〜20分置きます。
3.汁気を切り、全体に片栗粉をまぶします。
4.フライパンに3cm程の揚げ油を注ぎ、170℃に熱し、3を入れます。途中で裏返しながら4分程揚げ、火が通ったら油を切ります。
5.お皿に盛り付け、付け合わせを添えて完成です。
3.焼き秋刀魚の押し寿司
簡単なのにごちそう感のある、焼き秋刀魚の押し寿司のレシピをご紹介します。脂ののったジューシーなサンマを焼いて香ばしく仕上げているので、酢飯によく合いますよ。大葉のさわやかな香りがいいアクセントになって、食べはじめたら止まらなくなります。おもてなしにもぴったりなので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
材料(2人前)
- サンマ (3枚におろしたもの)・・・1/2尾
- 塩・・・少々
- ごはん・・・300g
- (A)酢・・・大さじ2
- (A)砂糖・・・大さじ1
- (A)塩・・・少々
- (A)白いりごま・・・大さじ1
- 大葉・・・4枚
作り方
準備.オーブンを170℃に温めておきます。
1.サンマの両面に塩を振り、冷蔵庫で30分置きます。
2.温かいごはんに(A)を混ぜ合わせ、粗熱をとります。
3.1の水気をキッチンペーパーで拭き取り、170℃に温めたオーブンで10分程焼きます。
4.巻き簾の上にラップを重ね、3を皮目を下にして置きます。上に大葉、2を乗せ、ラップで包みます。巻き簾で棒状に成形し押し固め、冷蔵庫で1時間程寝かせます。
5.4を食べやすい大きさに切り分け、器に盛り付けたら完成です。
旬のサンマを楽しもう
いかがでしたか?今回はサンマが内蔵まで食べられる理由と、旬のサンマを使った絶品レシピをご紹介しました。旬のサンマは脂がのっていておいしいですよね。今回ご紹介したおいしいサンマの見分け方も参考にしながら、ぜひ今だけのおいしさを楽しんでくださいね。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。