毎日のごはんづくりに欠かせない「調味料」。料理に合わせてたくさんの種類を常備しているおうちが多いと思いますが、正しく保存しないと風味が変わったり、カビなどが繁殖し傷んだりしてしまうことも。この記事では、常温や冷蔵、冷凍など、各調味料の正しい保存方法を解説します。調味料をおいしく使うおすすめレシピも必見です。
調味料はどう保存する?常温・冷蔵・冷凍をわかりやすく解説
- 目次
- 調味料の保存の基本
- ①常温保存できる調味料
- ②冷蔵保存が適している調味料
- 基本の調味料保存方法一覧
- お酢 保存方法一覧
- 油・油脂系 保存方法一覧
- その他の調味料 保存方法一覧
- 保存方法で気をつけたいポイント
- 長持ちさせた調味料をおいしく使うレシピ
- 調味料を上手に保存して、料理に活用しよう!
調味料の保存の基本
普段料理に使う調味料は、基本的には常温または冷蔵庫で保存することが多いですよね。まずは、常温保存と冷蔵保存に適した調味料にはどんなものがあるのか確認してみましょう。
①常温保存できる調味料
常温保存できる調味料には、砂糖や塩、酢、未開封のしょうゆなどが挙げられます。
これらは保存性の高い調味料ですが、どのように保存してもよいわけではなく、高温になりやすいIHやガスコンロ周辺、窓からの直射日光を避ける必要があります。開封後は酸化や湿気に注意が必要です。
②冷蔵保存が適している調味料
一方、みそやマヨネーズ、ケチャップ、開封後のしょうゆなどは冷蔵での保存が適しています。
賞味期限が記載されている商品が多いですが、あくまで未開封の場合の目安です。開封後はできるだけ早めに使い切るよう推奨されています。
基本の調味料保存方法一覧
ここからは、調味料の種類ごとに適した保存方法を解説します。まずは「料理のさしすせそ」でもおなじみの、砂糖と塩、しょうゆ、みその保存方法について、以下の表で見てみましょう。
| 調味料 | 常温保存 | 冷蔵保存 | 冷凍保存 |
|---|---|---|---|
| 砂糖 | 〇(黒砂糖は冷蔵) | △(湿気に注意) | × |
| 塩 | 〇 | △(湿気に注意) | × |
| しょうゆ(未開封) | 〇 | 〇 | × |
| しょうゆ(開封後) | △(短期間のみ) | 〇 | × |
| みそ | × | 〇 | 〇 |
※酢は種類によって保存方法が異なるため、表には含めていません。次の項目で詳しく解説します。
砂糖
砂糖は保存性が高く、賞味期限の記載もありません。そのため、常温で保存することができますが、保存方法にはいくつか注意点もあります。
砂糖を購入したときのパッケージには、空気を通すための小さな穴が空いている場合が多いです。そこから虫が入ったり、におい移りしたりする可能性もあるので、密閉できる容器に移して保存しましょう。
また砂糖は、湿度が高すぎると溶け、乾燥しすぎると固まる性質があるので、湿度の変化の影響を受けにくいところで保存するのもポイントです。冷蔵庫で保存すると、出し入れの度に発生する結露によって湿度の変化が起きやすいので、常温での保存が最も適しています。
しょうゆ
しょうゆは、未開封なら常温保存できますが、開封後は酸化やカビによる劣化が起こりやすいため、しっかりとフタをしめて冷蔵保存します。
短期間なら常温保存することもできるので、少しずつ使いたい場合はしょうゆ差しなどの小さな容器に取り分けるのもよいでしょう。
開封してもしょうゆが空気に触れにくい構造になっていて、開封後も一定の期間常温保存できる商品もありますよ。
酢
酢は、未開封であれば常温で保存することができますが、開封後は注意が必要です。
開封すると空気中の酢酸菌によって発酵が進みやすくなり、白く濁ったり、酸味が強くなったりします。酢酸菌は30℃前後の常温で静かに置いておくと繁殖しやすいので、長期間使わないときは冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
酢は種類によっても保存方法が異なるので、詳しい種類別の保存方法については、次の章で解説します。
調味料を使うときのポイント
保存方法は商品によって異なります。パッケージの表示を優先し、開封後は早めに使い切ってください。また、見た目やにおいに違和感がある場合は使用を避けてください。
お酢 保存方法一覧
先ほども少し触れましたが、酢にはさまざまな商品があり、それぞれ保存方法が異なります。以下の表で、酢の種類別の保存方法を確認してみましょう。
| 種類 | 常温保存 | 冷蔵保存 | 冷凍保存 |
|---|---|---|---|
| 糖分や塩分を加えていない酢(穀物酢や米酢、果実酢など) | △(夏場は冷蔵がよい) | 〇 | × |
| ドリンクタイプ(酢に糖分や果汁が添加してあり、希釈またはストレートで飲むタイプ) | 〇(開封後は必ず冷蔵保存) | 〇 | × |
| 調味酢(塩分や糖分を添加したすし酢など) | 〇(開封後は必ず冷蔵保存) | 〇 | × |
| バルサミコ酢 | 〇(夏場は冷蔵がよい) | 〇 | × |
| ワインビネガー酢 | △(夏場は冷蔵がよい) | 〇 | × |
糖分や塩分を加えていない酢
穀物酢や米酢、リンゴ酢といった糖分や塩分を加えていない酢には殺菌力があるといわれており保存性が高いので、気温の高い時期以外は常温で保存可能です。
しかし、一度開封すると酢酸発酵が進みやすくなるため、空気に触れる時間や機会を減らすことがポイント。使用後はすぐにフタを閉め、ときどき容器を揺らすこと、また長期間使わないときは冷蔵庫で保管することで、発酵を抑制することができるんですよ。
ドリンクタイプ
ドリンクタイプの酢には、りんごやブルーベリー、ざくろといった果汁や糖分が加えられていて、ストレートタイプや希釈して飲む商品があります。
酢自体は保存性が高いとはいえ、ドリンクタイプは酢の成分が少なく、さらに果汁や糖分が添加されているため、保存方法によっては風味が変わりやすく、腐敗のリスクもあります。そのため、開封後は必ず冷蔵庫で保存してください。
調味酢
塩分や糖分が添加されている調味酢は、酢飯や和え物などを手軽に作りたいときに重宝します。
ドリンクタイプ同様、純粋な酢に比べて保存性が低いので、開封後は冷蔵庫で保存しましょう。
バルサミコ酢
とろみのある濃厚な風味が特徴のバルサミコ酢。バルサミコ酢は未開封かつ冷暗所であれば、常温での長期保存が可能とされています。
開封後も高温や直射日光下でなければ、しっかりとフタをしめて常温で保存することが可能です。ただし、風味が変わったり香りが飛んだりすることもあるので、早めに使い切るようにしましょう。
ワインビネガー酢
ワインビネガーはフルーティでさわやかな風味があり、ドリンクや料理に使われます。
未開封なら常温保存できますが、空気や光、熱で酸化しやすいので、開封後はしっかりとフタをしめて冷蔵庫で保存するのが最適です。
油・油脂系 保存方法一覧
続いて、ごま油やオリーブオイル、バターといった油系の調味料の保存方法について、以下の表で解説します。
| 種類 | 常温保存 | 冷蔵保存 | 冷凍保存 |
|---|---|---|---|
| ごま油 | 〇(高温になる場所は避ける) | △ | × |
| オリーブオイル | 〇(高温になる場所は避ける) | △ | × |
| サラダ油 | 〇(高温になる場所は避ける) | △ | × |
| バター | × | 〇 | 〇 |
| マヨネーズ | △(開封後は×) | 〇 | × |
ごま油・オリーブオイル・サラダ油
ごま油やオリーブオイル、サラダ油は、炒め物や揚げ物などに使う機会が多いのでついコンロの近くに置きたくなりますよね。
ですが、高温になる場所に置くと劣化しやすいので、火元に近すぎない直射日光の当たらない冷暗所で保存しましょう。ただし、冷蔵庫で保存すると固まってしまうこともあるので、長期間冷蔵保存するのはおすすめできません。
バター
バターを常温で保存すると溶けてしまううえ、一度溶けてしまうと分離して元の状態には戻らないため、冷蔵庫または冷凍庫で保存しましょう。
また、においを吸着しやすいので、使いかけのバターはしっかりとラップで包むか密閉容器に入れて保存するのがおすすめです。
マヨネーズ
未開封のマヨネーズは冷暗所で常温保存できますが、開封後は必ず冷蔵保存が必要です。
ただし、温度が低くなりすぎると分離する可能性があるので、冷蔵庫のドアポケットなど、冷気の吹き出し口から離れた場所に置きましょう。
その他の調味料 保存方法一覧
そのほかの調味料についても保存方法を表にまとめたので、見てみましょう。
| ❘調味料 | 常温保存 | 冷蔵保存 | 冷凍保存 |
|---|---|---|---|
| ケチャップ | 〇(開封後は冷蔵保存) | 〇 | △(小分けにして) |
| ソース類(中濃・ウスターなど) | 〇(開封後は冷蔵保存) | 〇 | △(小分けにして) |
| みりん(本みりん) | 〇 | △(結晶化する) | × |
| みりん風調味料 | 〇(開封後は冷蔵保存) | 〇 | × |
| 酒(料理酒) | △ | 〇 | × |
| はちみつ | 〇 | △(結晶化する) | × |
| ナンプラー | 〇(開封後は冷蔵保存) | 〇 | × |
| オイスターソース | 〇(開封後は冷蔵保存) | 〇 | × |
調味料には、未開封では常温保存できるものの、開封後は冷蔵保存が必要なものが多いです。ただし、みりんやはちみつなど、冷蔵庫で保存すると結晶化するものもあります。
ちなみにはちみつは15℃以下で結晶化するので、寒い時期には冷蔵庫に入れなくても結晶化することも。結晶化しても品質には問題ありませんが、容器から取り出しにくくなるなど、使いにくくなる可能性があります。
保存方法で気をつけたいポイント
各調味料の保存方法についてわかりましたが、その中でも気をつけたいポイントや、少しの工夫で長持ちさせるコツもあります。以下で確認してみましょう。
直射日光や高温多湿を避ける
調味料は未開封では常温で売られているものも多く、そういった商品はおうちでも常温保存ができます。
ただし、直射日光や高温多湿な環境では劣化が進みやすいものがほとんどです。常温といっても日の当たる窓辺やコンロの近くなどは避けるようにしましょう。
清潔なスプーンや容器を使う
調味料の容器を移し替えるときや、瓶などからスプーンで取り出すときは、清潔なものを使うようにしましょう。
また、使用後に注ぎ口についた調味料を拭き取ることも有効です。清潔とは少し違う話ですが、バルサミコ酢をすくうスプーンは、金属製より木製やプラスチック製のものを使うと酸による金属の変質や風味の変化を防ぎやすいといわれています。
風味や見た目を確認してから使う
保存する環境や商品によって、品質の変化の現れ方は異なります。
料理に使う前に、必ず見た目や風味に異常がないかを確認してから使うようにしましょう。
小分け容器を活用する
調味料はフタをして保存しますが、使用するたびに開封しますよね。
開封の回数を重ねるたびに容器内に酸化の原因となる酸素や空気中の雑菌が入るリスクがあるので、大容量の調味料は小瓶などに分けて使用するのもおすすめですよ。
使い切りレシピで無駄を防ぐ
調味料は保存性が高いものから、あまり日持ちせず早めに使い切りたいものまでさまざま。
賞味期限が近い調味料は、レシピを工夫して早めに消費すると安心ですよ。
長持ちさせた調味料をおいしく使うレシピ
さてここからは、調味料をおいしく使えるおすすめレシピをご紹介します。何度でも食べたくなるやさしい味わいの肉じゃがや、ケチャップで味つけしたナポリタンなど、絶品レシピをピックアップしました。
優しい味がしみる!肉じゃが
やさしい味わいの肉じゃがを作ってみましょう。しょうゆやみりん、砂糖などを使ったシンプルな味つけが具材に染み込み、何度でも食べたくなるおいしさ!ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
照り焼きチキン
ごはんが進む味わいの、照り焼きチキンをご紹介します。甘辛い味つけに照りや香りが相まって、とてもおいしいですよ。鶏もも肉に片栗粉をまぶすことで、調味料がよりしっかり絡みます。ぜひ作ってみてくださいね。
キャベツと鮭の味噌バター炒め
バターの香りが食欲をそそる、キャベツと鮭の味噌バター炒めのレシピです。シャキシャキ食感のキャベツと旨味たっぷりの鮭にコクのある味噌バター味がよく合い、箸が止まらないおいしさ!食べごたえもあり、満足感のある一品ですよ。
昔なつかしのケチャップナポリタン
飽きのこない定番の味!ナポリタンを作ってみましょう。ケチャップを使ったシンプルな味つけですが、すりおろしニンニクも加えることでメリハリのある味わいに仕上がります。野菜のシャキシャキとした食感もおいしく、また食べたくなること間違いなしです。
トマトとオクラの和風マリネ
簡単に作れる、トマトとオクラの和風マリネはいかがでしょうか。さっぱりとした味わいのマリネ液は、ゆず胡椒のほのかな辛味がアクセントとなっています。鮮やかな色合いも魅力で、お酒のおつまみにもぴったりですよ。
調味料を上手に保存して、料理に活用しよう!
今回は、調味料の保存方法について詳しく解説し、おうちにある調味料をおいしく使えるおすすめレシピをご紹介しました。正しい保存方法について知らなかったものがあった方もいるのではないでしょうか。この機会に、おうちの調味料の保存方法を見直して、料理に活用してみてくださいね。
