久しぶりに家族が顔を合わせる方も多い年末年始。楽しい時間を過ごすとともに、少しだけ「もしも」の話をしませんか?実家の備蓄食も気づかないうちに賞味期限が切れているかもしれません。大切な家族を守るため、自分のいのちを守るために、帰省は防災を見直す絶好の機会です。今回は備蓄食と非常食の違い、またローリングストックやライフラインが止まっても作れるレシピをご紹介します。
実家の備蓄、大丈夫?年末年始に見直したい「備蓄食」を徹底解説!おいしく食べれるレシピもご紹介!
- 目次
- 非常食と備蓄食材の違い
- 非常食
- 備蓄食材
- 災害時に向けて準備しておくべき非常食と備蓄食材
- 備蓄食品を使ったアレンジレシピ
- ライフラインが止まった時の備蓄食材の食べ方
- 【番外編】災害時に役立つ!クラシルの動画をご紹介
- 年末年始は家族と話そう「防災の備え」
非常食と備蓄食材の違い
まず、改めて備蓄食品について確認してみましょう。備蓄食品は大きく分けて「非常食」と「備蓄食材(日常食品)」に分けられます。以下で、非常食と備蓄食材の違いを解説するので、ぜひチェックしてみてください。
非常食
非常食は主に災害時に食べるものであり、ライフラインが止まった直後の3日間を乗り切るためのものです。その名の通り、非常時用の食品で一時的に食料の確保ができないとわかっているときに備えておくものと覚えておくとよいでしょう。災害時に備えて用意するので、賞味期限が長いものが多く、調理せずに食べられるものや水を使わずに作れるもので、栄養が摂れるように設計されています。防災バックの中に常備できるように持ち運びがしやすく、かさらばない食べ物であることもポイントです。また食器がなくても食べられるというメリットもあります。
備蓄食材
備蓄食材は「日常食品」とも呼ばれ、ライフライン復旧までの生活をつなぐために備えておく食品のことです。 長期間食料の確保ができないと想定されるときのために備えておくもので、非常食との大きな違いは、普段から使っている食べ慣れた味のものが多いこと。普段の食事で使うレトルト食品、缶詰、お米、水などを「少し多めに」買い置きし、日常で使用しながら災害時にも活用します。これが近年推奨されている「ローリングストック」という考え方です。身近なスーパーなどに行けなくなることを想定して準備しておきましょう。
| 非常食 | 日常食品 | |
|---|---|---|
| 役割 | 命をつなぐ(生存重視) | 生活をつなぐ(日常の延長) |
| 保存期間 | 長期保存(3年〜5年以上) | 中期保存(半年〜1年程度) |
| 食べ方 | そのまま食べられるものが多い | 調理が必要な場合もある |
| メリット | 放置しておける、携帯しやすい | 味がおいしい、コスパがよい |
| 代表例 | カンパン、アルファ米、長期保存水 | レトルトカレー、缶詰、カップ麺、水 |
災害時に向けて準備しておくべき非常食と備蓄食材
続いて、備えておきたい非常食と備蓄食材を確認しておきましょう。
非常食
| 食材 | |
|---|---|
| 水 | 長期保存水 |
| 主食 | アルファ化米、パックご飯、缶詰入りのパン、乾パン |
| おかず | 缶詰(肉、魚、豆)、レトルト食品、フリーズドライ食品、充填豆腐、魚肉ソーセージ、梅干し |
| 汁物 | インスタント味噌汁、即席スープ、フリーズドライスープ |
| 野菜・果物 | 缶詰(野菜、果物) |
| 牛乳 | スキムミルク |
| お菓子 | ようかん(長期保存可能タイプ)、クッキー・ビスケット(長期保存可能タイプ)、氷砂糖 |
| 調味料 | 塩(岩塩)、砂糖 |
| その他 | はちみつ |
備蓄食材(日常食品)
| 食材 | |
|---|---|
| 水 | ミネラルウォーター(ペットボトル、ウォーターサーバー) |
| 主食 | 米(精米・無洗米)、乾麺、小麦粉、ホットケーキミックス、米粉、餅、パックご飯、缶詰入りのパン |
| おかず | 缶詰(肉、魚、豆)、乾物、レトルト食品、フリーズドライ食品、充填豆腐、魚肉ソーセージ、梅干し、漬物、ふりかけ、海苔の佃煮 |
| 汁物 | インスタント味噌汁、即席スープ、フリーズドライスープ |
| 野菜 | 日持ちする野菜(さつまいもや玉ねぎなど)、乾物(切り干し大根やわかめ、ひじきなどの海藻類)、海苔、缶詰(野菜) |
| 果物 | 日持ちする果物(りんご、柿、みかん)、缶詰(果物)、ドライフルーツ、フルーツジュース |
| 牛乳 | ロングライフミルク、スキムミルク、粉チーズ、フリーズドライチーズ |
| お菓子 | 飴、ようかん、チョコレート、ビスケット、せんべい、スナック(ポテトチップスなど)、氷砂糖 |
| 調味料 | 塩(岩塩)、砂糖、みそ、しょうゆ、酢、ケチャップ、マヨネーズ、食用油、バターなど |
| 飲み物 | お茶(普段から飲んでいるものなど) |
| その他 | はちみつ |
ローリングストックとは?
先ほど備蓄食材の解説でも少し触れましたが「ローリングストック」とは、特別な非常食をしまい込むのではなく、「いつもの食材」を多めに買い置きして、食べながら備える方法です。やり方はとてもシンプル!
普段食べるレトルト食品や缶詰などを少し多めに買う
↓
古いものから日常の食事で消費する
↓
食べた分だけまた買い足す。
これを繰り返すだけです。常に新しい食料が家にある状態を保てるため、いざという時の「賞味期限切れ」を防げます。災害時でも「食べ慣れた味」があることは、心の安定にもつながるおすすめの備蓄法なんですよ。
備蓄食品を使ったアレンジレシピ
ここで、非常食や備蓄食材を使ったアレンジレシピを確認しておきましょう!賞味期限が近くなったときに役立つレシピなので、覚えておくと便利ですよ。
やわらか乾パンのオニオングラタンスープ
非常食に便利な乾パンを使って、オニオングラタンスープにアレンジしました。玉ねぎの甘みとチーズのコクが広がり、ほっと落ち着きます。スープをたっぷり吸った乾パンはやわらかく、小さなお子さまやご年配の方でも食べやすいですよ。
サバ缶で簡単 ハンバーグ
サバ缶を使ったハンバーグをご紹介します。サバ缶に豆腐を混ぜて、ふんわりやわらかく仕上げました。さっぱりとした大根おろしに、ポン酢とバターを合わせたソースがよく合い、おいしさを引き立てます。魚の下処理が不要なので、手軽に魚料理が食べたい方にもおすすめです。
レトルトカレーでモチモチ芋もち
もちもちの芋もちにレトルトカレーを包み、バターで香ばしく焼き上げました。生地にチーズを混ぜ込むことでまろやかになり、カレーのスパイシーさと絶妙にマッチします。おやつにもぴったりで、子どもから大人まで楽しめる一品です。
マシュマロ乾パンサンド
乾パンの簡単アレンジレシピです。乾パンにマシュマロをのせて加熱し、いちごジャムを塗った乾パンでサンドするだけ!カリッと香ばしい乾パンと、ふんわりやわらかいマシュマロの食感が楽しめます。お好みのジャムやチョコソース、ピーナッツバターでアレンジしてもおいしいですよ。
ライフラインが止まった時の備蓄食材の食べ方
ライフラインが止まるとガス、電気、水道などが使えなくなってしまいます。そんなときのためにカセットコンロとカセットボンベ、フライパンや鍋、やかんなどは揃えて置いたほうがよいでしょう。以下で、ライフラインが止まったときでも炊けるごはんのレシピとスープのレシピをご紹介します。
フライパンで炊く ふっくら白ごはん
フライパンでお米を炊く方法も覚えておくと便利です。炊飯器がなくても、フライパンひとつでふっくらおいしいごはんが炊き上がります。災害時だけでなく、キャンプやバーベキューなどのアウトドアでも活躍しますよ。
💬管理栄養士からのコメント
お米を炊くときに意外と重要なのが蒸らす工程!
蒸らしが足りないと芯が残って硬くなります。逆に蒸らし過ぎると、蓋についた水蒸気がごはんに落ちてベタつきやすくなるので、気を付けてくださいね。
ポリ袋で簡単 さつまいものミルクスープ
さつまいものミルクスープはいかがでしょうか。さつまいもとメープルシロップのやさしい甘みがふんわり広がります。加熱したさつまいもをポリ袋に入れて作るので、洗い物も少なく手軽!ひと息つきたいときにぴったりなので、ぜひお試しくださいね。
※このレシピでは電子レンジが使われていますが、ポータブル電源や車載電源など、一時的に電力を確保できる手段がある場合、電子レンジ調理は加熱方法として利用できます。
【番外編】災害時に役立つ!クラシルの動画をご紹介
最後に知っておくと便利な災害時に役立つ動画を2つご紹介します。ぜひ合わせて参考にしてみてください。
もしもの時に 手作り経口補水液
熱中症や脱水症かな?と思ったときに役立つ、手作り経口補水液をご紹介します。500mlのペットボトルの水に、スティックシュガー5本と塩ふたつまみを混ぜるだけで簡単に作れます。レモン汁を加えると爽やかな風味になり、飲みやすいですよ。
💬管理栄養士からのコメント
経口補水液は、脱水時に体から失われた水分や電解質を素早く補給するための飲み物です。日常的な飲用は避け、脱水症や脱水を伴う熱中症の症状が見られる場合にお飲みください。
家庭用塩素漂白剤を使った消毒方法
家庭用の塩素系漂白剤を使った消毒液の作り方と使い方をご紹介します。災害時など計量器具がない場合でも、500mlのペットボトルがあれば計ることができますよ。汚れた食器や調理器具などの消毒に役立ててくださいね。
💬管理栄養士からのコメント
家庭用塩素系漂白剤を消毒に使う場合は、使用方法や使用上の注意をよくご確認ください。消毒液は時間が経つと効果が弱まるため、作り置きはせず、必要なときに都度作りましょう。
年末年始は家族と話そう「防災の備え」
今回は、家族みんなで見直したい防災や役立つレシピをご紹介しました。帰省する人も多い年末年始。大掃除やおせちの準備などと同時に、家族が集まるこのタイミングで防災を見直してみるのはいかがでしょうか。年末年始を「更新のタイミング」と決めれば管理もぐっと楽になりますよ。ぜひ今回ご紹介した内容を家族みんなで確認してみてくださいね。
