台湾の定番料理「魯肉飯(ルーローハン)」とは?角煮との違いやおいしく作るコツもご紹介

台湾の定番料理「魯肉飯(ルーローハン)」とは?角煮との違いやおいしく作るコツもご紹介

台湾料理の「ルーローハン」を食べたことはありますか?甘辛く煮込んだ豚肉をごはんにのせた料理で、台湾三大飯の一つともいわれるほど台湾では定番の人気メニューなんですよ。この記事では、ルーローハンの特徴や漢字の意味、おいしく作るポイントなどを解説します。記事の後半でご紹介するおすすめレシピもぜひご覧くださいね。

  • 目次
  • 台湾のソウルフード「ルーローハン」とは?
  • ルーローハンの特徴
  • ルーローハンの味わい
  • ルーローハンと豚の角煮はどう違う?
  • ルーローハンをおいしく作るポイント
  • ルーローハンなど台湾風ごはんのレシピをご紹介
  • おうちでルーローハンを作ってみよう!

台湾のソウルフード「ルーローハン」とは?

「ルーローハン」は台湾のソウルフードともいえる定番料理です。さっそく、ルーローハンの特徴や味わいについて見ていきましょう。

ルーローハンの特徴

ルーローハンとは、しょうゆベースの甘辛い味つけで煮込んだ豚バラ肉をごはんの上にのせた料理です。

台湾の中でも地域によって豚肉の切り方に違いがあり、北部では細切り、南部では角煮のように大きめにカットされます。ちなみに、南部のルーローハンのように、大きな塊の豚肉をのせたごはんを、北部では「焢肉飯(コンローファン)」と呼ぶようです。

ルーローハンの味わい

ルーローハンは、豚バラ肉のごはんによく合う甘辛い味つけと、やわらかくなるまで煮込んだとろけるような食感が魅力。

お店や地域によって味つけは異なりますが、八角や五香粉(ごこうふん)などのスパイスも使われます。五香粉とは、八角や山椒、花椒、シナモン、クローブなどを組み合わせたスパイスで、エスニックで奥深い香りが楽しめます。

トッピングには、煮卵や青菜をのせるのが定番です。パクチーを加えると、より風味豊かな味わいを楽しめます。

💡ワンポイント豆知識
ルーローハンを漢字で「魯肉飯」と表記されているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。しかし実は、「滷肉飯」が正しい表記なんです。ルーローハンが日本に伝わってきたとき、「滷」という字が常用漢字の中になかったことから、同じ読みの「魯」を代わりに使うようになったのだとか。

「滷」は「煮込む」や「煮込み料理」を表すので、「滷肉飯」は「煮込み肉のごはん」という意味になります。

ルーローハンと豚の角煮はどう違う?

ルーローハンは、一見すると豚の角煮にもよく似ていますよね。両者にはどのような違いがあるのでしょうか。以下で確認してみましょう。

豚の角煮との違い

どちらも、しょうゆや砂糖を使った甘辛い味つけで豚肉を煮込んでいる点は共通です。ただし、ルーローハンの方はスパイスを効かせた味つけになっています。

煮込んだブロック状のお肉をそのままおかずとして食べるのが角煮ですが、ルーローハンはブロック状または細かく切って煮込んだお肉をごはんにのせた丼物です。

肉燥飯との違い

台湾料理の中でも、ルーローハンとよく似た「肉燥飯(ロウザオファン)」というものがあります。肉燥飯は、豚肉を細かく切ってから甘辛く煮て、ごはんにのせた料理。

味つけに特別な違いはありませんが、仕上がりの食感が異なります。台湾の中でも地域によってルーローハンの特徴が異なるとご説明しましたが、北部の地域で親しまれている肉を細かく切ったルーローハンを、南部の地域では「肉燥飯」と呼ぶのです。

鶏肉飯との違い

ルーローハンと並んで台湾で人気のあるごはんものが「鶏肉飯(ジーローハン)」です。

実は台湾では、「ルーローハン」「鶏肉飯」「バイクーハン(排骨飯)」の3つが「台湾三大飯」として知られており、それぞれに違ったおいしさがあります。

鶏肉飯は、蒸したり茹でたりしてやわらかくなった鶏むね肉を細かくほぐし、ごはんの上にのせた料理です。そこに、ねぎなどの香味野菜を使った風味豊かなしょうゆベースのソースをかけて食べる、台湾風のチキンライスともいえます。

ソースのあっさりとした味わいと鶏肉の旨味がマッチしてやみつきになるおいしさです。

排骨飯との違い

台湾三大飯のもう一品が「排骨飯(パイクーハン)」。

「排骨」は中国語で「スペアリブ」を表しますが、豚バラ肉などに卵と小麦粉で衣をつけて揚げたものをごはんにのせた料理が排骨飯です。とろみのあるしょうゆベースのタレをかけて食べます。カリッと揚がったお肉の香ばしさと、ジューシーな食感が魅力です。

ルーローハンをおいしく作るポイント

ルーローハンをおうちで作ってみたくなった方も多いのではないでしょうか。以下で、ルーローハンをおいしく作るポイントについて解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

豚肉を下茹でする

ルーローハンの豚肉は、調味料を加える前に下茹ですると、よりやわらかく仕上がります。

お肉を切る前に下茹でする場合は、茹でたお肉を一度冷ますときれいに切りやすいですよ。下茹ですることで余計な脂や臭みが落ちるのもメリットです。

下味をつけて焼いてから煮る

豚肉を煮込む前に焼き目をつけおくと、香ばしさがプラスされ、味に奥行きが出ます。

これは「メイラード反応」と呼ばれる現象で、食品中のたんぱく質と糖を加熱すると反応し、こんがりとした焼き色と香ばしい風味がうまれるためです。そのため、下味をつけてから焼くことで、より香ばしく仕上がります。

砂糖の種類

ルーローハンの味つけには、砂糖の代わりに黒糖や氷砂糖を使うのがおすすめです。

黒糖にはカルシウムや鉄、亜鉛といったミネラルが含まれているので、わずかに香りや苦味があり、料理の味に奥深さを与えます。氷砂糖はゆっくり溶ける性質があることから、煮込み料理に使うと風味やコクが引き立つといわれているのです。

エシャロットやフライドオニオン

エシャロットは日本で見かけることは少ないですが、台湾ではよく使われる野菜のひとつです。

エシャロットを油で揚げた「油蔥酥(ヨウツォンスー)」というフライドエシャロットも売っていて、香ばしさやコクをアップさせるためにルーローハンのトッピングにもよく使われています。

油蔥酥を日本のお店で入手するのは難しいですが、フライドオニオンなら日本でも手に入りやすく、より現地風の仕上がりになりますよ。

ルーローハンなど台湾風ごはんのレシピをご紹介

さてここからは、ルーローハンをはじめとした台湾風ごはんのおすすめレシピをご紹介します。本格的なルーローハンから、炊飯器で作れるルーローハン風炊き込みごはんなど、バラエティ豊かなレシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

本格的なルーローハン

本格的な味わいのルーローハンのレシピです。じっくり煮込んで甘辛い味が染みた豚肉と、フライドオニオンのコク、八角のスパイシーな香りが相性抜群!ごはんがどんどん進むおいしさですよ。

薄切り肉で煮込まないルーローハン

薄切り肉を使って、手軽にルーローハンを作ってみましょう。豚肉の旨味と五香粉の風味がよく合い、食欲をそそります。豚こま切れ肉や豚ロース肉など、おうちにあるお好みのお肉を使ってパパッと作れるので、ぜひお試しくださいね。

豚肉と高菜の台湾風あんかけ丼

風味豊かな、豚肉と高菜の台湾風あんかけ丼はいかがでしょうか。豚肉ときのこ、高菜漬を具材にしたコクのある味つけのあんかけ丼は、間違いないおいしさ!簡単に作れるので、時間がないときのランチにもおすすめですよ。

ルーローハン風炊き込みご飯

炊飯器で作れる、ルーローハン風炊き込みごはんをご紹介します。豚肉だけではなく、ごはんにまで味がしっかりと染み込み、おかわりが欲しくなるおいしさ。満足感たっぷりの一品です。

五香粉香る 台湾風豚の角煮

いつもとひと味違う、台湾風豚の角煮を作ってみましょう。見た目はおなじみの豚の角煮と変わりませんが、五香粉と八角を使ってスパイシーな風味に仕上げました。じっくりと煮込むことで、豚肉がとろけるようなやわらかさになりますよ。

おうちでルーローハンを作ってみよう!

今回は、ルーローハンの特徴や漢字の意味、おいしく作るポイントなどについて解説し、おすすめレシピをご紹介しました。アジアらしいエスニックな香りと、ごはんが進む甘辛い味つけが食欲をそそるルーローハン。ご紹介したレシピも参考に、ぜひおうちでもルーローハンを作ってみてくださいね。

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