春の訪れを告げる食材のひとつ「たらの芽」。タラノキから採れる「たらの芽」は、山菜の王様とも呼ばれ、ほろ苦い風味と特有の食感が人気です。
春の山菜「たらの芽」をおいしく!特徴やおすすめレシピをご紹介

今回は、そんなたらの芽の特徴や使い方について解説します。下処理の仕方、さらに天ぷらや酢味噌がけといったたらの芽のおいしさを堪能できるレシピもご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
- 目次
- たらの芽とは?
- タラノキとは?
- たらの芽をおいしく食べるための下処理方法
- たらの芽はどうやって食べればいいの?
- 春を告げるたらの芽を使った絶品レシピ
- たらの芽の天ぷら
- たらの芽の磯辺揚げ
- 豚肉でボリュームアップ たらの芽の豚巻き天ぷら
たらの芽とは?
「たらの芽」とは、タラノキという植物の新芽のことです。日本では古くからタラノキから新芽を採って、天然のたらの芽を楽しむ習慣がありました。山菜の中でも非常に人気が高いことから「山菜の王様」という名前で親しまれているんですよ。
以前は春の限られた期間にだけ採れる希少なものでしたが、最近ではハウス栽培が盛んになっており、それほど珍しいものではなくなってきています。以下で、味わいや旬の時期などについても詳しく見てみましょう。
■味わい
ほとんどの山菜には特有の苦味やえぐみがありますが、たらの芽は比較的食べやすいと言われています。ほのかな苦味と香り、コクがあり、もちっとした独特の食感が特徴です。
季節感を感じさせてくれる格別な味わいで「山のバター」とも呼ばれています。とくに天然物はたらの芽本来の香りや苦味などが強く、野趣あふれる風味が特徴です。一方、ハウス栽培のものはクセや苦味が少なく食べやすいですが、その分香りや風味は弱くなっています。
■選び方
おいしいたらの芽は、3~5cmほどに成長したものと言われています。葉が少し開き、赤紫色がかっているものを選びましょう。
これよりも若い蕾のような芽もやわらかくておいしいですが、食べる部分が少ないことと特有の風味が薄いという特徴があります。反対に成長しすぎたものは苦味やえぐみが強く出始めるため、食べにくく感じる方もいるかもしれません。好みに合わせて、適度な大きさのものを選ぶのがよいでしょう。
■旬の時期
たらの芽の旬は、一般的には木の芽が芽吹く3〜5月頃とされています。気候にもよりますが、山間部では6月頃の初夏まで採れることがあるようです。桜が咲き始める時期がちょうどたらの芽が芽吹く頃と重なっているので「桜を見たら、たらの芽の旬のシーズンが始まる」と覚えておくとわかりやすいですね。
ハウス栽培の場合は期間が長く、12月頃から4月にかけて出荷されます。料亭などに出荷されることも多いため、早い時期から出荷が始まるそうです。出荷のピークは2月下旬から3月となっています。
タラノキとは?
タラノキは、ウコギ科の落葉低木で、沖縄、奄美、小笠原などの離島を除く日本全国に広く自生している植物です。また、朝鮮半島や中国の中南部、千島列島やサハリンなどでも見られます。
高さは5メートルほどになり、ほとんど枝分かれしない一本幹です。枝の先端には5cmほどの葉が付きます。非常に生命力が強く、荒れ地や伐採地でもいち早く成長するのも特徴です。
タラノキの種類はオンダラ(男ダラ)と女ダラ(メダラ)の2つで、オンダラは枝に鋭くてかたいトゲがあり、新芽の部分にも赤いポツポツとしたトゲ状のものが見られます。メダラは木にも、新芽にもトゲは見られません。天然のタラノキの多くはオンダラですが、栽培にはトゲがなく育てやすいメダラが使われます。
たらの芽をおいしく食べるための下処理方法
苦味やえぐみを取ったり食べやすくしたりするために、ほとんどの山菜は食べる前の下処理が必要です。ここでは、たらの芽の下処理方法についてご紹介します。
■下処理
たらの芽は、しっかりと洗った後に、食べる前に付け根の「はかま」を取り除く処理をします。はかまとはたらの芽が芽吹く前に出てくるかたい部分のこと。これを取り外し、根元のかたい部分の皮も包丁でむきましょう。たらの芽の苦味やえぐみは、油であげたり炒めたりすると旨味へと変化します。そのため、生のまま揚げて天ぷらにする場合にはアク抜きは必要ありません。ただし、和え物やおひたしなどはさっと湯がくのがおすすめです。
はかまや根本の部分を取り除いたら、お湯で1~2分ほどゆでます。その後、冷水に入れてしばらく水にさらし水気を切ります。小さめのものはさっとくぐらせる程度にし、ゆですぎないよう注意しましょう。ゆですぎると特有の香りや歯ごたえがなくなってしまうので、手際よく行うのがポイントです。
たらの芽はどうやって食べればいいの?
たらの芽は、特有の香りや苦味を活かす天ぷらやおひたしなどが定番の食べ方です。以下、たらの芽の代表的な食べ方とその味わいについてまとめました。
■天ぷら
天ぷらは苦味やえぐみが旨味になるため初めて食べる人でも食べやすく、たいへん人気があります。油であげるとほくほくとした食感になり、そのおいしさは格別ですよ。
■おひたし
おひたしにするとたらの芽の持ち味である香りやほろ苦さ、もちっとした食感を存分に堪能できます。大人な味わいで、お酒と一緒に楽しみたいときにおすすめですよ。また、ゴマ和えもたらの芽と相性抜群!甘めの濃厚なゴマダレがからみ、たらの芽の苦味が和らいで食べやすくなります。
そのほか、パスタやソテーなど洋風の料理にも使うことができます。そのほろ苦さを活かして、さまざまな料理に応用して楽しみましょう。
春を告げるたらの芽を使った絶品レシピ
ここからはたらの芽の特徴を活かしたおいしいレシピをご紹介します。定番の天ぷらや酢味噌がけ、おかずにもぴったりの肉巻きなど、簡単にお作りいただけるレシピをピックアップしました。ぜひ参考にしていただき、春の味わいを食卓に取り入れてみてくださいね。
たらの芽の天ぷら
これぞ王道!たらの芽の天ぷらです。カラッと揚げた天ぷらは、香りと風味がよく春の味。天ぷらにするとたらの芽特有のほろ苦さと甘みを存分に堪能することができます。衣を軽めにし、揚げすぎないのがほくほくの食感に仕上げるポイントです。
たらの芽の磯辺揚げ
お酒のおつまみにぴったりな、たらの芽の磯辺揚げレシピをご紹介します。たらの芽にたっぷりの青のりを入れた天ぷら衣をまぶし、香ばしく揚げました。磯の香りと風味豊かな青のりが、ほろ苦いたらの芽とよく合います。揚げたての磯辺揚げは、シンプルに塩をつけていただくのがおすすめです。
豚肉でボリュームアップ たらの芽の豚巻き天ぷら
定番のたらの芽の天ぷらに旨味の強い豚ロース肉を巻いて、食べ応え抜群の一品に仕上げました。おつまみにはもちろん、おかずにもぴったり!たらの芽のほくほくとした食感が絶品で、手が止まらなくなりますよ。いつもとはひと味違うたらの芽の天ぷらが食べたいときに、ぜひ作ってみてくださいね。
たらの芽の肉巻き
お酒もごはんも進む、たらの芽の肉巻きを作ってみませんか?もちっとしたたらの芽にジューシーな豚バラ肉の旨味が染み込み、たまらないおいしさ!めんつゆベースの甘みのある濃厚なタレで、苦味が和らぎ食べやすく仕上がります。
たらの芽の酢味噌がけ
晩酌のお供におすすめな、たらの芽の酢味噌がけです。ゆでたエビもプラスして彩りよく仕上げました。白味噌や酢、練りからしで作る風味豊かな酢味噌と、ほろ苦いたらの芽が相性抜群!春の香りを存分に堪能できる一品です。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。様子を確認しながら完全に火が通るまで、必要に応じて加熱時間を調整しながら加熱してください。
春の山菜「たらの芽」で季節を味わおう
いかがでしたか?たらの芽の特徴や調理法のほか、特有の苦味や風味を活かした絶品レシピなどをご紹介しました。たらの芽は下処理も少なく、山菜の中でも食べやすいことで人気の食材です。春を感じさせてくれるたらの芽を使って、ぜひ旬の味わいを堪能してみてくださいね。
クラシルでは、たらの芽を使ったさまざまなレシピをご紹介しています。そちらも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。