「予熱」とは、オーブンの温度をあらかじめ設定温度まで上げておくこと。特にパンやケーキをおいしく焼くために、予熱は重要な工程のひとつです。今回は予熱の意味とその効果や、余熱との違い、おすすめのレシピなどをご紹介します。ぜひ調理に役立ててくださいね。
「予熱」と「余熱」の違いとは?効果やポイントを徹底解説!

- 目次
- 「予熱」とは?「余熱」との違いとは?
- 予熱とは
- 余熱とは
- 予熱の設定方法やポイントは?
- オーブンの予熱機能の設定方法
- 温度設定のポイント
- 予熱がポイント!オーブンで作るおすすめレシピ
- ココアフィナンシェ
「予熱」とは?「余熱」との違いとは?
「予熱」と混同しやすい言葉に「余熱」がありますが、このふたつの違いをご存知ですか?どちらも加熱調理を表す言葉ですが、使われる場面や目的は異なります。まずは、それぞれの違いについてご紹介します。
予熱とは
「予熱」とは、オーブンやグリルの温度をあらかじめ加熱したい温度まで上げておくこと。レシピの「焼き時間」は、指定の温度から焼き始めることが前提になっています。オーブンの庫内は室温と同じ温度になっているので、予熱しないで焼き始めると温度が低すぎて、生焼けや焼きムラの原因になってしまいます。
予熱で生地をしっかり焼き上げる
特に、パンやケーキを焼くときに予熱は必須です。予熱してから焼き始めることで短時間で火が通り、生地がしっかりと膨らんでふんわりとした食感に仕上がります。しかし、予熱しないで焼き始めると、生地が膨らむ前に乾燥して固くなり、失敗の原因になってしまいます。
予熱で旨味を閉じ込める
また、肉や魚をオーブンで焼く場合は、予熱することで先に表面を焼き固め、旨味をギュッと閉じ込めることができます。表面にパリッと香ばしい焼き目が付き、中はしっとりとジューシーに仕上がるのです。しかし、予熱しないと火が通るまで時間がかかり、肉汁や旨味が流れ出てパサパサとした食感になってしまいます。
つまり、オーブンやグリルを予熱するということは、食材に効率よく火が通る、旨味や水分を逃さない、表面に香ばしい焼き色が付くなどのメリットを得られる、失敗を防ぐためにも必要不可欠な工程なのです。
余熱とは
「余熱」とは、オーブンやフライパンで加熱調理した後に、調理器具や食材に残っている熱のこと。フライパンや鍋は、火を止めた後でもすぐには冷たくなりませんよね。そのときに残っている熱のことを余熱といいます。やわらかく通る熱なので、卵料理や蒸し料理の仕上げや、煮物にじっくりと味を染み込ませたいときに使われます。
例えば、火加減の調節が難しいカルボナーラは火を止めてから卵を加えることで、固まりすぎずとろりとした食感に仕上がります。また、カレーに固形ルーを溶かすときは、一旦火を止めることで焦げ付きを防ぐことができます。
予熱の設定方法やポイントは?
ここからは、オーブンの予熱機能の設定方法をご紹介します。オーブンレンジやオーブントースターは機種によって操作方法が異なりますが、以下の設定方法を参考にしてみてくださいね。
オーブンの予熱機能の設定方法
①「オーブン」機能を選択する(1段、2段を選択する場合もあります)
②「予熱なし」「予熱あり」から「予熱あり」を選択する
③「温度」、「加熱時間」を設定する(予熱完了後に加熱時間を設定する場合もあります)
④「予熱完了」のサインの後に素早く食材を入れる
⑤「スタート」を押して調理を開始する
温度設定のポイント
オーブンの機種にもよりますが、180℃であれば加熱を始めてから15分程度で予熱が完了するものが多いです。調理を始める前に、あらかじめ予熱を始めておくと安心ですね。
また、気温が低い季節はオーブンを開けると、すぐに庫内温度が下がってしまうことがあります。予熱の完了時間に合わせて食材の準備ができるとよいでしょう。
予熱がポイント!オーブンで作るおすすめレシピ
オーブンで作るおすすめのレシピをご紹介します。失敗を防ぐためには、生地ができあがる前に予熱が完了していることが大切ですよ。
ココアフィナンシェ
ティータイムにぴったりな、ココアのフィナンシェです。フィナンシェなどの小さな型を使った焼き菓子は、高めの温度で短時間で焼くことがポイント!表面はサクッと香ばしく、中はしっとりとした食感に仕上がります。
※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W180℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。
しっとり美味しい アールグレイシフォンケーキ
ふわっと軽い食感の生地に、アールグレイが香るケーキです。シフォンケーキは予熱してから焼くことで、メレンゲがしっかりと膨らみ、軽い食感に仕上がりますよ。
※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W170℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。
手軽に作れるふんわり白パン
ご家庭で簡単に作れる、ふんわり白パンです。発酵にもオーブンを使用するレシピの場合は、二次発酵が終わったら予熱をしてくださいね。設定温度で焼き始めないと、きれいな焼き色が付かずパサパサとした食感になってしまいます。
※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W180℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。 様子を確認しながら完全に火が通るまで、必要に応じて加熱時間を調整しながら加熱してください。
オーブンでじっくり焼く スパイシースペアリブ
低温でじっくりと焼いた豚スペアリブです。低温で時間をかけて火を通すので、やわらかく仕上がりますよ。クミンパウダーやガラムマサラなどのスパイスの香りが食欲をそそる一品です。
※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W130℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。
予熱をマスターして失敗を防ごう!
今回は予熱の意味やその目的、おすすめのレシピなどをご紹介しました。予熱はおいしいパンや焼き菓子を作るために大切な工程のひとつです。あらかじめ予熱しておくことで調理がスムーズになり、生焼けなどの失敗を防ぐことができます。ぜひこの機会に予熱をマスターして、日々の料理をワンランクアップさせてみてくださいね。