韓国料理「タッカンマリ」とは?特徴やサムゲタンとの違い、食べ方についてご紹介!

韓国料理「タッカンマリ」とは?特徴やサムゲタンとの違い、食べ方についてご紹介!

「タッカンマリ」とは鶏一羽を丸ごと豪快に煮込んだ、シンプルな韓国の鍋料理です。この記事ではそんなタッカンマリの特徴や味わい、食べ方のほか、同じく鶏肉を使う韓国料理のサムゲタンとの違いについて解説します。後半ではタッカンマリ風のおすすめレシピなどもご紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

  • 目次
  • タッカンマリとは?
  • タッカンマリの特徴と味わい
  • サムゲタン、ペクスクとの違いとは
  • サムゲタンやペクスク以外にも似ている鶏料理がある!
  • タッカンマリの食べ方【基本】
  • タッカンマリの食べ方【応用編】
  • タッカンマリ風とサムゲタン風のレシピをご紹介!
  • タッカンマリをおうちで作ってみよう!

タッカンマリとは?

タッカンマリとは、丸鶏を鍋でじっくり煮込んだ韓国料理です。韓国語で鶏のことを「タッ」、一羽(一匹)のことを「ハンマリ」と呼ぶことからこの名がついたといわれています。「タッハンマリ」と書かれることもありますが、韓国の発音だとタッカンマリに近い音になるので、日本ではタッカンマリと書かれたり、呼ばれることが多いです。

タッカンマリは1970年代後半、ソウルの東大門(トンデムン)地区で発祥した料理だといわれています。もともとは市場の商人や買い物にくるお客さん向けに鶏肉を使ったカルグクスという麺料理が販売していました。それがどんどん人気を集め、次第に市場の裏路地にカルグクス屋が増えていったのだそうです。

諸説ありますが、当時の東大門は交通の要所であったため、時間に余裕のない人が多く、鶏カルグクスもしくは鶏肉を煮込んだスープを「タッハンマリ!」と叫んで注文する客が増えていったと言います。そしてのちにそれが料理名に変化し、料理の形も変わっていきました。麺料理だった鶏カルグクスが、鶏肉をメインで食べる鍋料理のタッカンマリとなっていったのです。ちなみに、タッカンマリという料理において麺は鶏肉を食べた後、シメなどで追加する食材になりました。

こうして、庶民的な料理として親しまれてきたタッカンマリ。東大門には「タッカンマリ通り」というスポットまであり、日本人にも人気がありますが、不思議なことに実は韓国人でも知らない、もしくは知っていても食べたことのない人が多いのだとか。韓国では東大門周辺のローカルフードであるため、ソウルでは知られているものの、ほかの地域ではあまり知られていないのだそうです。

タッカンマリの特徴と味わい

続いて、タッカンマリの特徴や味わいについて確認してみましょう。

基本的な材料

主な材料は

・丸鶏
・じゃがいも
・トッポギ(韓国餅)
・ネギやニンニクなどの香味野菜

これらを一緒に煮込むことで、鶏肉のやわらかさとスープの旨味を最大限に引き出します。

味わいの特徴

タッカンマリは、日本の水炊きに似た料理とよく言われますが、入れる具材が異なります。水炊きは白菜やネギ、しいたけ、にんじんなどさまざまな野菜が使われるのに対し、タッカンマリは野菜の量が少ないのが特徴です。これによって、鶏肉の旨味がより際立つという魅力もあります。じっくりと煮込んだ鶏肉をしょうゆダレや唐辛子やニンニク、コチュジャンなどを混ぜたピリ辛のタレにつけて食べることが多いようです。

サムゲタン、ペクスクとの違いとは

タッカンマリと似た鶏料理に「サムゲタン」や「ペクスク」、「チムタク」、「タットリタン」などがあります。それぞれが鶏を使った料理ですが、調理法や使用する具材に違いがあります。それぞれの特徴などを見ていきましょう。

サムゲタンとの違い

サムゲタン(参鶏湯)は、若鶏の腹に高麗人参やナツメ、もち米などを詰めた薬膳料理です。タッカンマリとどのように違うのかご紹介します。

■調理方法

  • タッカンマリ:丸鶏をはじめ、じゃがいもやトッポギなど具材をそのまま鍋に入れて煮込む
  • サムゲタン:小さい若鶏の腹に薬膳素材を詰めて煮込む

■使用する具材

  • タッカンマリ:高麗人参をあまり使わない
  • サムゲタン:高麗人参やナツメを主要な具材として使用

■食べ方

  • タッカンマリ:丸鶏の肉をハサミで切り分けて複数人で食べる
  • サムゲタン:鶏肉をほぐしてスープと一緒に食べる、一般的に一人鍋で提供される

ペクスクとの違い

ペクスクは、味つけせずにでシンプルに煮込む料理です。タッカンマリとの違いをチェックしてみましょう。

■調理方法

  • タッカンマリ:丸鶏のほか、じゃがいもや香味野菜、トッポギを加えて、塩などで軽く味つけして煮込む
  • ペクスク:丸鶏を水とニンニクなどと一緒に味つけせずに煮込む

■味わいと食べ方

  • タッカンマリ:しょうゆダレや唐辛子で作るタレなどをつけて食べるため、やや濃い味わい
  • ペクスク:肉をちぎって塩をつけて食べるため、鶏の旨味が感じられるシンプルな味わい

サムゲタンやペクスク以外にも似ている鶏料理がある!

韓国には鶏肉を煮込んだおいしい料理がほかにもあります。以下でチェックしてみましょう!

チムタク

「蒸し鶏」という意味で、さつまいもや餅のほか「タンミョン」という春雨など、さまざまな具材をしょうゆベースのタレで煮込んだ料理です。唐辛子を大量に入れるので、辛みは強め。タッカンマリもチムタクも鶏肉を使った煮込み料理ではありますが、タッカンマリは鶏肉とスープを楽しむ料理で、チムタクは鶏肉だけでなくその他の具材も一緒に楽しむ料理です。

タットリタン

韓国の代表的な家庭料理のひとつで、ぶつ切りにした鶏肉と野菜をヤンニョムで甘辛く煮た料理です。料理名の由来が謎めいていて、これまで何度も出てきていますが、韓国語で鶏肉を意味する「タッ」とスープや鍋を意味する「タン」が含まれています。

真ん中の「トリ」には諸説ありますが、日本語の「鶏」からきているともいわれているんですよ。そのほか「桃李湯(トリタン)」という朝鮮半島の古い文献にも残っているスープが由来という説もあるのだそうです。お店では鶏の炒め煮という意味の「タッポックムタン」と呼ばれることも多いのだとか。

タッカンマリの食べ方【基本】

続いては、タッカンマリの食べ方をご紹介します。タッカンマリを最大限に楽しむためのポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

スープを楽しむ

まずは、鶏の旨味が凝縮されたスープを一口飲んでみましょう。シンプルな味わいですが、深い旨味が感じられます。好みに応じて塩や胡椒を加えて調整してもよいでしょう。

鶏肉を切り分ける

タッカンマリは、ハサミを使って豪快に鶏肉を切り分けるのが特徴です。肉の部分を中心に一口大にカットすると食べやすく、スープとの相性も抜群ですよ!丸鶏をそのまま丸ごと時間をかけてじっくりと煮込むので、旨味が凝縮されるのはもちろん鶏肉がほろほろと驚くほどやわらかく仕上がります。スープも鶏肉も両方堪能してくださいね。

具材を楽しむ

タッカンマリは、じゃがいもやトッポギも一緒に煮込むことが多いです。鶏肉の旨味が染み込んだ具材は絶品で、どんどん箸が進みますよ!また、ほろほろとやわらかい鶏肉とホクホクのじゃがいも、もちもちのトッポギなどさまざまな食感が楽しめるのも魅力です。

タッカンマリの食べ方【応用編】

次にタッカンマリを最後までおいしく食べるための方法をご紹介します。

薬味やソースでアレンジ

一般的にはしょうゆやお酢などを混ぜ合わせて作るタレをつけて食べるようですが、シンプルに塩やコチュジャン、サムジャンなどをつけたり、ネギ、ニンニク、唐辛子などの薬味をのせて食べるのもおすすめです。おうちで楽しむときは、ポン酢などを用意するのもよいでしょう。

また、「タデギ」と呼ばれる韓国の万能調味料をつけて食べるのもメジャーなんですよ。タテギはしょうゆやにんにく、唐辛子、コチュジャンなどを混ぜ合わせて、みじん切りのねぎやニラなどを加えて作ります。材料や配合によってバリエーションがあるので、家庭やお店によって味わいが異なるのも魅力の一つです。さらに深い味わいが楽しめるので、ぜひ試してみてくださいね。

シメは麺類やごはんで

タッカンマリを食べ終わった後のスープは、シメとして活用するのがおすすめです。うどんやラーメンを入れて食べたり、ごはんを加えて雑炊にしたりすることで、最後までスープを堪能できます。

タッカンマリ風とサムゲタン風のレシピをご紹介!

ここからは、おうちで韓国料理気分を味わえる、タッカンマリ風とサムゲタン風のレシピをご紹介します。手羽元で作るタッカンマリ風や、お餅を入れたサムゲタン風などをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

お家でも 韓国風タッカンマリ

おうちで手軽に楽しめる、韓国風タッカンマリをご紹介します。このレシピでは、鶏手羽中と鶏もも肉を使うことで簡単に作れるようにアレンジしました。鶏肉の旨味がぎゅっと詰まっていて、一口食べればホッと落ち着くようなやさしい味わいです。コチュジャンのコクが効いたタレにつけて食べればまさに絶品ですよ。ぜひお試しくださいね。

手羽先で簡単に タッカンマリ

手羽先で作るタッカンマリはいかがでしょうか。じっくり煮込んで鶏肉のだしを引き出すので、味つけは塩のみでも十分おいしく仕上がります。キャベツの甘みもスープに溶け込み、じゃがいもにもスープの旨味が染み込んでたまらないおいしさですよ!材料を切ったら、あとは煮込むだけのお手軽レシピなので、ぜひ作ってみてくださいね。

手羽元で作るサムゲタン風煮込み

ここからは、サムゲタン風のレシピをご紹介します。まずは、寒い日にもぴったりな手羽元で作るレシピから!手羽元ともち米を一緒に煮込むことでスープにとろみがつき、やさしい口当たりに仕上がります。弱火でコトコト煮込むことで鶏肉の旨味がたっぷりと出て、最後の一滴まで飲み干したくなること間違いありません!ぜひチャレンジしてみてくださいね。

切り餅で とろとろサムゲタン風スープ

材料を鍋に入れて煮込むだけ!切り餅を使ったとろとろサムゲタン風スープを作ってみましょう。切り餅を煮込むことで、もち米を使ったようなとろとろとした口当たりになります。ホロホロとやわらかく煮た鶏手羽元も絶品ですよ!シンプルな材料で作れるのもうれしいポイントです。切り餅が少し余ってしまったときにも活躍するので、覚えておくと重宝しますよ。

レンジで簡単 サムゲタン風お粥

朝食にもおすすめ!電子レンジで作れるサムゲタン風お粥は、ぜひレパートリーに加えていただきたいレシピです。鶏手羽元だけでなく、鶏ガラスープの素を使うので、簡単に味が決まります。ごま油の風味が効いていて、どんどん食べ進めたくなるおいしさですよ。材料をボウルに入れたら電子レンジで加熱するだけなので、時間がないときでもすぐに作れるうれしいレシピです。

タッカンマリをおうちで作ってみよう!

タッカンマリは、シンプルながらも鶏の旨味を最大限に活かした韓国鍋料理です。具材や調理法がシンプルで、やさしい味わいが魅力。また、スープや具材、シメの料理など楽しみ方も多彩で、家族や友人と一緒に囲む食卓をさらに盛り上げてくれますよ。ぜひおうちでもタッカンマリを楽しんでみてくださいね。

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2023.3.30 最終更新

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