今年2025年の夏至は6月21日(土)です。1年で最も昼間の時間が長く、夜の時間が短い日であり、二十四節気のひとつでもある夏至には、どのような風習があるのでしょうか。この記事では夏至の意味や日付が毎年変わる理由、さらにどんな食べ物が食べられているのかを解説!記事後半では夏至におすすめのレシピもご紹介します。
2025年の【夏至】はいつ?風習や食べ物、白夜との関係について解説
- 目次
- 2025年の夏至はいつ?
- そもそも夏至とは?
- 夏至には何を食べる?
- 夏至や半夏生にぴったりのおすすめレシピ
- 今年の夏至は食べ物にも注目してみませんか?
2025年の夏至はいつ?
夏至とは二十四節気のひとつであり、日本が含まれる北半球において一年で最も昼間の時間が長く、夜の時間が短い日を指します。
今年2025年の夏至は
6月21日(土)
です。
夏至の日にちは毎年6月21日になることが多いですが、年によっては20日や22日になることもあります。
そもそも夏至とは?
「夏に至る」と書くように夏至を境にして本格的な夏が始まりますが、そもそも夏至とはどのような日なのでしょうか。ここで詳しく見てみましょう。
昼間の時間が最も長い夏至
先程も少し触れましたが、そもそも夏至とは北半球において、一年のうち昼間の時間(厳密には日の出から日の入りまでの時間)が最も長い日です。これは太陽の位置が一年で一番高くなる日であるためで、それに伴い日照時間も長くなります。
今年の6月21日の日照時間は、14時間35分あります。この数字だけだとイメージしにくいかもしれませんが、冬至と比べるとその差がわかります。
💡ワンポイント豆知識
日本は北半球に位置しているため、夏至は一年のなかで昼間の時間が一番長くなりますが、反対側の南半球では昼間の時間が一年で一番短くなります。
夏至と冬至の日照時間の差
ここで、夏至の正反対の季節である、一年で一番昼間が短く夜が長い「冬至」との日照時間を比べてみましょう。
| 2025年 | 日の出時刻 | 日の入り時刻 | 日照時間 | 高度 |
|---|---|---|---|---|
| 夏至 | 4:25 | 19:00 | 14:35 | 77.8度 |
| 冬至 | 6:47 | 16:32 | 9:45 | 30.9度 |
※この表は東京の数値をまとめています
※2025年の冬至は 12月22日(月) です
比べてみるとその差は歴然で、冬至と夏至では太陽の南中高度にこんなに差があり、日照時間も5時間弱違います。
同じ日本でも日照時間に差が出る
先ほど東京の日照時間をご紹介しましたが、緯度によって同じ日本でも地域によって日照時間が異なります。
| 2025年 | 高度 | 日の出 時刻 |
日の入 時刻 |
日照時間 |
|---|---|---|---|---|
| 東京 | 35度 | 4:25 | 19:00 | 14時間35分 |
| 北海道 (札幌) |
43度 | 3:55 | 19:18 | 15時間23分 |
| 大阪 | 34度 | 4:45 | 19:14 | 14時間29分 |
| 福岡 | 33度 | 5:09 | 19:32 | 14時間23分 |
福岡と北海道だと日照時間に1時間も差があり、北に行くほど日照時間が長くなります。
北極圏は「白夜」南極圏は「極夜」
北極圏だと夏至の前後の期間は「白夜(びゃくや)」となります。地球は北極と南極を結ぶ自転軸を中心にして回っていますが、白夜はこの自転軸が傾いているために起こる現象で、夏至の前後の期間、北極はずっと太陽の方向をむいているのです。そのため、夏至の頃は太陽が沈まず一日中明るいままの日が続きます。
そして、反対側に位置する南極は、一日中太陽が昇らない「極夜(きょくや)」となります。
夏至には何を食べる?
先ほどちらっと出てきた冬至には「かぼちゃを食べる」「ゆず湯に入る」というように行事食や風習がありますが、夏至には冬至のように決まった食べ物はないようです。ただ、地域によって夏至の時期に食べられているものがあるので、以下で確認してみましょう。
| エリア | 食べ物 |
|---|---|
| 全国 | 冬瓜 |
| 関東 | 焼き餅 |
| 関西 | タコ、水無月、半夏生餅 |
| 北陸 | 焼き鯖 |
| 東海 | 無花果田楽、ミョウガ |
| 四国 | うどん |
| 九州 | 小麦餅、団子 |
【全国】冬瓜
夏至の時期は全国的に「冬瓜」が食べられているようです。冬の瓜と書く冬瓜ですが、実は夏が旬の野菜。
冬瓜には水分が多く含まれており、体を冷やす効果があるため夏の暑い時期にぴったりな食材と言えます。
💡ワンポイント豆知識
夏が旬の野菜なのになぜ冬瓜と書くのか。これには諸説あるようですが、正しい方法で保存すれば冬まで日持ちするつことから、冬瓜と書かれるようになったと言われています。
【関東】新小麦の焼き餅
関東では新小麦ともち米で作る「焼き餅」を食べる風習があるのだそうです。
関東地方は昔から田植えと小麦作りを同時に行う二毛作を行う農家が多かったため、小麦と同量のもち米で焼き餅を作り、田植えを終えた夏至の時期に豊作を祈りながら食べたのが由来だといわれています。
【関西】タコ
関西地方では、夏至に「タコ」がよく食べられています。田植えの時期、もしくは田植えを終えた頃に夏至がやってきますが、この時期は稲が成長する時期でもあります。
「吸盤のついたタコの足のように稲が深く根を張りますように」「タコの8本足のようにたくさん稲穂が実りますように」と、こちらも豊作を祈願して食べられるようになったのが由来です。
【京都】水無月
京都では「水無月(みなづき)」という和菓子を食べる習慣があるようです。水無月というのは、三角形の白いういろうに炊いた小豆をのせて固めた和菓子で、涼し気な見た目をしています。
京都の和菓子屋さんでは、夏至の前の6月中旬頃から店頭に並び始めるのだそうですよ。
【奈良】半夏生餅
奈良県では夏至に「半夏生餅(はげっしょうもち)」を食べます。関東で食べられている焼き餅と似ていますが、半夏生餅は同量の小麦ともち米を混ぜてついた餅にきな粉をまぶして食べるのが特徴です。
半夏生餅は「小麦餅」や「さなぶり餅」とも呼ばれています。
💡ワンポイント豆知識
半夏生餅は、無事に田植えが終わったことを神様に感謝し、そして豊作を祈る「さなぶり」という行事で、御神酒と一緒にお供えしていたことから「さなぶり餅」とも呼ばれているそうです。
【福井】焼き鯖
福井県の大野市を中心とした地域では、夏至に焼き鯖を食べる習慣があります。正確には「半夏生鯖(はげっしょうさば)」と呼び、串に刺して丸焼きにした鯖を食べるのだそうです。これは江戸時代、田植えなどの重労働で疲れた農民たちの体を思いやったこと、さらにこれからやってくる暑い時期を乗り切れるよう夏バテ防止のために大野藩主がサバを食べることを奨励したのが始まりだとされています。
この時期になると、鮮魚店やスーパーなどでは炭火で焼かれた脂ののったサバの香ばしい香りが立ち込めるのだそうです。
💡ワンポイント豆知識
半夏生(はんげしょう)とは雑節のひとつで、かつては夏至から11日目頃に当たる日から七夕までの期間を指していました。現在では「太陽黄経が100度を通過する日」と定められており、今年2025年の半夏生は7月1日からの5日間となります。
【愛知】無花果田楽
愛知県の一部地域では「無花果田楽(いちじくでんがく)」が食べられているという情報もありますが、実は愛知県のほとんどの方が聞いたことがないと答えるそうです。愛知県はいちじくの産地ではありますが、田楽にして食べていたかどうかは定かではないのだとか。
ただ、田楽という食べ物自体の由来を調べてみると田植えと関係があり、さらに愛知県は味噌の産地でもあるということから、夏至に田楽が食べられていたというのはあながち間違いではないのかもしれません。
【三重】ミョウガ
三重県では田植えを終えた夏至に「お疲れ様でした」とねぎらいの意味を込めて、6月に旬を迎えるみょうがを取り入れた料理を食べるようです。
お味噌汁や和え物に加えるのはもちろん「みょうが饅頭」と呼ばれる和菓子も食べられているのだとか!これは爽やかな香りのみょうがの葉で饅頭を包んだもので、三重県では夏至の時期の定番和菓子として親しまれているのだそうです。
💡ワンポイント豆知識
ちなみにみょうが饅頭は全国的に食べられている和菓子ではありますが、熊本県の八代地域などに伝わる餅菓子です。白玉粉と小麦粉を合わせた生地であんこを包み、みょうがの葉で巻き、蒸して作られます。
【香川】うどん
香川県というと日常的にうどんが食べられているイメージがありますが、一部の地域では特に半夏生の時期にうどんを食べる風習があるようです。これには、農家の人が田植えや麦刈りを手伝ってくれた人々にお礼の意味を込めて、採れたての小麦で作ったうどんを振る舞ったことがはじまりと言われています。
そして、だいたい7月2日頃が半夏生となるため、香川では7月2日が「うどんの日」として定められているんですよ。
その他地域
上記でご紹介した地域以外だと、九州は小麦餅や団子を食べる風習が残っている地域もあるようです。
北海道や東北は決まった行事食はありませんが「夏至祭」や「白夜祭」など、各地で夏の訪れをお祝いするイベントが開催されているようです。
💡ワンポイント豆知識
そもそも夏至祭とは、スウェーデンなど北欧で行われている伝統的なお祭りのことです。夏がきたことを盛大に祝う重要なイベントで、スウェーデンと姉妹都市である北海道の当別町では毎年夏至の日に夏至祭が行われているんですよ。
夏至や半夏生にぴったりのおすすめレシピ
最後に今回ご紹介した夏至に食べる食材を使う料理をご紹介します。どれも暑い夏でも食べやすいレシピをピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
冬瓜と豚バラの甘辛簡単炒め煮
やさしい味わいに仕上げることの多い冬瓜ですが、このレシピではしょうゆやみりん、砂糖を使って甘辛い炒め煮にしました。豚バラ肉の旨みも染み込んで、こっくりおいしい一品に仕上がっています。ごはんやお酒のお供に、ぜひ作ってみてくださいね。
簡単副菜!タコときゅうりの酢の物
少ない材料で簡単に!夏の暑い日に最適なタコの酢の物を作ってみましょう。使う調味料は塩もみ用の塩と酢、砂糖だけととってもシンプルですが、タコの旨みときゅうりのシャキシャキとした食感もあいまってバランスのよい一品に仕上がります。箸休めにもぴったりな一品です。
香味野菜たっぷりの焼きサバ混ぜご飯
さっぱりと食べられる焼きサバを使った混ぜご飯は、ぜひこの夏お試しいただきたい一品です!焼いてほぐしたサバと生姜に大葉、ミョウガを合わせて、ごはんに混ぜ込みました。味つけもポン酢を使うのでとっても簡単!香ばしいサバの旨みと爽やかな薬味のハーモニーをお楽しみください。
止まらない美味しさ!ミョウガと茄子の簡単和え
夏献立の副菜におすすめの和え物レシピをご紹介します。旬のなすにみょうがを合わせて、爽やかな風味に仕上げました。味つけのポイントは昆布茶。この昆布茶を少し加えるだけで、一気に奥行きのある味わいに仕上がります。ぱっと簡単に作れるので、覚えておくと便利ですよ!
しっとりもちもち 水無月
京都で夏至の時期に食べられている水無月を作ってみませんか?このレシピでは手軽に楽しめるよう、炊いた小豆の代わりに甘納豆を使いました。もちもちとした食感のういろうにほっこりと甘い甘納豆がよく合います。見た目も涼しげで、夏にぴったりのおやつです。
今年の夏至は食べ物にも注目してみませんか?
今回は今年の夏至がいつなのか、さらに夏至に食べられている食べ物について解説しました。夏至は本格的な夏が始まる合図の日でもあります。夏バテに負けないためにも旬の食材や今回ご紹介した食べ物を食べて、暑い夏を乗り切りましょう!
