アボカドが「森のバター」と呼ばれているのをご存じですか? 脂質が多く、濃厚でクリーミーな味わいから、このような魅力的な別名がつけられているんです。この記事では、アボカドが「森のバター」と呼ばれる理由や和名の「ワニナシ」の由来について解説します。アボカドと同様に別名のある食材や、アボカドのおすすめレシピも必見ですよ。
アボカドはなぜ「森のバター」と呼ばれるの?由来や和名「ワニナシ」、別名がある食材も紹介
- 目次
- 森のバターとは?
- アボカドはどんな食材?
- 日本にはいつ伝わった?アボカドの歴史
- 別名がつけられているほかの食材
- アボカドのおすすめレシピをご紹介!
- アボカド料理を楽しもう!
森のバターとは?
「森のバター」とは、アボカドのことを指す呼び名です。果肉にたっぷりと脂質を含み、バターのように濃厚でなめらかな口あたりが特徴であることから、こう呼ばれるようになりました。
アボカドの果肉には、全体の約18〜20%もの脂質が含まれています。その多くは、植物性の「不飽和脂肪酸」と呼ばれる脂質で、まろやかな味わいが特長。バターのようなコクがありながら、クセが少なく食べやすいため、さまざまな料理に取り入れやすい点も魅力です。
💡ワンポイント豆知識
ちなみにアボカドは、1998年に「世界一栄養価の高い果物」としてギネスブックに登録されたこともあるんですよ。脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素をバランスよく含んでいる点が評価されたといわれています。
アボカドはどんな食材?
アボカドはサラダやサンドイッチなどによく使われるため野菜と思われがちですが、実は果物(果実)に分類されます。クスノキ科ワニナシ属の植物で、分類上は果樹の一種なんですよ。
果皮がゴツゴツとしていて、見た目がワニの皮に似ていることから、英語では「alligator pear(ワニの梨)」と呼ばれることも。これを直訳した「ワニナシ」が、アボカドの和名として使われています。
クリーミーでねっとりとした口当たりが特徴で、クセが少ないので、そのままサラダやサンドイッチの具材にしたり、揚げ物、炒めものなど、さまざまな料理や味つけによく合います。
日本にはいつ伝わった?アボカドの歴史
アボカドの原産地は、メキシコ南部やコロンビア、エクアドルなどの中南米だといわれています。いつから栽培されていたのかはっきりとした記録はありませんが、13世紀頃のインカ帝国の王の墓からアボカドの種が見つかっていて、その頃には食用にされていたようです。
その後16世紀にアメリカへと伝わり、ヨーロッパやオーストラリアへ広まりました。日本へ伝わったのは、今から100年ほど前だといわれています。
近年では、希少なため高級ではあるものの、国産アボカドの栽培も行われています。レストランなどで使用されることがほとんどで、なかなか市場には出回らないようですが、もし機会があったらぜひとも食べてみたいですよね。
ちなみに、日本で流通しているアボカドの多くは「ハス種」と呼ばれる品種で、卵型で表面がゴツゴツしているのが特徴です。世界には700種類以上ものアボカドがあるといわれており、果皮が黒くならないものや、細長い形をしたものなど、見た目や味わいにもさまざまな違いがあるんですよ。
別名がつけられているほかの食材
アボカドが「森のバター」と呼ばれているように、見た目や栄養、希少性などをもとに「別名」がつけられている食材は、ほかにもたくさんあります。
なじみのあるものから、ちょっと意外な呼び名まで、いくつかご紹介しますね。
| 呼び名 | 呼び名の由来 | |
|---|---|---|
| 牡蠣 | 海のミルク |
栄養価の高さ、白くやわらかな身 |
| 大豆 | 畑の肉 |
高たんぱくで肉に近い栄養価 |
| ドリアン | 果物の王様 |
見た目の迫力と希少性、滋養の高さ |
| マンゴスチン | 果物の女王 |
上品な甘さと香りのよさ |
| とんぶり | 畑のキャビア |
粒の見た目、食感の似ていること |
| トリュフ | 畑の宝石 |
地中に埋まる希少性の高さ |
ではここからは、それぞれの呼び名についてもう少し詳しくご紹介します。
海のミルク(牡蠣)
牡蠣は、カルシウムや鉄分、亜鉛などのミネラル、ビタミンB群を含む栄養価の高い食材です。
その栄養の豊かさと、貝の中の身が牛乳のように白いことからそう呼ばれるようになりました。
畑の肉(大豆)
「畑の肉」とは、大豆のことを表す呼び名です。
肉と肩を並べるほどのたんぱく質が含まれていることがこの名前がついた理由です。また、必須アミノ酸をバランスよく含んでいることから、このように呼ばれるようになりました。
💡ワンポイント豆知識
この呼び名は日本で生まれたものではなく、1873年のウィーン万博で日本の大豆が紹介された際、ドイツ人たちによって名付けられたといわれています。また、アメリカでは「大地の黄金(Golden Beans)」という別名もあるそうですよ。
果物の王様(ドリアン)
ドリアンが「果物の王様」と呼ばれる理由にはいくつかの説があります。
ひとつは、トゲのある大きな果実の見た目が王冠のように威厳があること。また、強い香りと濃厚な味わい、そして高価であることも王の名にふさわしいとされた理由のひとつです。
栄養面でも、エネルギー源になる糖質やビタミンが多く、滋養のある果物として東南アジアでは古くから親しまれています。
果物の女王(マンゴスチン)
「果物の女王」は、マンゴスチンを指します。
白くやわらかな果肉と、上品な酸味と甘みのバランスが絶妙で、「もっともおいしい果物」と称されることも。その繊細な味わいと美しい見た目から、「女王」の名がつけられたといわれているんですよ。
畑のキャビア(とんぶり)
とんぶりは、ホウキグサという植物の実を加工した食材で、秋田県などで古くから食べられてきました。
キャビアのような塩気はありませんが、小さく黒い粒の見た目や、プチプチとした食感がよく似ています。クセが少ないため、和え物に取り入れたり、サラダにかけることで、食感楽しい一品ができあがりますよ!
森の宝石(トリュフ)
トリュフは、世界三大珍味のひとつにも数えられる、たいへん希少なきのこです。
特に黒トリュフや白トリュフは香りが豊かで、料理に高級感を添える食材として知られています。
採取が難しく、限られた場所でしか採れないことから、森の中で見つかる宝石のようだという意味で「森の宝石」と呼ばれるようになりました。
アボカドのおすすめレシピをご紹介!
ここからは、アボカドを使ったおすすめレシピをご紹介します。森のバターとも呼ばれるほどのアボカドの味わいや食感を活かしたレシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
甘エビアボカドボート
アボカドの皮を利用した、アボカドココットを作ってみましょう。クリームチーズやマヨネーズと混ぜ合わせたクリーミーなアボカドに、黒こしょうやピンクペッパーといったスパイスがアクセントとなって絶品ですよ!ぜひお試しくださいね。
よだれアボカド
ピリ辛味がクセになる、よだれアボカドはぜひお試しいただきたいレシピです。一般的には鶏むね肉などで作るよだれ鶏をアボカドを使ってアレンジしました。クセのない味わいのアボカドに、ラー油やニンニクが効いたピリ辛のタレが相性抜群ですよ!
カツオのポキ丼
ごはんがモリモリ食べられる!カツオのポキ丼はいかがでしょうか。甘辛いタレが絡んだカツオとアボカドが酢飯によく合います。手軽に作れるので、時間がないときのランチにもおすすめのメニューですよ。
アボタルとクリームチーズのウェーブトースト
見た目も可愛いらしい、ウェーブトーストに挑戦してみませんか?アボカドを使ったタルタルソースとクリームチーズを交互に塗ることで、波模様を描きました。マイルドなクリームチーズやアボカドの味わいに、玉ねぎの辛味やシャキシャキとした食感がアクセントになり、とってもおいしいですよ。
ミキサーで簡単 アボカドの冷たいアーモンドミルクスープ
アーモンドミルクで作る、アボカドの冷製スープをご紹介します。アーモンドミルクとアボカド、オリーブオイル、レモン汁などを使ったクリーミーで飲みやすい味わいのスープです。火を使わずミキサーで簡単に作れるので、朝ごはんやランチのお供に、ぜひ作ってみてくださいね。
アボカド料理を楽しもう!
今回は、アボカドの別名やその由来、特徴、別名があるほかの食材について解説しました。森のバターと呼ばれるアボカドは、そのまま食べても加熱してもとってもおいしい食材で、さまざまな料理に活用できますよ。記事の中でご紹介したレシピも参考に、ぜひアボカド料理を楽しんでみてくださいね。

