新ジャンルとも言われる「第3のビール」。ビールテイストのお酒ですが、ビールや発泡酒との違いをご存じでしょうか。この記事では、ビールと発泡酒、そして第3のビールの味や原料、値段の違いについて解説します。記事後半でもビールにぴったりのおつまみレシピもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【第3のビールとは】実はビールじゃない?発泡酒やビールとの違いを解説
- 目次
- そもそも第3のビール(新ジャンル)とは?
- なぜ第3のビールと呼ばれているのか
- 原料は?
- 味わいの特徴は?
- 「ビール」や「発泡酒」との違いとは?
- 気になるビールと発泡酒の価格の違いと理由とは?
- 第3のビールや発泡酒が生まれた背景とは?
- 2026年には値段が変わる?
- ビールに合うおつまみをご紹介!
- ビールや発泡酒でおうち居酒屋を楽しもう
そもそも第3のビール(新ジャンル)とは?
まずは「第3のビール(新ジャンル)」とはどんなお酒なのか確認してみましょう。
なぜ第3のビールと呼ばれているのか
かつて「第3のビール(新ジャンル)」と呼ばれていたのは、法律上はビールでも発泡酒でもない「その他の発泡性酒類」に分類されていたお酒のことです。2023年10月1日施行の酒税法改正により「発泡酒」の品目に統合され、法律上は「第3のビール」という呼び名は使われなくなりました。
ではなぜ「第3のビール」と呼ばれていたのかというと、ビールや発泡酒とは異なる原料と製法で造られているのにもかかわらず、ビールの味わいを再現した革新的なお酒だったためです。
原料は?
「第3のビール」は現在、酒税法により「発泡酒②」と「発泡酒③」に区分されていて、それぞれ原料が少し異なります。
■発泡酒②
「発泡酒②」は麦芽やホップなどを原料にした発泡酒に
麦由来のスピリッツ(蒸留酒)を混ぜたもの
です。■発泡酒③
「発泡酒③」は、糖類やホップ、大豆たんぱくなどを原料として発酵させたもので、
麦芽は使用されていません。
味わいの特徴は?
「第3のビール」は商品にもよりますが、ビールテイストのお酒ということもありビールに比べてすっきりとした軽めの味わいが特徴だといわれています。ビールでは使用できないような副原料が使われていることもあるため、商品によってさまざまな味わいが楽しめるのも魅力です。
「ビール」や「発泡酒」との違いとは?
かつては「第3のビール」と呼ばれていたお酒は、ビールや発泡酒とは一体何が違うのでしょうか?以下で、酒税法によって変わる原料や価格帯などについても確認してみましょう。
| 特徴 | ビール | 発泡酒 | 旧第三のビール |
|---|---|---|---|
| 原料 | ・麦芽、ホップ及び水 |
・麦芽又は麦を原料の一部とする |
・発泡酒とスピリッツ(発泡酒②) |
| 副原料 | ・麦、米、とうもろこしなど |
・ビールには使用を認められていないもの |
|
| アルコール分 | 20度未満 | 20度未満 | 10度未満 |
| 味わい | ・麦芽由来の甘みや香ばしさ |
・コクや厚みが控えめ |
・軽やかでドライな味わい |
ビール
ビールは、麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもので、麦芽を原料の50%以上使用していること、さらにアルコール分が20度未満であることが定義とされています。副原料として麦、米、とうもろこしなどを使用することもありますが、麦芽の使用料が多いため、麦芽由来の甘みや香ばしさ、コク深さなどを楽しめるのが魅力です。
ビールは麦芽の焙煎度合いによって、色味が変わります。淡色のものは軽快で甘みのある味わいを、濃色のものはロースト感のある深い味わいを楽しめるので、機会があったらぜひ飲み比べてみてはいかでしょうか。
発泡酒
発泡酒の定義は、麦芽又は麦を原料の一部とした酒類であり、発泡性を有するアルコール分が20度未満のもの、とされています。また、ビールと同様の原料を使用していても麦芽の使用量が原料の50%を下回っていたり、ビールには使用を認められていないものを副原料として使用しているものは発泡酒となります。
麦芽の使用量が少ないため、ビールと比べるとコクや厚みが控えめであり、すっきりとした爽快な味わいをしているものが多いようです。また、果実やスパイスなどの副原料の風味を活かしたものもあり、商品によって多様な味わいが楽しめるという魅力もあります。
発泡酒②(旧第3のビール)
「第3のビール」はこの記事の最初のほうでも触れた通り2種類に分かれていましたが、酒税法の改正により現在は発泡酒に区分されています。
現在発泡酒②に区分されているものは、かつて「リキュール(発泡性)」と表示されていました。これは
発泡酒にスピリッツ(蒸留酒)を混ぜてアルコール度数を調整したいわゆる「ビール風飲料」
で、ビールに比べて軽やかな味わいのものが多いのが特徴です。
2023年10月1日施行の酒税法改正により区分が変更となり、表示も段階的に「発泡酒②」へと切り替わります。
発泡酒③(旧第3のビール)
そして、現在発泡酒③に区分されている「その他の醸造酒(発泡性)」は、
麦芽を一切使わず、大豆やえんどう豆、コーンなどの麦以外の穀類や糖類が原料であるもの
を指します。
麦芽を使用せずとも香料や副原料を工夫することでビールに近い味わいを楽しめることが魅力で、ドライかつ軽やかな味わいのものが多いようです。個人差はありますがクセも少ないため、毎日飲んでも飽きにくいというレビューも見かけます。
気になるビールと発泡酒の価格の違いと理由とは?
「ビール」と「発泡酒」では価格が異なり、家計を気にして発泡酒を選ぶ方も多いすよね。なぜこのような価格の差が生まれるのでしょうか?これには原料のコストの違いもありますが、それぞれにかけられている酒税の差が大きく影響しているのです。
■2023年10月~2026年9月の税率(1㎘当り)
●ビール:181,000円
●発泡酒
・麦芽比率25%以上50%未満のもの:155,000円
・麦芽比率25%未満のもの:134,250円
・かつての「新ジャンル」に含まれていたもの:134,250円
このようにビールと発泡酒は、麦芽の使用量によって下記のように酒税が異なります。そのため、価格にも差が生まれるのです。
第3のビールや発泡酒が生まれた背景とは?
発泡酒や第3のビールが登場した背景には、日本特有の酒税制度と消費者ニーズの変化が大きく関係しています。以下で見てみましょう。
メーカーの企業努力によって生まれた
日本での酒税法では麦芽使用量が多いほど酒税が高くなるため、メーカーはコストを抑える工夫を模索しました。そして1994年に発泡酒が誕生したのです。
麦芽の使用比率をビールの基準(67%以上)未満に抑えることで税率を低くでき、ビールに近い味わいでありながら低価格で提供することが可能になりました。
さらなる節税策として生まれた
ところがその後、発泡酒の税率が引き上げられてきたため、さらなる節税策として「第3のビール」が生まれたのです。先に解説したように麦芽ではなく大豆やえんどう豆を使用したり、発泡酒にスピリッツを混ぜたりすることで酒税が最も低いカテゴリに収まり、圧倒的な低価格が実現しました。
1990年代後半〜2000年代は、景気低迷のため消費者の節約志向が高まり、低価格のビールテイストのお酒は需要が急増。発泡酒、第3のビールは瞬く間に国民的定番商品へと成長していったのです。
2026年には値段が変わる?
2026年10月よりビールと発泡酒の税率が統一され、1㎘当りの税率は155,000円(350ミリリットル換算で54.25円)となります。これまで「第3のビール」と呼ばれていたものの税率は引き上げられますが、一方でビールの酒税は引き下げられます。
ビールに合うおつまみをご紹介!
ここからはビールと一緒に楽しみたいおつまみのレシピをご紹介します。どれも簡単に作れて、ビールがすすむこと間違いなし!ぜひ気になるレシピをお試しくださいね。
生ハムで簡単ユッケ風
生ハムで作るユッケ風のレシピをご紹介します。コチュジャンのまろやかな辛味とコク、まろやかな卵黄が塩気のある生ハムとよく合い、ビールがすすみますよ。切って和えるだけで簡単に作れるので、ぜひお試しくださいね。
カリッとジューシー!鶏の唐揚げ
おつまみの定番!鶏の唐揚げはいかがでしょうか。衣は片栗粉を使うことでカリッとした食感に仕上がりますよ。生姜とニンニクの風味とごま油の香ばしい香りもアクセントになり、お酒にはもちろんごはんにもよく合います。
ハニーマスタード味のジャーマンポテト
甘じょっぱさがたまらない!ハニーマスタード味のジャーマンポテトです。ホクホクのじゃがいもにはちみつのやさしい甘みとマスタードの風味がよく合い、とてもおいしいですよ!ボリューム満点で満足感があり、ビールにぴったりの一品です。
手作り照り焼きソースで フライパン焼き鳥
おうちで居酒屋風の焼き鳥が楽しめるうれしいレシピをご紹介します。鶏もも肉と長ねぎを串に刺して、フライパンでこんがりと焼くだけなのでとっても簡単!甘辛い焼き鳥のタレも家庭によくある調味料を使って作れますよ。
ビールが進む絶品おつまみ 枝豆ガーリック
ビールのお供の枝豆にひと工夫!ペペロンチーノ風の枝豆ガーリックを作ってみませんか?ニンニクの風味とピリッと辛い鷹の爪を効かせた味つけが甘みのある枝豆と相性抜群!ついつい手が伸びるおいしさですよ。
ビールや発泡酒でおうち居酒屋を楽しもう
今回は「第3のビール」と、ビールや発泡酒の違いについて解説しました。酒税法の改正に伴い呼称や値段が変わりますが、どれも味わいに特徴があるので、お気に入りを探してみるのも楽しいですね。ぜひご紹介したレシピも参考にしていただき、おうちで居酒屋気分を味わってみてはいかがでしょうか。
