「ポワレ」の特徴や調理法、おすすめのレシピなどをご紹介します。ポワレ、ムニエル、ソテーはどれも「焼く」を意味する調理法ですが、それぞれの違いを知ることでフランス料理の楽しみ方が広がりますよ。ぜひチェックしてみてくださいね。
ポワレとは?ムニエルやソテーとの違いやおすすめレシピをご紹介
- 目次
- ポワレとは?
- 「アロゼ」がポイント
- ムニエルやソテーとの違いについても解説!
- ムニエルとは?
- ソテーとは?
- おいしく調理するためのポイントは?
- 塩は焼く10分前にふる
- 皮目は中火でじっくりと
ポワレとは?
「ポワレ(poêlé)」とは、フライパンで肉や魚をカリッと香ばしく焼き上げる調理法のこと。現在ではフライパンを使って調理しますが、元々は「poêle(ポワル)」という深めの銅鍋で調理していたことから、その名が付けられました。主に鯛やスズキなど身の厚い白身魚を、皮目はカリッと香ばしく、中はふっくらとやわらかく仕上げるために用いられます。ポワレした魚はソースをかけて、付け合せと一緒にメインディッシュとしていただくのが一般的な食べ方です。
「アロゼ」がポイント
よくムニエルやソテーと混同されますが、ポワレの一番大きな特徴は「アロゼ」という工程です。アロゼとは、肉や魚を焼く途中でフライパンに溜まった脂をスプーンですくってかける調理法のこと。よくテレビ番組などで、フレンチシェフが行っているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
実は「ポワレはアロゼを取り入れた調理法」という認識が確立されたのは1970年代以降のこと。フランスで「ヌーベル・キュイジーヌ(新しい料理)」というムーブメントが起こったことがきっかけでした。それ以前は、深めの銅鍋に食材とフォンというだしの一種を入れて、蒸し焼きにする調理法のことをポワレと呼んだそうです。本来は肉料理に用いられる調理法でしたが、現代では魚料理の代表的な調理法となっています。
ムニエルやソテーとの違いについても解説!
ポワレと同じような調理法に、ムニエルやソテーなどがあります。どれも「焼く」を意味する調理法ですが、違いがよく分からないと思っている方も多いですよね。ここからは、それぞれの違いについて解説します。
ムニエルとは?
「ムニエル(meunière)」とは、小麦粉をまぶした魚をバターをひいたフライパンで焼きあげる調理法のこと。語源はフランス語で粉屋を意味する「ムニエ(meunier)」で、ポワレとの大きな違いは必ず小麦粉とバターが使われることです。主に舌平目やヒラメなど身の薄い魚をしっとりと焼き上げるために用いられることが多く、肉料理に使われることはあまり一般的ではありません。
ムニエルの魅力といえば、やはりバターの芳醇な香り。魚に小麦粉をまぶしてからバターで焼くことで、旨味を逃さずしっとりとした食感に仕上がるうえ、バターのコクと風味が加わってリッチな味わいを楽しむことができます。ムニエルはレモンソースやバルサミコソースなど、酸味の効いたソースをかけて付け合わせと一緒にメインディッシュとしていただくのが一般的な食べ方です。特にフランスのドーバー海峡で獲れた舌平目のムニエルは、最高級の魚料理として人気があります。
ソテーとは?
「ソテー(sauté)」とは、肉や魚、野菜などをフライパンやソテーパンで炒める調理法のこと。ソテーはフランス語で「飛び跳ねる」という意味で、フライパンで炒めるときに食材が飛び跳ねるように見えたことからその名が付けられました。ポワレとの違いは、複数の食材をひとつのフライパンで一緒に炒めることもあるところです。
おいしく調理するためのポイントは?
フランス料理を作るのはハードルが高いイメージがありますが、フライパンで焼くだけのポワレなら、おうちで簡単に作ることができます。魚をおいしく調理するためのポイントをいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
塩は焼く10分前にふる
魚を焼く10分前に塩をふっておくと、余分な水分が出て臭みが和らぎ、プリッと弾力のある食感に仕上げることができます。出てきた水分はキッチンペーパーでしっかりと拭き取って、臭みを残さないようにしましょう。
皮目は中火でじっくりと
フライパンに少量の油をひいたら、まずは魚の皮目を中火でじっくりと焼きます。皮は焼くと縮むので、トングやフライ返しで軽く押さえ付けながら焼くとよいでしょう。皮目に香ばしい焼き色が付くまでは、魚を動かすのはNG!何度もひっくり返すと、旨味が流れ出てパサパサとした食感になってしまいます。
身は弱火でサッと
皮目に香ばしい焼き色が付いたら、やさしくひっくり返して身を弱火で焼きます。身が厚い部分は皮目にアロゼすると、中心まで火が通りやすくなるうえ、カリッと香ばしい食感に仕上げることができます。中心まで火が通ったら、おいしいポワレの完成です!
盛り付けは皮目を上に
皮の香ばしさを活かすために、盛り付けは皮目を上にするようにしましょう。色とりどりの野菜を添えると、華やかな見た目に仕上げることができますよ。
おすすめのポワレレシピをご紹介
さてここからは、おうちで手軽に作れるポワレのレシピをご紹介します。見た目も華やかなポワレは、特別な日やパーティーのメインディッシュにぴったり!魚によく合うソースのレシピも合わせてご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
白身魚と長ねぎのポワレ
タラのポワレにバターしょうゆソースを合わせて、和風な味わいに仕上げました。ソースはバターとしょうゆを混ぜ合わせるだけなので、初めての方でも簡単にお作りいただけます。ぜひお試しください。
スズキのポワレ 焦がしバタージンジャーソース
香ばしいバタージンジャーソースでいただく、スズキのポワレです。カリッと香ばしく焼きあげたスズキに、焦がしバターと生姜の風味が効いたポン酢ソースが相性抜群!おしゃれなメインディッシュにはもちろん、ごはんのおかずとしてもおすすめですよ。
イサキのポワレレモンバターソース
ふっくらとやわらかいイサキに、爽やかなレモンバターソースを合わせました。コクがありながらもさっぱりとした味わいは、一度食べたらやみつきになること間違いなし!他の白身魚や旬の魚を使ってアレンジしてもおいしいので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
ブールブランソースでタイのポワレ
ブールブランソースとは、煮詰めた白ワインにバターを合わせたソースのこと。こちらのレシピではタイに合わせて、ワインによく合う繊細な味わいに仕上げました。ぜひおうちで、本格的なフレンチをお楽しみくださいね。
鶏むね肉のポワレ キノコソース添え
香ばしく焼いた鶏むね肉に、旨味たっぷりのキノコソースを合わせました。鶏むね肉は皮をしっかりと、身は軽く焼くことで、しっとりとした食感に仕上げることができます。ソースは隠し味にオイスターソースを加えているので、パンにもごはんにもよく合いますよ。
手軽に作れて見た目華やか!おうちでポワレを楽しんでみよう
いかがでしたか?ポワレの特徴をはじめ、ムニエルやソテーとの違い、おすすめのレシピなどをご紹介しました。ポワレ、ムニエル、ソテーはどれも焼く調理法ですが、それぞれの違いを知ることでフランス料理がより身近なものになりますよね。ポワレはフライパンで焼くだけのシンプルな料理なので、おうちで手軽に作れるのも魅力のひとつです。特別な日やパーティーのメインディッシュに、ぜひ作ってみてくださいね。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。