タルトやミルフィーユなど、パイ生地を使ったお菓子はたくさんありますが、そんなパイ生地に種類があることをご存じですか?今回はパイ生地の一つである「練りパイ」について特徴や折りパイとの違いを解説します。後半でご紹介するパイ生地を使ったスイーツのレシピも必見ですよ!
【実はよく知らない】練りパイとは?生地の特徴や種類、折りパイとの違いについても解説!
- 目次
- パイ生地は大きく分けて2種類ある
- そもそもパイ生地とは
- パイ生地には2種類ある!
- 練りパイとは?
- 【練りパイ】パートシュクレ
- 【練りパイ】パートブリゼ
- 折りパイとは?
- 【折りパイ】フィユタージュ・オルディネール
- 【折りパイ】フィユタージュ・ラピッド
- 【折りパイ】フィユタージュ・アンヴェルセ
- 練りパイを使う代表的なメニュー
- 折りパイを使う代表的なメニュー
- パイ生地を使ったスイーツのレシピをご紹介!
- 練りパイと折りパイ、上手に使い分けてみよう!
パイ生地は大きく分けて2種類ある
サクサクとした食感が魅力の「パイ生地」。タルトやキッシュ、ミルフィーユなど、パイ生地を使ったお菓子は世の中に溢れかえっていますが、一言でパイ生地といっても種類が分かれているのをご存知ですか?まずはパイ生地とはどういうものなのか、またどんな種類があるのかを確認してみましょう。
そもそもパイ生地とは
パイ生地の材料は、基本的に強力粉や薄力粉、塩、水、そして油脂です。小麦粉で作った生地の層と油脂の層が何重にもなった構造が、この食感を生み出しています。
オーブンで加熱すると油脂から水蒸気が発生し膨張、その力で小麦粉の生地を浮き上がらせるのです。
パイ生地には2種類ある!
パイ生地は大きく「練りパイ」と「折りパイ」に分けることができます。このあと、それぞれの違いについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
| 練りパイ | 折りパイ | |
|---|---|---|
| 製法 | 小麦粉やバターを |
生地とバターを |
| 種類 | ・パートシュクレ |
・フィユタージュ |
| 食感 | サクサク、ほろほろ |
サクサク、パリパリ |
| 用途 | ・キッシュ |
・ミルフィーユ |
練りパイと折りパイの大きな違いは油脂の混ぜこみ方です。さらに、練りパイと折りパイ、それぞれのなかでもいくつかの種類に分かれています。以下で詳しく見てみましょう!
練りパイとは?
練りパイは、グルテンをできるだけ作らないように作るパイ生地です。グルテンの形成を抑えることで生地の粘りを防ぎ、さっくりとした歯切れのよい食感が生まれます。
そんな練りパイには、甘みをつけない「パートシュクレ」と砂糖を多く加える「パートブリゼ」と、大きく分けて2つの種類があります。以下で、それぞれのパイ生地について詳しく見てみましょう。
💡ワンポイント豆知識
グルテンとは、小麦粉に水を加えて捏ねると、小麦粉に含まれるたんぱく質が結合してできるもの。グルテンが生まれることで小麦粉生地に粘りが出ます。その結果、うどんに弾力が出たり、パン生地に薄い膜を形成し気泡を抱え込み、パンが膨らむのです。
【練りパイ】パートシュクレ
まず最初に「パートシュクレ」の特徴について見ていきましょう。
甘みのあるサクサクとしたパイ生地
パートシュクレの「パート」はフランス語で「生地」、「シュクレ」は「甘い」や「砂糖の」という意味があります。つまり、パートシュクレは甘みをつけたパイ生地を指すのです。
そんなパートシュクレの特徴は、甘みがあることに加えしっかりと焼き色がつくこと。また、サクサクとしていてもろい食感をしているのも特徴の一つです。
バターと卵を乳化させることがポイント
基本の材料は、バターと砂糖、卵、塩、そして小麦粉で、レシピによってはアーモンドプードルを入れることも。はじめに粉類以外の材料を混ぜ合わせてクリーム状にしてから、粉類を加えます。
先ほど、グルテンは小麦粉と水で練ることで生まれるとご説明しましたが、パートシュクレではバターの油と卵の水分をあらかじめ乳化させることで、小麦粉と水分が直接混ざりあうのを防ぎます。そのためグルテンは形成されにくく、サクサクホロホロとした食感が生まれるのです。
パートシュクレによく似た「パートサブレ」とは?
ちなみにパートシュクレによく似たもので「パートサブレ」があります。これはタルトやクッキーに使われるサブレ生地で、パートシュクレと同じく砂糖が使われたもの。
パートシュクレとの違いは、バターや砂糖が多く、水分になるのは卵のみという点で、パートシュクレよりもろいのが特徴です。
【練りパイ】パートブリゼ
続いて、もう一つの練りパイ「パートブリゼ」の特徴について見ていきましょう。
甘みがないサクサクほろほろとしたパイ生地
パートブリゼの「ブリゼ」はフランス語で「砕けた」という意味です。
クラッカーのように崩れるようなサクサクとした食感で、水分を吸収しにくいため、フルーツやソースといった水分の多い材料と合わせても食感を保ちやすいという特徴があります。また、甘みがないのでキッシュなどにもよく使われます。
小麦粉とバターをすり合わせるように混ぜるのがコツ
パートブリゼの材料は、バターと小麦粉、卵、水、砂糖、塩。まずは小麦粉とバターをすり合わせるように混ぜることで、小麦粉の中にバターを細かく分散させます。
それから、水分のある材料を加え、練らないように混ぜ合わせることで、グルテンの形成を抑えます。
折りパイとは?
続いては、折りパイの特徴や作り方について解説します。お菓子の業界では「フィユタージュ」と呼ばれる折りパイ。生地に油脂を挟みながら折る作業を繰り返し、何重もの層が折り重なって作られるのが特徴です。
交互に生地と油脂の層ができるため、焼くとよく膨らみます。パイ生地と聞くとこの折りパイをイメージする人が多く、ミルフィーユなど人気のお菓子にも使われているので馴染み深いかもしれません。
そんな折りパイもまた作り方によって種類が分かれるので、以下でそれぞれ確認してみましょう。
【折りパイ】フィユタージュ・オルディネール
最もオーソドックスな折りパイ「フィユタージュ・オルディネール」についてご紹介します。
口溶けがよくサックリとしたパイ生地
「オルディネール」はフランス語で「普通の」という意味があり、一番オーソドックスな製法で作られます。よく膨らんで、さっくりとした噛みごたえが特徴です。
生地でバターを包んで、伸ばして、折るを繰り返す
フィユタージュ・オルディネールは、小麦粉と水、塩などをこね、グルテンを形成した「デトランプ」と呼ばれる生地を使って作るのが特徴です。この生地でバターを包み、伸ばして折るという作業を繰り返します。
そうすることで生地が薄くなっていき、生地と生地の間にバターの層ができるのです。ちなみにこのとき、デトランプとバターの固さを同じくらいにするのが、サクサクとした食感に仕上げるポイントなのだとか!
水分の少ない食材を合わせることがポイント
フィユタージュ・オルディネールは、水分の多い食材と合わせると食感を損ないやすいので、水分の少ない食材と組み合わせ、生地の口溶けを楽しむのがおすすめです。
【折りパイ】フィユタージュ・ラピッド
フィユタージュ・ラピッドは、折りパイの基本のフィユタージュ・オルディネールをより簡単に短時間で仕上げたもので「練り折りパイ」とも呼ばれるそうです。「ラピッド」には「早い」という意味があります。
バターを潰しすぎないことがコツ
小麦粉に、サイコロ状に切ったバターと塩、水を加えたら、バターを潰しすぎないようさっとまとめて、折り込みます。
フィユタージュ・オルディネールに比べ、デトランプを作ってバターを包む手間や、折り込むたびに何度も休ませる時間を少なくできることがメリットです。
水分が多い食材と合わせても軽い食感を保てるのが魅力!
フィユタージュ・ラピッドは、生地の中に細かい油脂が分散することで、サクッと軽い食感に仕上がります。
フィユタージュ・オルディネールに比べると口溶けのよさは劣るものの、水分が多い食材と合わせても食感が損なわれにくく、なにより短時間で作れるのが魅力です。
【折りパイ】フィユタージュ・アンヴェルセ
フィユタージュ・アンヴェルセの「アンヴェルセ」はフランス語で「逆さまにした」という意味があります。
バターで生地を包んで、折り込む製法
フィユタージュ・オルディネールとは反対で、バターで生地を包み、折り込む製法です。バターの量が多く、3種類の折りパイのなかで最もサクサクホロホロとした食感や豊かな香りを楽しめます。
折りパイの中で最も難しく技術が必要
リッチな風味が魅力ではあるものの、作るには温度や寝かせる時間をしっかりと管理する必要があります。ここまでにご紹介してきた3つの中で、最も技術を必要とする製法です。
練りパイを使う代表的なメニュー
練りパイと折りパイの違いがわかったところで、それぞれがどんなメニューに使われているのかチェックしてみましょう。まずは練りパイが使われる代表的なものからご紹介します。
🥧練りパイが使われるメニュー🥧
・タルト
・タルトタタン
・キッシュ
ほろほろザクザク食感が魅力の「タルト」
ホロホロと崩れるような食感を楽しめる練りパイは、タルトやタルトタタン、キッシュにぴったり!ナッツのタルトやタルトタタン、キッシュなどは型にパイ生地を敷き込み、フィリングを流し入れて焼きます。
フレッシュフルーツで作るタルトは、生地だけ先に焼いてタルトカップを作り、あとからフルーツやクリームをトッピングする方法で作ることも多いです。
パートシュクレスイーツ系、パートブリゼは食事系
使い分け方は好みにもよりますが、甘みのあるパートシュクレはタルトなどのスイーツ系、甘みをつけないパートブリゼはキッシュなどの食事系のメニューに使われることが多いようです。
また、フルーツなど水分の多い食材を使いたいときは、水分を吸いにくいパートブリゼを使うというように、具材によって使い分けるのもおすすめですよ。
折りパイを使う代表的なメニュー
続いて、折りパイが使われる代表的なメニューを見てみましょう。
🥧折りパイが使われるメニュー🥧
・ミルフィーユ
・ガレット・デ・ロワ
・デニッシュ
折りパイの代表格「ミルフィーユ」
折りパイを使った代表的なメニューといえば、やはりミルフィーユです。フランス語で「ミル」には「千」、「フィーユ」には「葉」という意味があります。
その名の通り、サクサクに焼きあげたパイ生地とクリームを交互に重ねたお菓子で、食感のコントラストが魅力です。
ガレット・デ・ロワには「フィユタージュ・アンヴェルセ」を
パイ生地にアーモンドクリームをはさみ、表面に美しい切り込みをほどこして焼きあげるガレットデロワでも、その口溶けのよさと風味を活かすことができます。
折りパイの中でも特に風味や食感がよいフィユタージュ・アンヴェルセは、生地そのもののおいしさを楽しむお菓子にぴったり!
パイ生地を使ったスイーツのレシピをご紹介!
さてここからは、パイ生地を使ったスイーツのレシピをご紹介します。つやつやいちごのレアチーズタルトや、サクサクチョコパイなど、市販のタルト台や冷凍パイシートを使ったお手軽レシピを多くピックアップしました。
まるでお店の仕上がり つやつやイチゴのレアチーズタルト
市販のタルト台を使って、いちごのレアチーズタルトを作ってみましょう。市販のタルト台は練りパイのひとつである、いわゆるパートシュクレ。いちごをたっぷりのせて、ゼラチンで作ったナパージュを塗れば、お店のようなサクサクのタルトを簡単に作ることができますよ。
りんごがたっぷり タルトタタン
りんごを丸ごと2つ使ったタルトタタンをご紹介します。タルトタタンとは、型にりんごを敷き詰めてから生地をのせて焼き、焼きあがったらひっくり返して食べるケーキです。香ばしくキャラメリゼした甘酸っぱいりんごと、ふんわりとした生地が相性抜群ですよ。
冷凍パイシートでサクサクチョコパイ
食感楽しいチョコパイはいかがでしょうか。いわゆる折りパイである冷凍パイシートを使って、簡単にお作りいただけます。焼き立てはサクサクとしたパイの食感ととろけるチョコレートを楽しめます。もちろん冷ましてから食べてもおいしいですよ!食べたいときにササッと作れるのもうれしいポイントです。
ガレットデロワ
おもてなしおやつにもおすすめ!ガレットデロワのご紹介です。風味のよいアーモンドクリームとサクサク食感のパイ生地がよく合い、大満足の味わい!フランスではガレットデロワの中にフェーブという豆人形を入れ、それが当たった人がその日の王様になるという運試しをします。今回はフェーブの代わりにアーモンドを使いました。ぜひ作ってみてくださいね。
シンプル アップルパイ
りんごのジューシーな味わいがたまらない、アップルパイを作ってみてはいかがでしょうか。冷凍パイシートを細く切り、格子状に並べて飾ることで、とっても華やかに仕上がります。冷めてももちろんおいしいですが、焼き立ての味わいは格別ですよ!
練りパイと折りパイ、上手に使い分けてみよう!
今回は、練りパイと折りパイの違いや種類について解説し、パイ生地を使ったおすすめレシピをご紹介しました。パイ生地のサクサクとした食感や軽い口当たりは、フルーツやクリームなどほかの材料のおいしさを引き立てます。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひおうちでパイ生地を使った料理を作ってみてくださいね。
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