「そうめんかぼちゃ」というかぼちゃを知っていますか?茹でると麺状にほぐれる果肉が特徴のかぼちゃで、正式名称は「金糸瓜」です。今回はそんなそうめんかぼちゃの特徴や茹で方、さらにおいしい食べ方や保存方法などを解説します。記事後半では、そうめんかぼちゃを使ったレシピもご紹介!ぜひ最後までご覧くださいね。
「えっ麺になるの!?」「ほんとにかぼちゃ?」不思議なそうめんかぼちゃの正体と食べ方
- 目次
- 麺状の果肉が特徴!そうめんかぼちゃとは?
- 見た目
- 味わい
- 旬と産地
- そうめんかぼちゃの茹で方
- そうめんかぼちゃのおいしい食べ方
- そうめんかぼちゃの保存方法
- そうめんかぼちゃを使ったおいしいレシピ
- 使い方いろいろ!そうめんかぼちゃを食べてみよう
麺状の果肉が特徴!そうめんかぼちゃとは?
そうめんかぼちゃとは、ペポカボチャの一種でズッキーニの仲間にあたるかぼちゃです。正式名称は「金糸瓜(きんしうり)」で、その名の通り、茹でると果肉が麺状になるという特徴があります。以下で特徴をまとめたので見てみましょう。
| そうめんかぼちゃ | |
|---|---|
| 属性 | ウリ科カボチャ属ペポ種 |
| 和名 | 金糸瓜 |
| 英名 | Spaghetti squash (スパゲティ・スカッシュ) |
| 形 | 楕円形 |
| 色(見た目) | ・果皮は黄色 ・果肉(生)透明 ・果肉(茹で)黄色 ※完熟すると黄褐色になる |
| サイズ | 【長さ】約20〜30cm 【直径】約10〜20cm ※品種により異なる |
| 重さ | 600〜800g ※大きいものは1kgを超える |
| 食感 | シャキシャキ |
| 旬 | 7〜9月 |
| 原産 | アメリカ |
| 日本での主な栽培地 | 石川県、岡山県、長野県、新潟県など |
見た目
私たちが普段から食べている西洋かぼちゃとは異なり、果皮はすべすべとしていて淡い黄色のものが多いです。熟していないものは薄い緑色、熟すにつれて黄褐色になります。形は楕円形で、ずっしりとした重みがあるのも特徴です。
味わい
茹でたそうめんかぼちゃはシャキシャキとした食感が魅力!甘みはほんのり感じる程度ですが、噛んでいるうちにかぼちゃに似た風味を感じられます。
旬と産地
そうめんかぼちゃの旬は、7〜9月。7月に収穫が始まり、8月頃から出回ります。原産地はアメリカ大陸で、日本では中国地方から東北地方、北海道など各地で作られていますが、主な産地は石川県と岡山県です。
石川県には19世紀頃に中国から金糸瓜が伝わったと言われており、能登の伝統野菜として知られているんですよ。また、岡山県では昭和50年頃から栽培が始まり、特に瀬戸内市牛窓町で多く栽培されています。
💡ワンポイント豆知識
ただ、収穫したてのものはまだ外皮がかたく厚みがあり、茹でても果肉の繊維がほぐれにくいため、8月頃に購入した場合は少し寝かせてから食べるのがおすすめです。追熟させることで、繊維がほぐれやすくなります。
そうめんかぼちゃの茹で方
冒頭でも触れたように、そうめんかぼちゃは茹でると果肉の繊維がほぐれてそうめんのような麺状になるのが特徴です。
続いては、そうめんかぼちゃの茹で方をチェックしてみましょう。
※今回は長さ16cmほどの、少し小さいサイズの金糸瓜を使用しました。
①金糸瓜を3cm幅の輪切りにする
洗った金糸瓜の端を2cmほど切り落とし、約3cm幅の輪切りにします。
②種とワタを取り除く
中央の種とワタをスプーンなどで取り除きます。今回使用した金糸瓜は寝かせすぎて、種がかなり発芽していましたが、取り除くので問題ありません。
③鍋にお湯を沸かし、金糸瓜を茹でる
鍋にお湯を沸かしたら輪切りにしてワタを取り除いた金糸瓜を茹でます。茹でている途中に浮いてくるので、落し蓋をするとムラなく火が通りますよ。
今回は金糸瓜に対して湯量が少し足りませんでしたが、落し蓋をしたことでしっかりと火が通りました。
④6分ほど経ったら一度様子を見る
6分くらい経ったら、竹串を金糸瓜に刺してみましょう。今回使用した小さいサイズだとこの時点で内側の果肉が少しずつほぐれ始めます。大きいものはこの時点ではまだほぐれない可能性があるので、様子を見ながら茹でてください。
⑤ゆで時間は10〜20分
全体のゆで時間はサイズによって異なり、小さいものは約10分、大きいものは15〜20分を目安にしてください。
※今回使用した金糸瓜は約10分で果肉がほぐれました。
⑥金糸瓜を冷水に取って冷ます
茹で上がった金糸瓜を冷水に取って冷まします。ここで冷まさないと金糸瓜にどんどん余熱が入り、シャキシャキとした食感を楽しめなくなるので、必ず冷やしてくださいね。
⑦金糸瓜を軽く押し曲げる
冷めた金糸瓜を両側から揉むように軽く押し曲げます。こうすることで果肉がゆるみ、ほぐれやすくなるのです。
⑧果肉をほぐす
皮から果肉を取っていきます。取り出した繊維をまた水にさらして手でやさしくほぐすと塊ができず、食べやすくなりますよ。
⑨水を切って完成
ほぐした金糸瓜をザルに上げ、しっかりと水を切ったら完成です!このあとご紹介する食べ方でぜひ楽しんでみてください。
ちなみに、果肉を取り除いた皮はこのように残ります。
皮付近の果肉も結構取れましたよ!
そうめんかぼちゃの茹で方について、クラシルでは動画でもご紹介しているので、ぜひ合わせて確認してくださいね。
そうめんカボチャの茹で方
そうめんかぼちゃのおいしい食べ方
続いて、そうめんかぼちゃのおいしい食べ方をいくつかご紹介します。クセがないので、さまざまな料理に活用できますよ!ぜひ試してみてくださいね。
そうめん風
ほぐしたそうめんかぼちゃをめんつゆやごまだれにつけて、そうめん風にしてもおいしく食べられます。めんつゆに少しごま油をたらしたり、薬味を添えれば、箸休めにぴったりな副菜ができあがりますよ。
和え物
そうめんかぼちゃは和え物にして食べられることが多いようです。三杯酢と合わせて酢の物にしたり、酢味噌をのせるほか、マヨネーズ和えなどもおすすめ!ごま油や鶏がらスープの素を使ってナムル風にしてもおいしいですよ。
サラダ
ほかの野菜と組み合わせて、サラダにするのも定番の食べ方です。ドレッシングをかけるだけでももちろんおいしいですが、そうめんかぼちゃをツナとマヨネーズで和えて味つけし、スライスしたトマトにのせる食べ方もあります。
炒め物
そうめんかぼちゃを炒め物で使うことも可能です。にんじんと組み合わせてきんぴらにするほか、ピーマンやきのこ類、ベーコンなどと合わせて中華風にしたり、バター醤油炒めやカレー炒めにしてもおいしいですよ!
味噌汁・スープ
クセのないそうめんかぼちゃは味噌汁やスープの具材にも使えます。どんな味とも合わせやすいので、和風、洋風、中華風などお好みのスープに入れてみてくださいね。
煮物
一般的な西洋かぼちゃと同じように、そうめんかぼちゃも煮物にして楽しめます。ほぐした果肉を甘辛く味つけしてサッと煮るのもよいですが、そうめんかぼちゃをカットして種とワタをくり抜いたら、食べやすい大きさにカットして、しょうゆや砂糖などで煮るのもおすすめです。ほろほろとした食感がおもしろいですよ。めんつゆなどで手軽に味つけしてもよいでしょう。
そうめんかぼちゃの保存方法
そうめんかぼちゃの保存方法も確認しておきましょう。基本的には西洋かぼちゃの保存方法と同じと考えて問題ありません。
①丸ごと保存する場合
新聞紙などにくるんで、冷暗所に保存しましょう。
②カットしたものを保存する場合
種やワタを取り除いたらラップでぴったりと包み、ジッパー付き保存袋に入れて冷蔵室で保存しましょう。カットしたものは傷みやすいため、早めに使うようにしてくださいね。
③茹でたものを保存する場合
茹でて果肉をほぐしたものは、ラップで小分けにして包み、ジッパー付き保存袋に入れて冷蔵室で保存しましょう。日持ちしないので早めに食べきるようにしてください。
また、小分けにして包んだものは冷凍保存も可能です。冷凍用保存袋に入れて、冷凍庫で保存してください。
そうめんかぼちゃを使ったおいしいレシピ
最後にそうめんかぼちゃを使ったレシピをご紹介します。定番の和え物やサラダに加え、炒め物のレシピもピックアップしました。ぜひ作ってみてくださいね。
そうめんかぼちゃの甘酢和え
そうめんかぼちゃときゅうりやカニカマを甘酢で和えて、なます風に仕上げました。シャキシャキとした食感が楽しく、箸休めにもぴったり!彩りもきれいな、あるとうれしい一品です。
ピリ辛 そうめんかぼちゃの中華サラダ
一見、春雨サラダのようにも見えますが、これはそうめんかぼちゃで作った中華サラダです。そうめんかぼちゃのほかにきゅうりともやしを組み合わせているので、シャキシャキとした食感を存分に楽しめます。ピリ辛風味がやみつきになりますよ!
そうめんかぼちゃのツナマヨサラダ
そうめんかぼちゃとツナマヨを合わせました。マヨネーズソースにはレモンを加えているので、コクがありながらもさっぱりとした味わいを楽しめますよ。あと一品欲しいときにもおすすめです。
そうめんかぼちゃのカレー炒め
そうめんかぼちゃを使ったカレー炒めを作ってみましょう!先にピーマンやしめじなどほかの具材を炒めて、最後にそうめんかぼちゃを加えるのがポイントです。シャキシャキとした食感が残り、おいしく仕上がりますよ。
焼肉のたれで そうめんかぼちゃとニラの韓国風炒め物
そうめんかぼちゃと豚ひき肉を組み合わせれば立派なメインに!食べ応えのある炒め物は覚えておいて損はありません。焼肉のタレとコチュジャンで手軽に韓国風の味わいに仕上がるのもうれしいポイントです。ごはんにもお酒にもよく合うので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
使い方いろいろ!そうめんかぼちゃを食べてみよう
今回は、そうめんかぼちゃの特徴や茹で方、食べ方について解説しました。茹でるとほぐれていく様子は、ほかの野菜ではあまり見られない不思議な光景です。シャキシャキとした食感とクセのない味わいで、さまざまな料理に使えるので、ぜひ見かけたら手にとってみてくださいね。
