「香菜(シャンツァイ)」という野菜をご存じでしょうか。特有の強い芳香をもつ中華料理には欠かせない香味野菜ですが、実はパクチーやコリアンダーと同じ野菜なのです。この記事では、香菜の特徴や使い方、生産地などについて解説します。香菜を使ったエスニックなレシピもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
香菜ってどんな野菜?特徴や使い方、長持ちする保存方法についても解説!
- 目次
- 香菜とは?
- 香菜の原産地や旬は?
- 香菜はどうやって使うの?
- 中華料理やエスニック料理に
- スープやカレー、焼き菓子にも
- 香菜をおいしくいただく保存方法
- 冷蔵庫で保存
- 冷凍庫で保存
香菜とは?
「香菜」は地中海東部が原産とされるセリ科の香味野菜です。香菜は「シャンサイ」または「シャンツァイ」と読みますが、これは中国語での読み方。英語では「コリアンダー」、タイ語では「パクチー」といわれ、どれも同じ植物のことを指します。
香菜の葉や茎はハーブや葉野菜として、種子は乾燥させてスパイスとして使うのが一般的です。日本だと中華料理では「香菜」、エスニック料理では「パクチー」と呼び名が使い分けられています。また、スパイスとして使う種の部分を「コリアンダー」と呼ぶことが多いようですね。
香菜は中華料理やエスニック料理では欠かせない食材ですが、独特の強い芳香があるため好き嫌いが分かれる野菜でもあります。その香りはカメムシが発する臭いに例えられることも多く、実は英語読みの「コリアンダー」という名前は古代ギリシャ語でカメムシを指す言葉が語源となっているとも言われているんですよ。
香菜の原産地や旬は?
香菜の原産地は地中海沿岸だと言われています。古くから利用されてきた植物で、紀元前1500年代の医学書にはコリアンダーの名称で記載されており、料理法も紹介されているんですよ。日本には平安時代に中国から入ってきたそうですが、その時代にはあまり定着しなかったようです。
近年はタイ、ベトナム料理の流行に伴い知名度がアップし、国内でも多くの地域で栽培されるようになりました。主な国内の生産地は静岡県や岡山県ですが、全国各地で栽培されています。沖縄県与那国島が最南端の生産地となっており各地から年間を通じて出荷されていますが、露地物の旬は春から初夏にかけての時期です。栽培しやすい植物なので、家庭菜園でも簡単に育てることができますよ。
香菜はどうやって使うの?
香菜は、葉や茎の部分を料理の香りづけのハーブとして使用することが多い食材です。以下で簡単に使い方や保存方法を確認してみましょう!
中華料理やエスニック料理に
中華の四川料理では、火鍋のタレに入れたり牛肉や羊肉の料理に添えたりと、香菜をネギのような感覚で使うのだとか!また、タイ料理では、トムヤムクンなどのスープやヤムウンセンなどのサラダの薬味、ベトナム料理では、生春巻きの具材やフォーのトッピングとして使用され、東南アジアの料理には欠かせない野菜です。
スープやカレー、焼き菓子にも
スープ系の料理には風味づけとして根の部分を入れることもあります。そのほか、スパイシーなカレーのトッピングにしても爽やかな風味が加わり、おいしくいただけるのでおすすめですよ。また、スパイスのコリアンダーはカレーには欠かせないスパイスのひとつで、爽やかで甘い香りを持ちます。カレーのほか、肉や魚の下味として使ったり、焼き菓子に加えたりと幅広い使い方ができますよ!
香菜をおいしくいただく保存方法
香菜を香り豊かにおいしくいただくには保存方法が大切です。用途に合った保存方法を選んで、おいしく活用しましょう。
冷蔵庫で保存
香菜を新鮮な状態で保存するためには、乾燥を防ぐことが大切です。軽く濡らして絞ったキッチンペーパーに包み、ジッパー付き保存袋やポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てて保存しましょう。時間の経過とともに風味が弱くなるので、早めに使い切るようにしてくださいね。
冷凍庫で保存
しっかりと水気を切った香菜をみじん切りやざく切りなど、お好みの大きさに切り、ジッパー付き冷凍保存袋に重ならないようにして入れ、しっかりと空気を抜けば冷凍庫で保存ができますよ。 使用する際は炒め物などにして必ず加熱してから使ってくださいね。
香菜を使ったおいしいレシピ
ここからは香菜を使ったレシピをご紹介します。香菜を少量加えるだけで、エスニック料理の雰囲気がぐんと増しておいしく仕上がりますよ。サラダや麺類、メインになるおかずまで幅広くピックアップしているので、ぜひ気になるレシピをお試しくださいね。
クセになる トマトココナッツカレー
ココナッツミルクで作るアジアンカレーのレシピをご紹介します。スパイシーなカレーにトマトの酸味とココナッツミルクの濃厚な甘さがマッチし、いつものカレーとはひと味違ったおいしさに。トッピングした香菜の特有の風味もアクセントになり、クセになる味わいですよ。
かぼちゃのアジアン風サラダ
エスニックな味わいのかぼちゃサラダはいかがでしょうか。ナンプラーで甘辛く炒めた鶏ひき肉と刻んだ香菜の風味がかぼちゃの甘みを引き立て、とてもおいしいですよ。おもてなしにもぴったりなので、ぜひお試しくださいね。
パクチーたっぷり餃子
香菜の風味がクセになる餃子のレシピをご紹介します。肉ダネに刻んだ香菜をたっぷりと加えてニンニクと生姜を効かせることで、風味豊かな一品に。口に入れるとジューシーな肉汁と香菜の香りが広がり、あと引くおいしさですよ。ちょっと変わり種の餃子を試したい日にぜひ作ってみてくださいね。
牛肉ときのこのフォー
牛肉ときのこで作るフォーをご紹介します。しいたけとエリンギ、しめじの3種類のきのこと牛肉の旨味がスープに溶け出して、あっさりとしていながらもコクのある味わいに。トッピングした香菜の爽やかな風味がアクセントになり、最後まで食べ飽きません。
スパイシーチミチャンガ風
チミチャンガは、トルティーヤ生地に肉や野菜などを巻いて揚げる「揚げブリトー」のこと。ひき肉をコリアンダーパウダーとチリパウダーで風味づけし、スパイシーな味わいに仕上げました。クリーミーなアボカドとピリッと辛いサルサソースが食欲をそそりますよ。
特有の風味がやみつきに!香菜を味わってみよう
香菜は、特有の強い芳香が魅力です。少量加えるだけでエスニックな味わいに仕上げてくれるので、タイ料理やベトナム料理を作る際にはぜひ使ってみてはいかがでしょうか。少し苦手に感じる方は、スパイスのコリアンダーを試してみるのもおすすめですよ。