2025.1.21

韓国の旧正月「ソルラル」とは?2025年はいつ?定番の食べ物や過ごし方もご紹介

韓国の旧正月「ソルラル」とは?2025年はいつ?定番の食べ物や過ごし方もご紹介

韓国の旧正月「ソルラル」をご存知ですか?韓国の代表的な名節の一つで、今年2025年は1月29日が旧正月となります。日本では新暦でお正月のお祝いをしますが、韓国では旧暦のお正月をお祝いするんですよ。今回はソルラルがいつなのか、また過ごし方や習慣、ソルラルで食べる料理、さらにレシピなどを解説します。

  • 目次
  • ソルラルとは?2025年のソルラルはいつ?
  • ソルラルの前後は祝日
  • ソルラルは2大名節のひとつ
  • ソルラルと日本のお正月の違い
  • 日本のお正月は新暦、韓国のお正月は旧暦
  • チャレという儀式を行う
  • ソルラルの3連休は家族と過ごすことが多い
  • ソルラルには何をする?ソルラルの過ごし方をご紹介

ソルラルとは?2025年のソルラルはいつ?

ソルラル(설날)とは、韓国の旧正月のことであり、旧正(クジョン)と呼ばれることもあります。日本では新暦の1月1日にお正月のお祝いをしますが、韓国では旧暦の1月1日を正式なお正月と定めているため、毎年日付が変わります。

今年2025年のソルラルは 1月29日(水) です。

ソルラルの前後は祝日

韓国では旧正月の前後も祝日となるので、1月28日、29日、30日は連休になります。ちなみに27日(月)と31日(金)は平日ですが、ここを休暇申請などをして休みにすると今年のソルラルは最大で9連休になるようです。

ソルラルは毎年日付が変わりますが、だいたい1月の終わり頃から2月中旬までの間になることが多く、上記で触れたように当日とその前後2日を合わせた3日間は必ず連休となります。

ソルラルは2大名節のひとつ

さて、そんなソルラルですが韓国では代表的な名節の一つです。名節というのは伝統的な祝日のことを指し、韓国にはソルラルのほか、旧暦のお盆に当たる「チュソク(秋夕)」があります。このソルラルとチュソクは韓国の2大名節であり、古くから大切にされてきている伝統行事なのです。

ソルラルと日本のお正月の違い

先ほどソルラルは韓国の旧正月のことであるとお伝えしましたが、日本のお正月とはどのような違いがあるのでしょうか。以下で確認してみましょう。

日本のお正月は新暦、韓国のお正月は旧暦

まず、先程から何度も出てきていますが、日本は新暦の1月1日をお正月と定めているのに対し、韓国では旧暦の1月1日に当たる日を正式なお正月と定めて、旧正月を重要視しています。

韓国でも新暦の1月1日はお休みにはなりますが、これは単純に新しい一年の始まりの日だからという理由なだけで、日本のように大晦日や三が日がお休みになることはありません。

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2024.12.26 最終更新

チャレという儀式を行う

韓国は元旦の朝に「チャレ(茶礼)」と呼ばれる儀式を行います。これは、ソルラルだけでなく、チュソクでも行われる儀式です。本来は神や先祖を祀(まつ)る際に「チェサ(祭祀)」と呼ばれる法事を行いますが、チャレはこのチェサを簡略化したものなのだそう。

チャレではそれぞれの家庭で20種類以上の食べ物を祭壇にお供えして、ご先祖様を霊を迎え入れて敬い、拝礼などをします。儀式を終えたら、そのあとはお墓参りに行くのが定番の流れのようです。

朝鮮時代から続く儀式のようですが、当時は一部の成人男性のみが行うというルールがあったのだとか。時が経つにつれて、一年に何度も行われていた祭礼は縮小され、近年はどんどん簡素化されているのだといいます。さらに、今まで認められていなかった女性と子どもの参加も見られるようになり、チャレの形も変化しているそうです。

ちなみに日本では元旦の朝に初詣に行くご家庭が多いですが、韓国にはそのような風習はないようです。

ソルラルの3連休は家族と過ごすことが多い

旧暦の元日は前後も祝日で3連休となるので、この連休を使って多くの人が実家に帰省したり、旅行にでかけるのだそうです。これは日本と似ていますね。

ソルラルには何をする?ソルラルの過ごし方をご紹介

続いては、気になるソルラルの過ごし方をご紹介します。日本の風習と似ている部分と全く違う過ごし方もあるのでおもしろいですよ!ぜひチェックしてみてくださいね。

チャレの準備

ソルラルの前日(日本でいう大晦日にあたる日)には、先ほど触れた元旦の朝に行う「チャレ」の準備を行います。チャレサン(茶礼床)と呼ばれる食べ物をお供えしますが、その数なんと20種類以上。

1列目にはご飯と汁物、トックと呼ばれるお餅を。2列目には肉や魚、チヂミの一種ともいえる韓国風のピカタのようなジョンを置きます。3列目には肉入り、豆腐や野菜入り、魚入りそれぞれの汁物を置き、4列目には魚を干したものやナムル、汁気の多いナバッキムチ、そして日本の甘酒に似たシッケという発酵飲料を置きます。これはそれぞれ方角など、置く場所などが決まっているのだそうですよ!

チャレは、昔は男性のみが参加する儀式でしたが、料理の準備などは女性の役割だったのだそうです。これだけの量の料理を1日かけて揃える必要があること、またそれ以外にもさまざまな要素が合わさってストレスが溜まることから「名節シンドローム」という言葉も聞かれるようです。

ただ、近年はチャレサンの料理を宅配してくれるサービスもあるのだとか!できあがった料理や必要な道具が送られてくるので、あとは決められた通り盛り付けて並べればよいだけなのだそうです。これまでチャレの準備で悩まされていた女性たちにはうれしいサービスですよね!

新しくおろした服に着替える

ソルラルの朝には「ソルビ厶」と呼ばれる、新調した晴れ着を着るのだそうです。韓国ではソルラルを迎えると服や靴、靴下などを新調する文化があります。とくに子どもたちは赤や黄色、ピンクなど、カラフルな色の韓服を着るのだとか。

これには、気持ちを新たに新しい出発をお祝いする意味が込められています。ですが、近年はこの風習もあまり見かけなくなってきているのだそうです。

祭事「チャレ(茶礼)」を行う

ソルビムを着たら、祭壇にチャレサンをお供えし、親族全員で祭壇に向かって最も丁寧なお辞儀である「クンジョル(큰절)」をし礼拝をします。これはソルラルの朝、一番最初に行われる儀式です。

お墓参りをする

チャレが終わるとご先祖様のお墓参りに行きます。

このお墓参りのことをソンミョ(省墓)と呼び、旧年を送って新年を迎えることを意味する「送旧迎新」を祈りながら、ここでもクンジョルをします。

新年の挨拶をする

韓服を着て、両親や祖父母、また親族やご近所の方にも新年の挨拶をします。これは「セベ(歳拝)」と呼ばれ、ご年配の方や目上の方へ順にお辞儀をして、「健康でいらしてください」「長生きしてください」などというお祈りやお祝いの言葉を交わすのだそうです。

お年玉をあげる

セベを行ったあとは、大人から子供へ「セベトン」と呼ばれる、日本でいうところのお年玉を渡します。このセベトンに新年の福や幸運を祈るという意味が込められているのだとか。一般的には高校生や大学生くらいまではもらえるようです。子供たちはもらったセベトンで好きなものを買ったり、貯金に回したりするなど、使い道はそれぞれの家庭で異なります。

家族で大宴会をする

セベを終えたら、家族や親族で集まって大宴会をします。お供えした「ジョン」やナムル、キムチ、大根を丸ごと1本漬けた「トンチミ」と呼ばれる水キムチ、韓国式のお雑煮「トックク」。さらにチャプチェやカルビを煮込んだカルビチムなどもテーブルに並ぶそうです。

しかし先ほど触れたようにここでは女性が料理の支度をするので、大家族や親戚などを呼んだ場合は、女性は常に台所にいるような状態になることも多いようです。ただ、近年はその形も変わってきているようです。

チャレのあとの過ごし方は各家庭によって異なり、チャレのあと歳拝を行って、ごはんを食べてからお墓参りに行く家庭もあれば、そもそもこれらの儀式を行わない家庭もあるのだそうです。

韓国にもお雑煮がある?

日本ではお正月にお雑煮を食べる文化がありますが、実は韓国にも同じように「トック」と呼ばれるお雑煮を食べる文化があるんです!

トックは、トッククと表記されることもあります。韓国語で「トッ」は餅、「クッ」はスープという意味になり、その名の通り餅や野菜などをスープで煮た料理です。地域によって異なるようですが、牛肉だしを使うことが多いのだとか。

トックには「カレトック」と呼ばれる細長い餅を楕円形にスライスしたものが使われます。長いカレトックには長寿の意味が込められていること、またそれをスライスした餅は昔使用されていた銭の形と似ていることから、トックには長寿と富の祈りが込められていると言われているんですよ。ちなみにこのトックはソルラルだけでなく、新暦の1月1日にも食べるようです。

ソルラルに作りたい韓国料理のレシピをご紹介!

最後に韓国のソルラルで食べられている料理のレシピをご紹介します。ソルラルの朝に食べるトックやチャレでお供えするジョンなど、これまでにご紹介してきた料理をピックアップしました。ぜひチェックして、ソルラル料理を楽しんでみてくださいね。

韓国雑煮 トックスープ

トッポギ用のお餅で作るトックです。一般的なスーパーにはトック用のお餅ではなく、トッポギ用のお餅が置かれていることが多いので、手軽に作れるようにアレンジしました。このレシピでは具材にじゃがいもを使いましたが、牛肉を入れるとよりコク深い味わいを楽しめます。お好みで試してみてくださいね。

たっぷり野菜のチャプチェ

しいたけやにんじん、ニラ、玉ねぎなど、数種類の野菜を具材にしたチャプチェはいかがでしょうか。このレシピではフライパンに水と調味料を入れて加熱し、煮立ってから春雨を入れて戻しながら炒めるので、とっても簡単に作れますよ。シャキシャキとした野菜とツルツルの春雨の食感をお楽しみください。

骨付き牛カルビ肉で作る カルビチム

旨味たっぷりのカルビチムを作ってみましょう。骨付きの牛カルビは臭みを和らげるためにしっかりと血抜きします。手間と時間はかかりますが、その分味は絶品!ごはんにはもちろんお酒にもよく合うので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

具だくさん 韓国風キムチマンドゥ

ボリューム満点の韓国風餃子、マンドゥはぜひお試しいただきたい一品です!豚ひき肉に木綿豆腐やキムチ、春雨などを加えて混ぜて具だくさんに仕上げました。もちもちの皮と旨味たっぷりの餡がマッチしてとてもおいしいですよ!

ズッキーニのジョン

ジョンはチヂミの一種でもある、韓国では定番のおかずです。どちらかというとチヂミよりはピカタに近いかもしれません。このレシピではズッキーニを使いましたが、エリンギやレンコンなど、お好みの野菜でも作れるので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。

ソルラルにも注目して日本と異なる文化に触れてみよう

今回は韓国の旧正月「ソルラル」の由来や意味と、ソルラルで食べられている料理や昔から続く伝統的な風習についてご紹介しました。日本のお正月とは異なる点もあればお雑煮を食べたり、お年玉をあげるなど同じような文化もありましたね。今年はぜひ旧正月にも注目して、韓国料理を作ってみてはいかがでしょうか。

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