最終更新日 2024.3.11

漬物とは?歴史や特徴、種類について解説!アレンジレシピもご紹介

漬物とは?歴史や特徴、種類について解説!アレンジレシピもご紹介

ごはんのお供や箸休めに最適な「漬物」。和食の献立にあるとうれしい一品ですが、その定義を知っていますか?この記事では、漬物の特徴や歴史、種類について解説します。記事の後半では、岐阜名物の漬物ステーキや高菜を使ったチャーハンなど、漬物のアレンジレシピもご紹介!ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

  • 目次
  • 漬物とは?
  • 漬物の種類
  • 塩漬け
  • しょうゆ漬け
  • 酢漬け
  • みそ漬け
  • ぬか漬け
  • 麹漬け

漬物とは?

「漬物」とは、野菜、肉、魚などさまざまな食材を塩やしょうゆ、みそ、酢、麹、米ぬか、酒粕などに漬けこんだ食品のことです。食材に風味をつけるだけではなく、保存性を高めるといった目的で古くから親しまれてきました。

漬物は日本の食卓に欠かせない食品の一つですが、世界中にもさまざまな漬物が存在します。そして、はじまりがいつからかははっきりとわかっていませんが漬物の歴史はとても古く、現存する文献の中で漬物についての記録がある最古のものは、中国の「斉民要術(せいみんようじゅつ)」といわれています。斉民要術とは6世紀に作られた農業技術書で、そこには野菜の塩漬け方法が書かれているそうです。

日本では、今から2000年ほど前の大和時代には、食品を塩漬けにして保存していたともいわれていますが、記録がある中で最も古いのは奈良時代で、瓜や青菜の塩漬けに関する記録が平城京跡から発見されています。そして奈良時代が終わり、平安時代の10世紀に書かれた「延喜式(えんぎしき)」という文献には、当時の漬物の作り方について詳しい記録が残っています。それによると、春にはわらびやフキ、瓜など14種類、秋にはなすや生姜、柿など35種類と、さまざまな種類の漬物があったことが記されていたのだそうです。 たくあんの原型である「須々保利(すずぼり)」の記録もその中から見つかっています。

鎌倉時代から室町時代になると、茶の湯が発展したり、禅宗の精進料理が普及したことにより、漬物はより広まりました。漬物が「香の物」と呼ばれるようになったのはこの頃からです。

江戸時代に入ると江戸や京都、大阪で「香の物屋」が大繁盛!この頃に、私たちになじみの深い「ぬか漬け」が登場したといわれています。ぬか漬けは漬け床のぬかを繰り返し使えるという点で経済的なことから、一般家庭にも広く普及しました。

明治時代以降、西洋文化が流入してきてからも漬物文化は廃れることなく、農家の副業となることもあり、やがて漬物の製造は産業化しました。戦時下には保存食として戦地への携行品としても役立ったのだとか。

漬物の種類

漬物の種類はたくさんありますが、何に漬けるかや、どれくらいの時間漬けるかによって分類することができます。ここでは、漬ける調味料による分類について詳しく解説します。

塩漬け

漬物の原点ともいわれる塩漬け。塩味をつけることで食材のおいしさを引き出すだけでなく、塩の浸透圧により食材の水分が抜けて保存性が高まります。

しょうゆ漬け

しょうゆの風味やコクを活かしたしょうゆ漬けは、ごはんのお供にぴったり。しょうゆに香辛料やほかの調味料を加えてアレンジをすることも多く、よく知られているものでは松前漬けや福神漬けがあります。

酢漬け

酢漬けは、さっぱりとした味わいが魅力。梅酢やりんご酢など、使う酢の種類によって仕上がりは異なります。らっきょうも酢漬けの一種です。

みそ漬け

「みそ」または「みそにみりんを加えた漬け床」に食材をつけたのがみそ漬けです。食材に染みこんだみその旨味やコクを楽しめます。

ぬか漬け

米ぬかに水分と塩を加え発酵させたぬか床に食材を漬けて作るぬか漬け。発酵によって生まれた酸味や旨味が特徴で、ごはんのおかずだけではなくおつまみにもぴったりですよ。

麹漬け

麹漬けの漬け床は、麹に砂糖や塩を混ぜたもの。麹に含まれる酵素によって発酵が進み、麹のやさしい甘みや風味で奥深い味わいになります。

粕漬け

日本酒やみりんを製造するときの副産物である酒粕やみりん粕を利用したのが粕漬けです。野菜だけではなく、魚やお肉も粕漬けによく合います。わさび漬けや奈良漬も粕漬けの一種です。

香の物やお新香との違いは?

漬物に関連する言葉で「香の物」や「お新香」というものがありますよね。これらの違いは何なのか、以下でチェックしてみましょう。

先ほども少し触れましたが、香の物とは漬物のことで、その呼び名が生まれたのは鎌倉時代の頃です。「聞香(ぶんこう/もんこう)」という香木の香りを嗅ぎ分ける遊びをする際、漬物を食べて味覚や嗅覚をリフレッシュさせる効果があったことから、香の物と呼ばれるようになったのだとか。ほかにも「香」がみそを表し、みそ漬けにした野菜のことを香の物と呼ぶようになったともいわれています。

一方、お新香とは、浅漬けや一夜漬けといった、発酵させないで浅く漬けた漬物を指します。つまり、お新香は漬物または香の物の一種ということになるのです。

漬物のアレンジレシピをご紹介!

さてここからは、漬物を使ったアレンジレシピをご紹介します。ごはんが進む味わいの炒め漬物や、漬物を具材に使ったおろしそばなど、簡単に作れる絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

ごはんのおともに 炒め漬物

ごはんによく合う、炒め漬物をご紹介します。野沢菜とたくあんを粗く刻んでごま油で炒め、しょうゆで味つけをしました。ごま油の香ばしい香りとポリポリとした食感で、ごはんがモリモリ食べられるおいしさですよ。ぜひお試しくださいね。

岐阜名物 漬物ステーキ

岐阜名物の漬物ステーキを作ってみましょう。漬物ステーキは、厳しい冬の寒さで凍った漬物を食べるために朴葉(ほおば)にのせて囲炉裏で温めたのがはじまりなのだとか。卵でとじて味が少しマイルドになった漬物と、シャキシャキの食感が魅力の一品です。ぜひ作ってみてくださいね。

豚バラ肉と白菜の漬け物のおろしそば

白菜の漬物を具材にした、おろしそばはいかがでしょうか。味つけは顆粒和風だしとしょうゆだけですが、豚バラの旨味やコクと、漬物のさっぱりとした風味が合わさってとってもおいしいですよ。

野沢菜のお漬物いなり

いつもとひと味違ういなり寿司が食べたくなったらこのレシピがおすすめ!酢飯に加える刻んだ野沢菜の食感がアクセントとなり、クセになるおいしさですよ。野沢菜以外のお好みの漬物を使ってもおいしくお作りいただけます。

高菜漬けチャーハン

ピリ辛な味わいでやみつき必至!高菜漬けチャーハンはぜひレパートリーに加えていただきたい一品です。高菜漬けの風味を活かして作るので簡単に味が決まります!食欲をそそる味わいで、おかわりが欲しくなること間違いありませんよ。

いろいろな漬物を料理に使ってみよう!

今回は、漬物の特徴や歴史、種類について解説し、漬物を使ったアレンジレシピをご紹介しました。一言で漬物といっても、さまざまな味わいのものがあるので、食べ比べてみるのもおもしろそうですね!漬物のアレンジ料理を作るときも使う漬物によって仕上がりが異なるので、今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひいろいろな料理にチャレンジしてみてください。

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