2024.7.5

パン20種類をご紹介!日本や海外のパンの特徴について解説

パン20種類をご紹介!日本や海外のパンの特徴について解説

世界中で食べられている「パン」ですが、一言でパンといってもハードな食感のものからソフトな食感のものまで、種類はさまざま。今回は、そんなパンの種類について解説します。日本でおなじみのパンから、海外で親しまれているパンなど、20種類をご紹介!おうちで作れるパンのおすすめレシピも必見ですよ!

  • 目次
  • リーンなパンとリッチなパンの違いとは?
  • リーン
  • リッチ
  • 日本のパン6種類をご紹介!
  • 食パン
  • あんパン
  • メロンパン
  • ジャムパン

リーンなパンとリッチなパンの違いとは?

「パン」は、生地の材料の配合によって、大きく「リーンなパン」いわゆるハード系のパンと「リッチなパン」いわゆるソフト系のパンに分けられます。それぞれの特徴について、以下でチェックしてみましょう。

リーン

パン生地の基本的な材料は、小麦粉とイースト、水、塩です。リーンなパンとは、これらの材料のみ、またはそれに近いシンプルな材料で作られていて、糖分や油分が少ないパンのことを指します。

リーンなパンは、噛みごたえがあり、パンの表面のクラスト部分がしっかりしているのが特徴。甘みが少なくシンプルな味わいなので、食事と一緒に食べることが多いパンです。バゲットやチャバタ、ベーグルなどがリーンなパンに分類されます。

リッチ

リッチなパンとは、小麦粉とイースト、水、塩といった基本的な材料のほかに、バターや牛乳、砂糖、卵なども配合したもの。やわらかくしっとりとした食感で、生地のキメが細かいのが特徴です。

菓子パンや惣菜パンのように、味がついていてそのまま食べられるパンによく使われます。クロワッサンやデニッシュなどがリッチなパンに分類されます。

日本のパン6種類をご紹介!

パンはもともとはヨーロッパなどで食べられていたものですが、日本には1543年に伝わったといわれています。そして日本に広まってからは、日本独自のパン文化も生まれました。ここでは、日本で親しまれているパンの種類について解説します。

食パン

食パン型と呼ばれる箱状の型にパン生地を入れて焼いたものが食パンです。焼き型の蓋を閉めて焼くと断面が四角く焼きあがるので「角形食パン」、蓋を閉めずに焼くと上部が盛り上がった形に焼きあがるので「山形食パン」となります。「包装食パンの表示に関する公正競争規約」において一斤は340g以上という決まりがあり、半斤、1.5斤と表示する場合も、1斤を340gとして換算することになっています。

スライスしてそのまま食べたり、トーストやサンドイッチに使うなど、幅広いシーンで活躍する定番のパンです。

あんパン

あんパンが最初に作られたのは1874年。銀座のパン屋さんが、酒種酵母を使ったしっとりとした生地にあんこを包んだパンを開発し、それがおいしいと評判になりました。

フィリングには、つぶあんやこしあんのほかに、しろあんやうぐいすあん、芋あんなどさまざまなものが使われます。包まれているあんの種類を見分けるために、ケシの実や黒ごまをつけて目印にしけたり、へそと呼ばれるへこみの形状を変えたりと、お店によって種類を見分けるために工夫がされています。

メロンパン

パン生地の上にクッキー生地を薄く伸ばしてのせ、サクッとした食感に焼きあげるメロンパン。名前の由来は、見た目がメロンに似ているからという説のほか、メロンのフレーバーをつけたから、メレンゲがなまってメロンになった、など諸説あります。

ジャムパン

ジャムパンも日本発祥のパンです。戦時下、日本の兵士の食糧としてビスケットが開発されましたが、ビスケットにジャムを挟んで焼いたお菓子から着想を得て、それをあんパンの生地で応用して売り出したところ、人気となりました。

定番のいちごジャムパンは、いちごジャムの甘酸っぱさと、ツブツブとした食感がアクセントとなり、何度でも食べたくなるおいしさです。

カレーパン

カレーパンは、カレーを包んだパン生地にパン粉をつけ、油で揚げて作られます。ふんわりとしたパン生地と表面のサクサクとした食感、カレーのスパイシーな風味が相性抜群です。揚げるのではなく焼いたものや、焼いたパンにカレーをつけて食べるスタイルなど、バリエーションはさまざま!味わいも甘口や辛口など、子供から大人まで楽しめ、老若男女問わず愛されています。

クリームパン

クリームパンが誕生したのは、あんパンやジャムパンより少しあとの1904年です。初めて食べたシュークリームのおいしさに感動したパン屋が、あんパンのあんの代わりにカスタードクリームを包むことを思いついたのがきっかけなのだとか。また、カスタードクリームの栄養価の高さにも注目し発案したともいわれています。

そんなクリームパン。グローブのような形をしているものが多いですよね?その理由には諸説あるのですが、クリームパンを焼くと中に空洞ができてしまうので、それを防ぐために切込みを入れた結果、グローブのような形になったという説が濃厚なようです。

ちなみに、クリームパンは日本三大菓子パンの一つ。残りの2つは、さきほどご紹介したあんぱんとジャムパンで、この3つは長い間日本人に愛され続け、今もなお進化し続けています。

コロネ

コロネは明治時代に生まれた日本発祥のパンです。菓子パン生地を円錐形のらせん状に巻いて焼き上げ、中心の空洞にクリームを詰めるのが特徴。あんパンやジャムパンのように昔から愛されている、子どもにも人気な菓子パンのひとつです。

チョコクリームの他にも、ホイップクリームやカスタードクリーム、ピーナッツクリームを詰めたものもあります。コロネの由来は2つ説があり、フランス語の「corne(角・コルネ)」と、英語の管楽器の一種「cornet(コルネット)」から、形が似ていることで名づけられたと言われています。

世界でよく食べられているパンの種類【ハード系】

日本でももはや欠かせないものでもあるパンですが、世界に目を向けると日本のパンとはまた違った種類のパンがたくさんあります。続いてはそのうちの一部のパンの種類と特徴を、ハード系とソフト系のパンに分けて解説します。

まずはハード系のパンからご紹介します。表面がパリッとかたい食感で、噛みごたえがあるのがハード系のパンです。材料の配合はリーンなものが多い傾向があり、小麦の風味を楽しめますよ。

バゲット(フランス)

フランスのパンと聞くとフランスパンを思い浮かべる方が多いですよね。そんなフランスパンには、実はさまざまな形状のものがあるんです!どれもパンの基本的な材料である小麦粉とイースト、水、塩で作られますが、1つのパンの大きさや成形の仕方が異なり、食感などの特徴に違いが出ます。

フランスパンの一つで、フランスでもよく食べられているのがバゲットです。バゲットには「棒」や「杖」という意味があり、細長い形をしています。この形状であるため、火の通りがよく、表面のクラスト部分が香ばしく焼け、噛みごたえが生まれるのです。フランスではデクレというパンに関する政令がありますが、そのデクレによるとバゲットは生地重量350g、長さ67~68cmと定められています。

パン・ド・カンパーニュ(フランス)

パン・ド・カンパーニュもフランスパンの一つで、このカンパーニュには「田舎」という意味があります。フランスの中でも都会であるパリで生まれたバゲットに対し、カンパーニュはその近郊の各地域で親しまれてきました。

パン・ド・カンパーニュには正式な決まりはありませんが、一般的にはずっしりと重くドーム型のものが多いようです。材料も地域によって異なり、ライ麦粉や全粒粉を配合したり、オリジナルの発酵種を使ったりします。

ライ麦パン(ドイツ)

ドイツではパン作りにライ麦がよく使われます。また、ライ麦粉の配合割合によってパンの呼び名が異なるのもおもしろい特徴です。ドイツ語で「ロッゲン」にはライ麦、「ヴァイツェン」には小麦粉、「ミッシュ」には混ぜる、「ブロート」にはパンという意味があり、ライ麦粉の配合が多い順に

・ロッゲンブロート
・ロッゲンミッシュブロート
・ミッシュブロート
・ヴァイツェンミッシュブロート
・ヴァイツェンブロート

と呼び名が異なります。

また、ライ麦の比率が高いほど目の詰まった重たい生地となり、酸味も強くなります。そのため、重たい生地ほど薄くスライスして食べることが多いようです。生地の中にドライフルーツやナッツが入っているのもあるので、そのままでもおいしくいただけます。クリームチーズやハム、スモークサーモンなどをのせてオープンサンドとして味わうのもおすすめですよ!

ちなみにライ麦パンは、小麦粉から作られるパンに比べて食物繊維を多く含んでいるのも特徴で、ほかにも鉄や亜鉛といったミネラル、ビタミンB1などの栄養素が含まれています。そういった点にも注目して、パンを選ぶのも楽しいですね!

ベーグル(アメリカ)

ベーグルは、リング状でドーナツのような形状をしたパンです。成形した生地を焼く前に、ゆでる工程(ケトリング)があるのが特徴で、食感はもっちりとしていて噛みごたえがあります。シンプルな生地であればサンドイッチのように具材を挟んで楽しめますよ。また、生地にチーズやチョコチップ、ドライフルーツなどの副材料を混ぜ込んでアレンジも可能です。

ちなみに、ケトリングの時間によって食感が変わるとも言われています。ベーグル作りにおいて重要な工程なのですね。

フォカッチャ(イタリア)

フォカッチャは、古代ローマ時代から親しまれているイタリアの平焼きパンです。生地にオリーブオイルを混ぜることや表面に塩をまぶすこと、生地にくぼみをつけて平たく焼くのが特徴。ハーブやドライトマト、オリーブなどをのせて焼くこともあり、そのまま食べたり、料理の付け合わせにすることもあります。

フォカッチャは「Focaccia」と書きますが、イタリア語で「火」を意味する「Fuoco(フオーコ)」が由来とされており、「火で焼いたもの」を意味するのだそうです。

イングリッシュマフィン(イギリス)

イングリッシュマフィンは、19世紀頃のイギリスで発祥したとされる伝統的なパンです。丸い型で焼き、表面には「コーングリッツ」と呼ばれるとうもろこしの粗挽粉がまぶしてあります。

そのため、トーストするととても香ばしく仕上がること、また、生地は気泡が多いのでバターがよく染みこむのも特徴です。エッグベネディクトやサンドイッチなどさまざまなアレンジで楽しめます。

プレッツェル(ドイツ)

パン生地で結び目を作った見た目が特徴的なプレッツェル。太めに成形しやわらかく焼きあげるパンタイプの「ソフトプレッツェル」と、小さめに成形しカリッとした食感に仕上げるスナックタイプの「ハードプレッツェル」があります。生地をラウゲン液(アルカリ溶液)に漬けてから焼くため、表面にツヤが出て、茶色い色に仕上がり、むっちりとした食感が生まれるのだとか。塩気が効いているものが多いので、ビールのおつまみにもぴったりなパンです。

ソフト系

続いて、ふんわりとした食感のソフト系のパンの種類について見てみましょう。

ロールパン(アメリカ)

卵やバターを練りこんだ生地を薄く伸ばし、ロール状に巻いて焼きあげるロールパン。なかでも、バターを多く配合したものをバターロールと呼びます。バターの風味やほんのりとした甘みがあるのが特徴で、料理の付け合わせにするほか、具材をはさんでサンドイッチとしても楽しめます。

ブリオッシュ(フランス)

フランス発祥のブリオッシュは、バターや卵、砂糖をたっぷり配合したリッチな生地が特徴で、ふわふわとした食感と豊かな風味が魅力です。ポコンと頭がついただるまのような形が一般的ですが、食パンのような形や円柱形に焼きあげることもあります。フランスでは朝食として親しまれているパンですが、お菓子として食べられていたこともあるため、食事用のパンというよりはお菓子に近いイメージがあるようです。ちなみに、一口食べるとラム酒がじゅわっと広がる「サヴァラン」にはブリオッシュが使われます。

クロワッサン(フランス)

生地にバターやマーガリンを何層にも折り込んで焼きあげるのがクロワッサン。サクッとした軽い口当たりと、口の中に広がるバターの香りが魅力です。

クロワッサンの誕生の歴史ははっきりとはわかっていませんが、オーストリアの「キプフェル(キッフェルン)」というパンが原型になったともいわれています。ただし、このキプフェルは現在のクロワッサンとは違い、バターを使わないリーンな生地だったそうです。

現在ではクロワッサンはフランスを代表するパンとなっていますが、オーストリアからフランスにキプフェルが伝わったのは、18世紀にオーストリアからフランスの王のもとにマリーアントワネットが嫁いだときだと言われています。その後、現在のようなサクサクとした軽い食感の生地に変わっていきました。

デニッシュペストリー(デンマーク)

デニッシュペストリーは、クロワッサンのようにバターを折り込んだサクサクとやわらかい生地のパンを指します。フルーツやクリーム、アイシングなど、甘いトッピングをして食べることが多い点が、クロワッサンとの大きな違いです。

白パン(ドイツ)

ドイツ語で小さなパンという意味の「ブレッチェン」とも呼ばれる白パン。ドイツのパンと聞くとライ麦を使った、色味も茶色いものを想像する方が多いかもしれませんが、実は小麦粉を使った白パンも定番なんです!白パンは、小麦粉の配合割合が90%以上で色が白っぽく、もっちりとやわらかい食感が特徴です。さきほどライ麦パンのところでご紹介した「ヴァイツェンブロート」にあたります。ライ麦粉の割合が10%程度と少ないため、酸味が少なくシンプルな味わいなので、ライ麦独特の風味が苦手な方でも食べやすくおすすめです。

ちなみに、小麦粉の割合が多い白パンに対して、ライ麦の配合割合が多いドイツのパンは黒パンと呼びます。

シナモンロール(スウェーデン)

シナモンロールはスウェーデンが発祥だといわれています。現在ではさまざまな国で親しまれていますが、国によって形状やトッピングに違いがあるようです。日本ではシナモンパウダーを練りこんだ渦巻き状のパンにアイシングがかかっている形が多いですが、ほかの国では生地を編み込んだような形や、細く切った生地を重ねた毛糸玉のような形、アイシングではなくパールシュガーをトッピングしたものなどもあります。

おうちで作れるパンのレシピをご紹介!

さてここからは、おうちで作れるパンのおすすめレシピをご紹介します。全粒粉を使ったカンパーニュ風のパンや、やさしい甘さの紅茶とホワイトチョコのベーグルなど、バラエティ豊かなレシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

おうちで作る ライ麦食パン

ライフレークのプチプチとした食感がおいしい、ライ麦食パンを作ってみましょう。そのまま食べるのはもちろん、サンドイッチにするのもおすすめです。6等分にした生地を型に詰める工程で、丸めたときにできたとじ目を下にして入れるのが、きれいに作るポイントですよ!

キーマカレーのチーズカレーパン

おやつやランチにもおすすめ!キーマカレーのチーズカレーパンのご紹介です。サクサクの衣とスパイシーなカレーが食欲をそそる一品。おうちで作った揚げたてのカレーパンは絶品ですよ!お好みの辛さのカレーを使って作ってみてくださいね。

サクサク本格 メロンパン

人気のメロンパンをおうちで作ってみませんか?バターや卵を加えたふわふわのパンと、クッキー生地のサクサクとした食感が相性抜群!おやつにぴったりの甘さで、一口食べれば幸せな気分になること間違いありませんよ!

お手軽 全粒粉のカンパーニュ風パン

全粒粉を使ったカンパーニュ風パンのレシピをご紹介します。捏ねた生地をひとまとめにして発酵させ、オーブンで焼くのでとってもお手軽!シンプルな味わいなので、サンドイッチを作ったり料理の付け合わせにしたりと、さまざまなアレンジが可能ですよ。

紅茶とホワイトチョコのベーグル

もっちりとした噛みごたえがたまらない、紅茶とホワイトチョコのベーグルはいかがでしょうか。紅茶の香りとホワイトチョコの甘さがマッチして、ティータイムのお供にもぴったりですよ。

いろいろなパンを食べてみよう!

今回は、日本や世界のパンの種類について解説し、おうちで作れるパンのレシピをご紹介しました。一言でパンといっても食感や味わいなど、異なる特徴をもつパンがたくさんありましたね。パンを手作りするときは、発酵や成形などの工程があり少し手間がかかりますが、おうちで作る焼きたてのパンは格別です!今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひ作ってみてくださいね。

こちらもおすすめ
パン作りが楽しくなる!初心者さんにやさしい【手づくりパン】レシピ5選
朝食やおやつなど、手軽に食べられて満足感の高いパン。難しそうに見えるパン作りですが、コツを覚えれば簡単に作ることができます。今回は、シンプルな手作りパンのレシピを5つご紹介!ふわふわな食感がおいしいコッペパンや、発酵不要の豆乳ブレッドなども手軽に作れます。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
パン作りが楽しくなる!初心者さんにやさしい【手づくりパン】レシピ5選
2023.11.20 最終更新

人気のカテゴリ