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タルトタタンとは?由来や特徴、作り方についても詳しく解説!

タルトタタンとは?由来や特徴、作り方についても詳しく解説!

「タルトタタン」というりんごを使ったスイーツを知っていますか?アップルパイと同じような材料で作りますが、実は全くの別物なんです。この記事では、タルトタタンの特徴や名前の意味、アップルパイとの違いについて解説します。記事の後半では、おうちでタルトタタンを楽しめるレシピもご紹介!ぜひ最後までご覧ください。

  • 目次
  • タルトタタンはどんなお菓子?
  • タルトタタンとアップルパイは何が違う?
  • タルトタタンの発祥は?
  • タルトタタンをおいしく作るポイント
  • タルトタタンのおすすめレシピをご紹介!
  • おうちでタルトタタンを楽しもう!

タルトタタンはどんなお菓子?

「タルトタタン」とは、砂糖やバターを使って甘く煮たりんごに、パイ生地やタルト生地をかぶせて焼いたタルトのこと。

表面のツヤツヤとした質感と、りんごがたくさん並んだ様子がとてもきれいなお菓子です。

タルトタタンとアップルパイは何が違う?

焼きあがったあとに上下をひっくり返して盛り付けますが、アップルパイのようにも見えますよね。しかし、両者は全く異なるお菓子なんです。以下でその違いをチェックしてみましょう。

タルトタタン アップルパイ
発祥地 フランス イギリス
作り方

・りんごを型に敷き詰めてキャラメリゼする
・その上に生地をのせて焼く

・煮詰めたりんごを生地で包む

りんごの形状

・4等分や8等分にカットしたものを使うことが多い

・細かく刻んで煮詰めてジャム状にする
・スライスしてそのままパイ生地にのせる
・角切りにして煮て食感を残す

見た目

・生地の上にキャラメリゼされたりんごがのっている

・りんごのフィリングが生地で包まれている
or
・生地にスライスしたりんごがのっている
などさまざまな見た目のものが存在する

味わい

・キャラメリゼされた濃厚な味わい
・ほんのりと苦みも感じる
・酸味のあるりんごを使う

・シナモンを使って風味豊かに仕上げることが多い
・酸味のあるりんごが使われることが多い

りんごを焼いてからパイ生地をのせる

まず大きな違いは、パイ生地の使い方です。アップルパイは、りんごのフィリングをパイ生地で包んだり、パイ生地の上にりんごをのせて焼くのが一般的ですよね。

一方、タルトタタンはりんごの上にパイ生地をのせて焼き、焼き上がって冷めたら逆さまにして提供します。

💡ワンポイント豆知識
この生地の使い方から、タルトタタンはフランス語で「逆さまのタルト」という意味の「タルト・ランヴェルセ(Tarte renversée)」と呼ばれることもあるそうです。なぜ逆さまにするのかについてはタルトタタンの発祥に関わるお話なので、後ほど詳しく解説します。

タルトタタンはりんごを大きくカットする

アップルパイはりんごを細かく刻んでジャムのようなフィリングを作ったり、角切りや薄くスライスしたものを使うことが多いですよね。

タルトタタンは、4等分、もしくは8等分など、大きめにカットしたりんごが使われます。

タルトタタンのりんごはキャラメリゼする

アップルパイのりんごは一般的に、バターや砂糖で煮詰めて、シナモンなどを使って風味づけされたフィリングが使われます。

一方、タルトタタンのりんごは必ずキャラメリゼするのが特徴です。それが魅力でもあります。作り方は各家庭やお店にもよりますが、バターと砂糖でキャラメルを作り型に注ぎ入れ、その上にカットしたりんごを敷き詰めて、まずりんごだけ焼いて、そのあとパイをのせる作り方がひとつ。

もうひとつは、りんごのキャラメリゼを作ってから型に敷き詰めて焼き、パイ生地をのせてさらに焼いて作る方法もあります。りんごが焼き上がってから生地をのせてさらに焼くことで、よりりんごがキャラメリゼされ、ほんのりとした苦味と香ばしさを楽しめるんですよ。

タルトタタンの発祥は?

とても風味豊かで美しい見た目をしたタルトタタンですが、実は思わぬ失敗から生まれたお菓子なんです。

失敗を隠すためにパイ生地をのせて焼いてみた

タルトタタンが生まれたのは19世紀のフランスのラモットブーヴロンという町。姉の名をステファニー、妹の名をカロリーヌというタタン姉妹が経営しているホテルでのできごとでした。

ステファニーがアップルパイ用のりんごをバターと砂糖と一緒に炒めていたところ、うっかり炒め過ぎてしまったのだそうです。キャラメルの香りが立ち込め動揺したステファニーは、焦がしてしまった見た目をどうにかしようとりんごの上にタルト生地をのせてフライパンごとオーブンで焼きました。そうして焼きあがったものをひっくり返してみると、とても香ばしくおいしいタルトに仕上がったのです。

失敗から生まれたスイーツはホテルの看板料理に

そのおいしさは当時ホテルの食堂に来ていた客にもよろこばれ、その後ホテルの看板料理にまでなったそうです。それから、このホテルのある地域だけではなく、世界中へと広まっていきました。

このことからもわかるように、タルトタタンという名前の由来はもちろんこのタタン姉妹。

「タタン姉妹のタルト」

という意味のだったのです。

💡ワンポイント豆知識
ただしこの逸話には諸説あるようで、アップルパイを作るときに生地を敷き忘れてしまったという説や、アップルパイを作ること自体を忘れていたという説も。いずれにせよ、失敗がきっかけで生まれたというのは変わらないようです。

タルトタタンをおいしく作るポイント

失敗から生まれたタルトタタンですが、そのおいしさは発祥国であるフランスにとどまらず世界的に広まり、多くの人に愛されるスイーツになりました。そんなタルトタタンをおいしく作るコツをご紹介します。

酸味のあるりんごを使う(紅玉など)

タルトタタン作りで一番重要と言っても過言ではないのが、りんごの品種です。ヨーロッパには酸味の強い調理用のりんごがあります。そういった品種を使って作るタルトタタンは味わいのバランスも見た目もよく仕上がるようです。

そのため、日本でタルトタタンを作る場合は「紅玉」や「グラニースミス」など、酸味の強い品種を使うのがおすすめですよ。

ペクチンを引き出す

タルトタタンは、角のある美しい形も魅力のひとつです。この角をしっかりと出すために欠かせないのが「ペクチン」。ペクチンというのは、果物などに含まれる水溶性食物繊維のひとつであり、加熱すること、また砂糖や酸と組み合わさることでゼリー状に固まる性質があります。

このペクチンが多く含まれているのが柑橘系やりんごの皮なのです。キャラメリゼする際にりんごの皮も一緒に入れるとペクチンが抽出され、タルトタタンを焼き上げたときにきれいな角ができあがります。

りんごをぎゅっと敷き詰める

りんごを型に入れるときは隙間なく、押し込むように敷き詰めましょう。りんごに火が通るとカサが減って隙間ができるので、形が崩れやすくなってしまうので、ぎゅうっと押し込んでください。入り切らなかったら上に重ねても問題ありません。

りんごにしっかりと色がつくまで焼いたら一度オーブンから取り出して、浮いてきたりんごをぎゅっと押し込みます。このとき、マッシャーやお玉、スプーンの背などを使うと押し込みやすいですよ。そのうえにパイ生地をのせてさらに焼くことで、エッジの効いた美しいタルトタタンができあがります。

タルトタタンのおすすめレシピをご紹介!

とっても魅力的なタルトタタンを実際に作ってみたくなった方も多いのではないでしょうか。ここからは、おうちでタルトタタンを楽しめるおすすめレシピをご紹介します。本格的なタルトタタンのレシピから、食パンやホットケーキミックスを使ったお手軽レシピまで、幅広くピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

タルトタタン

りんごのジューシーな食感がたまらない、タルトタタンのご紹介です。りんごは4等分の大きめのくし切りにしたので、素材そのもののさわやかな酸味や甘みをお楽しみいただけます。サクサクのタルトとも相性抜群!ぜひ挑戦してみてくださいね。

りんごがたっぷり タルトタタン

りんごをたっぷり使ったタルトタタンはいかがでしょうか。グラニュー糖とバターで炒めてキャラメリゼしたりんごをオーブンでじっくり焼くので、とっても香ばしくインパクトのある味わいです。りんごの歯ごたえと、アーモンドプードルを使った軽い食感の生地もよく合いますよ。おもてなしのおやつとしてもおすすめの一品です。

アールグレイのタルトタタン風ケーキ

りんごと紅茶が相性抜群!アールグレイのタルトタタン風ケーキを作ってみましょう。このレシピでは、カットしたりんごを電子レンジで加熱し、型に敷き詰めました。紅茶が香るのふんわりとした食感のケーキと、りんごの甘酸っぱさがマッチしてとてもおいしいですよ。ぜひお試しくださいね。

タルトタタン風トースト

朝ごはんにもおすすめなタルトタタン風トーストをご紹介します。バターと砂糖でソテーしたりんごを、こんがりと焼いたトーストにのせました。ジューシーなりんごと香ばしいトーストにカラメルソースがよく合います。朝のコーヒーのお供にもぴったりですよ。

ホットケーキミックスで タルトタタン風パウンドケーキ

ホットケーキミックスを使った、タルトタタン風パウンドケーキはいかがでしょうか。シナモン風味のふんわりとしたケーキに、りんごのさわやかな味わいやカラメルソースのほろ苦さがよいアクセントになります。おうちによくある材料で作れるので、おやつにぜひ作ってみてくださいね。

パウンド型でタルトタタン風ケーキ

こちらも、やさしい味わいのタルトタタン風ケーキです。電子レンジで加熱したりんごをパウンド型に敷き、その上から生地を入れて焼きました。しっとりとした生地とジューシーなりんごがよく合い、とってもおいしいですよ。子どものおやつにもおすすめです。

梨のタルトタタン風

秋が旬の梨を使って、梨のタルトタタン風を作ってみましょう!りんごのタルトタタンの作り方と大きく違う点はありませんが、キャラメリゼすることで梨特有の酸味が引き立ち、りんごとはまた違った仕上がりになりますよ。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。

おうちでタルトタタンを楽しもう!

今回は、タルトタタンの特徴や発祥のほか、おすすめレシピをご紹介しました。豪華でとても美しい見た目のタルトタタンですが、実は失敗から生まれたスイーツだったんですね。おうちで簡単に楽しめるレシピもたくさんあるので、ご紹介したものを参考に、ぜひ作ってみてください。

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2025.9.16 最終更新

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