料理やお菓子作りの際に「薄力粉」がなくて困ったことはありませんか?実は、薄力粉は片栗粉やホットケーキミックス、米粉で代用することができるんですよ!そこで今回は、薄力粉の代用になるものやそれぞれの使い方について解説します。代用品で作るクッキーや唐揚げなどのレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
薄力粉は代用できる?代用品の使い方や特徴を解説!レシピもご紹介!

- 目次
- 薄力粉とは?
- そもそも小麦粉とは?
- 小麦粉のたんぱく質量
- 薄力粉、中力粉、強力粉それぞれの特徴
- 小麦粉での代用
- 小麦粉以外の代用
- 今回ご紹介した代用品を使ったレシピ
- 薄力粉の代用品は、料理によって使い分けよう!
薄力粉とは?
料理やお菓子作りによく使う「薄力粉」とは、小麦を挽いて粉状にした「小麦粉」の一種です。
小麦粉には薄力粉のほかに、中力粉や強力粉があり、小麦の種類やそれに含まれるたんぱく質の量によって分類されます。
そもそも小麦粉とは?
小麦粉の原料となる小麦は、表皮(ひょうひ)、胚乳(はいにゅう)、胚芽(はいが)の3つの部分に分かれており、小麦粉は小麦の実の表皮に包まれた白っぽい色をした「胚乳」を粉砕したものを指すのです。
小麦粉のたんぱく質量
小麦粉のたんぱく質量に違いが出るのは、原料となる小麦の特性、特に胚乳部分の性質が異なるためなのです。胚乳部分のかたさとたんぱく質の含有量によって、硬質小麦と中間質小麦、軟質小麦と分けられ、それぞれが強力粉や中力粉、薄力粉の原料となります。
薄力粉、中力粉、強力粉それぞれの特徴
続いては、小麦粉の種類と特徴について解説します。それぞれ向いている料理などが異なるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
薄力粉
多くのご家庭で常備されているのが「薄力粉」ではないでしょうか。
小麦粉の中でもたんぱく質量が少ないのが薄力粉。小麦粉に含まれるたんぱく質は、水を加えて捏ねることで「グルテン」を形成し、生地に粘りや弾力を与えます。薄力粉で作った生地は、たんぱく質が少ないためグルテンの量は少なく、粘りや弾力は弱いのが特徴ですよ。
薄力粉は主にお菓子作りや天ぷらなどの料理に使われることが多くあります。例えば、卵の起泡性やベーキングパウダーの膨張性を利用してふんわりと仕上げたいケーキ作りなどでは、生地の弾力が強すぎると膨らみにくくなってしまいます。そのためこういったお菓子や料理には薄力粉を使います。ほかにも、サクッと軽い食感を出したいクッキーや天ぷらの衣などにも薄力粉が適していますよ。
中力粉
薄力粉と、このあとご説明する強力粉の中間の性質を持つのが「中力粉」です。たんぱく質量、グルテン量もそれらの中間であることから、このように呼ばれています。中力粉はもちもちとした食感と適度な弾力があるため、うどん作りによく使われており、うどん粉と呼ばれることもあるんですよ。
強力粉
強力粉は最もたんぱく質が多く含まれ、グルテンもたくさん形成されるので、粘りや弾力の強い生地ができます。イーストの発酵によって発生する炭酸ガスで生地を膨らませるパン作りでは、そのガス(空気)を閉じ込める強いグルテンが必要となるため強力粉を使います。強力粉から作られたパンは焼き上がるときめ細かい気泡が形成され、それによりもちっとた食感に加えふわっとした食感が楽しめます。
パンのほか、ピザや餃子の皮といった料理にも、強力粉が使われるのが一般的です。
小麦粉での代用
薄力粉と中力粉、強力粉の違いがわかりましたが、薄力粉がないときは、どのように中力粉や強力粉で代用したらよいのでしょうか。以下でチェックしてみましょう。
中力粉
中力粉には、薄力粉よりもたんぱく質が多く含まれており、生地にもちもち感が出るため、ふんわりと膨らませたいケーキ作りにはあまり適しません。また、中力粉でクッキーを作ることはできますが、薄力粉で作ったものよりかたい食感に仕上がります。
一方で小麦粉の使用量が少ないホワイトソースやムニエルなどでは、薄力粉を中力粉で代用してもほとんど影響が出ないようです。
強力粉
強力粉は薄力粉とはたんぱく質量がかなり違うので、代用すると仕上がりに違いが出る、または料理によっては代用できないものもあります。例えば、卵やベーキングパウダーで膨らませるケーキなどでは、膨らみが悪くなりポロポロとくずが出やすくなってしまいます。クッキーの場合はザクザクとかたい食感になり、天ぷらの衣はサクッと軽い食感にはならずにかたい食感に仕上がってしまうことがありますよ。
しかし中力粉も強力粉もコーンスターチや片栗粉などを混ぜてデンプンを補い、たんぱく質量の割合を調節することで、薄力粉で作ったものの仕上がりに近付けることは可能とされています。ただ、食感や風味にはやはり違いが出てしまうので、プレゼントやレシピ通りの完成度を求める場合には不向きといえるでしょう。
小麦粉以外の代用
先ほども少しご説明した通り、薄力粉は小麦粉以外のものでも代用することができますよ。以下で解説するので見てみましょう。
米粉
米粉は、うるち米やもち米を粉状にしたものです。薄力粉との大きな違いは、グルテンが含まれていないこと。また、薄力粉に比べて吸水率が高く、吸油率が低いという特徴もあります。ケーキ作りなどで米粉を代用として使うことは可能で、生地は薄力粉で作ったものに比べてふわふわとしていて、米の風味を感じる仕上がりになります。また、米粉で作ったクッキーは軽い食感に仕上がります。
片栗粉
片栗粉は、じゃがいもに含まれるデンプンが原料となっています。もともと、天ぷらの衣やソースのとろみづけなどに利用されるので、そういった用途では仕上がりに差があるものの代用することは可能です。
しかし、クッキーやケーキといった生地作りには向いていません。クッキーを作ることもできないわけではありませんが、崩れやすく扱いにくい生地なので、型抜きなどは難しくなります。片栗粉で代用したクッキー生地はホロホロと口どけのよい食感になるのが特徴です。
ホットケーキミックス
ホットケーキミックスは、小麦粉に砂糖やベーキングパウダー、油脂、デンプンなどを配合したものです。そのため、ケーキ作りにはぴったりで、少ない材料で簡単に生地を作ることができます。
クッキー作りでは、薄力粉の代用としてホットケーキミックスを使うと、ベーキングパウダーの膨張効果によって成型時よりも膨らんだクッキーができあがります。膨らませたくない、本来ベーキングパウダーを使わないお菓子などには代用しない方がよいかもしれません。
また、ホットケーキミックスには甘みが付加されているので、天ぷらの衣や料理のとろみづけに使うのもおすすめできません。
コーンスターチ
コーンスターチの原料はとうもろこしのデンプン。もともと、とろみづけに使ったり、クッキー生地や天ぷらの衣などを作るときに、サクッと軽い食感に仕上げるために薄力粉の一部をコーンスターチに置き換えて使われることもあります。
しかし、クッキー生地の薄力粉の全量をコーンスターチで代用して作ると、口の中に粉っぽさが残るような仕上がりになるので、おいしく作ることはできません。カスタードクリームやチーズケーキ作りでは、薄力粉をコーンスターチで代用することが可能です。
天ぷら粉
天ぷら粉は、薄力粉にデンプンやベーキングパウダー、卵などが配合されたもの。天ぷらの衣にはもちろんぴったりです。お菓子作りにも使うことができ、クッキーはサクッと軽い食感に、ケーキはふわふわの軽い食感に仕上がります。
今回ご紹介した代用品を使ったレシピ
さてここからは、今回ご紹介した薄力粉の代用品を使ったおすすめレシピをご紹介します。米粉を使ったカリッとした食感の鶏の唐揚げや、片栗粉を使ったサクサククッキーなど、絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
米粉でカリッと 鶏の唐揚げ
米粉を衣にした鶏の唐揚げのご紹介です。薄力粉に比べて、米粉は油の吸収率が少なく、サクッと軽い食感に仕上がります。一度揚げたあとに、高温で二度揚げすることで、お肉がふっくらとやわらかく揚がりますよ。ぜひお試しくださいね。
米粉と豆乳で作るホワイトソース牡蠣グラタン
ホワイトソース作りには小麦粉と牛乳を使うのが一般的ですが、このレシピでは米粉と豆乳で代用しました。濃厚な味わいの牡蠣に、素朴な味わいのホワイトソースと香ばしく焼けたチーズがよく合います。ぜひ作ってみてくださいね。
天ぷら粉で作る 彩りチヂミ
チヂミといえばしっとりモチモチとした食感がありますが、今回は天ぷら粉を使ってサクッと軽めの食感に仕上げました。野菜の歯ごたえと、イカの食感が引き立ち、クセになるおいしさですよ。
米粉のサクサククッキー
サクサクとした食感がたまらない、米粉のクッキーを作ってみましょう。薄力粉で作ったクッキーよりホロホロと口の中で崩れるような食感で、次々と手を伸ばしたくなるおいしさです。少ない材料で簡単にお作りいただけるので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
材料4つ 片栗粉で新食感かぼちゃクッキー
片栗粉で作るクッキーも、サクサク食感でとてもおいしいですよ。かぼちゃを使った明るい色合いとやさしい味わいで、子どものおやつにもぴったりです。さつまいもを使ってもおいしくお作りいただけるので、好みに合わせてアレンジしてみてください。
薄力粉の代用品は、料理によって使い分けよう!
今回は、薄力粉の特徴や代用品について解説し、おすすめレシピをご紹介しました。薄力粉は、ほかの食品で代用することができ、代用品を使うことで、いつもとはまた違ったおいしいさを楽しめるものもありましたね。今回ご紹介したレシピも参考に、薄力粉の代用品を活用した料理もぜひ作ってみてくださいね。
