秋田県の名産品である「ハタハタ」。日本海側では身近な魚ですが、ほかの地域では親しみが少なく、購入をためらう方も多いかもしれません。今回は、ハタハタの特徴をはじめ、名前の由来や産地、ほかの種類であるハタとの違い、おすすめの食べ方などをご紹介します。記事後半でご紹介する、絶品ハタハタレシピは必見ですよ!
「ハタハタ」とは?名前の由来や特徴、おいしい食べ方について解説!

- 目次
- ハタハタとは?
- 産地で旬が異なる?
- ハタハタはクセが少なくておいしい!
- おすすめの調理法は?
- 塩焼き・一夜干し
- 煮つけ
- しょっつる鍋
- 湯上げ
ハタハタとは?
「ハタハタ」とはスズキ目ハタハタ科の海水魚で、秋田の伝統調味料である「しょっつる」の原料としても有名です。漢字では「鰰」と書きますが、これは雷やいかずちを意味する「霹靂神(はたたがみ)」に由来しています。ハタハタの産卵期である11〜12月は雪の前に雷が鳴ることが多く、その時期に沿岸に押し寄せてきた所を獲るからこの名がついた、と言われているんですよ。また、ハタハタとは主に秋田県など北日本の呼び方で、島根県など山陰地方では「シロハタ」や「シラハタ」と呼ばれています。
産地で旬が異なる?
ハタハタはオホーツク海や島根県以北の日本海、北海道の太平洋沿岸などに分布しており、水深100〜500mほどの海底に生息しています。秋田の名産品というイメージが強いですが、実は漁獲量が1番多いのは兵庫県で、2番目は鳥取県、3番目が秋田県になります。
ハタハタの旬は獲れる地域で異なり、秋田県の旬は11月末〜1月、山陰地方は3〜5月になります。秋田県のハタハタは産卵のために沿岸に上がってくるので「ブリコ」と呼ばれる卵を持ったメスが珍重されますが、山陰地方のハタハタは産卵に参加せず、エサ場である深海にいるので脂がしっかりとのっています。卵を楽しむなら東北地方で獲れるもの、身を楽しむなら山陰地方で獲れるものと、お好みで選んでみてくださいね。
ハタハタはクセが少なくておいしい!
ハタハタは体長15〜20cmほどと小ぶりで、魚体にウロコはなく背側に褐色のまだら模様があります。目が上向きで口が受け顎になっていますが、これは日中は砂に潜って目だけを出して休んでおり、夜間に活動を始めて小動物などを捕食するためです。
気になるその味わいですが、ハタハタの身は淡泊な味わいでクセが少なく、ほのかな甘味がありとてもおいしい魚です!身離れがよく加熱しても固くなりにくいので、塩焼きや煮つけ、鍋など幅広い料理に適しています。冬に獲れる子持ちのメスは、魚体のシルエットが変わるほど卵を抱えており、プチプチとした弾力と粘りのある食感を楽しむことができます。ただし、ハタハタはアニサキスなど寄生虫を持っている恐れがあるので、刺身など生で食べる場合は注意が必要です。
おすすめの調理法は?
ハタハタは小ぶりで身離れがよいので、丸ごと加熱調理するのが一般的です。おすすめの調理法をいくつかご紹介しましょう。
塩焼き・一夜干し
ハタハタのおいしさをシンプルに楽しむなら、やはり塩焼き!子持ちのメスは卵ごと焼いて、プチプチとした食感を楽しみましょう。
煮つけ
ハタハタを甘じょっぱく煮つけると、ごはんのおかずにぴったりな味わいになります。身は簡単にほぐすことができるので、食べやすいのもうれしいポイントです。
しょっつる鍋
しょっつるとは、ハタハタで作った魚醤のこと。ハタハタを水、酒、しょっつるなどで煮た「しょっつる鍋」は、あっさりとしていながらもコクのある味わいを楽しむことができます。
湯上げ
ハタハタの湯上げとは山形の郷土料理で、ゆでたハタハタにしょうゆや大根おろしをかけたシンプルな料理のこと。ハタハタのおいしさをダイレクトに楽しめる、さっぱりとした味わいが魅力です。
唐揚げ
ハタハタを唐揚げにすると、カラッと香ばしい風味を楽しむことができます。少し低めの温度でじっくりと揚げると、骨までおいしく食べることができますよ。
フライ
ハタハタはフライにしても絶品!フライにする場合は三枚におろして、ふっくらと上品な味わいを楽しみましょう。
名前が似ている魚「ハタ」との違いは?
ハタハタと名前が似ている魚に「ハタ」がいますが、こちらは別の種類の魚です。
ハタとは「マハタ」のことで、スズキ目ハタ科マハタ属の海水魚のこと。体長50cm〜1mほどになる巨大魚で、天然物・養殖物ともに超高級魚とされています。九州〜北海道まで幅広く分布しており、西日本で水揚げされることが多いですが、漁獲量が少ないのでそのほとんどは高級料亭や寿司屋など飲食店で消費されてしまいます。
ハタは上品な味わいの白身魚で、適度な脂がのっていて格別のおいしさです。刺身はコリコリと弾力があり、熟成がすすむと旨味や甘味がさらに増します。身は加熱するとプリッとした食感になり、旨味が強いので鍋や煮つけにすると絶品です!スーパーなどで見かけることは少ないですが、一度はそのおいしさを味わってみたいみたいですよね。
ハタハタを味わいつくす!おすすめレシピをご紹介
さてここからは、ハタハタのおすすめレシピをご紹介します。ハタハタは淡泊な味わいなので、シンプルな調理でそのおいしさを楽しむのがおすすめですよ。
はたはたの塩焼き
オーブントースターで手軽に作れる、ハタハタの塩焼きです。ハタハタは塩と料理酒をまぶして冷蔵庫で1時間ほど置くと、身が引き締まっておいしさが引き立ちます。ハタハタのおいしさを、シンプルにお楽しみくださいね。
はたはたの唐揚げ
今晩のおかずに、ハタハタの唐揚げはいかがでしょうか。外はカラッと中はふっくらとした味わいは、お酒のおつまみにぴったり!身離れがよいので、丸ごと揚げても食べやすいのがうれしいですよね。
はたはたの煮付け
ハタハタは煮付けにしても絶品!甘じょっぱい味つけが食欲をそそり、白いごはんがどんどんすすんでしまうおいしさです。火の通りが早く簡単に作ることができるので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
しょっつる鍋
秋田の郷土料理である、しょっつる鍋です。ハタハタはいいダシが出るので、シンプルな味つけでも奥深い味わいに仕上げることができます。材料を土鍋に入れて火にかけるだけと簡単に作ることができるので、ぜひお試しくださいね。
海鮮しょっつる鍋
しょっつる鍋に魚介を加えて、少し豪華に仕上げました。ハタハタやエビ、ホタテなど、さまざまな具材の旨味が溶け合う滋味深い味わいはまさに絶品ですよ!
ナンプラーでしょっつる風はたはた鍋
ちょっぴり番外編。しょっつるが手に入らない場合は、ナンプラーで代用することもできます。こちらのレシピは油揚げを加えているので、あっさりとしていながらもコクのある味わいを楽しむことができますよ。ごはんのおかずにはもちろん、お酒のおつまみとしてもおすすめです。
簡単でおいしい!ハタハタ料理を楽しもう!
今回は、ハタハタの特徴をはじめ、名前の由来や産地、おすすめの食べ方やレシピなどをご紹介しました。ハタハタとは秋田県の名産品であり、旨味たっぷりでクセの少ない味わいの白身魚です。塩焼きや鍋などシンプルな調理に適しているので、スーパーなどで見かけたらぜひ手に取って、そのおいしさを堪能してみてくださいね。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。