カンパチについて知ろう！特徴や旬、ブリの違いについて解説！

成長と共に名前の変わる出世魚である「カンパチ」。回転寿司などで人気の高い魚ですが、実はブリやハマチと違いがよくわからない方も多いかもしれません。そこで今回は、カンパチの特徴をはじめ、旬の季節や味わい、ブリとの違いなどをご紹介します。記事後半でご紹介する、バラエティ豊富なカンパチレシピは必見です！

「カンパチ」とは、アジ科ブリ属の魚の一種で、ブリやヒラマサと並ぶ「ブリ御三家」のひとつです。世界中の温帯から熱帯の海に分布しており、日本近海では北海道〜沖縄まで各地で水揚げされます。その多くは沿岸沿いの水深20〜70mを群で回遊しながら、アジやイワシなどの小魚や甲殻類などを捕食して生息しています。

カンパチとブリは見た目がよく似ているので、違いがよく分からない方も多いでしょう。しかし、カンパチは漢字で「勘八」や「間八」と書くように、頭を上から見たときに八の字のような模様があり、体表がやや黄色っぽくて口先が赤色を帯びているのが特徴です。流通しているものの多くは体長80cm前後ですが、大きいものは体長190cm程になる、アジ科の魚の中ではヒラマサに次ぐ大型種です。

また、カンパチは身が白っぽいので白身魚と間違われることも多いですが、実は赤身魚に分類されます。その身は透明感のある白身ですが、血合いが鮮やかな赤色でやや多いのが特徴です。

天然物のカンパチは季節を問わずに水揚げされますが、旬の時期は夏〜秋とされています。ただし、一般に流通するカンパチのほとんどは養殖物なので、1年を通して品質が安定しており、旬を感じることは少ないでしょう。

天然物の主な産地は、鹿児島県、長崎県、福岡県、高知県などですが、水揚げ量が少なく養殖物の1/10程度と言われています。そのため、天然物がスーパーなどに出回ることは少なく、主に寿司屋や料亭などで取引される高級魚とされています。一般に流通するものは養殖物のカンパチか、天然物のショッコやシオゴなど小ぶりのものですが、これも十分なおいしさです。

また、カンパチは刺身や寿司など、生食にされることが多いです。新鮮なものはコリコリと弾力のある食感と、程よい脂ののりと旨味を楽しむことができます。ブリよりクセが少ないので、ブリ御三家の中では比較的食べやすい魚といえるでしょう。しかし、カンパチの身は加熱するとパサつきやすいので、焼き魚や煮魚にする場合はカマの部分を使うのがおすすめです。

身を加熱調理する場合は、唐揚げやフライなど揚げ物にすると、パサつきを防いでふっくらとした食感に仕上げることができますよ。

カンパチやブリは、成長と共に名前が変わる「出世魚」であり、地方によって大きさや呼び方が異なります。関東と関西でその違いを見てみましょう。

ショッコ・シオッコ（10〜35cm）→シオゴ（35〜60cm）→アカハナ（60〜80cm）→カンパチ（80cm〜）

シオ（〜60cm）→カンパチ（60cm〜）

関東と関西を比較すると、関西のほうが名前が少なく、やや小ぶりのサイズもカンパチに含まれることが分かります。また、実はカンパチは出世魚ではないという説もありますが、これは成魚になったときの名前に魚編が付いていないためと言われています。しかし、成長と共に名前が変わることは確かなので、豆知識として覚えておきましょう。

カンパチ、ブリ、ハマチ、ヒラマサは同じスズキ目アジ科の魚なので、見た目や味わいがとてもよく似ています。それぞれを見分けるためのポイントを、以下でご紹介しましょう！

ブリは成長と共に名前が変わる出世魚であり、ハマチはブリの幼魚になります。ブリの体表はカンパチより青みがかった色をしており、顔が直線的な形をしています。身は赤みをおびた肌色で、カンパチより脂ののった濃厚な味わいと、やわらかくねっとりとした食感を楽しむことができますよ。旬である冬には「寒ブリ」と呼ばれ、刺身や寿司はもちろん、照り焼きやブリ大根、ブリしゃぶなど加熱調理しても格別の味わいです。

ヒラマサはブリ御三家の中で1番大きくなりますが、成長しても名前が変わらないので出世魚ではありません。一見ブリと見分けがつきませんが、ヒラマサの方が平べったい形をしており、魚体の中央にある黄色い線がはっきりとしています。身は淡いピンク色で血合いが赤く、カンパチより脂が少なく上品な味わいと、もちもちとした食感を楽しむことができます。旬の時期は夏ですが、漁獲量の少ない高級魚であり、カンパチと同じように刺身や寿司でいただくことが多いです。

カンパチについて詳しく知ると、ついつい食べてみたくなりますよね！ここからは、おすすめのカンパチレシピをご紹介します。ごまカンパチや梅和え、オレンジジュースを使ったカルパッチョなど、普段とはひと味違うおいしさのレシピをピックアップしましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

カンパチを少し甘めのごまだれで和えて、まったりと濃厚な味わいに仕上げました。ごまの風味で特有のクセが和らぎ、カンパチが苦手な方でもおいしく召し上がれますよ！お酒のおつまみに、ぜひお試しください。

カンパチを漬けにすると、ねっとりとした食感に仕上げることができます。しっかりと味が染み込んだカンパチと大葉、ごはんを一緒に頬張れば、ついつい笑顔になってしまうこと間違いありませんよ！

カンパチにゆず胡椒風味のドレッシングをかけて、香味野菜をたっぷりと盛り付けました。ゆず胡椒のピリッとした風味と香味野菜のシャキシャキとした食感がいいアクセントになり、脂ののったカンパチがさっぱりといただけますよ。

簡単に作れておしゃれに見える！カンパチのカルパッチョはいかがでしょうか。レモン風味の爽やかなドレッシングが、カンパチのおいしさをグンと引き立ててくれます。普段のおつまみにはもちろん、特別な日の前菜にもおすすめです。

さっぱりとした味わいが食欲をそそる、カンパチの梅和えを作ってみましょう！カンパチときゅうりを梅干しやめんつゆで和えるだけの簡単レシピです。キュッと酸味の効いた味わいがごはんのおかずにぴったり！カンパチの旬である夏にうれしいひと品です。

カンパチと色とりどりの野菜に、ライム香るピリ辛ドレッシングを合わせました。ピリッとした辛味が食欲をそそる、あとを引くおいしさのひと品です。ぜひお好みの野菜で作ってみてくださいね。

オレンジジュース入りのドレッシングでいただく、カンパチのカルパッチョです。カンパチにオレンジジュースを合わせるとは驚きですが、甘酸っぱい風味が口の中をさっぱりとさせてくれますよ。ワインのおつまみに、ぜひお試しください。

今回は、カンパチの特徴をはじめ、旬の季節や味わい、ブリとの違いやおすすめレシピなどをご紹介しました。カンパチはブリ御三家のひとつであり、程よく脂ののった味わいとコリコリとした食感が特徴です。そのほとんどは養殖物のため、1年を通して品質が安定していますので、刺身を選ぶときはぜひ手に取ってみてくださいね。