「ソイ」ってどんな魚？味や特徴、おいしい食べ方について解説！

「ソイ」という魚をご存じですか？クセがなく、淡白でありながらも旨味たっぷりな、メバルによく似た白身魚で、市場では高級魚として扱われています。今回は、そんなソイの特徴や種類、おいしい食べ方について解説！さらに記事後半では、ソイやメバルを使ったレシピもご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

「ソイ」とは、1種類の魚を指す名称ではなく、クロソイやマゾイ（キツネメバル）、ムラソイなど複数の魚種をまとめた呼び名を指します。いずれもフサカサゴ科メバル属に属し、体色が黒っぽく、棘のある背びれや頭部が特徴です。

ソイは30〜40cm前後の個体が多く、なかでも「クロソイ」は大型で、60cmを超えることもあります。北海道や東北などの寒い地域に多く生息し、淡白でクセのない白身は「北海道の鯛」と称されるほどなのだとか。煮付けや刺身、鍋料理など、幅広い調理法で親しまれている高級魚です。

ソイにはいくつかの種類がありますが、代表的なのは以下の3種です。種類によって大きさや味わい、見た目に違いがあるため、それぞれの特徴を押さえておくとより楽しめますよ。

種類によって見た目や食感に違いはありますが、特にクロソイとマゾイは外見がよく似ているため、見分けるのがむずかしいこともあるようです。

💡ワンポイント豆知識
クロソイとマゾイは見た目が非常によく似ているため、区別がつきにくい魚です。見分ける際のポイントとなるのが、目の近くにある「涙骨（るいこつ）」という部位。 クロソイには、この涙骨に3本の鋭い棘が生えていますが、マゾイには棘がないんですよ。

ソイとメバルは、どちらもフサカサゴ科メバル属に分類される魚で、体の形や背びれに棘がある点など、見た目がよく似ています。そのため、釣りや魚売り場で見かけた際に「どっちだろう？」と迷うこともあるかもしれません。

違いのポイントとしてまず挙げられるのが目の形です。

メバルは漢字で「目張（めばる）」と書くように、丸く大きく張り出した目を持っているのが特徴です。ソイも目は大きいですが、メバルほど丸く張り出していません。

また、体の大きさも違いのひとつです。メバルは25cm前後とやや小ぶりなのに対し、ソイ、特にクロソイは60cmを超える大きさになることもあるんですよ。

ソイは定置網漁などで他の魚と一緒に水揚げされる魚で、単独での漁はあまりありません。そのため、一年を通して市場に出回る魚ですが、とくに漁獲量が増えるのは「11月〜2月」と「初夏」の時期です。

中でも脂がのって味がよくなるのは秋から冬にかけての時期で、身がふっくらとして旨味も増します。このため、ソイの旬は寒くなってくる11月〜2月ごろといえるでしょう。

クセがなく上品な白身のソイは、さまざまな料理に使いやすいのが魅力です。ここからは、代表的な食べ方をいくつかご紹介します。

鮮度のよいソイならお刺身で食べるのがおすすめです。

旬の脂がのったソイなら、上品で淡白な白身の旨味と甘みが味わえます。

しょうゆとみりんで甘辛く味つけした煮付けや、アクアパッツアなどの煮込み料理にも向いています。

ふっくらとした身のおいしさと甘みが引き出されますよ。

ソイは唐揚げにするのもおすすめです。香ばしくパリッと揚げた皮とふっくらとした身がとてもおいしいですよ。

姿揚げにすると見栄えもよく仕上がります。低温でじっくり中まで火を通したら、そのあと高温で二度揚げすればヒレ骨も食べられるようになりますよ。

ソイのおいしさをシンプルに味わうなら、やはり塩焼きがおすすめです。甘みと旨味のある上品な味わいが楽しめますよ。

ソイはクセのない淡白な味わいなので、さまざまな料理で楽しむことができます。ぜひ上記でご紹介した調理法で召し上がってみてくださいね。

ここからは、クロソイやメバルを使ったレシピをご紹介します。定番の煮付けをはじめ、中華蒸しやアクアパッツアなど、和洋中のレシピをピックアップしました。ぜひ気になるレシピをお試しくださいね。

甘辛味でごはんがすすむ、黒ソイの煮付けをご紹介します。手が込んでいるように見えますが、しょうゆとみりんをベースにした煮汁でコトコト煮込むだけなのでとっても簡単！生姜の爽やかな風味も味のポイントになり、最後まで食べ飽きません。

ごま油が香る、黒ソイの中華蒸しはいかがでしょうか。酒蒸ししたクロソイは身がふっくらとして、旨味と甘みが引き出されてとてもおいしいですよ。ごま油の香ばしい香りと酸味を効かせたタレが、淡白な味わいのクロソイとよく合います。

イタリアの郷土料理アクアパッツアをクロソイで作りました。オリーブオイルで風味よく焼いたクロソイにアサリとマッシュルームの旨味、さらにトマトの酸味も加わり、奥深い味わいに仕上がります。おもてなしにもぴったりなので、ぜひ作ってみてくださいね。

こちらはクロソイによく似たメバルの煮付けです。しょうゆを使ったシンプルな味つけで素材のおいしさが引き立ち、ふっくらやわらかく仕上がります。ごはんにもお酒にもよく合うので、今日のおかずにいかがでしょうか。

こちらの煮付けは味つけにめんつゆを使ったお手軽なレシピです。めんつゆにみりんを合わせ、淡白で旨味たっぷりのメバルによく合う甘めの味わいに仕上げました。ぱぱっと簡単に味が決まるのでぜひお試しくださいね。

メバルを一匹丸ごと揚げた、豪快な唐揚げを作ってみませんか？皮はカリッと香ばしく、身はやわらかく甘みがあり、メバルのおいしさを堪能できる一品です。お酒のお供にぴったりなので、ぜひ作ってみてくださいね。

旨味たっぷり、メバルの白みそ煮をご紹介します。淡白でやわらかな身のメバルに上品な白みその風味がよく合い、あと引くおいしさ！定番とはひと味違った煮付けを食べたいときにおすすめですよ。

ソイはメバルによく似た見た目と味わいで、淡白で旨味のあるおいしい魚です。クセのない味わいなので、煮付けや蒸し物、唐揚げなど、どんな料理にも使えますよ。ぜひ店頭で見かけたら手に取っていただき、気になるレシピで味わってみてくださいね。