アフタヌーンティーとは？時間や食べ方、マナーまで「ヌン活」を徹底解説！

午後にスイーツを紅茶と一緒に楽しむイギリスで生まれた習慣「アフタヌーンティー」。最近は「ヌン活」という言葉ができるほど日本でも人気があります。この記事では時間帯や正しい食べ方、マナーなど、アフタヌーンティーの基本を解説！記事後半ではおうちアフタヌーンティーにおすすめのレシピもご紹介します。ぜひご覧ください。

「アフタヌーンティー」とは、1800年代中ごろに、イギリスの貴族たちの間で始まった習慣が起源となったもので、紅茶を飲みながら、サンドイッチやスコーン、ケーキなどの軽食を楽しむことを指します。

日本でも近年、このアフタヌーンティーが人気を集めています。おしゃれなカフェやホテルでアフタヌーンティーを楽しむことで、女子会やSNS映えを目的とした若い世代にも人気が広がっているんですよ。

💡ワンポイント豆知識
日本のホテルなどでは、とくにいちごがおいしい冬から春にかけてのアフタヌーンティーと、芋栗カボチャやハロウィンで盛り上がる秋のアフタヌーンティーが人気です。ただ、一年中その季節に合わせたラインナップで工夫をこらしたアフタヌーンティーが食べられるので、季節ごとにぜひチェックしてみてくださいね。

近年では、この伝統的な文化を楽しむ「ヌン活（ヌンかつ）」「ヌン茶（ヌンちゃ）」が話題になっていますよね。ヌン茶とは紅茶やスイーツを味わいながらおしゃべりを楽しむことで、ヌン活はその体験をSNSに投稿する活動のことを言います。

写真映えする華やかなティースタンドと、ホテルやカフェで手軽に味わえる非日常感、ディナーよりリーズナブルで、ちょっとしたおしゃれを楽しみながら優雅な時間を過ごせるのが人気の理由のようです。「ヌン活」「ヌン茶」のような言い回しで、アフタヌーンティーがより親しみやすい文化となっています。

アフタヌーンティーといえば、三段のティースタンドが定番スタイル。下段から順に「セイボリー（サンドイッチなどの軽食）」「スコーン」「ペストリー（ケーキやスイーツ）」が並び、紅茶と一緒にゆったりと楽しむのが基本です。

セイボリーは、塩気のある軽食や前菜のようなものを指します。なかでもサンドイッチはアフタヌーンティーには欠かせない軽食です。

もともとはパンにきゅうりだけを挟んだシンプルなものでしたが、最近はホテルやお店によって、季節の食材を使ったものやローストビーフをはさんだものなど、さまざまなな種類のサンドイッチが提供されています。

スコーンはプレーンのものとフルーツが入ったものの2種類が提供されることが多いようです。ただこちらも季節によってはフルーツだけでなく、旬の食材が練り込まれたスコーンも存在します。

そのまま食べてもおいしいですが、ジャムやクロテッドクリームも一緒に提供されるので、それぞれつけて食べるのもおすすめです。

ペストリーはティータイムの締めくくりにぴったりの甘いデザートのことを指します。スイーツには、フルーツタルトやパウンドケーキなど、上品な甘さのケーキが提供される傾向にあります。

さっぱりとした味わいのジュレやムース、一口サイズのチョコレート菓子、マカロンなどもよく見られます。

紅茶の種類に特に決まりはありませんが、いくつかの種類の中から選ぶことになるので、事前に紅茶の種類や特徴についてもよく知っておくと、よりティータイムを楽しめますよ。

こちらもホテルやお店によりますが、紅茶以外にもコーヒーやジュースを選べることもあります。

ケーキスタンドと紅茶のほかに、「アミューズ」というおまけの料理が出ることもあります。アミューズの内容はお店によって異なりますが、サラダやスープ、ピクルスなどが出るのが一般的です。

夏はヴィシソワーズや枝豆の冷製スープ、冬はあたたかいポタージュなど、季節に合わせたものが提供されます。

貴族の社交の場として発展した背景のあるアフタヌーンティーには、気をつけなければならないマナーがいくつかあります。ここでは、アフタヌーンティーのマナーについてご説明します。

アフタヌーンティーでは、食べる順番が決まっています。ケーキスタンドにのっている食べ物は下から順に食べるのが基本です。アミューズがある場合は、

①アミューズ
②サンドイッチ
③スコーン
④スイーツ

という順番です。

一つのお皿に複数の料理がのっている場合は、色や味が薄いものから食べるのがよいとされています。

続いて食べ方ですが、ナイフとフォークを使うか、手で食べるかは、料理によって異なります。一口サイズになっている料理は、手でつかんでそのまま食べることができますが、少し大きいものはナイフとフォークを使って切り分けます。

一口で食べられない大きさのものにかぶりつくのはマナー違反になってしまうので、注意してくださいね。

💡ワンポイント豆知識
一口で食べられないものはナイフとフォークを使いますが、スコーンはナイフで切るのではなく、手で割るのが正しい食べ方です。少しややこしいですが、スコーンは手で食べてくださいね。

アフタヌーンティーのナプキンの使い方は、通常の食事のマナーと同じです。料理が出てくる前に膝にかけ、食事後は畳まずにテーブルの上にふわっと置いて帰ります。

畳んでしまうと「おいしくなかった」「楽しくなかった」という意味になってしまうのだとか。きれいに畳みたくなってしまいますが、そのまま置くようにしましょう。

アフタヌーンティーには、ドレスコードが設けられている場合があります。一般的には「スマートカジュアル」とされることが多く、フォーマルほどではありませんが、カジュアル過ぎない上品な服装を選ぶといいですよ。

女性の場合はワンピースやブラウス、パンプスなど、男性の場合はシャツとジャケット、革靴など。Tシャツやデニム、サンダル、ミニスカートなど、ラフな服装はNGの場所もあります。

💡ワンポイント豆知識
ホテルアフタヌーンティーでもそこまで厳しいドレスコードが設けられているところはそこまで多くありませんが、ビーチサンダルがNGであるところは多いです。夏場はサンダルを履いて出かけることも多いですが、カジュアルすぎるものは控えておくのがよいでしょう。

アフタヌーンティーのマナーなどについて見てきましたが、そもそもなぜイギリスではアフタヌーンティーが習慣となったのでしょうか。

当時、貴族の1日の食事はイングリッシュ・ブレックファーストと呼ばれる朝食と夕食の2回だけでした。そのため、空腹を解消するために夕方4時ごろに軽食を食べるようになったそうです。

最初は一人の貴婦人が始めた習慣でしたが、そのうち友人たちも参加したことで流行し、そのお茶会が正式な貴族の社交の場として発展していきました。

アフタヌーンティーと似た習慣に「ハイティー」があります。アフタヌーンティーが間食中心の優雅なティータイムであるのに対し、ハイティーは食事に近い内容で、主に労働階級の人々の間で広まりました。

夕方まで働いていたため、仕事終わりの午後6時ごろに紅茶と一緒に肉料理などを楽しむスタイルが定着したとされています。

💡ワンポイント豆知識
「ハイティー」という名前の由来には諸説あり、「カロリーが高い食事だったから」「高めのダイニングテーブルを使っていたから」「ハイバックチェアーを使用していたから」などが挙げられます。

ここからは、おうちで楽しむアフタヌーンティーのメニューにおすすめのレシピをご紹介します。紅茶のお供にぴったりのプレーンスコーンや華やかなフルーツタルトなど、絶品レシピをピックアップしました。ぜひ参考にして「おうちアフタヌーンティー」を楽しんでくださいね。

間違いない組み合わせ！ハムときゅうりのサンドイッチのご紹介です。ハムの旨味ときゅうりのシャキシャキとした食感が食パンによく合います。シンプルな味わいで、アフタヌーンティーの最初の一品にぴったりですよ。

紅茶のお供にぴったりのプレーンスコーンを作ってみましょう。やさしい甘さなので、ジャムなどをつけて食べるのもおすすめです。粉類とバターを混ぜてそぼろ状にする工程は少し大変ですが、高さのあるふんわりとしたスコーンは絶品ですよ。ぜひ挑戦してみてくださいね。

アールグレイの茶葉を使った、「サクサクアールグレイスコーン」はいかがでしょうか。外側のサクサクとした食感と中のしっとりとした食感がとってもおいしいですよ。焼きあがりを待つ間にオーブンからアールグレイの香りが部屋中に広がり、最高のティータイムを演出してくれること間違いなしです！

瓶に入れて振るだけ！「生クリームで簡単濃厚クロテッドクリーム風」を作ってみましょう。クリーミーな味わいが、スコーンやいちごジャムと相性抜群ですよ。脂肪分が高い生クリームで作るとより短時間でお作りいただけます。

お花みたいでとってもかわいい、ポテトと生ハムのミニタルトカナッペをご紹介します。生ハムや明太子の塩気がアクセントとなり、とってもおいしいですよ。市販のタルト台を使った簡単レシピなので、ぜひ作ってみてくださいね。

こちらも市販のタルト台を使った一品です。酸味のあるレアチーズのフィリングと、甘いぶどうを合わせました。お好みのぶどうを使ってお作りいただけますよ。取り分けしやすいので、パーティーメニューにぴったりです。

とっても華やか！「お菓子屋さんみたいなフルーツタルト」を作ってみましょう。タルト生地にアーモンドクリームとカスタードクリームを重ね、色とりどりのフルーツをトッピングしました。工程が多く手間はかかりますが、難しい作業はないのでお菓子作り初心者の方でもぜひ挑戦してみてくださいね。

しゅわしゅわ食感が楽しい、炭酸ゼリーのご紹介です。サイダーを使ったゼリーに、ミックスベリーといちごを加えました。ほんのりピンク色のキラキラしたゼリーがとってもおしゃれで喜ばれること間違いなし！ぜひお試しくださいね。

カフェの一杯のような味わいの、ホッとレモンティーを作ってみましょう。ポットとカップにお湯を注いで温めておくことが、今回のポイントですよ。芳醇な紅茶の風味を味わってみてくださいね。

華やかな香りの「ドライフルーツでホットティー」はいかがでしょうか。ドライフルーツ入りの紅茶にラム酒を加えました。やわらかくなったドライフルーツを食べながら、紅茶を楽しむことができますよ。ぜひ作ってみてくださいね。

今回は、アフタヌーンティーの特徴やマナーを、おすすめレシピとともに解説しました。注意点などもいくつかありましたが、何より大事なことは食事を楽しむことです。おうちならドレスコードなどもないので、今回ご紹介したレシピを参考に、気軽にアフタヌーンティーを楽しんでみてくださいね。

クラシルでは、アフタヌーンティーのメニューにおすすめのレシピをほかにもご紹介しています。そちらも、ぜひ参考にしてみてください。