カクテル作りに欠かせない「リキュール」。リキュールとは、蒸留酒に香味をつけ、甘味料などを加えて作ったお酒のことです。この記事では、リキュールとはどんなお酒なのか、どんな種類があるかについて詳しく解説します。記事の後半では、リキュールを使ったデザートのレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
リキュールとは?種類の違いやデザートレシピをご紹介!
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- 目次
- リキュールとは?
- リキュールの歴史
- お酒の分類
- 醸造酒
- 蒸留酒
- 混成酒
- リキュールの種類
- 果実系
リキュールとは?
「リキュール」とは、蒸留酒に果物や香草、薬草、ナッツなどを加えて香味づけし、甘味料などを加えて作ったお酒のことです。そのまま飲む場合もありますが、いろいろな飲み物と混ぜ合わせてカクテルを作って楽しむことが多いですよね。
リキュールの定義は国によって異なるのですが、日本では酒税法によって、「酒類と糖類、その他の物品を原料とした酒類で、糖類などの甘味料などは2%以上含まれるもの」とされています。ただし、清酒、合成清酒、焼酎、みりん、ビール、果実酒類、ウイスキー類、および発泡酒は除きます。
リキュールという名前は、ラテン語で「溶かし込む」という意味がある「Liquefacere(リケファケレ)」が語源になったとか、「液体」という意味がある「Liquor(リクォル)」がフランス風になまってできたなどといわれています。
リキュールの歴史
リキュールが初めて作られたのは古代ギリシャ時代。医者として有名だったヒポクラテスが薬草をワインに溶かし込んで水薬を作ったのが始まりだとされています。現在のようなリキュールができたのは13世紀以降のこと。医者であり錬金術師でもあったスペインのアルノード・ヴィルヌーブらが、蒸留酒にレモンやローズ、オレンジの花、スパイスなどの成分を加えて作ったのが最初なのだとか。この頃のリキュールも薬酒として飲まれていました。
薬用のお酒から、嗜好品としてのお酒になったのは16世紀以降。イタリアのフィレンツェの名家メディチ家からカトリーヌ・メディチがフランスのアンリ2世のもとへ嫁ぐ際に、リキュールをパリに紹介したことが、リキュール作りが盛んになるきっかけとなったそうです。この頃、大航海時代に突入した影響もあり、それまでヨーロッパになかったアジアや新大陸のスパイスなどを活用し、数多くの種類のリキュールが作られるようになりました。
これらのリキュールが日本に伝わってきた時期については諸説ありますが、1953年の黒船来航のときにペリー提督が徳川将軍家への献上物として持ち込んだというのが文献の中では最も古い記録のようです。
お酒の分類
日本では、酒税法によって「お酒とはアルコール分が1度以上の飲料」と定められています。お酒の中にもたくさんの種類がありますが、大きく分けると「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3つに分類することができます。以下でそれぞれについて詳しく解説するので、チェックしてみましょう。
醸造酒
醸造酒とは、穀物や果物に含まれているでんぷんや糖を酵母菌によって発酵させて作るお酒です。例えば、ぶどうを原料とするワインや麦芽を原料とするビール、米を原料とする日本酒などがあります。
蒸留酒
醸造酒を加熱して蒸留したものが、蒸留酒です。醸造酒を蒸発させて、その蒸気を冷却してアルコール分などを液体にして集めるので、醸造酒より蒸留酒の方がアルコール濃度が高くなります。スピリッツとも呼ばれていて、ジンとウォッカ、ラム、テキーラが四大スピリッツとも呼ばれる代表的な蒸留酒です。
混成酒
混成酒は、醸造酒や蒸留酒に果物や糖類などの副原料を加えたもので、リキュールも混成酒のひとつです。ほかにも、梅酒やみりんなどが混成酒に分類できます。
リキュールの種類
リキュールは、どんな香味成分で風味づけするかによって、大きく4つに分類できます。ここでは、リキュールの種類についてご説明するので、見てみましょう。
果実系
カシスを使ったクレーム・ド・カシス、オレンジの果皮を使ったコアントロー、ほかにもライチやパッションフルーツを使ったリキュールなど、果実で香味づけしたリキュールは甘みがあり飲みやすいものが多いのが特徴。種類も多く、色味もバリエーション豊かです。
※『コアントロー』は「コワントロー」の登録商標又は商標です。
香草・薬草系
ミントなどのハーブやスパイスなどで香味づけしたリキュール。紅茶や緑茶を使ったものもあります。薬酒として飲まれていた頃のリキュールに近いタイプで、ほろ苦さを感じるものも。ハーブとビターオレンジを使ったカンパリ、56種類のハーブやスパイスを使ったリキュールなどもあります。
※『カンパリ』は「ダビデ カンパリ-ミラノ ソシエタ ペル アチオニ」の登録商標又は商標です。
種子系
ナッツやコーヒー、カカオなどを香味成分としたリキュールです。コーヒーを使ったカルーアのほか、ココナッツやあんずの種を使ったリキュールなど、コクや甘みが強く、濃厚な味わいを楽しめます。
※『カルーア』は「ザ・アブソリュート・カンパニー・アクティボラーグ」の登録商標又は商標です。
それ以外
上の3つのどれにも該当しないリキュールもあります。ヨーグルトを使ったヨーグリート、クリームや卵黄を使ったリキュールなど。
※『ヨーグリート』は「サントリーホールディングス株式会社」の登録商標又は商標です。
リキュールを使ったデザートのおすすめレシピをご紹介!
リキュールの楽しみ方は、飲むだけじゃないんですよ!ここからは、リキュールを使って作るデザートのおすすめレシピをご紹介します。さわやかな味わいのチョコミントのパウンドケーキや、コーヒーリキュールを使ったアフォガートパフェなど、絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
いちごのフレジェ
フランス風のショートケーキ、いちごのフレジェのご紹介です。ビスキュイ生地にストロベリーリキュールを使ったシロップを塗り、いちごやバタークリームを敷き詰めました。天面のピンクのコートゼリーがとっても美しく華やかな見た目なので、おもてなしスイーツにぴったりです。ぜひ挑戦してみてくださいね。
真っ白なチョコケーキ ザルツブルガー・トルテ
真っ白でちょっと豪華なケーキ、ザルツブルガー・トルテを作ってみましょう。ホワイトチョコレートを使った甘いケーキに、グランマニエの香りがアクセントとなってとってもおいしいですよ。生クリームを加熱するときは、沸騰する前に火を止めることが上手に泡立てるポイントです。
チョコミントのパウンドケーキ
さわやかな味わいの、チョコミントのパウンドケーキはいかがでしょうか。卵黄を使った黄色い生地に青色の食紅を加えると鮮やかな緑色になる様子が、化学の実験のようでとっても楽しいですよ。焼きあがったケーキも、思わず写真に撮りたくなるような美しさ!ぜひお試しくださいね。
くせになる味チョコミントボンボンショコラ
チョコミント好きさんにおすすめ!チョコミントボンボンショコラをご紹介します。ミントリキュールで香りづけしたホワイトチョコレートに、ビターチョコレートを加えました。ほろ苦さとさわやかな香りが相性抜群で、クセになりそうな大人の味わいですよ。
さくらのミニチョコタルト
桜の塩漬けの塩気がアクセント!さくらのミニチョコタルトはいかがでしょうか。ホワイトチョコレートの甘さと桜リキュールの香りがよく合い、ほっこりとする味わいです。白とピンクの淡い色合いがとてもかわいらしく、おもてなしスイーツにもおすすめですよ。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。 様子を確認しながら加熱時間を調整してください。必要に応じて食材に完全に火が通るまで加熱してください。
大人のアフォガートパフェ
市販のお菓子やアイスを使って、大人のアフォガートパフェを作ってみましょう。グラスにアイスやホイップクリーム、フルーツなど、お好みの材料を盛りつけ、コーヒーリキュールをかけるだけなのでとっても簡単です。デザートにいかがでしょうか。
コーヒーリキュールのフレンチトースト
いつもとひと味違う、コーヒーリキュールのフレンチトーストのご紹介です。卵液にコーヒーリキュールを加え、大人な味わいに仕上げました。お好みのトッピングを添えて、ぜひお召し上がりくださいね。
※ご高齢の方や、2才以下の乳幼児、妊娠中の女性、免疫機能が低下している方は卵の生食を避け、仕上がりが半熟状態になる場合はしっかりと加熱してお召し上がりください。
いろいろなリキュールを味わってみよう!
今回は、リキュールの特徴や種類に加え、リキュールを使ったデザートのレシピをご紹介しました。リキュールにはたくさんの種類がありますが、カクテルやデザートなど、楽しみ方もいろいろです。ぜひいろいろなリキュールを味わって、お気に入りの一品を見つけてみてくださいね。
クラシルでは、リキュールを使ったレシピをほかにもご紹介しています。そちらも、ぜひ参考にしてみてください。
※紹介しているレシピはリキュールを使用しております。アルコールが含まれますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、授乳中の方はご注意ください。また、運転時、スポーツ時、入浴時はアルコールの摂取をお控えください。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。