七草粥に入れる七草のひとつとしても知られている「せり」。日本全国の山野に自生する、爽やかな香りとシャキシャキとした食感が魅力の山菜です。今回はそんな「せり」の特徴や旬、保存方法について解説します。記事の後半では鍋や和え物など、せりを使ったおいしいレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
春の七草の一つ「せり」とはどんな野菜?特徴や旬、おいしい食べ方と保存まで解説
- 目次
- 「せり」とは?
- せりの旬・主な産地・種類
- せりはどんな味?
- せりはどうやって食べる?
- せりの下ごしらえの仕方をチェック
- せりの保存方法は?
- せりを使ったおいしいレシピをご紹介
- さまざまなレシピでせりをおいしくいただこう!
「せり」とは?
せりとは日本全国の山野や湿地などに自生するセリ科セリ属の多年草のこと。爽やかな香りとシャキシャキとした食感が特徴で、春の七草のひとつとしても知られています。
七草粥のイメージが強いかもしれませんが、鍋物や和え物などさまざまな料理に使われる、日本になじみ深い野菜です。
まずは、せりの基本情報をまとめて見てみましょう。
| 内容 | |
|---|---|
| 別名 | 根白草(ネジログサ)、白根草(シロネグサ) |
| 英名 | Japanese parsley |
| 分類 | セリ科セリ属の多年草 |
| 原産 | 日本 |
| 旬 | 冬〜早春 |
| 特徴 | 爽やかな香りとシャキシャキした食感。根まで食べられる |
| 代表的な料理 | 七草粥、せり鍋、きりたんぽ鍋 など |
せりは地下茎を横に伸ばしながら群生し、一か所から競り合うように生えることが名前の由来といわれています。白いひげ根が特徴で、葉だけでなく茎や根まで食べられるのも魅力のひとつです。
現在はお店で一年中手にとることもできますが、香りが豊かになるのは寒い時期。冬から早春にかけてのせりは、特に風味を楽しみやすいといわれています。
せりの旬・主な産地・種類
せりはスーパーで通年見かけることもありますが、本来の旬や産地、種類については意外と知られていません。ここでは、せりがもっともおいしくなる時期や主な生産地、店頭で見かけるせりの種類について解説します。
せりの旬はいつ?
せりの旬は冬から早春にかけてといわれています。寒さが厳しくなるほど香りが引き立ち、茎や根の歯ごたえもよくなります。七草粥に使われることから、1月頃をイメージする方も多いかもしれませんが、地域によっては春先までおいしく楽しめます。
現在は露地栽培に加えてハウス栽培も行われているため、比較的長い期間店頭に並びますが、香りを楽しみたい場合は旬の時期を意識して選ぶのがおすすめです。
主な産地と栽培の特徴
せりの主な産地は宮城県や茨城県です。水田を利用した栽培が行われることも多く、清らかな水で育つのが特徴のひとつ。
野生のせりは湿地や小川のそばなどに自生しますが、現在流通しているものの多くは栽培されたものです。露地栽培が中心ですが、ハウス栽培も行われており、安定して出荷されていますよ。
家庭でもプランターなどで育てることができるため、山菜の中では比較的なじみやすい存在といえるでしょう。
根付きせりと葉せりの違い
販売されているせりには、大きく分けて「根付きせり」と「葉せり」があります。根付きせりは白い根がついた状態で販売されるタイプです。根まで食べられ、特に鍋料理では根の風味と歯ごたえを楽しめます。
葉せりは、根が取り除かれ、茎と葉のみのタイプです。扱いやすく、和え物や炒め物など幅広い料理に使いやすいのがポイント。
料理によって使い分けることで、せりのおいしさをより引き出すことができますよ。
せりはどんな味?
せりの魅力は、なんといっても爽やかな香りとシャキシャキとした食感です。ひと口食べると、青々とした清涼感のある風味が広がり、料理全体をさっぱりと引き締めてくれます。苦味は強すぎず、ほんのりとしたほろ苦さがアクセントになる程度。春らしいさわやかな味わいを楽しめるのが特徴です。
葉・茎・根のすべてを食べられますが、部位によって風味や食感が少しずつ異なるので、表で確認してみましょう。
| 食べられる部位 | 特徴 | 使い方 |
|---|---|---|
| 葉 | 独特の香りを楽しめる | 生で使用 |
| 茎 | シャキシャキとした食感 | 煮物や炒め物 |
| 根 | 歯ごたえがあり、風味が強い | 煮物や鍋物 |
同じせりでも、部位ごとに使い分けることで、味わいや香りが変わります。料理に合わせて葉・茎・根を選ぶと、せりのおいしさをより楽しめますよ。
せりと三つ葉の違い
せりは三つ葉と見た目がよく似ているため、違いがわかりにくいと感じる方も多いかもしれません。どちらも爽やかな香りを持つ野菜ですが、葉の形や風味の強さ、食べられる部位などに違いがあります。
| せり | 三つ葉 | |
|---|---|---|
| 葉の形 | 5枚前後に分かれることが多い |
3枚の葉を持つ |
| 香り | やや強く、野趣のある清々しい風味 |
比較的やさしく、上品な香り |
| 食べられる部位 | 葉・茎・根まで食べられる |
主に葉と茎を食べる |
| 風味 | 爽やかなほろ苦さで味に存在感が出る |
ほのかな苦みと旨みで口当たりがやさしい |
| 代表的な料理 | せり鍋、七草粥、和え物など |
お吸い物、茶碗蒸し、和え物など |
三つ葉は料理の彩りや香りづけとして使われることが多いのに対し、せりは根まで食べられ、鍋料理などで主役になることもあります。香りの強さや食感の違いから、せりのほうがより野性味のある印象を受ける方もいるでしょう。
見た目が似ていても、料理への使い方や楽しみ方は少し異なります。用途に合わせて使い分けることで、それぞれのよさを活かせますよ。
せりはどうやって食べる?
無駄なく食べられるせりですが、どのような食べ方があるのでしょうか。ここでは、せりの食べ方を二通りご紹介します。せりをメインとする料理と脇役としてせりの風味を楽しむ料理、それぞれチェックしてみましょう!
せりをたっぷり楽しむ料理
- せり鍋(宮城県の郷土料理)
- きりたんぽ鍋(秋田県の郷土料理)
せりをメインで楽しむ料理には、おひたしやせり鍋、きりたんぽ鍋などがあります。なかでもせり鍋は、せりの生産量全国トップクラス宮城県の郷土料理。出汁を煮立てたところに、せりを10~20秒ほどくぐらせて、せりのシャキシャキの食感と風味を楽しめます。きりたんぽ鍋は秋田県の郷土料理ですが、こちらにもたっぷりのせりが欠かせません。
風味を楽しむせり料理
- 和え物
- かき揚げ
せりの風味を楽しむ料理には、和え物やかき揚げなどがあります。ほかの野菜を爽やかな風味のせりと一緒に和えれば、いつもの和え物もひと味違う一品に。かき揚げに使えば、せりの風味がアクセントにもなりますよ!このように、せりの風味を活かす食べ方もおすすめです。
せりの下ごしらえの仕方をチェック
せりは根の部分も食用できるため、根を料理に使う場合は泥などの汚れをしっかり落とす必要があります。また、アクもあるためおひたしなどにする場合はそのまま調理せず、下ごしらえをきちんと行いましょう。以下でその方法をご紹介するので、参考にしてくださいね。
せりの根を洗う
まずは、根をしっかり洗って泥や汚れを取り除きます。手順は以下の通りです。
①ボウルに水を張り、根と根の間の汚れを掻き出してきれいに洗います。
②せりの根の中にあるモシャモシャした細かいものも取り除きます。
③きれいな水でしっかりすすぎます。
⭐️クラシルシェフのポイント⭐️
せり全体がきれいに洗えたら、アク抜きをしたり料理に使いやすくするために、根、茎、葉に分けておくのがおすすめです。ちなみに、市販のもので根の部分にスポンジがついているものがありますが、その場合は根を食べることができません。スポンジと根は切り落として、茎と葉だけいただきましょう。
アクを抜く
おひたしなどに使用する場合は、ゆでてアク抜きしたものを使用します。手順は以下の通りです。
①おひたしなどに使う場合、サッとゆでてアクを抜きます。
②ゆで過ぎないように注意し、すぐ冷水にさらします。
③天然のせりはアクが強いので、冷水でしばらくさらしてさらにアクを抜きます。
④しっかり水気を切って完成。
⭐️クラシルシェフのポイント⭐️
ポイントは、ゆですぎないこと!また、サッとゆでてすぐ冷やせるよう、冷水も準備しておくのが上手にアク抜きするコツです。
せりの保存方法は?
続いては、せりの上手な保存方法をご紹介します。せりを保存する上で大切なのは、「乾燥させないこと」。冷蔵・冷凍別に解説していきます。
冷蔵保存(野菜室)
せりを湿らせたキッチンペーパーや新聞紙にくるんで、ポリ袋に入れてから、根っこが下になるように立てて冷蔵庫の野菜室に入れておきましょう。せりの特徴とも言える爽やかな香りは、日が経つにつれて薄れていってしまうので、このように保存した場合でもできるだけ早めに食べることをおすすめします。
冷凍保存
下処理したせりは冷凍して保存することもできます。冷凍して水分が抜けると繊維質を感じやすくなるため、1cm程度の長さにカットしてから一度に使用する分ずつラップに包み、空気を抜いて冷凍用保存袋に入れて保存しましょう。
せりを使ったおいしいレシピをご紹介
下処理や保存方法について知ったところで、ここからは、せりを使った絶品レシピをご紹介します。古くから日本で食べられてきたせりは、さまざまな料理に活用することができる食材。和風だけでなく、洋風のメニューにも合うので、ぜひ試してみてくださいね!
あったか 鶏肉でせり鍋
せりの香りと鶏肉のコクが相性抜群の、冬にぴったりのせり鍋です。根付きせりをたっぷり使い、土鍋でじっくり煮込むだけで香り豊かに仕上がります。家族団らんや寒い日の夜ごはんにおすすめの、満足度の高い一品です。
あっさり塩レモン風味で 豚肉のせり鍋
続いてもせりを使った鍋のレシピですが、こちらは塩レモン風味に仕上げました。豚バラ肉の濃厚な旨味に、爽やかなせりとレモンの風味が驚くほどよく合います。さっぱりと食べやすい、お箸が止まらなくなる一品です。
きりたんぽ鍋
秋田の郷土料理「きりたんぽ鍋」にも香り高いせりが欠かせません。鶏肉や長ねぎ、ごぼうなど素材の旨味が溶け込んだコク深い味わいのスープに、せりの風味がよく合います。きりたんぽにも絶品スープが染み込んでたまらないおいしさですよ!
せりとしいたけの炊き込みご飯
せりを使った炊き込みごはんはいかがでしょうか。せりのほか、しいたけや油揚げを具材にして炊き込みました。白だしベースの上品な味つけが食材の旨味を引き立てます。一口食べれば、口いっぱいに食材の旨味とせりの香りが広がりますよ!
イカとせりの酢コチュジャン和え
せりは、和食だけでなく韓国風の味つけにもよく合うんです!こちらのレシピでは、イカとともに酸味を効かせたコチュジャンダレで和えました。せりのシャキシャキとした食感がアクセントになり、最後まで飽きることなく、おいしく召し上がれます。
ホタルイカとトマトとせりのパスタ
おもてなしにもおすすめな、せりとホタルイカを使ったパスタのご紹介です。ニンニクとアンチョビで作る旨味たっぷりのオイルパスタも、爽やかなせりの風味とトマトの酸味が加わってさっぱりといただけますよ!彩りもよく、テーブルがパッと明るくなる一品です。
ホタルイカとせりのおろし和え
続いてもホタルイカとせりを合わせた一品をご紹介します。味つけにはポン酢と白だしを使い、さっぱりと上品に仕上げました。普段の和え物もせりを加えるだけで、一気に風味豊かになるのでこのような使い方も覚えておくと便利ですよ!
さまざまなレシピでせりをおいしくいただこう!
今回は「せり」について解説しました。せり鍋のようにメインでいただくのはもちろん、ほかの食材と組み合わせてその爽やかな風味や香りを楽しむのもおすすめです。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひさまざまなせり料理を楽しんでみてくださいね!
