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コノシロってどんな魚?味や特徴、コハダとの違いについても解説!

コノシロってどんな魚?味や特徴、コハダとの違いについても解説!

「コノシロ」という魚をご存知ですか?成長するごとに呼び名が変わるため出世魚とも呼ばれていますが、一般的な出世魚とは少し異なる特徴があるんです。今回は、そんなコノシロの味わいや旬のほか、コハダとの違いなどもご紹介します。記事後半ではおいしい食べ方やおすすめレシピも登場するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

  • 目次
  • コノシロとは
  • コノシロは成長するにつれて呼び名が変わる
  • コノシロは出世魚じゃない?
  • コノシロのおいしい食べ方
  • 旨みたっぷり!コノシロやコハダを使ったおすすめレシピ
  • コノシロを食べてみよう!

コノシロとは

コノシロは、ニシン目ニシン科コノシロ属に分類される海水魚で、木の葉のように平たい体つきと、糸のように長く伸びた背ビレが特徴です。

背中は灰青色、腹は銀白色で、エラブタから尾にかけて黒い斑点が点線状に並んでいるため、全体的に黒っぽく見えることもあります。

生息域は、浅い沿岸部や河口の汽水域が中心で、日本では松島湾以南の太平洋沿岸や、新潟県以南の日本海沿岸に分布しています。国外では、南シナ海などにも見られる魚です。

全長は20〜30センチほどと中型で、味はさっぱりとしていながらも旨味がしっかり感じられます。クセが少ないため食べやすい魚ですが、非常に小骨が多いため、調理前にはしっかりと下処理をしておくことが大切です。

💡ワンポイント豆知識
「コノシロ」という名前の由来には諸説ありますが、そのひとつに「飯の代(このしろ)」からきているという説があります。かつて大量に獲れる魚だったため、「ごはんの代わりになるほど手に入りやすかった」という意味が込められていたとも言われています。
そのほかにもさまざまな説があるものの、正確な由来は今もはっきりとはわかっていません。

コノシロは成長するにつれて呼び名が変わる

実はコノシロは、ブリやスズキなどと同じ「出世魚」のひとつ。

稚魚から成魚になるまで、シンコ、コハダ、ナガズミ、コノシロの順に呼び名が変わっていきます。以下で、それぞれの特徴を確認してみましょう。

シンコ

「シンコ」はコノシロの稚魚のこと。身が小さく、やわらかく、繊細な味わいが特徴です。江戸前寿司では、6〜8月の初夏限定で登場する高級ネタとして知られています。

1匹がとても小さいため、2〜3枚を重ねて握るのが一般的で、初夏の涼を感じさせる一品です。シーズンのはじめにしか味わえないこのネタは、江戸時代から“粋”な寿司として愛されてきたそうですよ。

コハダ

全長7〜10センチ、若魚のコハダは8~9月ごろに旬を迎えます。定番のお寿司のほか、関東では、コハダを酢じめにしたものを粟に漬けた「こはだの粟漬け」をおせち料理の一品に作ることも多いのだそうです。

酢じめや天ぷら、塩焼きにしてもおいしくいただくことができますよ。

ナガズミ

コハダよりも大きく、コノシロよりも小さい時期が「ナカズミ」です。シンコやコハダより旨みが劣るわけではありませんが、この大きさまで成長すると寿司ネタとして使いづらくなるため、価格はぐっと安くなります。

コノシロ

15センチ以上の大きさになると「コノシロ」と呼ばれるようになります。市場ではほぼ通年見かけることができますが、旬は11月〜2月ごろの晩秋から冬の時期です。

この時期に水揚げされたものは脂のノリがよく、旨味がたっぷりつまっていますよ。

コノシロは出世魚じゃない?

コノシロは上記でもご説明したように、成長するにつれて呼び名が変わる「出世魚」です。

出世魚とは、本来「ブリ」や「スズキ」のように、大きくなるほど価値が上がっていく魚のことを指します。古くから立身出世の縁起物としても親しまれてきました。

しかし、コノシロの場合は逆。小骨が多く、大きくなるほど身がかたくなるため、寿司ネタとしては敬遠されがちで、シンコやコハダの方が価値が高いとされています。

そのため、コノシロは「逆出世魚」と呼ばれることもあるのです。

とはいえ、大きいコノシロにはコノシロならではのよさがあります。とくに寒い時期には脂がのって旨味も増し、焼き物や煮付けにすると絶品!

調理法を工夫すればとてもおいしくいただける魚ですので、見かけた際はぜひ試してみてくださいね。

コノシロのおいしい食べ方

強い旨味がありつつも、さっぱりとした後味が魅力のコノシロ。

江戸前寿司や、全国各地の郷土料理に使われることも多く、熊本県八代地域に伝わる「コノシロの姿寿司」は、道の駅や物産館に並ぶなど、地元の人だけでなく観光客にも人気の一品なのだとか。

コノシロは小骨が多いため、おうちでいただくときは「酢じめ」にするのが一般的です。

酢に漬け込んでいくうちに小骨や頭など固い部分がやわらかくなって、おいしく食べられますよ。

また、調理する前に小骨を処理する必要はありますが、コノシロ持前の旨みを活かして、天ぷらや唐揚げ、塩焼きにするのもおすすめ!詳しいレシピはこのあとご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。

旨みたっぷり!コノシロやコハダを使ったおすすめレシピ

ここからは、コノシロやコハダを使ったおすすめレシピをご紹介します。定番の酢じめはもちろん、塩焼きや唐揚げなど幅広いレシピをピックアップしたので、ぜひ気軽に挑戦してみてくださいね。

コノシロの塩焼き

シンプルなコノシロの塩焼きです。下処理をしたコノシロをオーブントースターで香ばしく焼きあげるだけで作れる簡単レシピですが、味は絶品!焼く前に塩をふりかけて1時間置くことで、コノシロの旨みがぐっと引き立ちます。今晩のおかずやお酒のおつまみに、ぜひ作ってみてくださいね。

コノシロのみぞれ和え

白いごはんやお酒のお供に、コノシロのみぞれ和えはいかがですか?からっと揚げたコノシロを大根おろしやポン酢で和えて、さっぱりおいしい一品に仕上げました。小ねぎの風味がアクセントになり、食べ始めるとついつい箸が止まらなくなるおいしさですよ。

コノシロの唐揚げ

サクッと香ばしい食感がクセになる、コノシロの唐揚げのレシピです。ポイントは、揚げる前にコノシロの皮目に細かく切り込みを入れ、骨切りすること!食感と同時に味なじみもよくなり、より食べやすく仕上がります。ぜひひと手間かけて、おいしく作ってみてくださいね。

コノシロのスパイシー唐揚げ

ピリッと刺激的な風味が食欲そそる、コノシロのスパイシー唐揚げのご紹介です。作り方はとても簡単で、ひと口大に切ったコノシロにカレー粉やチリパウダーなどを混ぜた衣を絡め、香ばしく揚げるだけでできあがります。いつもとひと味違う唐揚げが食べたいときにもぴったりなので、ぜひお試しくださいね。

コハダの酢じめ

今晩の晩酌のお供に、コハダの酢じめはいかがですか?コハダは、酢じめにすることで臭みが取れて食べやすくなり、さっぱりとした味わいを楽しめます。酸味が強い場合は、酢に砂糖を混ぜ合わせるとより食べやすくなりますよ。お好みで調節してみてくださいね。

コハダのちらし寿司

みじん切りにしたきゅうりとゆずの皮、白ごまを混ぜ込んだ酢飯の上に、コハダの酢じめや錦糸卵、いくらなどを散らして、味も見た目も大満足な一品に仕上げました。さまざまな食材の旨みが複雑に絡み合った奥深い味わいを、ぜひお楽しみくださいね。

コノシロを食べてみよう!

いかがでしたか?今回は、コノシロの特徴やおいしい食べ方、おすすめレシピなどをご紹介しました。コノシロは、逆出世魚などと言われてしまうこともありますが、旨味が強く、深みのある味わいを楽しめる魚です。小骨の処理に少し手間がかかりますが、定番の酢じめのほか、唐揚げや塩焼きなど意外にも幅広くアレンジすることができます。

見かけたらぜひ手に取っていただき、今回ご紹介したレシピを試してみてくださいね。

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2025.8.5 最終更新
※こちらの記事はに初公開した内容を再投稿したものです。

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