「水菓子」と聞くとどのようなものを思い浮かべますか?水ようかんやゼリーなど、水分の多いお菓子というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、どうやら本来の意味は違うようです。今回は水菓子とは一体なんなのか、特徴のほか、生菓子や干菓子との違いについて解説!暑い季節にうれしいフルーツを使ったレシピもご紹介します。
水菓子とは何を指す?本当の意味や由来、他のお菓子との違いについて解説!

- 目次
- 水菓子の本来の意味とは?
- 水菓子と呼ばれるようになった由来と語源
- 生菓子ってどんなもの?半生菓子などとの違いも解説
- ひんやりおいしいフルーツを使ったレシピをご紹介!
- 水菓子は和菓子ではなくフルーツだった!
水菓子の本来の意味とは?
「水菓子」と聞くと、言葉の響きから涼し気なイメージがあり、なんとなく水ようかんや水まんじゅう、わらび餅、葛きり、ゼリーなど、透明感のあるお菓子を連想してしまう方も多いですよね。しかし水菓子とは本来「果物(フルーツ)」のことを指す言葉なのです。詳しい由来はこのあとご紹介しますが、果物のことを「水菓子」と呼ぶようになったのは江戸時代の頃から、と言われています。
現在では水ようかんやわらび餅などを水菓子と呼ぶことも多くなってきているようですが、正式な意味ではないため、誤用とみなされることも。ちなみに、水ようかんなどのように水分を多く含む和菓子は「生菓子」に分類されます。
水菓子と呼ばれるようになった由来と語源
それでは、なぜ果物のことを「水菓子」と呼ぶようになったのでしょうか。
時は漢字が日本に伝来する前まで遡ります。
当時は、植物由来の食べ物全般のことをすべて「くだもの」と呼んでいたそうです。弥生時代に入り漢字が伝来して、くだものには「果子」や「菓子」という字が当てられるようになりました。
そして中国から仏教が伝わってきた頃、穀物を加工して作られる、現在でいうところのお菓子にあたる「唐果物(からくだもの)」も持ち込まれました。この頃にはそれら唐果物などを含め、正式な食事以外の食べ物のことを「くだもの」と呼んでいたのだとか。
さらに時が進んでいくにつれ、それぞれの呼び方が変化していきました。江戸時代には砂糖や小麦粉などを使用して人の手によって作られる甘い食べ物のことを「菓子」、果実類のことを「水菓子」と区別して呼ぶようになったのです。ちなみに果実類の呼び方は地域によって異なっていたようで、現在の京都やその周辺を指す上方では「くだもの」、江戸では「水菓子」と呼ばれていたのだそう。水菓子とは、主に江戸で使われていた呼び方だったのですね。
現在は全国的に果実類のことを「くだもの」と呼び、水菓子と呼ぶことはあまりありません。一方で、最近は水ようかんや水まんじゅうなどのことを「水菓子」と呼ぶことも多くなってきましたが、前述の通り誤用とみなされることがあります。
生菓子ってどんなもの?半生菓子などとの違いも解説
水菓子の由来を知ったところで、続いては水菓子だと思われがちな水ようかんや水まんじゅうといった「生菓子」の特徴について軽くチェックしてみましょう。和菓子は、水分量によって生菓子、半生菓子、干菓子に分けられます。ここではさらに氷菓子についても触れているので、あわせて参考にしてみてくださいね。
生菓子
和菓子において、水分量が30%以上含まれているものが「生菓子」です。主に大福や団子、どら焼き、おはぎなどがこれに当たります。餅やあんこが使われていることが多く、やわらかくしっとりとした食感のものがほとんどで、あまり日持ちしないのが特徴です。
半生菓子
水分量が10〜30%の和菓子を「半生菓子」と呼びます。代表的なものには最中やようかん、甘納豆などがあり、小さいサイズのものが多いようです。ただし、ようかんなどは作り方によって水分量が変わるため、しっかりと練られたものだと半生菓子になりますが、生菓子に分類されることもあります。
干菓子
「干菓子」は水分量が10%以下の乾いた和菓子のことで、落雁や煎餅、八ツ橋、金平糖などが該当します。軽い食感のものが多く、日持ちするのが特徴です。
氷菓子
「氷菓子」とはその名の通り、かき氷やアイスキャンディー、シャーベットなど、それぞれ糖蜜や果汁などを混ぜ合わせて凍らせたもののこと。乳脂肪分を含んだアイスクリームなども氷菓子に含まれることがあります。ちなみに、冷やした状態で提供されるお菓子の総称は「冷菓」と呼ばれ、これには上記に挙げた氷菓子のほか、ゼリーやプリン、パフェなども含まれます。
ひんやりおいしいフルーツを使ったレシピをご紹介!
ここからは、水菓子(フルーツ)を使ったひんやりおいしいスイーツのレシピをご紹介します。普段のおやつやデザートにぴったりな簡単レシピから、おもてなしにも活躍する華やかな見た目のレシピまでピックアップしました。ぜひ作ってみてくださいね。
電子レンジで作る 白あんいちご大福
フルーツを使った和菓子の定番、いちご大福を電子レンジで簡単に作ってみましょう!白玉粉と上白糖、水を混ぜ合わせて電子レンジで加熱するだけであっという間に生地ができあがります。このレシピでは白あんを使っているので、半分に切るといちごの色味が際立ち、見た目もかわいらしく仕上がりますよ。
簡単でおいしい桃のコンポート
さまざまなアレンジを楽しめる、桃のコンポートはいかがでしょうか。桃を皮ごとシロップで煮て、やさしい味わいに仕上げました。そのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトやアイスにのせて楽しめます。シロップも炭酸水で割るとおいしく飲めますよ。桃がおいしい時期にぜひ作ってみてくださいね。
とろとろ さくらんぼソースのパンナコッタ
とろとろのパンナコッタにさくらんぼで作る色鮮やかなソースをかけました。甘酸っぱいさくらんぼソースが濃厚な味わいのパンナコッタによく合い絶品ですよ!見た目も可愛らしいので、パーティーやおもてなしにもおすすめです。
レンジで簡単 さくらんぼジャム
もしさくらんぼが余っていたら、このレシピを試してみませんか?火を使わず、電子レンジだけでジャムが作れるんです!種は加熱後に取るので、下処理の手間もほとんどかかりません。少量だけジャムを作りたいときにも便利なので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
メロンカップのフルーツポンチ
メロンを器にしたフルーツポンチはパーティーにぴったり!フルーツだけでなく、器を整えるために削ったメロンと牛乳を合わせたゼリーも中に入れているので、食感楽しい一品に仕上がっています。最後にサイダーを注げば、味も見た目も涼やかなデザートが完成!ジューシーなフルーツとまろやかなゼリー、サイダーのシュワシュワが相まってやみつきになるおいしさですよ!
キウイとパイナップルのフルーツバー
夏の暑い日にうれしい!さっぱりおいしいフルーツバーを作ってみましょう。このレシピでは、キウイとパイナップルジュースを使っているので、トロピカルで爽やかな味わいを楽しめます。キウイを型に貼り付けるようにして、パイナップルジュースを加えたシロップを注ぎ入れるのが見た目も可愛く仕上げるポイントですよ!
シャリシャリひんやり すいかのシャーベット
夏のフルーツの定番、すいかを使ったシャーベットのレシピです。みずみずしくて甘いすいかと甘酸っぱい乳酸菌飲料が意外にも相性抜群で、暑い日に最適ですよ!おやつにはもちろん、食後のデザートにもおすすめです。シャリシャリとした食感も合わせてお楽しみください。
大人のデザート メロンと梨のブランデーマリネ
フルーツをいつもと違う食べ方で楽しみたいと思ったら、こちらのレシピがおすすめです!一口大に切った甘くてジューシーなメロンとみずみずしい梨にブランデーとレモン汁を加えて和えました。一口食べるとふわっとブランデーの香りが鼻に抜け、フルーツの甘みが一気に舌に広がります。おうち飲み会やパーティーなどにもおすすめの大人なデザートです。
手作り100%ぶどうジュース
果肉と皮を余すことなく使った、ぶどうのおいしさをまるごと味わえる100%ぶどうジュースのレシピをご紹介します。水も砂糖も使わずに作るので、濃厚な味わいのジュースに仕上がりますよ。水や炭酸水で割るだけでなく、ウイスキーなどを組み合わせるのもおすすめです。濾すときにぶどうを押さえてしまうと渋みが出てしまうので、やさしく濾すようにしてくださいね。ぶどうが手に入ったらぜひ作ってみてください。
シャインマスカットのムースケーキ
甘くてジューシーなシャインマスカットを贅沢に使ったムースケーキは、特別な日にぴったり!ふわふわのスポンジケーキでヨーグルトムースとシャインマスカットをはさんで、見た目も可愛らしく仕上げました。やさしい味わいのヨーグルトムースはすっきりとした後味で、シャインマスカットの甘さがよく合います。デコレーションもお好みで仕上げてくださいね。
水菓子は和菓子ではなくフルーツだった!
今回は「水菓子」の本来の意味について解説しました。由来を調べてみると、その時代の背景なども合わせて知ることができておもしろいですね!現在ではくだものやフルーツと呼ばれることがほとんどですが、歴史のある老舗の懐石料理屋さんだとまだ「水菓子」として提供されるところもあるようです。機会があったらぜひ確認してみてくださいね。
