煮物や炒め物など、いろいろな料理で使える「こんにゃく」。おいしく調理するにはアク抜きが必要ですが、正しいアク抜き方法を知っていますか?この記事では、こんにゃくの特徴や原料、種類とともに、こんにゃくのアク抜き方法について解説します。記事の後半でご紹介するこんにゃくを使ったおかずのおすすめレシピも必見ですよ!
こんにゃくのアク抜き方法とは?原料や種類についても解説!
- 目次
- こんにゃくの原料は?
- こんにゃくはどうやって作られているの?
- こんにゃくのアク抜き方法
- 塩もみ
- 下ゆで
- こんにゃくの種類
- 板こんにゃく
- つきこんにゃく
こんにゃくの原料は?
プリッとした食感がおいしく、いろいろな料理で活躍する「こんにゃく」は「こんにゃく芋」から作られた食品です。
このこんにゃく芋とは、サトイモ科の多年生植物であり、その地下茎の部分がこんにゃくの原料となっています。こんにゃく芋の原産地はインドシナ半島といわれていて、現在でも東南アジアではたくさんの種類のこんにゃく芋が自生しています。しかし食用として栽培しているのは中国の一部と日本だけで、東南アジアで自生しているこんにゃく芋のほとんどには食物繊維の一種である「グルコマンナン」が含まれておらず、加工しても固まらないのだそうです。
こんにゃくはどうやって作られているの?
そんなこんにゃく芋から作られるこんにゃくですが、一体どのように作られているのでしょうか。
現在では、こんにゃく芋を精粉(せいこ)にしてからこんにゃくに加工するのが一般的ですが、こんにゃくはもともと、こんにゃく芋の生芋をすりつぶして作っていました。そうして作ったこんにゃくはこんにゃく芋の皮が入るため、黒っぽい色に仕上がります。また、こんにゃく芋は日持ちせず、すぐに傷んでしまう食材なので、昔はこんにゃく芋が採れる秋にしかこんにゃくが食べられなかったようです。その後、江戸時代になるとこんにゃく芋を乾燥させ、粉にする技術が生み出され、全国に普及していったと言われています。
精粉は保存性が高いので、こんにゃく芋の収穫時期に関係なく、一年中こんにゃくを食べられるようになりました。ちなみに精粉とは、こんにゃく芋を薄切りにして乾燥させた荒粉を、さらに細かく製粉したもので、精粉から作ったこんにゃくは白色に仕上がります。ただ、地方によっては昔ながらの作り方で作られる黒いこんにゃくが見慣れていて、精粉で作られる白いこんにゃくに違和感があり、あまり好まれなかったため、アラメやヒジキなどといった海藻の粉末を混ぜて黒こんにゃくにすることもよくあるんですよ。
こんにゃくのアク抜き方法
こんにゃくにはアクがありますが、この正体は原料のこんにゃく芋が持つにおいやえぐみ、さらにこんにゃくを作るときに使う凝固剤の水酸化カルシウムのえぐみです。そのため、こんにゃくはアク抜きをしてから料理に使う必要があります。
現在ではアク抜き不要の商品も存在していますが、その表示がない場合はアク抜きをしないと料理がおいしく仕上がらない可能性も。ここでは、こんにゃくをおいしく食べるための正しいアク抜き方法について解説するので、チェックしてみてくださいね。
塩もみ
食べやすい形に切ったこんにゃくを塩もみします。板こんにゃく1枚に対し、小さじ1杯ほどの塩が目安です。そうすることで、こんにゃくに含まれる余分な水分とともに臭みを取り除くことができます。また、水分が抜けることで味が染みこみやすくなるといったメリットもあります。
下ゆで
ゆでることで、こんにゃくに残っているアクをさらに抜くことができます。塩もみしたときの塩を落とさず、中火で2〜3分ゆでましょう。ゆでたらザルにあげて水気を切ったらアク抜き完了!粗熱をとってそのまま料理に使うことができますよ。
塩もみをするとこんにゃくに塩味がつきます。塩気をつけたくない場合は、下ゆでだけでアク抜きすることも可能なので、作る料理に合わせたアク抜きをお試しくださいね。
こんにゃくの種類
さきほどもご説明したように、こんにゃくには昔ながらの方法で作った生芋こんにゃくと、精粉から作った白こんにゃく、それを着色した黒こんにゃくがあります。生芋こんにゃくは、こんにゃく芋の風味をよく感じられること、さらに歯切れがよいのが特徴です。一方、精粉から作ったこんにゃくはツルッとした食感があります。
また、こんにゃくは、形状によっても分類することができるので、ここでは、こんにゃくの形による種類について見てみましょう。
板こんにゃく
板のような形に成形したこんにゃく。好きな形に切って使うことができるので、おでんや煮物など、幅広い料理に使われます。
つきこんにゃく
板こんにゃくをところてんのように押し出して成形したものがつきこんにゃくです。炒め物などに使うときに、ほかの食材となじみやすい形状でありながら、こんにゃくの食感がしっかり残っているのが魅力です。
玉こんにゃく
玉こんにゃくは、型などを使わず丸めてゆでたものです。唐辛子を練りこんだピリ辛味のものや、野菜パウダーなどを練りこんでカラフルに仕上げたものなどもあり、煮物やおでんなどにそのまま入れることができます。
糸こんにゃく
細い穴に通しながらゆでることで糸状に成型したものが、糸こんにゃくです。なかでも白い糸こんにゃくを「しらたき」と呼びます。味が絡みやすく、すき焼きや和え物に適しています。
さしみこんにゃく
さしみこんにゃくはそのまま食べられるこんにゃくです。精粉から作られたものが多く、白っぽい色をしています。また、水分量が多いので、ツルッとした食感を楽しめるのも魅力の一つです。商品によって、青のりやあおさ、ごまなどを練りこんで色や風味を加えているものも多くあります。
粒こんにゃく
粒こんにゃくは、ごはん粒のような小さな粒状になっているこんにゃくのことです。プチプチとした食感で味にクセがないので、ごはんに混ぜて炊いたり、サラダやスイーツなどさまざまな料理に加えてアレンジすることができます。
こんにゃくを使ったおいしいレシピをご紹介!
さてここからは、こんにゃくを使ったおいしいレシピをご紹介します。いろいろな味つけの煮物や炒め物のレシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
ナスとこんにゃくのさっぱりバターポン酢炒め
意外な組み合わせ!ごはんが進む味わいの、ナスとこんにゃくのバターポン酢炒めをご紹介します。ポン酢を使ったさっぱりとした味つけに、バターの香りが加わりとってもおいしいですよ。こんにゃくは、スプーンでちぎるように切ると表面積が増え、味が染みこみやすくなります。
こんにゃくとしめじの梅おかか煮
パパッと作れる、こんにゃくとしめじの梅おかか煮はいかがでしょうか。めんつゆを使った簡単な味つけですが、梅干しの酸味やかつお節の旨味が加わることで、深みのある味わいに仕上がりますよ。お好みのきのこを使って作ってみてくださいね。
具だくさん けんちん煮
具だくさんで食べごたえ抜群!けんちん煮を作ってみましょう。こんにゃくや根菜、鶏胸肉などの具材を、しょうゆやみりん、顆粒和風だしを使って煮ました。心に染みるようなやさしい味わいで、箸がどんどん進みますよ。
圧力鍋で作る ぼっかけ
圧力鍋を使って時短で作れる、ぼっかけのご紹介です。ぼっかけとはもともと、捨てられてしまうことも多かった牛すじをおいしく食べるために関西地方で考案された料理なのだそうです。牛すじ肉がやわらかくなるまで煮込むには時間がかかりますが、このレシピでは圧力鍋を使って短時間で仕上げました。おかずにもおつまみにもぴったりなので、ぜひ作ってみてくださいね。
牛すじ串のどて焼き
よく煮込んだやわらかい食感がたまらない、牛すじ串のどて焼きはいかがでしょうか。みそや砂糖を使った甘辛い味つけに、七味唐辛子がアクセントとなりとってもおいしいですよ。串に刺すことでパクパクと食べやすく、おつまみにもおすすめです。
こんにゃくをおいしく食べよう!
今回は、こんにゃくの原料や種類、アク抜き方法について解説し、おすすめレシピをご紹介しました。こんにゃくを使った料理は食べごたえがあり、食事の満足感もアップしますよ。今回ご紹介したアク抜き方法やレシピを参考に、ぜひおうちでこんにゃくを料理してみてくださいね。