鮮やかな若草色が目をひく「よもぎ餅」。口の中に広がるさわやかな香りとやさしい甘さが魅力の和菓子ですよね。今回は、よもぎ餅の特徴や歴史、一見すると同じもののように見える草餅との違いについて解説します。記事の後半では、よもぎを使ったスイーツのおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
よもぎ餅とは?特徴や草餅との違いの解説や簡単レシピもご紹介!

- 目次
- よもぎ餅ってどんなお菓子?
- よもぎ餅の歴史や草餅との違いは?
- よもぎ餅の作り方は?
- よもぎを使ったおすすめレシピをご紹介!
- 電子レンジで簡単 よもぎ大福
- だんご粉でかんたん草餅団子
- だんご粉でもちもちよもぎ笹餅
- 冷たいデザートやわらかよもぎ餅
よもぎ餅ってどんなお菓子?
「よもぎ餅」は、よもぎの葉を練りこんだ餅のことで、鮮やかな若草色をしているのが特徴です。よもぎのさわやかな香りのする餅であんこを包んだりきな粉をつけて食べたりと、地域やお店によって食べ方はさまざまです。
鹿児島県の奄美では、「かしゃ餅」と呼ばれるよもぎ餅があります。かしゃ餅とは、「かしゃ」とも呼ばれるクマタケランの葉によもぎ餅を包んだお菓子です。この地域では、昔からよもぎがよくとれたことから、作られるようになったのだとか。
よもぎ餅の材料であるよもぎは、キク科ヨモギ属の多年草植物。食用にするのは主に春から初夏にかけての若葉で、よもぎ餅のほかにはおひたしや天ぷら、よもぎ茶として食べることができます。葉をすりつぶすと粘りが出るので団子などのつなぎとしても利用され、「もちぐさ」と呼ばれることも。特有のさわやかな香りが春の訪れを感じさせることから、よもぎ餅も春の和菓子と認識している方も多いのではないでしょうか。
実際によもぎ餅は、古くから3月3日の桃の節句に食べられていたという歴史もありますが、よもぎ餅の歴史についてはこの後詳しくご説明します。
よもぎ餅の歴史や草餅との違いは?
よもぎ餅の起源は、中国の習わしにあるとされています。3月3日の上巳の節句に、香りの強い草を使った餅を食べることで、けがれを祓うというものです。上巳の節句というのは日本でいう桃の節句のことで、日本には平安時代にその習慣が伝わってきて、現在でもひな祭りの菱餅の緑色の部分に使われています。
ただし、もともとはよもぎを使っていたのではなく、「御形(ゴギョウ)」という草が使われていて、日本に伝わったあとによもぎが使われるようになりました。御形は別名「母子草」ともいい、草をすりつぶす工程が「母子をすりつぶす」を連想させ、縁起が悪いと考えられたためでした。また、よもぎは日本各地に自生していることからもわかるように、繁殖力が強いので、子孫繁栄や無病息災の願いを込めるという意味もあったそうです。
よもぎ餅と同じように、香りのいい草を練りこんだ「草餅」もありますよね。どのような違いがあるのか、はっきりとわからない方が多いのではないでしょうか。実は、草餅にはよもぎが使われていることが多く、現在ではよもぎ餅と草餅の違いはほとんどありません。しかし、上で説明したようなよもぎ餅の成り立ちの背景から、地域やお店によっては、御形を使って草餅を作っている場合もあるんですよ。
よもぎ餅の作り方は?
それでは、よもぎ餅の作り方を見てみましょう。
よもぎ餅に使うよもぎは、重曹を入れたお湯でゆでてあく抜きし、すりつぶして使います。よもぎ餅の生地は、上新粉や白玉粉などの米粉を使用し、水や砂糖を加えてこね、耳たぶくらいの固さに作ります。生地を適当な大きさにちぎってから蒸し器で蒸し、冷めないうちによもぎを加え、色が均一になるようによくこねながら混ぜたら完成です。
それから、あんこを包んだりきな粉をかけたりして食べます。オーブントースターや炭火で焼いたり、あんこを包むのではなくのせて食べたりしてもおいしいですよ。
よもぎを使ったおすすめレシピをご紹介!
ここからは、よもぎを使ったおすすめレシピをご紹介します。電子レンジで簡単に作れるよもぎ大福や、よもぎの香りの生チョコなど、絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
電子レンジで簡単 よもぎ大福
手軽に作れる、よもぎ大福のご紹介です。白玉粉やよもぎパウダーで作った生地を、蒸し器ではなく電子レンジで加熱しました。加熱は2度に分け、途中で1度混ぜると均一な仕上がりになりますよ。生地は冷める前の方がよく伸び、きれいにあんこを包みやすいのですが、加熱直後の生地は熱いので火傷に注意してくださいね。
だんご粉でかんたん草餅団子
午後のおやつにもおすすめ!「だんご粉でかんたん草餅団子」はいかがでしょうか。よもぎの香りのお団子に、甘いあんこが相性抜群です。串に刺さずに盛りつけてもかわいく仕上がりますよ。
だんご粉でもちもちよもぎ笹餅
とっても簡単な、よもぎ笹餅を作ってみましょう。団子粉と熱湯、よもぎパウダーを混ぜ合わせたものを電子レンジで加熱し、生地を作りました。あんこは包むのではなくお餅で挟みますが、それもまたおしゃれな見た目ですよ。よもぎと笹の葉の香りがとってもさわやかで、何個でも食べられそうなおいしさです。
冷たいデザートやわらかよもぎ餅
ぷるぷるもちもち食感がたまらない、やわらかよもぎ餅をご紹介します。片栗粉とよもぎパウダー、上白糖を水で溶き、加熱したあと冷水にとって冷やしました。よく混ぜ合わせながら加熱するのが均一に仕上げるポイントです。ぜひお試しくださいね。
よもぎ香るとろける生チョコ
意外な組み合わせの、「よもぎ香るとろける生チョコ」はいかがでしょうか。口の中でとろける生チョコに、よもぎの香りが相性抜群!きな粉の香ばしい香りも加わることで、ほっとするような味わいがたまりません。お茶菓子にもぴったりですよ。
ぐるぐるよもぎあんクッキー
見た目もとってもかわいい、よもぎあんクッキーを作ってみましょう。よもぎパウダーを練りこんだ緑色のクッキー生地の上につぶあんを塗り広げ、くるくる巻いてから包丁でスライスしました。渦巻き模様のサクサクのクッキーは、香ばしいよもぎの香りでとってもおいしいですよ。
よもぎが香るシフォンケーキ
よもぎを使った和の香りのシフォンケーキをご紹介します。よもぎの風味豊かなシフォンケーキに、ホイップクリームとつぶあんがよく合います。おもてなしにもおすすめなので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
よもぎを使った料理を作ってみよう!
今回は、よもぎ餅の特徴や歴史、草餅との違いについて解説し、よもぎを使ったおすすめレシピもご紹介しました。よもぎは、お餅などの和菓子にはもちろん、クッキーや生チョコなどの洋菓子にもよく合います。鮮やかな緑色とさわやかな香りで、いつもとはまた違ったおいしさを楽しめますよ。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひ作ってみてくださいね。
クラシルでは、よもぎを使ったレシピをほかにもご紹介しています。そちらも、ぜひ参考にしてみてください。
