お寿司にはわさび、そうめんにはネギなど、さまざまな料理の味を引き立てるために欠かせない「薬味」。「薬味」は料理の味や見た目を引き立てるだけでなく、昔から健康維持のためにも取り入れられてきました。今回は、一般的な薬味の種類と効能や特徴、さらにおすすめレシピなどをご紹介します。
薬味の種類と効能|香りと味を引き立てる切り方も紹介
- 目次
- 薬味とは?
- 薬味の種類と効能をご紹介
- 【ねぎ】特徴と薬味としての切り方
- 【生姜】特徴と薬味としての切り方
- 【ミョウガ】特徴と薬味としての切り方
- 【大葉】特徴と薬味としての切り方
- 【わさび】特徴と薬味としての準備
- 【ゆず】特徴と薬味としての準備
- 【三つ葉】特徴と薬味としての準備
- 薬味の語源
- 組み合わせを楽しむ!薬味を使ったおすすめレシピ
- 色々な薬味を使い分けて楽しもう!
薬味とは?
薬味とは、料理に少量添える香味野菜や香辛料のことです。主に和食には欠かせない存在で、刺身や寿司にはわさび、汁物にはねぎ、煮物には生姜など、少量添えるだけでも料理全体に独特の香りや酸味、辛味が加わり、より深い味わいになります。
また、薬味には風味をアップさせてくれるだけでなく、健康や衛生面においてもさまざまな効果が期待されていて、昔から体調に合わせて料理などに取り入れられてきたようです。
薬味の種類と効能をご紹介
和風の料理にはもちろん、中華料理や西洋料理、韓国料理など世界各地の料理に用いられている「薬味」。 日本の場合は味の変化を楽しむためだけでなく、料理の見た目を美しく仕上げるために添えられることもあります。
今回は、日常的に使われる代表的な薬味をピックアップし、それぞれの特徴や料理での役割をご紹介します。
| 食材 | 効能 | |
|---|---|---|
| ねぎ | 疲労回復・免疫力向上 | |
| 生姜 | 殺菌力・食欲増進 | |
| ミョウガ | 食欲増進・発汗作用 | |
| 大葉 | 殺菌作用 | |
| わさび | 抗菌作用・食欲増進 | |
| ゆず | 免疫力向上 | |
| 三つ葉 | リラックス・食欲増進 |
【ねぎ】特徴と薬味としての切り方
ねぎ特有の強い香りは、「硫化アリル」という揮発性の成分によるものです。肉や魚などのくさみを取り除くほか、抗菌作用、疲労回復、血流促進、免疫力向上などに効果があります。
硫化アリルの働き
硫化アリルには、ビタミンB1の吸収率を上げる働きがあるので、ビタミンB1が多く含まれている豚肉や大豆、玄米などと一緒に食べるのがおすすめです。また、水に溶けやすく熱に弱いため、水にさらさず生で食べると効率よく摂取できますよ。
薬味として使いやすいねぎの切り方
長ねぎは使いやすい長さに揃えると、調理や盛り付けがしやすくなります。まず、長さを5cm程度に切り、縦半分に切って芯を取り除きます。芯が固い場合は取り除くことで、食感が柔らかくなります。次に、平らな面を下にして包丁で繊維に沿って細く千切りにすると、薬味として扱いやすく、香りも立ちやすくなります。
🌟クラシルシェフからのコメント🌟
白髪ねぎや小口切りのねぎだけでなく、青い部分も薬味として使えるので、彩りや風味を活かせます。切ったねぎは、料理の仕上げに散らすと香りと見た目のアクセントになりますよ。
【生姜】特徴と薬味としての切り方
生姜に含まれる香り成分「シネオール」には、食欲増進効果があるとされています。食欲がなくなりやすい夏場にぴったりの薬味で、冷や奴やそうめんなどに添えれば、よりさっぱりとした味わいになり、食べやすくなりますよ。
香り成分の働き
生姜を加熱・乾燥させると、辛味成分「ジンゲロール」の一部が「ショウガオール」に変化します。ジンゲロールは殺菌作用を持ち、ショウガオールは血行をよくして体を温める働きがあります。
薬味として使いやすい生姜の切り方
生姜は、まず皮を薄くむき、使いやすい大きさに切ります。次に、平らな面を下にして繊維に沿って細く千切りにすると、薬味として扱いやすく、香りも立ちやすくなります。料理の仕上げに散らすと、香りと見た目のアクセントになります。
🌟クラシルシェフからのコメント🌟
千切りにした生姜は、冷や奴やそうめんなどの薬味として使うと風味が際立ちます。加熱する場合は、香りと辛味のバランスを見ながら加えると、料理全体の味を引き締められます。
【ミョウガ】特徴と薬味としての切り方
ミョウガの独特な香りは「アルファピネン」という精油成分によるもので、料理に爽やかな風味を加える薬味として使われます。冷や奴やそうめん、和え物に添えると、料理の味を引き立て、食べやすくしてくれます。
薬味として使いやすいミョウガの切り方
ミョウガはまず縦半分に切り、平らな面を下にして包丁で繊維に沿って細く千切りにします。千切りにすることで薬味として扱いやすく、香りも立ちやすくなります。料理の仕上げに散らすと、香りと見た目のアクセントになります。
🌟クラシルシェフからのコメント🌟
ミョウガは香りが強いので、少量でも料理の味を引き締めることができます。千切りにして薬味として使うと、さわやかな香りが際立ちます。
【大葉】特徴と薬味としての切り方
刺身や和え物などに添えられることが多い大葉は、彩りと風味を加える薬味として重宝されます。大葉特有の芳香成分「ぺリルアルデヒド」によって、料理に爽やかな香りを添えられるのが特徴です。また、β-カロテンやビタミンB2、カルシウムなどの栄養素を含んでいます。
薬味として使いやすい大葉の切り方
大葉は葉を重ねて軸を切り落とし、丸めて包丁で繊維を断つように細く千切りにします。千切りにすることで、薬味として扱いやすく、香りも立ちやすくなります。料理の仕上げに散らすと、香りと見た目のアクセントになります。
🌟クラシルシェフからのコメント🌟
千切りにした大葉は、刺身や冷ややっこなどの薬味として最適です。油を使った料理と組み合わせると、香りがより引き立ち、彩りも豊かになります。
【わさび】特徴と薬味としての準備
わさびは日本原産の香辛料で、豊富な湧水のある土地で栽培されています。わさび特有のツーンとした辛みは「アリルイソチオシアネート」という成分によるもので、料理に独特の香りと辛みを加える薬味として重宝されます。刺身や冷ややっこなどに添えると、味を引き締め、食欲を引き立てます。
薬味として使いやすいわさびの準備方法
わさびはすりおろして使うのが基本です。根元から先端まで均等にすりおろすことで、香りと辛みが均一に料理に広がります。
🌟クラシルシェフからのコメント🌟
わさびはすりおろした直後が香りと辛みのピークです。使う直前にすりおろすと、料理の風味を最大限に引き出せます。
【ゆず】特徴と薬味としての準備
ゆずゆずは香り豊かな柑橘類で、料理に爽やかな風味を加える薬味として使われます。皮には果肉よりも香り成分やビタミンCが多く含まれており、料理の味を引き立て、彩りも良くしてくれます。
薬味として使いやすいゆずの準備方法
ゆずは皮をすりおろしたり、千切りにして使うと、香りと味を効率よく料理に加えられます。皮ごと余すことなく使うことで、香りや彩りを最大限に活かせます。千切りにしたゆずの皮は、鍋物や和え物に加えると香りが際立ちます。
【三つ葉】特徴と薬味としての準備
三つ葉は上品で爽やかな香りが特徴の薬味で、「クリプトテーネン」という成分が含まれています。料理の風味を引き立て、刺身や吸い物、和え物に添えると、見た目も香りも楽しめます。
薬味として使いやすい三つ葉の切り方
三つ葉は根元を切り落とし、茎と葉を分けます。茎は細かく刻み、葉は重ねて丸め、包丁で細かく千切りにすると、薬味として扱いやすくなります。仕上げに散らすことで、香りと彩りのアクセントになります。茎と葉を分けて使うと、茎は煮物や汁物に、葉は仕上げの薬味として香りを活かせます。
薬味の語源
薬味の語源には諸説ありますが、元々は医学用語として使われていた言葉だったと言われています。漢方で薬を処方する際、メインとなる薬に少量の補助薬を加えており、それを「加薬味(かやくみ)」と呼んでいたことから「薬味」と呼ばれるようになった説が濃厚なようです。ほかにも、役に立つから「やくみ」と呼ばれるようになったという説もあります。
組み合わせを楽しむ!薬味を使ったおすすめレシピ
さまざまな料理との組み合わせを楽しむのも薬味の醍醐味!ここからは、薬味を使ったおすすめレシピをご紹介します。
きゅうりと薬味たっぷりのピリ辛冷や奴
みょうがと大葉をたっぷりのせれば、淡白な冷や奴もあっという間にごちそうに。夏バテ予防にも最適な一品です。
お鍋は使わずレンジで簡単!ふろふき大根
ゆずは、ふろふき大根などの蒸し料理やお吸い物、湯豆腐など冬の和食にぴったりな薬味です。風味豊かなゆずの香りでより食欲をそそられますよ。
ふわとろ親子丼
ふわふわとろとろの親子丼には三つ葉の葉をのせましょう。鮮やかな緑色と上品で爽やかな香りが加わり、見た目はもちろん、全体の味わいもぎゅっと引き締まりますよ。
お家でも マグロの漬け丼
生魚には、強い殺菌効果を持つワサビが最適!ワサビの程よい辛さがアクセントにもなり、最後まで飽きが来ることもありません。食材の味を引き立てるだけでなく、その効果も納得の組み合わせですね。
色々な薬味を使い分けて楽しもう!
薬味は、先人たちの知恵がたくさん詰まった名脇役。メイン料理の鮮度や味を引き立てるだけでなく、私たちの体調まで整えてくれています。 上手に活かして、さまざまなアレンジをお楽しみくださいね。
また、クラシルでは、今回ご紹介したレシピ以外にも、さまざまな薬味を使ったレシピをご紹介しています。ぜひご家庭でも気楽に作ってみてくださいね。
