最終更新日 2023.6.2

伝統的なハーブ「フェンネル」とは?特徴やおすすめの使い方

伝統的なハーブ「フェンネル」とは?特徴やおすすめの使い方

「フェンネル」とはセリ科ウイキョウ属の多年草で、アニスによく似た香りを持つハーブのこと。日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパでは古くから薬草として用いられてきた、伝統的なハーブなんです。今回はフェンネルの特徴をはじめ、おすすめの食べ方や保存方法、さまざまな活用レシピなどをご紹介します。

  • 目次
  • フェンネルとは?
  • フェンネルの歴史
  • フェンネルの食べ方
  • 鱗茎
  • 種(フェンネルシード)
  • おいしいフェンネルの選び方と保存方法
  • 選び方

フェンネルとは?

「フェンネル(fennel)」とは、ディルやアニスによく似た甘い香りを持つハーブのこと。セリ科ウイキョウ属の多年草で、日本では「茴香(ウイキョウ)」、イタリアでは「フィノッキオ」と呼ばれています。

フェンネルの葉は針のように細くふわふわとしており、甘くすっとするような独特の香りがあります。根元の部分(鱗茎)は新玉ねぎのように肥大しており、薄くスライスするとシャキシャキとした食感を楽しむことができます。

ヨーロッパ諸国では日常的に食べられていて、主にサラダやパスタ、魚料理の香りづけなどに使われます。近年、日本の飲食店でも使われるようになってきましたが、まだ一般的ではないので、スーパーなどで見かける機会は少ないかもしれませんね。

フェンネルの歴史

フェンネルの歴史はとても古く、古代ローマ時代には薬草として用いられていたと言われています。フェンネルが人々の生活の中で盛んに用いられるようになったのは中世以降のことで、入浴剤としても利用していたそうです。

後にフェンネルは中国へ伝わり、茴香と呼ばれるようになりました。名前の由来は諸説ありますが「魚の香りを回復させる」という意味でつけられた説や、鎌倉時代に日本にも伝わった中国語の読み方「唐音読み」によるものという説もあります。

中国のミックススパイスである「五香粉」や漢方薬にも使われており、やがて日本へと伝わりました。

日本に残っているフェンネルの記録で一番古いものは、なんと平安時代のものです。フェンネルが日本でどれほど浸透していたのか定かではありませんが、かの有名な松尾芭蕉の句でも茴香は季語として使われていることから、意外と高い認知度があったのかもしれません。

フェンネルの食べ方

フェンネルは魚料理と相性がよく、甘くさわやかな風味が魚のおいしさを引き立ててくれます。葉、鱗茎、種の部分で食感や食べ方が異なりますので、それぞれに合わせた調理法でいただきましょう。

葉の部分は、生のままハーブとして食べることができます。ちぎってサラダに加えるほか、細かく刻んで和え物やパスタ、スープの具材に加えると、甘くさわやかな風味をプラスすることができます。また、カルパッチョや魚のソテーなど魚料理の仕上げに添えると、グンと高級感のある味わいに仕上げることができますよ。

鱗茎

鱗茎は生だとセロリのようなシャキシャキとした食感、加熱すると新玉ねぎのような甘味を楽しむことができます。薄くスライスしてサラダに加えるほか、加熱してスープやパスタ、ピクルスの具材として使ったり、ポタージュにすることもできます。特に、イタリア料理の「パスタコンサルデ」というイワシとフェンネルを使ったパスタは、代表的な料理のひとつです。

種(フェンネルシード)

フェンネルシードはスパイスとして、魚料理やピクルス、カレー、リキュールなどの風味づけに使われます。また、インド料理店のレジ横に置いてあるカラフルなシードは「ソーンフ」と呼ばれる、フェンネルシードを砂糖でコーティングしたものです。インドでは食後のお口直しとしていただくそうですよ。

おいしいフェンネルの選び方と保存方法

せっかくフェンネルを購入するなら、新鮮でおいしいものを選びたいですよね。こちらでは、新鮮なフェンネルの選び方と正しい保存方法をご紹介します。

選び方

葉がみずみずしくてハリがあり、しなびていないものを選びましょう。鮮度が落ちると葉が黄色っぽくなるので、そのようなものは避けた方がいいでしょう。また、鱗茎は十分に丸く膨らんでいて、色が白いものを選びましょう。

保存方法

フェンネルは葉つきで販売されていることが多いですが、持ち帰ったら必ず葉と鱗茎を切り離して保存しましょう。鱗茎はそのままポリ袋に入れ、葉は湿らせたキッチンペーパーなどで包んでからポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。

食べきれない場合は冷凍保存がおすすめ

フェンネルを一度に食べきれない場合は、冷凍保存がおすすめです。葉や鱗茎は食べやすい大きさに切ってラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存しましょう。

また、召し上がる際は事前に解凍せず、直接料理に加えて必ず再加熱してください。冷凍するとシャキシャキとした食感が失われてしまうので、葉はパスタのやスープの香りづけに、鱗茎はポタージュや煮込み料理に活用するのがおすすめですよ。

フェンネルの活用レシピをご紹介!

フェンネルの魅力を知ったところで、ここからはフェンネルの活用レシピをご紹介します。どれも手軽に作ることができるレシピばかりなので、ぜひ参考にしてくださいね。

フェンネルソースのシンプルパスタ

鮮やかな緑色が見た目にもさわやかなフェンネルソースのパスタです。フェンネルはバジルのようにパスタソースとして使うことができますよ。ニンニクやオリーブオイルと一緒にフードプロセッサーで撹拌してソースにします。フェンネルがさわやかに香る上品な味わいは、一度食べたらやみつきになること間違いありませんよ!

ツナポテトフェンネルカナッペ

フェンネルと相性のよい、ツナとじゃがいもを使ったカナッペです。フェンネルを調理したことがない方もこちらのレシピなら簡単です。電子レンジで加熱したじゃがいもに、ツナと刻んだフェンネルを混ぜて、フランスパンにのせるだけ。フェンネルの甘い香りがアクセントになって絶品です!ぜひ、お酒のおつまみにお召し上がりくださいね。

フェンネル風味ツナポテトサンドウィッチ

サンドウィッチにもフェンネルを使って、さわやかで上品な味わいに仕上げてみませんか?先ほどもご紹介した通り、フェンネルはツナやじゃがいもと相性抜群です。フェンネルを細かく刻むことで、マッシュしたじゃがいもとよく絡み、さわやかな風味を存分に楽しむことができますよ。朝食にもお酒のおつまみにもおすすめの一品です。

※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。様子を確認しながら完全に火が通るまで、必要に応じて加熱時間を調整しながら加熱してください。

※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W220℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。

フェンネルとじゃがいものアンチョビソテー

フェンネルの鱗茎は、炒め物やスープにするのがおすすめです。こちらのレシピでは、じゃがいもやニンニク、アンチョビと一緒にソテーして、旨味と塩気の効かせました。葉は生のまま仕上げにパッと散らして、さわやかな香りを活かします。フェンネルのおいしさをまるごと楽しむならこちらのレシピを試してみてはいかがでしょうか?

フェンネルとサーモンのカルパッチョ風サラダ

フレッシュなフェンネルとサーモンの風味がおいしいカルパッチョ風のレシピのご紹介です。ドレッシングに使用したレモンのさわやかな味わいもほどよくマッチした一品です。バゲットや白ワインとともに、おもてなしのアンティパストにもおすすめですので、ぜひ作ってみてくださいね。

フェンネルたっぷりコンソメスープ

フェンネルとベーコンを使った、シンプルなコンソメスープです。フェンネルは煮込むと甘味が引き立つので、スープにもぴったりな食材!フェンネルの甘味とベーコンの旨味を活かすために、味つけはシンプルにコンソメ顆粒と塩こしょうのみです。さっと作ることができるので、手軽にフェンネルを楽しみたいときにもおすすめですよ。

フェンネルのポタージュ

フレッシュなフェンネルが手に入ったら、ぜひ試していただきたいのがポタージュです。なめらかな舌触りのポタージュにフェンネルのさわやかな香りが相性抜群。フェンネルの甘味が効いた上品な味わいは、ほかのハーブでは楽しめないおいしさです!おもてなしの一品としても喜ばれますので、ぜひ作ってみてくださいね。

甘く上品な香りを楽しもう!

いかがでしたか?フェンネルの特徴をはじめ、おすすめの食べ方や選び方、さまざまな活用レシピなどをご紹介しました。フェンネルは甘く上品な香りを持つハーブで、サラダやパスタ、ポタージュなどさまざまな料理に活用することができます。フレッシュなフェンネルを見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。

※20歳未満の飲酒はやめましょう。

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